異空のゼロ   作:89式小銃

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どうも89式小銃です。

物語の都合上、宮部さんが多少博識になっていたり史実日本が情報統制した戦いの事実を知っていたりしますが生暖かい目で見て頂いたら幸いです。

それではどうぞ。



02 情報交換

 

 

 

天城「宮部 久蔵…良い名前ですね」

 

宮部「ありがとう御座います」

 

神通「その姿もそうですがやはり重桜人と似ていますね」

 

宮部「重桜…私は日本人ですよ」

 

天城「ニホン…それが宮部さんの祖国ですか?」

 

宮部「はい。私がやって来た世界―地球にある国です」

 

天城「…宮部さんの境遇を含めてそちらの世界に少し興味があります。しばしの間、お互いの世界の情報を交換と言う形でお話しませんか?」

 

天城が提案する。

 

宮部「分かりました」

 

宮部が天城の提案に乗る。

 

天城「では私達から話しましょう」

 

宮部「よろしくお願い致します」

 

先に天城から語り始める。

 

天城「まずこの世界ですが…簡単に言いますと今現在、世界規模で戦争中です」

 

宮部「世界規模の戦争…」

 

前の世界で戦った大東亞戦争を思い出す。

 

天城「そして私達の敵は人類ではありません」

 

宮部「人類では無い…?」

 

天城の衝撃的な言葉に驚く。

 

天城「突如として現れた人類に敵対的な謎の勢力、その名をセイレーンと言います」

 

宮部「セイレーン…ですか?」

 

天城「はい、そのセイレーンによって全人類の3分の1が死に絶え、数多の国が滅亡しました」

 

宮部「………」

 

普通の戦争とは比にならないあまりの被害の大きさに言葉が出ずにいた。

 

天城「そこで人類が対抗するために開発したのが私達KAN-SENということです」

 

宮部「なるほど…ところで貴方方KAN-SENは、どうやってそのセイレーンと言う敵に対抗するのですか?」

 

天城「それについては見て頂いた方が早いでしょう。神通」

 

神通「分かりました」

 

正座していた神通が立ち上がる。

しばらくすると神通の周りに青い光が現れ、主砲や魚雷発射管が装備されている艤装を身に着けた神通が現れる。

 

天城「これがKAN-SENの命とも言える武器、艤装です」

 

説明を受けた宮部が興味深そうに神通の艤装をまじまじと見る。

 

宮部「なるほど…艦艇の砲や魚雷発射管を人が扱える程まで小さくした物…ということで良いでしょうか?」

 

天城「そのような考え方で良いと思います」

 

しばらくして艤装を見終えた宮部が神通に艤装を見せてくれたことを感謝し、神通は艤装を仕舞う。

 

宮部「ところで重桜以外に国はあるのですか?」

 

天城「もちろんあります。太洋を挟んだ向こうの大陸にある大国ユニオンに西の大陸の反対にあるロイヤルや鉄血などいろんな国があります」

 

そう言いながら何処からか取り出した世界地図を床に広げ、国の位置を教えながら宮部に見せる。

 

宮部「これは…」

 

その世界地図に驚く。数ヶ所違う所があったりしたが主要な大陸や島の位置が前世界とほぼ同じだった。

 

天城「どうかしましたか?」

 

宮部「いえ…自分が居た世界に殆ど似ていまして…例えばこの4つの大きな島が自分の祖国である大日本帝国です。そしてそこから東にある海を挟んだユニオンと言う国がある大陸にはアメリカと言う国があります。更に…」

 

天城と神通に知っている限りの前世界の国々の名前や位置を教える。

 

 

神通「驚きましたね…宮部さんの世界がこっちの世界とほぼ似ているとは…」

 

天城「アメリカにナチスドイツ…色々興味深いですが後で聞くとしましょう」

 

宮部世界の国々に興味があるがそれを後回しにする。

 

天城「では次にこの国、重桜を説明致します」

 

宮部「お願い致します」

 

 

 

その後の話も宮部にとって衝撃的な事ばかりだった。

 

重桜の生い立ちや歴史

 

ミズホの神秘

 

神子という者が重桜KAN-SENのトップを務めていること

 

重桜や鉄血が主体の陣営レッドアクシズとユニオンやロイヤルが主体の陣営アズールレーンがお互いの意見の食い違いで対立していること

 

この重桜では一般に当たり前に知られていることが宮部にとっては全て衝撃的だった。

 

天城「…以上が重桜と今現在の立場です」

 

宮部「レッドアクシズとアズールレーン…こちらの世界でも対立が起こっているのですね…」

 

前世界でも戦争前に日本やドイツが主体の枢軸国、アメリカとイギリスが主体の連合国が世界各地で対立していたことと非常に似た状況だった。

 

天城「当初は、私達KAN-SENの大半がレッドアクシズ加盟に反対でしたが軍上層部の決定でしたので…」

 

宮部「そうですか…」

 

こちらの世界でも軍上層部の権限が大きいことに何とも言えない表情になる。

 

宮部「…では、次は自分の番ですね」

 

天城「宮部さんの世界…いったいどんな世界なんでしょう」

 

宮部「まず日本もとい大日本帝国の歴史についてですが…」

 

宮部が自身が居た世界と祖国である日本の生い立ちを語り始める。

 

 

 

 

 

 

宮部「そして1919年、欧州大戦が終戦した翌年に私は生を授かりました」

 

