異空のゼロ   作:89式小銃

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しばらくは平和な日常が続く回となっております。早く戦闘シーンを見たい方はしばらくお待ち頂けたら幸いです。

それではどうぞ


05 軍師の家

 

 

海軍の飛行場を去った後、様々な場所に寄っているうちに時間が経ち、気がづけば辺りが暗くなり夕日が沈みかけていた。

 

宮部「…ところで自分はどこで過ごせば良いのでしょうか?」

 

ふと気になったため、天城に尋ねる。

 

天城「それなら心配要りません。しばらくは私の家で過ごして頂きますわ」

 

宮部「…え?」

 

天城のドストレートな発言に困惑する。

 

宮部「天城さんの家…ですか?」

 

天城「はい。」

 

宮部「…その…言いにくいのですが…女性の家に男性が住むのは流石にまずいかと…」

 

流石に宮部は断ろうとするが…

 

天城「宮部さん、私の家で過ごして頂くのは()()()()()()()を守るためでもあります」

 

宮部「身の安全…?」

 

天城の言葉を理解できなかった。

 

天城「とりあえず、宮部さんはしばらく私の家で過ごして頂きます。良いですね?」

 

宮部「で、ですが…」

 

天城「良いですね?

 

宮部「わ、分かりました…」

 

困惑しながらも天城の提案を了承する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、宮部は天城の家を訪れていた。

 

宮部「ここが天城さんの家…」

 

目の前には大きな屋敷が立っており、表札には「天城」「赤城」「加賀」「土佐」と書かれていた。

 

天城「他人の家にお邪魔するのは初めてですか?」

 

門を潜り広い庭の側を通っていると天城に話しかけられる。

 

宮部「はい。殆どの日を基地内の搭乗員宿舎で過ごしていましたので。内地に帰還した際も殆ど家で過ごしていました」

 

天城「それはさぞ窮屈だったでしょう。ゆっくりくつろいで下さい」

 

宮部「ありがとう御座います」

 

しばらくすると玄関に到着し、天城に扉を開けてもらう。

 

天城「どうぞお上がり下さい」

 

宮部「お邪魔致します」

 

靴を脱いで揃え、家に上がる。

そして天城の後ろをついて行き、廊下を少し奥に行った右にある部屋へと入っていく。

 

天城「私は夕食の支度をしますのでしばらくお待ち頂けますか?」

 

宮部「分かりました」

 

天城は、台所へと移動しエプロンをかけて夕食の準備に入る。

 

宮部「………」

 

部屋の中を見渡していると、ふと棚の上にあった写真立てに目が行く。

 

宮部「(集合写真…)」

 

写真には真ん中に写る天城の他に天城に抱き着く赤城、それに困惑している加賀、そして赤城を下に見る目をしている土佐が写っていた。

 

宮部「(微笑ましい写真だな)」

 

席を立って、しばらく部屋の中を観察していると天城に呼ばれる。

 

天城「夕食ができましたよ」

 

机には、ご飯、味噌汁、焼き鮭、出汁巻き卵、筑前煮、サラダと一般的な夕食が二人分用意されていた。

 

宮部「おぉ、美味しそうですね」

 

見たこと無い豪華な夕食に心が踊る。

 

天城「ありがとう御座います。では頂きましょうか」

 

席につき、手を合わせる。

 

天城・宮部「「頂きます」」

 

箸を右手で手に取り、左手で白米が入った茶碗を手に持って箸で白米を食べる。そして様々な具が入った味噌汁をすすり、焼き鮭の端の身をほぐして口の中へ入れる。

 

宮部「(白米なんて久しぶりに食べたな…味噌汁は具だくさんで味噌も効いていて旨い。焼き鮭も食べやすく、塩の旨味が効いて美味い…)」

 

戦時中では味わえなかった、あまりの美味しさに心が感動する。

 

宮部「(出汁巻き卵と筑前煮も旨い。白米が進むな)」

 

天城「どうですか?」

 

宮部「凄く美味しいです。特に筑前煮が美味しいです」

 

天城「そうですか♪時間を掛けて作ったかいがありました♪」

 

宮部の言葉を受けてご機嫌になり、後ろの尻尾が横に揺れる。

その間、宮部は黙々と食べ続ける。

 

 

 

 

 

 

天城・宮部「「ごちそうさまでした」」

 

数分で二人は夕食を食べ終え、二人は食器を台所へと運ぶ。

 

宮部「手伝いましょうか?」

 

天城「ではお願いしますわ」

 

天城と共に食器洗いを始める。

 

 

 

 

 

 

数分後、食器洗いを終えた二人は机でお茶を飲みながら談話していた。

 

宮部「天城さんはいつも一人でこの家に?」

 

天城「はい、赤城達が合同訓練に行ってからは私一人で過ごしています」

 

宮部「寂しくないのですか?」

 

天城「寂しい、と言うより心配ですね…」

 

宮部「心配?」

 

天城「赤城と土佐は少々仲が悪くて…喧嘩していないか、周りに迷惑をかけていないか凄く心配でして…」

 

宮部「そ、そうですか」

 

天城「…ところで宮部さんはご家族は?」

 

ふと気になった天城が尋ねる。

 

宮部「妻と産まれたばかりの子の二人が居ます」

 

ポケットからいつも持っている妻と子が写った写真を取り出し、天城に手渡す。

 

宮部「妻は松及、子は清子と言います」

 

天城「美しい奥さんと可愛いお子さんですね。お二方に会ったことは?」

 

宮部「本土に戻って家に帰った時に一度。子に会ったのがそれで最後でした」

 

天城「一度だけ…」

 

宮部「そして家を出る時、二人とある約束を交わしました」

 

天城「約束…ですか?」

 

宮部「はい、"必ず生きて帰ってくる"と…」

 

話していく内に宮部の表情が暗くなっていく。

 

宮部「ですがその約束を破ってしまいました…特攻に行く時は、妻と子に対する謝罪の気持ちでいっぱいでした…"約束を守れずにすまない"と…」

 

改めて、約束を守れずに後悔していると天城が口を開く。

 

天城「ですが宮部さんは、今生きています。私の目の前に居るのが何よりの証拠です。この世界にやって来たのも、神様が奥さんとお子さんと交わした約束を守れと言っているのかもしれません」

 

宮部「神様ですか…」

 

天城「私達重桜は、宮部さんが元の世界に戻る方法を全力でお探しします。ですから宮部さんも諦めないで下さい」

 

宮部「天城さん……ありがとう御座います…」

 

天城の言葉に宮部は感謝する。

 

天城「さて、もう遅い時間ですからそろそろ寝る準備をしましょうか」

 

宮部「…そうですね。あと、風呂に入りたいのですが」

 

天城「お風呂なら部屋を出て左に行って右に曲がった所にありますわ。タオルや洗剤は自由に使って構いませんよ」

 

宮部「分かりました。ありがとう御座います」

 

しばらくは天城の家で世話になる宮部だった。

 

 

 

to be Continue

 





次回は未定です。

評価、感想お待ちしております。

それではグッバイ

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