悪童と呼ばれた呪具師   作:多趣味の男

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第十一話 酒呑(中)

 

「先ずはテメェからだ"武士"!!(時雨)

酒呑童子は大太刀を構えると時雨に襲いかかる。

 

時雨も迎撃しようと刀を構えるが酒呑童子の大太刀を一馬の銀隸棍による一撃が阻む。

「邪魔をすんな小僧!」

 

酒呑童子は大太刀を振るうとまるで埃をはらう様に止めようとした銀隸棍が遠くに吹き飛んでしまった。

「くっ!?さっきとは段違いに強い!」

「一馬!...ナラ、コレナラドウダ!」

 

ミゲルが銅玄を構えると酒呑童子の呪力を喰らおうと動く。

「おっと!...その武器は面倒だ。

行け酔竜。」

 

酒呑童子の言葉で瓢箪の近くを飛んでいた酒で出来た竜がミゲルに突っ込んでいく。

 

ミゲルは突っ込んでくる竜に向けて銅玄を振るうと鎌が口を開き酔竜の喰らい始めた。

だが、銅玄が酔竜を喰らう間に新たに瓢箪から現れた酔竜がミゲルに迫る。

 

「クッ!?」

 

ミゲルは酔竜を回避しようとするが瓢箪から増え続ける酔竜に逃げ場を無くしていく。

そんなミゲルを助けたのは麗が倒れた際に落とした鉄嚼鎚を拾った一馬だった。

 

一馬は鉄嚼鎚に呪力を流し込み術を発動する。

すると、ミゲルの周囲を囲っていた酔竜が地面に押し潰され元の酒へと戻った。

 

「ほぅ....星熊童子の力で酔竜を止めたか。

やるなお前、ならこれならどうだ?

"酔竜火唸"(すいりゅうかてん)!!」

酒呑童子は酔竜に向かって口から炎を吐き出すとその炎に酒が引火し燃え上がった。

 

「俺の炎は呪力を燃やす。

俺の生み出す酒は呪力の酒であり酔竜はそれで出来ている。

さぁ、行け酔竜!」

酒呑童子は燃え盛る炎の竜に命令するとミゲルと一馬に向かって襲い掛かる。

 

ミゲルが銅玄の力で炎を喰らおうとするが近付いた瞬間、ミゲルの身体が発火した。

「グアッ!」

「ミゲルさん!」

 

「言ったろう呪力を燃やすと...お前達、呪術師は酔竜からすれば動く引火物でしかねぇ。

さぁ、どうする?

助けようとすれば今度はテメェが燃えるぞ?」

 

一馬が対処に悩んでいるとミゲルは黒縄で全身を覆い炎を打ち消した。

「ほぉ、面白い道具を使うな貴様....炎をかき消したか。」

「ハァハァ....」

 

黒縄を構えながら酒呑童子を威嚇するミゲルだったが炎によるダメージは見た目以上に深刻だった。

それは一馬も分かっていた。

 

(分が悪過ぎる。

皆を回復させたいがあの酔竜がそれを許しちゃくれない。

時雨さんも動けないのは殺られるのが分かるからだ。

どうすりゃ良い?)

 

そうしていると痺れを切らした酒呑童子が動く。

「何百年も待っていたんだ。

これ以上待つのは性に合わない。

次はこっちで相手をしてやるよ。」

 

酒呑童子は大太刀に呪力を流し込む。

すると、大太刀の刀身が三つにぶれ始めた。

「"一振で三つの斬撃"を放つ。

それが大太刀、八咫烏の力だ。

これで何人もの人間の首を刈ってきたが...俺のお気に入りはこれだ。」

 

そう言うと酒呑童子は持っている大太刀に向かって口から炎を吐く。

炎を纏った大太刀を時雨に向かって構える。

 

「オラッ!」

 

時雨に向かって放たれた三つの炎は一つの大きな炎に変わると時雨を襲った。

 

