異空のゼロ   作:89式小銃

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03 愉快な駆逐艦達

 

 

2日後

 

 

和風的な病院施設の外に宮部の姿はあった。

 

宮部「短い期間でしたがありがとう御座いました」

 

宮部が2日間世話になった猫耳の看護婦に頭を下げて礼をする。

 

看護婦「いえいえ。怪我をしたらまたいつでも来て下さいね」

 

看護婦も頭を下げる。

 

看護婦「では私はお仕事があるので失礼しますね。お大事に」

 

そう言うと看護婦は施設へと戻って行く。

宮部は正門に向かって歩き出し、正門を出る。

 

 

 

 

天城「お待ちしていましたよ、宮部さん」

 

すると聞き慣れた声が聞こえ、聞こえた方向に顔を向けるとそこには和傘を差した天城の姿があった。

 

宮部「天城さん?何故ここに?」

 

天城「宮部さんの待遇について決まりましたのでそれをお伝えに来ました。ここで話すのもなんですから歩きながらお話しましょうか」

 

宮部「そうですね」

 

宮部が天城の横に並んで歩き始める。

 

天城「それにしても軍服がよく似合っていますね」

 

重桜海軍の下士官用制服を着ている宮部の姿を見てとても似合っていると感じ、声に出す。

宮部に飛行服以外の服が無かったことを危惧した天城が用意した海軍下士官用の制服を看護婦経由で宮部に渡していたのである。

 

宮部「ありがとう御座います。とても着心地が良いです」

 

天城「重桜特産の麻を使用していますからね。通気性が良いので夏でも涼しいのですよ」

 

宮部「なるほど」

 

ふと左の方を向く。そこには200m以上もあるだろう立派な桜の巨木がそびえ立っていた。

 

宮部「あの桜の木は?」

 

天城「あれは重桜と言いましてこの国の象徴です」

 

宮部「この国と同じ名前なんですね」

 

天城「はい、詳しくは分かっていませんが重桜と言う国名もあの桜の木から取られていると言われています」

 

遠くからでも感じる力強さに宮部は思わず見惚れてしまう。

 

宮部「やはり桜は綺麗ですね。それで私の処遇についてはどうなったのでしょうか?」

 

天城「それにつきまして仲間達と話し合った結果、宮部さんには海軍航空隊の飛行場で戦闘機の搭乗員として働いてもらうことになりましたわ」

 

宮部「航空隊…ですか」

 

天城「…何かご不満でもありましたでしょうか?」

 

宮部「いえ、不満がある訳では無いのですが航空隊の方々に怪しまれないのかなと思いまして」

 

天城「それなら心配要りませんわ。航空隊の方々には私から話を通しておきましたので怪しまれる心配はありませんよ」

 

宮部「そうですか、ありがとう御座います。あっ、この後回収して頂いた自機の零戦を見たいのですがよろしいでしょうか?」

 

天城「良いですよ。では早速向かい…」

 

ぐぅぅぅぅ

 

すると宮部の腹から大きな音が鳴る

 

宮部「…失礼しました…」

 

天城「ふふ♪まずは近くのお店で腹ごしらえしてから行きましょうか♪」

 

宮部「そうですね」

 

食事する為、宮部は天城に連れられて近くの店へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宮部と天城が向かっている菓子店に四人の女子が棒アイスを食べながら会話していた。

 

 

時雨「…そういえば、航空隊に新しい人が配属されるらしいわよ」

 

夕立「新しい人?誰なんだ?」

 

時雨「さぁ?噂では異世界から来た軍人だと言われているそうよ」

 

雪風「異世界から来た?噂した奴は、何をバカなこと言っているのだ?」

 

時雨「私に言われてもねぇ……あっ!当たりが出たわ!!」

 

食べ終えた棒アイスで当たりを引く。

 

時雨「やっぱり時雨様は雪風以上の幸運艦ね!!」

 

雪風「ふっ、たった一本でなに喜んでいるのだ?雪風様は、8本も当たっているのだぞ?」

 

雪風の出には8本の当たった棒アイスの棒が握られていた。

 

時雨「ッー!勝負よ雪風!!今日こそ決着を付けてやるー!!」

 

時雨の両手には何本もの棒アイスが握られていた。

 

雪風「受けて立つのだー!!」

 

雪風の両手にも何本もの棒アイスが握られていた。

 

綾波「…うるさいのです」

 

夕立「なんだが面白そうだな!!」

 

眠そうにしている綾波と楽しみにしている夕立をバックにしょうもない対決が始まろうとしていたが…

 

 

 

天城「なに喧嘩しているのですか二人とも?

