整理も兼ねてチラシの裏にお引越しします。
FGOその1
――――人理焼却。
裏切り者『レフ』こと『レフ・ライノール』が所属する勢力による、まだ解明されていない『悪意』による人類の実質的滅亡。
これを受け、人理継続保障機関『カルデア』は、所長『オルガマリー・アムニスフィア』の指揮の下。
最後のマスターと、彼が召喚した数々の偉人・英雄『サーヴァント』を中心として、事態解決へ向け行動している。
さて、そんな人類の命運を偶然にも背負ってしまった少年『藤丸立香』には、一つ気がかりなことがあった。
「んー・・・・!」
自室のベッドで伸びをした彼は、まだ目覚めきっていない目をこする。
そして何気なく部屋の隅に目をやれば。
「・・・・」
「うっわぁ!?」
壁に背中を預け、じぃっとこちらを凝視している少女と目が合った。
彼女は『サーヴァント』。
誰もが耳にしたことがある史実の偉人や神話の英雄を、人間が扱える範囲に押し込めて具現化させた存在だ。
クラスはバーサーカーで、名前は『ファフニール』。
全てが始まった特異点Fにて、立香が初めて召喚したサーヴァントでもある。
驚いて声を上げる立香とは対照的に、ファフニールは沈黙を保っていたが。
やがて静かに立ち上がると、何事もなかったように出て行った。
――――立香が抱えている、悩み事まで届かない気がかり。
それは、ファフニールに関してのことだった。
『バーサーカー』とは、高火力をたたき出す代わりに狂暴なことで有名なクラスだと聞かされ、初めこそ多少警戒していた。
が、いざ付き合ってみれば、むやみやたらと暴れないし、立香以外の頼み事もちゃんと聞き入れてくれるし。
加えて、レフ裏切りのショックから立ち直ったオルガマリーの体調を(やや粗暴な手段だが)気遣った一件が後押しし。
『意外といい子』というのが、立香始めとしたカルデアメンバー共通の認識だった。
(そもそも、あのままだったら消えてた所長を助けたのも、切欠はあの子だったもんなぁ)
着替えた立香は、朝食を求めて食堂へ向かいながら、感慨深く思い出す。
特異点Fにて、無防備にレフに駆け寄ろうとしたオルガマリーの首根っこを引っつかんで阻止したのは、ファフニールだった。
そして、レイシフトに適正がなかったはずのオルガマリーが特異点にいる真実が語られた。
その時咄嗟に、立香が回収対象であった冬木の聖杯に願い、カルデアに無事帰還している次第である。
腕っ節は言うまでも無く高火力。
不器用ながらも仲間への気遣いも文句なし。
そんな『優良物件』のバーサーカーの、何が気になるかと言えば。
(言葉が通じないから、ファフニールの人となりが分かりにくい・・・・)
それに尽きた。
言葉が通じないといっているのは、単純にファフニールが喋れないことに由来している。
意思疎通自体は可能であり、現にこちらの指示をきちんと聞いてくれるし。
向こうが何か伝えたいときも、身振り手振りで表現するので分からないわけではない。
だが、魔術師としてすら未熟な自分の呼び声に、こうやって答えてくれているのだ。
『力を貸してください』と頭を下げている側としては、その辿ってきた足跡を知りたいところではあるのだが。
肝心の本人が喋れない上、そのことを話題に上げると何となく嫌そうな顔をするために。
第一特異点『オルレアン』を無事攻略した今でも、その正体は分からず仕舞いである。
そもそもファフニールという名前でさえ、オルレアンで出会ったセイバー『ジークフリート』が口走ったから判明したのであって。
それまでは単にバーサーカーとしか呼称されていなかったのだ。
――――バーサーカー『ファフニール』は、北欧神話の邪竜の霊格を借りた擬似サーヴァントである。
カルデアに数多くある蔵書にも、それらしき記述が見受けられないことが後押しして。
立香や英霊達はもちろんのこと、所長を筆頭にしたバックアップ陣も、今のところはそういう結論に至っている。
(結局時間に任せるしかないのかなぁ・・・・ん?)
自信なさげにため息をついた立香は、賑やかな声に気付いた。
いや、これは賑やかと言うより、怒鳴りあっているような・・・・?