「くっ、円累。」

時雨は二刀を回転させて炎を受け流す。

しかし、炎の中から現れた斬撃に刀を弾かれてしまう。

その隙に時雨の元に一瞬で近付く酒呑童子。

 

「言ったろう斬撃を放つってよ。

これで終わりだ。」

「舐めるな!弐突!」

 

「はっ!そんななまくらで俺が斬れるかよ!」

酒呑童子の言う通り、時雨の放った突きは酒呑童子の胸に当たるが刀が火花を上げるだけで一切、ダメージを負っていなかった。

それを無視して大太刀を振るおうとするが時雨はここで賭けに出た。

 

時雨は刀を酒呑童子に投げつけるとそこを足場にして真後ろに飛び去った。

「器用だな。

だが、その程度の距離では八咫烏は避けられんぞ?」

酒呑童子は大太刀を振り下ろす。

 

刀一本分の距離はあったが酒呑童子の身体よりも長い太刀は易々と時雨の身体に届いたが刃が時雨に触れる前に彼の身体が急速に後退し太刀の攻撃を避けた。

刀を投げた時雨の手には一馬の銀隸棍の一部が握られていた。

 

時雨が後ろに下がると酒呑童子の頭に何かが当たった。

見るとそれは槍であり酒呑童子の上から大量の武器が降り注いできた。

 

酒呑童子は八咫烏を上に向かって振り飛ばした無数の斬撃で降ってくる武器を全て破壊した。

そして、意識を呪術師に向けようとすると彼等はその場からいなくなっていた。

 

呪力を関知しようとしても見つけられない。

「消えた....いや隠れたか。

俺の帳は通常通り動いている。

って事は一度、形勢を立て直すのが狙いか?

...良いねぇ。

不利だと感じれば逃げて形勢を建て直そうとする平安の頃も今もそこは変わらねぇ様だ。

お前達は何時も全力で俺を殺しに来やがる。

んじゃ、俺もそれに答えようとするか。」

 

酒呑童子は背負っていた瓢箪を下ろすのだった。

 

 

酒呑童子から離れ呪力を遮断する布を使い身を隠せた一馬達は、互いの治療を行った。

ミゲルと麗に呪言が書かれた包帯を巻く。

その姿を見て時雨が尋ねる。

 

「お主の呪具である"金の竿"で治せないのか?」

余裕がないのか一馬は何時もの様な口調で答える。

「あの、呪具は確かに便利だが一度、相手の傷を治すとその傷を誰かに移さない限り再使用できないんだよ。」

 

「どういう意味じゃ?」

「傷に形を与えて取り除いたからそれでスペースが満帆になってるんだよ。

治すにはそのスペースを空けないと行けねぇが即死級のダメージばかりで移せそうな奴がいねぇ。」

 

「そう言うことか。」

「アンタも怪我してるだろ?

この包帯は呪霊から受けた攻撃の治癒と痛みの鎮静効果を持たせた呪具だ。

使ってくれ。」

 

そう言って渡された包帯を時雨は手に取ると器用に自分の傷に巻き始めた。

痛みが収まってきたのかミゲルが一馬に尋ねる。

 

「一馬....次ノ作戦ハ決マッタカ?」

「....正直手詰まりだ。

酒呑童子が特級呪霊なのは知ってたがその中でも別格に強い。

能力だけでなく持っている呪具も強力だ。

 

対して俺達の手札は少ない武器に関してはネタが割れてるし援軍も見込めない。」

 

「逃走ニ関シテハドウダ?」

「アンタの持っているその呪具(黒縄)なら酒呑童子の帳を壊して逃げることは可能だろうがやるには帳の位置を正確に突く必要がある。

 

その場所を見つけられてない状態で動いたところで助かる可能性は低いな。」

 

「ドウカナ?私一人デ逃ゲル事モ出来ルゾ?」

「酒呑童子相手に俺達を裏切って逃げられると思ってるならやれば良い。

アンタを雇ったのは俺だがそれ以上の事は求めるつもりはないからな。」

 

一馬の表情を見てミゲルは溜め息をつく。

「ハァ....トンダ仕事ヲ引キ受ケタナ。

1000万ジャ、ワリニ合ワナイ。」

「なら、+5000万でどうだ?