 

そこに笑顔をしている天城が現れる。

 

時雨「あ…天城さん…」

 

雪風「これは…その〜…」

 

天城「二人とも仲良くしましょうとこの前言ったばかりでしょう?」

 

時雨「はい…」

 

雪風「うっ…」

 

天城「さぁ、仲直りの握手をしましょうね?」

 

雪風「分かったのだ…」

 

時雨「分かりました…」

 

時雨と雪風が握手をし、双方謝る。

 

 

時雨「…ところで天城さん、その隣の方は?」

 

他のKAN-SENらは天城から宮部のことを説明されていたため知っているが時雨達は、演習で居なかったため宮部のことを聞いていなかった。

 

天城「そういえば貴方達にはまだ言っていませんでしたね。この方は、宮部 久蔵さんと言いまして実は異世界から来た人なんですよ」

 

宮部「初めまして宮部 久蔵と言います。天城さんが仰られた通り異世界から来ました。どうぞよろしくお願いします」

 

時雨「…へ?」

 

夕立「天城、異世界から来たのは本当なのか?」

 

天城「はい、本当ですよ」

 

時雨「………」

 

夕立「………」

 

雪風「………」

 

「「「えぇぇぇぇぇ!?!?(なのだ!?)」」」

 

綾波「…うるさいのです」

 

綾波を除いた3人が驚愕し、声をあげる。

 

 

詳しく説明中…

 

 

 

 

 

 

時雨「…なるほど…だいたい理解したわ」

 

時雨達は、宮部と天城による説明で何とか理解した。

 

時雨「そういえば自己紹介して無かったわね。白露型駆逐艦の時雨よ。自慢じゃないけど幸運の女神の加護がついているのよ。」

 

雪風「陽炎型駆逐艦の雪風なのだ!」

 

夕立「時雨と同じ白露型駆逐艦の夕立って言うんだ!よろしくな!」

 

綾波「…吹雪型駆逐艦の綾波、です」

 

四人が自己紹介する。

 

宮部「時雨さんに雪風さん、夕立さん、綾波さんですね。よろしくお願い致します」

 

頭を下げて挨拶する。

 

時雨「それにしても本当に異世界なんてあるのね。びっくりだわ」

 

宮部「自分も異世界があるとは信じていませんでしたからね」

 

時雨達の隣にあった席に天城と共に座る。

 

夕立「なぁなぁ!これからは久蔵って呼んで良いか?」

 

宮部「ん…良いですよ」

 

久蔵と呼ばれた事が無かったので少し戸惑ったがすぐに了承する。

 

時雨「なんで呼び捨てなのよ…それに普通は苗字読みでしょ…」

 

時雨が思わず突っ込む。

 

 

店員「失礼致します。ご注文はお決まりでしょうか?」

 

するとペンとメモ帳を持った店員が天城と宮部の元へとやってき、注文する品が決まったか尋ねる。

 

天城「私は、三色団子を一つお願い致します」

 

宮部「自分は、餡蜜一つをお願いします」

 

店員「三色団子一つに餡蜜一つですね。かしこまりました。しばらくお待ち下さい」

 

そう言うと店員は店の中へと去っていく。

 

 

 

夕立「なぁ、そっちの世界で久蔵は何の仕事をしていたんだ?」

 

宮部が何の仕事をしていたか気になった夕立がふと尋ねる。

 

宮部「ん、海軍で戦闘機搭乗員をしていました」

 

夕立「戦闘機乗りか!凄いな!」

 

時雨「へぇ〜空母搭乗員?それとも基地航空隊?」

 

宮部「空母に乗っていました」

 

時雨「へぇ〜空母搭乗員なのね」

 

夕立「じゃあさ、何機落としたんだ?」

 

宮部「…分かりません」

 

夕立「?自分が挙げた戦果を数えたりしないのか?」

 

宮部「はい、それに敵機を落とすよりも自分が落とされないことが大切です。一度でも堕とされたらそこでおしまいです」

 

雪風「…なんだか変わった人なのだ」

 

全員に敬語を使い戦果を誇らない、普通の軍人とは思えない性格に違和感を感じた雪風が思わず口に出してしまう。

 

天城「雪風さん、宮部さんに失礼でしょ?」

 

宮部「はは、良いですよ。前の世界でも良く言われましたから」

 

時雨「まぁ、雪風は思ったことをすぐ口に出すからね〜」チラッ

 

雪風の方を見てニヤつく。

 

雪風「何を言うのだ!!そういう時雨こそ思ったことをすぐ口に出すのだ!!」

 

時雨「私は出しませんけど〜?」

 

雪風「っ!!」

 

またケンカが始まる雰囲気になる。

 

天城「はぁ…何故いつもすぐケンカになるのでしょうか…」

 

宮部「はは、賑やかで良いですね」

 

戦中では見られなかった穏やかな光景に微笑む。

 

その後、愉快な四人の駆逐艦らを風景に天城と共に菓子を頬張る宮部だった。

 

 

 

 

to be Continue

 




次回は、なるべく二週間以内には出したいな〜と思っております。

それではグッバイ

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