異空のゼロ   作:89式小銃

8 / 28

著者『さて、今日も続き書こうとするか。そういえば最後の投稿したのって何日だったかな〜…………ファッ!?2日!?』

はい…前作の投稿から1ヵ月も経ってしまいました…時の流れって早いものですね…

次回はなるべく早く投稿できたらと思っております。

それではどうぞ


08 飛び立ち

 

 

 

 

ある日の早朝

 

明石から零戦の修理が完了したと連絡を受けた宮部と天城は海軍飛行場の格納庫を訪れていた。

 

宮部「明石さん居ますか?」

 

鉄が軋む音を発する扉を開けて中へと入る。

 

明石「居るにゃよ、二人とも持っていたにゃ」

 

格納庫内の真ん中に黄色の安全ヘルメットを被った明石と修理を終えた零戦の姿があった。

 

宮部「長い時間の修理お疲れ様です明石さん」

 

労いの声をかける。

 

明石「本当に大変だったにゃ〜あの後詳しく調査したら他にも壊れていた箇所があったから予定より大幅に手直ししたにゃ」

 

そう言うと、手に持っていた修理図を見ながら修理した箇所の説明を二人に行っていく。

 

明石「凹んでいたり、弾痕があった装甲板は全て取り替えたにゃ。プロペラも新しいのに変えたし、ついでに塗装も塗り直したにゃ」

 

機体下部の目立っていた凹みや無数の弾痕が修理によってさっぱりと消え、塗装も大戦中期から標準塗装となった上面D₂暗緑色、下面J₃灰色と同じ見た目で綺麗に塗られていた。

 

宮部「あれだけ壊れていた機体をここまで直すとは…明石さんは凄いですね」

 

明石「もっと褒めても良いんにゃよ〜?」

 

ニヤニヤした笑みを浮かべ、猫耳をピコピコ動かす。

 

明石「他にも機銃を新型の九九式20mm二号機銃五型と三式13mm機銃に換装したにゃ。これで戦闘力上昇間違いなしにゃ」

 

宮部「えっ?強力な機銃に換装したのですか?」

 

性能まで上げてほしいとは言っていなかった宮部が尋ねる。

 

明石「にゃ。他にも水メタノール噴射装置付きの1200馬力級のエンジンを搭載、燃料タンクを防弾仕様にしたり新しい無線機を搭載したりしたにゃ」

 

修理とは名ばかりの魔改造によって宮部が乗っていた壊れた二一型は、五三丙型並の性能を獲得していた。

 

宮部「二一型の面影が全くありませんね…」

 

これには宮部は苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

天城「相変わらず明石さんは魔改造がお好きですね」

 

明石「魔改造は工作艦の特権にゃ。ついでに天城もどうにゃ?今なら安い値段で巡洋戦艦から航空戦艦に改造s…」

 

天城「遠慮しておきます」

 

きっぱりと断る。

 

明石「むうっ…」

 

頬を少し膨らまし、不機嫌そうな表情をする。

 

明石「…まぁ良いにゃ。それじゃあ、宮部。修理代として1200円50銭(143万718円)を頂戴するにゃ♪」

 

宮部「…え?」

 

戦闘機搭乗員の数ヶ月分の給料、現代の価格に直すと143万718円の修理代を突然請求されたので思わず固まってしまう。

 

明石「冗談にゃ♪」

 

いたずらっ子のような笑みを浮かべる。

 

宮部「はぁ…ビックリしましたよ…」

 

ホッと胸を撫で下ろす。

 

明石「今回は特別にタダにしてあげるにゃ。だけど今度からは何かしらの報酬を頂くにゃよ?」

 

宮部「分かりました。タダで修理させて頂く訳にはいきませんからね」

 

そう言うと機体に近づき、胴体部をなぞるように触る。

 

宮部「(本当に綺麗だな。まるで工場から出たばかりの新品のようだ)」

 

宮部自身何機もの零戦を見てきたが、目の間にある自機ほど完璧な状態の機は見たことなかった。

 

宮部「(この短期間でどうやって直したんだろうな)」

 

どのような修理をしたのか想像しながら主翼をよじ登り、風防を開けて操縦席に座り込む。

 

宮部「(中は…特に変わってないな)」

 

新しく搭載された無線機と一部の計器が変わった所以外は出撃時と変わりなかった。

 

宮部「(あとは異常なく飛べるかだな)」

 

操縦席から立ち上がる。

 

宮部「明石さん。急で悪いのですがこの機を飛ばす事ってできますか?」

 

明石「別に大丈夫にゃよ。修理は終わっているにゃしね」

 

あっさりと許可を貰う。

 

明石「燃料と弾薬も満タンにしてあるにゃ。早速飛んでみるかにゃ?」

 

宮部「ではお願い致します」

 

こうして、修理(魔改造)によって高い性能を獲得した零戦改の初飛行が始まる。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

同基地 航空機待機所

 

 

航空機が待機する場所へと出された零戦の操縦席で宮部や整備員らが飛行前準備を行っていた。

 

宮部「(補助翼、水平尾翼よし。燃料確認よし)」

 

各種機械の点検を行っていく。

 

宮部「エナーシャー(慣性始動機)を回して下さい」

 

そして全ての点検が終わり、地上の整備兵にエナーシャーを回すよう言う。

 

「了解です!」

 

整備兵がプロペラを回してキャブレターに油を吸わせ、エナーシャにクランクハンドルを突っ込み、回していく。

そしてエナーシャが勢いよく回り始めたのを確認した整備兵らが小走りで宮部機から離れていく。

そして全員が待避したのを確認し、エナーシャとプロペラを連結させ発動機と繋ぐ。

 