「ぁ、先輩!!」
「マシュ?」
随分慌てた様子で食堂から出てきたのは、頼れる『後輩』にして立香最初の
「た、大変なんです!とにかく中に!」
「あ、ああ」
彼女は言うなり立香の腕を引っつかみ、食堂へ連れ込んだ。
「――――ですからッ!!邪魔をするなと言っているのです!!」
中へ入ったことで、騒ぎ声がよりはっきり聞こえる。
「妻たる私が旦那様の隣にいるのは当然ッ!!貴女がやっているのは単なる妨害であることを理解しているのですかッ!?」
「なあ、おい。ちったあ落ち着けや」
「外野は黙ってくださいッ!」
特に大きく喚いているのは、清姫。
日本は和歌山に伝わる昔話『安珍と清姫』に出てくる、悲恋のヒロインだ。
バーサーカーのクラスらしく、立香のことを『安珍』や『旦那様』と慕う愛らしさと裏腹に危険を秘めており。
特に『嘘』に対して過剰すぎるほどの攻撃性を示す。
そんな彼女がキャスター『クーフーリン』に羽交い絞めされながら糾弾しているのは、件のファフニール。
「っは、まさか!何も分からぬ畜生の振りして、旦那様の気を引こうと!?」
清姫は、天啓のようにひらめき指を突きつける。
「グルルルル・・・・!」
「ああんもうッ!嘘ついてないのがまた厄介だことッ!」
「分かるのか・・・・」
同じくアーチャー『エミヤ』にホールドされているファフニールは唸るだけだったが、嘘か否かは判別できたらしい。
清姫は実に悔しそうに歯を向き、ファフニールを睨みつけていた。
「お二人とも、落ち着いてください!」
「そうだよ、一旦深呼吸しよう」
「旦那様ッ!」
言い合いが一段落したのを見計らい、マシュと一緒に間に入って諌めれば。
クーフーリンの拘束を解いた清姫が立香に飛びつき、さめざめと嘆いた。
「一体何があったんだ?こんな朝から」
「昨晩そこの龍モドキが邪魔してきたんですうううううう!」
誰ともなく聞いた質問に、清姫が泣きながら答えるには。
昨日の夜。
当然のように立香の部屋に侵入し、夜這いをしかけようとしたのだが。
その日に限ってファフニールが部屋にいて、あっという間に追い出されてしまったという。
何度か再侵入を試みたが、ファフニールの守りを中々突破出来ず。
結局、泣く泣く自室へ戻ったのだとか。
「だから部屋にいたのか・・・・」
立香は清姫の頭を撫でつつ、今朝の理由を密かに納得するのであった。
「まあ、嬢ちゃんにゃいい薬じゃねーの?坊主のヤツ、お前が寝床にいる
「なんですってー!?」
「ああ、ほらほら!キャスニキも煽らない!」
クーフーリンのからかいに腕を振り上げる清姫を、何とかなだめて。
次はファフニールのところへ向かった。
「清姫の言っていることは本当かい?」
問いかければ、こっくり頷く。
睨む清姫に睨み返しながらも、しっかりした返事だった。
「・・・・私が思うに」
ここで、成り行きを見守っていたエミヤが口を開いた。
「この子なりに、マスターを気遣った結果ではなかろうか?」
「ファフニールなりに?」
「ああ」
一度頷いて、エミヤは続ける。
「君はオルレアンでの激闘を終えたばかり。時間は限られているとは言え、もう少し休まねば次に響くだろう」
と、清姫に目をやって、
「もちろん、長年待ち望んだ『安珍』に出会えた清姫の気持ちを否定しているわけではない。だが、君は人類の存亡を担う最後のマスター。丁重に扱うくらい当然のことと言えよう」
エミヤの冷静な分析を聞いたお陰で、騒いでいた本人達や集まっていた野次馬達も大人しくなった。
みんなが落ち着いたのに安堵しながら、立香は少し考えて。
まずは清姫に歩み寄る。
「清姫、エミヤが言ってくれているとおり、君が来てくれて嬉しいのは間違いない。俺の呼び声に答えて、力になってくれて、すごく頼もしいと思っている」
「・・・・はい」
当然ながら、嘘を言っていないのは分かるらしい。
清姫は小さく頷く。
「俺が、清姫が一緒の布団にいて驚くのは、寝ぼけてとんでもない事をしていないか心配になるからだ。清姫は嫌がらないだろうけど、やっぱり男としてはその辺しっかりしたいしね」
だけど、と。
清姫の頭を撫でる。
「本当に一緒に寝るくらいならいいよ、その方が俺も安心できるから」
「・・・・
安珍と慕っているだけあって、立香の言うことは素直に聞いてくれる。
この健気さもまた、立香が清姫を好ましく思う要因の一つだった。
『ありがとう』ともう一度頭を撫でてから、再びファフニールの下へ。
「というわけで、清姫もこう言ってくれている事だし。次からは追い返したりせずに、部屋に入れてあげてくれるかな?」
「ウゥ・・・・」
立香の言い分も分かるらしいが、やはり清姫への警戒は解けないらしい。
手出しこそしないものの、疑惑の目を向けている。
そんな彼女を見て、立香は苦笑い。
「大丈夫、清姫は約束を守ってくれるし。何より俺が仲良くしたいと思っているんだ」