俺もアンタにここで抜けられるのは困る。

金で引き留められるのならそれにこしたことはない。」

 

「マダ安イナ...."一億"ナラ受ケテヤル。」

「交渉成立だな。

それじゃあ、次の行動を決めるか。

ぶっちゃけ、今の状況での勝ち目はほぼ無ぇ。

だから奴の持ってる呪具を破壊する。」

 

「あの"瓢箪"と"太刀"じゃな?

じゃが、どちらも一筋縄ではいかんじゃろう?」

「あぁ、俺の持ってきた四級の呪具じゃ歯も立たない。

必然的に使えるのは"この四つの呪具"か...酒呑童子を封印していた特級呪具しかない。

 

封印が解けて静ノ巫女が吹き飛ぶ瞬間、二本の刀が見えた。

直ぐに戦闘になったせいで見失ったがあれを手に入れられれば可能性はある。」

 

「となるとその刀はワシが使った方が良いのぉ。

それがあれば酒呑童子の首を斬れるかもしれん。」

「問題はその刀が何処にあるか?

酒呑童子が下ろした帳のせいで森が復活している以上、探すのは難しい....せめて木像の破片でもあれば俺の術式で探索できるんだが」

 

「それって....これ....かしら?」

意識を取り戻した麗は刺された背中を抑えながら起き上がると握っていた木片を差し出す。

「どうしてそれを?」

「分からない。

気が付いたらこの手の中にあったのよ。」

 

「そう言えば酒呑童子の言っていた鬼の血ってどういう意味だ?

あの鬼とアンタに何の関係がある?」

一馬の問いに麗は自分の家系について話した。

 

「つまりはアンタの血は酒呑童子達と繋がってるって事か?」

「えぇ、そして私達の命を賭けて酒呑童子達の封印を代々行ってきた。

それが....こんな事になるなんてね。」

 

「命を賭けてか。」

一馬は自分と麗が重なって見えた。

(封印を維持する為に命を捧げようとする麗さんと家の繁栄の為に呪具にされかけた俺か.....気に食わねぇな。)

 

一馬は家の為とか言って犠牲を強いる呪術界に心底吐き気を覚えている。

そんな事の為に俺やニ虎、甚爾は人生を奪われた様な者だからだ。

 

一馬はポーチから瓶に入ったドリンクを数本取り出してミゲルや麗、時雨に渡した。

「これを飲むと減っていた呪力が一時的だが回復する。

酒呑童子と殺り合うには最低限呪力が無ぇと話が進まねぇ。」

 

一馬はポーチからこれまで作ってきたあらゆる呪具を取り出すと皆に渡した。

一馬はこれまで呪具を出し惜しみしていた。

 

自分の持つ力である呪具を全て使えば自分達の力を利用しようと余計な連中が現れると思っていたからだ。

だからこそ、これまで有用ではあるがあるまで一般の呪術師が理解出来る道具ばかり使ってきた。

 

だが、一馬は理解していた。

これからの戦いではそれでは何れ頭打ちが来ることを....

呪術師と同じく呪具も移り行く時代に合わせて進化するべきなのだ。

 

そして、一馬は一つの答えを導き出した。

 

「さぁ、反撃開始と行くか。」

 

一馬は武器を持つと立ち上がる。

先ずは相手の持つ武器の無効化からだ。

 

 

酒呑童子は何処からか自分に向けて投げられた物体に目を向ける。

「ありゃ、何だ?」

謎の円柱の形をした物体を見つめた次の瞬間、その円柱は破裂すると強烈な光と音を発したのだ。

 

それをもろに食らった酒呑童子はふらつく。

それを狙った様に太刀を握っていた腕に衝撃が走った。

(狙いは武器か!)