ブロッ ブロッ ブロロロロッ

 

エンジンが掛かり、独特な音を辺りに響かせる。

 

宮部「(よし、行くぞ)」

 

ブレーキを緩め、速度を上げる。

 

40km/h…70km/h…100km/hと段々スピードが乗ると操縦桿を前から戻し、機体後部が持ち上がる。

そして操縦桿を手前に引いて機体を持ち上げる。

 

宮部「(ふぅ、成功だな)」

 

久しぶりの操縦だったが問題なく離陸することができ、少し安堵する。

車輪を格納し風防を閉じる。そしてある程度東に進み、機体を傾けて下を覗く。

 

巨大で立派な重桜、古き良き町並み、行き交う人々。

地上からだと見られない風景が眼下に広がっていた。

 

宮部「…もう少し高く飛んでみるか」

 

操縦桿を前に引き、更に高空へと上昇していく。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

滑走路で天城と明石が宮部機の飛んでいる空を見上げていた。

 

天城「もうあんな高い所まで行ってしまいましたね」

 

明石「久しぶりの飛行にゃから、きっと嬉しいのかもしれにゃいね」

 

天城「そうかもしれませんね」

 

宮部の飛んでいる空をじっと見つめる。

 

明石「天城も航空機に興味が湧いたかにゃ?」

 

天城「えぇ、元々空母に改装される身でしたからね」

 

本来、天城は赤城と同じ航空母艦に改装する予定だった。

 

だが改装途中に重桜史に残る前代未聞の大地震が発生。

幸い、海軍設備の損害は軽微だったが被災した天城のメンタルキューブに異常が見つかり改装は中止。詳しく調べた結果、メンタルキューブが著しく破損して艤装が展開できなくなっており、天城はもはやKAN-SENとしての力を使うことが不可能になった。

そして、修理が不可能であると分かった重桜上層部は天城の解体を予定していたが、妹の赤城やライバルである加賀と土佐、そして重桜KAN-SEN達の反対により天城の解体は中止となった。

 

天城「いつかまた、海の上を赤城達と一緒に走ってみたいものです」

 

滑走路から見える海の向こう側を見つめる。

 

 

 

 

「あっ、天城さんと明石さんじゃないですか」

 

するとそこへ一人の男性が現れる。

 

基地内で1位、2位を争う腕を持つ戦闘機搭乗員の桑中二飛曹だった。

非番で暇だった彼は、二人のもとに近づき話しかける。

 

天城「おはようございます桑中さん。今日は良い天気ですね」

 

桑中「はい。こう言う日は自分も思いっきり飛びたいものです」

 

羨ましそうに空を見上げ、そして宮部を見つける。

 

桑中「あの飛んでいる機は?」

 

天城「宮部さんの機です」

 

桑中「宮部少尉かーあの人には模擬空戦では敵わなかったな」

 

天城「模擬空戦?」

 

桑中「はい。二日前、宮部少尉にお願いして模擬空戦を行って頂いたのですが0対7であっさりと負けましたよ」

 

桑中以外の腕に自信のある搭乗員も宮部に模擬空戦を挑んでいったが、全員ことごとく敗北していった。

 

桑中「流石、元一航戦搭乗員と思いましたね。あらゆる方向から奇襲を仕掛けて来ますし、格闘戦でやっと後ろに付けても訳のわからない飛行ですぐ後ろに付かれてしまいましたよ」

 

桑中の発した訳のわからない飛行とは、敵機に後ろを取られた場合に使用する空戦機動"左捻り込み"であり、大日本帝国海軍伝統の秘技として当時の搭乗員から知られていた。

特殊な空戦機動を行わない重桜搭乗員からしたら異次元の域に等しい技であった。

 

桑中「恐らく重桜海軍の全航空隊搭乗員の中でトップクラスの腕を持つ人かもしれません」

 

明石「それは少し言い過ぎじゃにゃいか?」

 

桑中「いやいや、それぐらい凄い人なんです」

 

明石「いやいや―」

 

桑中「いえいえ―」

 

しばらく押し問答していると、司令部がある方角から電信員科所属の女性兵士が現れる。

 

「はぁはぁ…桑中ニ飛曹と宮部少尉はいますか!?」

 

乱れる呼吸のなか二人の名前を呼び、それに桑中が反応する。

 

桑中「おう、どうしたんだ?」

 

「はぁはぁ…基地司令より全戦闘機搭乗員に緊急招集が入りました…!はぁはぁ…至急、会議室に集まって下さい…!!」

 

天城「落ち着いて下さい。何かあったのですね?」

 

女性に近づき、落ち着くよう諭す。

 

しばらくして落ち着きを取り戻した女性は一呼吸置いて話し出す。

 

 

 

赤城さん達遠征部隊の通信が途絶えました

 

 

 

 

to be Continue

 





二一型を改造しても五三丙型並の性能になるか!といった突っ込みは無しで…

それと所々誤字脱字があると思われますが指摘して頂けたら幸いです。
岡村優さんから☆10、tk5254さんから☆9を頂きました!!お二方高評価ありがとう御座います!!!

遅いかもしれませんが皆様、明けましておめでとうございます。2024年もこの小説をよろしくお願い致します。

それではグッバイ

指揮官になるのなら何処の陣営?

  • ユニオン
  • ロイヤル
  • 北方連合
  • アイリス
  • 東煌
  • 重桜
  • 鉄血
  • ヴィシア
  • サディア
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。