神通「欧州大戦?」

 

宮部「ヨーロッパ…貴方方で言うロイヤルや鉄血、ヴィシアがある場所で起こった人類初の大規模な戦争です。この大戦では航空機や戦車、潜水艦と言った兵器が初めて投入され、戦争全体で推測の値になりますが民間人を含めておよそ3700万人以上もの犠牲者が出たと言われています」

 

神通「3700万人以上…大勢の人々が亡くなられたのですね…」

 

宮部「はい。そして私が幼い頃に両親を亡くし、自分が15の時に海兵団と言う軍の教育部隊に入団しました」

 

天城「15歳から軍に…こちらではとても考えられませんね…」

 

宮部「家の事情で私自身が選んだ道でしたけどね…そしてそこで航空兵を募っていたので航空兵の道に進みそこで飛行技術を磨き、その後中国と言う隣国の空で戦いました。そして1939年、ナチスドイツが隣国に侵攻したことによって二度目の世界大戦が勃発しました」

 

天城「二度目の世界大戦…そちらの世界でも戦火は絶えないのですね…」

 

宮部「…そして1941年の夏に私は、空母赤城の搭乗員として転属しました」

 

天城「まぁ、そちらの世界にも赤城が居るのですね」

 

神通「赤城さんの搭乗員だったとは驚きですね」

 

宮部とKAN-SEN赤城が意外な所で繋がっていたことに二人は驚く。

 

宮部「そちらにも空母の赤城…赤城さんが居るのですか?」

 

天城「はい、今は鉄血で加賀や土佐と一緒に鉄血のKAN-SEN達と合同演習をしていますが1週間後に重桜へと戻って来る予定ですわ」

 

宮部「赤城さんに加賀さんですか…一度会ってみたいですね。おっと…話が逸れてしまいましたね。それでしばらく経った1941年の12月に空母赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴を主力に編成された機動部隊でアメリカ軍の一大拠点を攻撃。その後は半年ほど各地を快進撃していましたが…」

 

天城「何かあったのですね…」

 

宮部「その通りです。翌年の7月にミッドウェー島沖での海戦で空母赤城、加賀、蒼龍、飛龍を撃沈され大敗したのです。」

 

天城「………」

 

天城と神通は、静かに話を聞いている。

 

宮部「その戦いを境にその後各地で次々と敗退していき1944年には稼働可能な全艦艇をかき集めて2度の決戦に挑みましたがどちらも大敗しました。その後、私は本土に移動して教官となり、訓練生を育てていました。そして翌年には国土である沖縄と言う大きな島もアメリカ軍が侵攻し戦場になり……そして、その戦いで特攻が大々的に使用されました」

 

天城「特攻…とは?」

 

宮部「飛行機に爆弾を取り付けて敵艦に体当りする自爆攻撃です」

 

天城「体当り攻撃…」

 

天城が愕然とする。幾ら追い詰められているとはいえ敵艦への体当りを目的とした攻撃など聞いたこと無かった。ましてや生身の人が乗った航空機で。

 

神通「…乗っている搭乗員はどうなったのですか?」

 

宮部「生還を企図していない作戦だったので殆どの方が命を落としました。私の教え子達も何人かが特攻で亡くなりました」

 

神通「っ…申し訳ありません…辛いことを喋らせてしまって…」

 

宮部「いえいえ、私が話し始めたことなので。そして同年の八月に広島と長崎に新型爆弾が投下され噂では壊滅したと言われていました。そしてそれから数日後、私も特攻隊に参加し米空母に突入しました。…私が知っているのはここまでです」

 

宮部が語り終わる。

 

天城「私達の世界とは比べ物にならないくらいに壮絶な世を過ごしていたのですね…」

 

神通「その後、宮部さんの国はどうなったのでしょうか…?」

 

宮部「分かりません。ですがあれだけ追い詰められていたので数日後には降伏しているでしょう」

 

ふと妻と子が無事か心配になるが出撃前に一人の搭乗員に渡した手紙に妻子をよろしく頼むと書いておいたのを思い出し、大丈夫だと言い聞かせる。

 

天城「とりあえずこれで双方とも大変貴重な情報を知れました。宮部さんの身は、私達重桜が責任をもって保護しましょう」

 

宮部「かたじけないです」

 

神通「でも天城さん。宮部さんのことをどう説明しますか?異世界から来た軍人…とは簡単に言えませんし…」

 

天城「そうですね…とりあえずこの事は軍部では無く他の子達にだけ説明しておくとしまして…問題は、宮部さんをどうするかですが……これは後で皆さんと議論しましょう。とりあえず宮部さんはしばらくの間、傷を癒やしていて下さい」

 

宮部「何から何まで世話になります。…ところで私が乗っていた零戦はどうなりました?海上に不時着していたと聞きましたが」

 

神通「それなら他の娘が回収して今は整備場に保管していますよ」

 

宮部「なるほど、ありがとう御座います」

 

天城「良いのですよ。では私達はこれで失礼しますね」

 

神通「何か用件があればいつでも言って下さい」

 

宮部「分かりました」

 

天城と神通が部屋を退出する。

 

 

宮部「…なんとも不思議な世界だな」

 

 

ふと開いていた窓の外を眺める。そこには1本の巨大な桜の木が立っていた。

 

 

 

to be Continue

 





宮部さんの独特な喋り方が上手く再現できない…

次回は未定です。

それではグッバイ

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