もちろん、ファフニールとも。
笑いかけながら、今度はファフニールの頭を撫でてやった。
始めこそ不服そうにしていた彼女だったが、ほどなく立香の案が妥当だとでも思ったのか。
小さく頷いて、了承を伝えるのだった。
閑話休題。
「――――なるほど、それで今朝騒がしかったのね」
諍いをどうにか収めて、朝食を取った後。
立香はまだ食堂に来ていないというカルデアの首脳陣達へ食事を届けがてら、今朝の話をした。
話を聞き終えたオルガマリーは、野菜スープ(エミヤお手製)を飲みながらどこか納得している。
食堂の喧騒は、この執務室にまで聞こえていたらしい。
「それにしても、バーサーカー同士の諍いなんて。よく収められたねぇ」
「そんな、俺はエミヤに乗っかっただけですよ」
感心して同じく野菜スープを啜るのは、カルデア医療部門のトップ『ロマニ・アーキマン』。
『ドクター・ロマン』の通称で親しまれている、ゆるふわ系のちょっとダメなエリートさんである。
「それにしてもファフニール、か」
「おや、やっぱり気になる?」
どこか感慨深く呟くオルガマリーへ、気さくに話しかけるのは『レオナルド・ダ・ヴィンチ』。
カルデアに召喚されたサーヴァントの一人で、普段はオルガマリーやロマニと一緒にサポートへ回ってくれている。
なお、一応男性なのだが。
『モナリザが好きだから』という分かるような分からないような理由で、女性の姿をとっている。
もちろん顔はモナリザ似なので、『ダ・ヴィンチちゃん』と呼んでいる。
「そりゃあ、ね。ほら、所長たる私を救助した功労者なわけだし?多少は気にかけてあげないと」
「素直に感謝してるって言えばいいのにー」
「あのねぇ・・・・!」
いつものように、ダ・ヴィンチがからかい始めたのを苦笑いで見ていると。
「藤丸君は、ファフニールをどう思う?」
「どうって・・・・」
ふと、ロマニに問いかけられて。
立香は少し考える。
が、あまり悩むことなく答えは出た。
「・・・・狂化で上手く話せないだけで、根はいい子だって思っています」
「実はとんでもない大量殺人犯でもかい?」
「それを言うなら清姫だって危ない子ですよ」
オルガマリーを一通りからかったのか、今度はこちらへ身を乗り出してくるダ・ヴィンチ。
立香は苦笑いで首を横に振った。
「これからもあの子達みたいな、ちょっと癖のあるサーヴァントが来るかもしれないし。だったら俺にできることは、その人達を理解して、分かり合うことだと思うんです」
「・・・・そっか」
立香自身からすれば穴だらけな答えだったが、ロマニにとっては好ましい答えだったらしい。
ロールパンを頬張りながら、満足そうに頷いていた。
「まあ、腹パンはもう勘弁願いたいところね・・・・」
「だったらキリのいいところで休んだりしないとね、あの子意外と見てるんだよ」
「ボクも気をつけないとなぁ」
笑い出した大人達に釣られ、立香もまた笑みを浮かべたのだった。
クラス:バーサーカー
真名:ファフニール《???》
年齢:16
性別:女
身長:157
体重:データが破損しています
属性:秩序・悪
詳細:人理焼却に伴い生まれたらしい擬似サーヴァント。
言語能力は乏しいが、身振り手振りなんかでコミュニケーションは可能。
ちゃんとお願いすれば、荷物運びなんかの雑用も手伝ってくれる。
ステータス
筋力 B
耐久 A++
敏捷 C
魔力 E
幸運 E
宝具
『
対軍宝具 A
敵全体に大ダメージ&確率で呪い付与&自身に呪い付与(デメリット)(3ターン)
クラススキル
狂化 B
気配遮断 A
保有スキル
怪力 A
自身の攻撃力をアップ(3ターン)
無辜の怪物 A
自身に毎ターンスター発生効果(3ターン)&ターゲット集中(1ターン)
感覚遮断 C
弱体解除&クリティカル威力ダウン(デメリット)(3ターン)
霊基
第一段階:黒いコートに龍の手足を模した籠手具足、頭のヘッドギアは角っぽい。顔には左目と口元を隠す仮面。
第二段階:上着が脱げ、籠手具足から龍っぽさがなくなる。左目の仮面が外れ、呪いか何かで真っ黒になった肌が露出する。
第三段階:服装が体に密着したスーツに変わり、マフラーが靡く。口元の仮面は付いたまま、真っ赤に染まった左目が爛々と光っている。
最終段階:周囲の黒い手を警戒するように咆える茶髪の少女。その後ろから黒髪の少女が抱きしめ、肩に顔を埋めている。
台詞
戦闘開始
「ウウゥゥゥウウウゥゥ・・・・!」
「ドケェッ!!!」
スキル使用
「グヮウッ!」
「ガルル」
カード選択
「ウ」
「グルル・・・・」
「ウウゥ!」
宝具カード
「コロ、ス・・・・!」
攻撃時
「ゥオオオオオ――――ッ!!!」
「ガアアアアア!ガアアアアアっ!!」
EXアタック
「ッガアアアアアア!!」
宝具
「壊レロ、砕ケロォ・・・・消エロオオオオオォォォォ――――!