 

視界が潰されながらも打たれた衝撃からそれが一馬の持っていた三節棍による攻撃だと分かる。

しかし、酒呑童子の鍛え上げられた腕はその攻撃を受けて多少痺れたが太刀を離す程ではなかった。

酒呑童子は攻撃が来た方向に闇雲に太刀を振るった。

 

霞んでいた目と耳が戻ると酒呑童子は目を開けた。

すると、無手の状態の時雨が目の前に現れたのだ。

「無策で突っ込んできたか!」

 

酒呑童子は迎撃の体制を取るが時雨は懐から先程と同じ円柱の物体を取り出すと酒呑童子に向かって投げた。

(また目眩ましか!)

 

酒呑童子は反射的に目を覆ったが出て来たのは濃密な煙だった。

その煙により時雨の姿は消えてしまう。

 

酒呑童子は煙を払おうとするがいくら手を振るっても煙が動く気配がない。

「この煙は....呪力を含んでいるな?

ならば、酔竜!この煙を喰らえ!」

 

酒呑童子に命じられ瓢箪から出現した酔竜は煙へ向かおうとする。

その瞬間、また同じ円柱が酔竜に向かって投げられた。

(煙か光だとしても酔竜ならば問題ない。)

 

そう考えていた酒呑童子が次に見たのは円柱から火が吹きその火が酔竜に引火し爆発する姿だった。

 

大きな爆発が起こり周囲に突風が吹く。

そうしていると背後から急に現れたミゲルが銅玄で酒呑童子の持つ瓢箪を突き刺そうとした。

 

間一髪でその攻撃を避けた酒呑童子山の脇腹をかする。

攻撃を回避した酒呑童子は逃げようとするミゲルに向けて口から炎を放とうとしたが頭に当たった小さな礫に顔の向きを変えられてしまう。

 

それを放ったのは背中を刺された麗だった。

「生きていたかこの死に損ないがっ!?」

麗に狙いを変えようとするが別方向からパン!パン!と何かが破裂した音が聞こえる金属の礫が酒呑童子に当たった。

 

「何だこの攻撃は!」

怒る酒呑童子に麗が答える。

「これは平安には無かった人類が生み出した武器よ。」

そう言って麗は"拳銃"を構えると麗の背後にも同型の銃が浮かび上がるのだった。

 

麗、ミゲル、時雨が酒呑童子と戦っている中、一馬は呪力を遮断する布を被りながら森を走っていた。

呪力武術を応用した走りで森を超高速で移動していく。

遠くでは爆発音が聞こえてくる。

 

(俺の渡した呪具が上手く機能してるみたいだな。)

 

一馬が隠していた呪具....それは現代で使われる兵器を呪具にした物だった。

多様な種類の手榴弾に拳銃....通常では呪具に変えることが難しい物も呪力ゴリ押し超非効率な生成を繰り返せばそれなりの物は出来る。

 

特に拳銃に関しては非術師でも狙って撃てば低級の呪霊も祓える代物だった。

故にこの呪具の開発に成功すると裏社会や日本の軍隊からも供給を受諾され捨餓螺家はより強い権力を持つことになった。

 

今回一馬が渡した呪具はその中でも特に出来の良かったモデルであり拳銃に至っては一級呪霊とも戦えるハイエンドモデルだった。

 

デメリットを上げるとしたら使用する弾丸も呪具にする必要がありコストがバカ高い事だった。

それは渡した手榴弾も同等であり裏マーケットで一つ何千万で取引される(呪霊にも効果がある為)物を惜し気もなく渡した。

 

ある意味、"製作者特権"と言える大盤振る舞いだがそれを使っても酒呑童子相手では時間稼ぎにしかならないと一馬も理解していた。

 

(一刻も早く特級呪具に入っていた刀を見つけねぇと...)

 

一馬は麗から渡された静ノ巫女の破片を使い本体である二刀を探す。

ひたすら森を進むと地面に二本の刀が鞘ごと突き刺さっていた。

 

「見つけた...」

一馬がその二刀に触れようと手を伸ばすと刀から溢れ出した呪力が炎となって一馬の手を焼こうとする。

咄嗟に手を引いたことで一馬は難を逃れた。

 

「成る程な。

封印を壊されても特級呪具ってことか。

一筋縄では行かなそうだな。」

 

一馬の術式は物体に触れなければ発動しない。

領域展開も元から呪具になっている物には効果は発揮しない。

 

一馬は呪言の書かれた包帯を手に巻いて保護すると一度、深呼吸し覚悟を決めた。

 

勢い良く一馬は二刀に触れる。

触れた瞬間、炎が立ち上がると一馬の両手を焼いた。

 

「あっつ!....クッソ!我慢だ我慢!」

炎に焼かれる痛みを我慢しながら一馬は呪力を二刀に通していく。

(呪具の修復は言わば巨大な迷路の攻略だ。

破損した術式を理解し組み直していく。

迷路をクリアしない限り呪具の修復なんて出来やしねぇ。

 

特にこの刀は特級呪具だ。

修復難易度も桁違いに高い。)

 

「だからって諦める気なんて更々無いけどなっ!

安心しろこの刀を作った奴。

お前の願いは絶対に叶える。

この刀で....酒呑童子を祓わせてやる。

だから、力を貸せ!」

 

一馬はそう言うと燃え上がる身体の痛みと熱に耐えながら呪具を修復していくのだった。

 

 

 

 

 

「素晴らしい....何て素晴らしい人材なんだあの少年は!?」

酒呑童子との戦いを見ていた"青年の姿を奪った存在"は捨餓螺 一馬を見て歓喜していた。

 

「呪霊を呪具に変えられる術式....あれは正しく転魂術式。

よもやこの時代にその才を持つ者が産まれていたとは誤算だったな。」

 

青年はそう言いながら頭の縫い傷に触れる。

 

「入れ替えをしたのはやはり早計だったか。

この術式は便利だが、一度入れ換えるともう一度、術式を使うまで時間が必要になる。

 

....いや、これは寧ろチャンスと捉えるべきか。

これ程、優秀な個体は更に成長させてから奪うに限る。

今は見つけられた幸運に喜ぶべきだな。

 

彼が手に入るのなら酒呑童子の肉体は要らない。

どれ、もっと彼を詳しく見ておこ.....」

 

そうして監視の続きを行おうとするがそれは叶わなかった。

突如小屋が圧縮され、放置していた老人の肉体ごと一瞬の内にビー玉クラスの球体になってしまったからだ。

 

呪具により老人の肉体と繋がっていた青年は右目から血を流しながら頭を抑える。

「うぐっ!?....流石は"五条家当主"やることが派手だ。

まさか、見ていることに気付かれるとは.....

ここもバレるのは時間の問題だな。」

 

青年は痛みを堪えながら車のキーを回すと急いでその場を跡にするのだった。

 

 

「これで監視している奴は潰せたかな?」

五条 三ツ木は鉄扇で欠伸を隠しながら呟いた。

「それにしても賢尺も無茶を言うよ。

大江山で隠れて術式を発動している奴を小屋ごと潰せだなんてさ。

全く人の心とは無いのかねぇ?」

「貴様にだけは言われたくないな五条 三ツ木。」

 

そう言って三ツ木の背後から賢尺が現れる。

 

「おっ!噂をすれば....それで収穫は?」

「やはり、我々ではない何者かが大江山に帳を降ろしている様だ。

それに帳から漏れ出している呪力から見ても.....酒呑童子の封印が解けたと見て良いだろう。」

 

「まぁ、君が僕を呼ぶくらいだからそうだろうね。

一馬君も中に入るんでしょう?

死なせるには惜しいからねぇ....」

「帳の強度は高い。

我々の術式で外から破るのは不可能だろう。」

 

「って事は綻びが出るまで待つしかない訳ね。

御三家の当主が二人も揃いながら不甲斐ない限りだねぇ。」

「........」

 

三ツ木の皮肉を無視しつつも賢尺は大江山にかかる帳を見つめるのだった。

 

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