また息抜きに書いてみました。
時系列は懐かしめを通り越して、かなり懐かしすぎですが、楽しんでいただけると幸いです。
それではどうぞ。
ここは
その放課後の1年A組の教室にて。
「おーい、
「わー、ごめん
隣のクラスで同じバンドの
「ん? それ何やってるんだ?」
「日本史の課題だよ。このプリントの空欄を埋めないといけないんだけど、なかなか難しくって」
どうやら日本史の課題のプリントを香澄は現在進行形でやってたようだ。
「ねえ、はぐ? はぐは、どこまで進んだ?」
「えへへ! はぐみは、ちょうど今終わったところだよ! 途中からさーやが助けてくれたんだ!」
香澄の言葉に答えたのは同じクラスメイトの
「え~、それずるいよ~。さーや~、私も助けて~!」
「はいはい、りょーかい。あ、有咲もいるから、一緒にやろうよ」
「沙綾……私を巻き込むなって……」
しょうがないなとばかりに答える
「え~、そんなこと言わないでよ~。有咲もお願い!」
「……ったく、しかたねーなー。てか、まだ半分も埋まってねーけど……」
ある程度、進んでるのか……と思いきや、香澄のプリントは半分も埋まっていなかった。当人はなんか日本史って、苦手なんだよね~と言いながら。
「年号も覚えなきゃいけないし、人の名前もたくさん覚えなきゃいけないし」
「そうそう! 日本史って覚えることが多すぎて、頭の中がぐるぐるしてきちゃうよね!」
「それ分かる~」
「だからはぐみね、テストで悩んだらぜぇーんぶ『織田信長』って書く事にしてるんだ! そしたらだいたい1個はあってるから」
「あ、それいいかも! 私も次からそうしてみよう!」
「……」
香澄とはぐみの会話を聞いてた有咲は想像を絶する会話だなと思った。隣に居る沙綾も苦笑いをしている。
「つーかさ、しっかり歴史から学ばないと進歩しねーぞ。ほら、温故知新って言うだろ?」
「「オンコ……チシン?」」
「昔の事をよく学んで、そこから新しい知識や発見を導き出す、ってこと」
「「なるほど!」」
沙綾が意味を香澄とはぐみに説明すると、2人は声を揃えながら納得した。
「ふふふ。香澄とはぐみって本当に息がぴったりだよね。感性が似てるって言うか」
「だって、はぐとは子供の頃から仲良しだもんね~♪」
「そうそう! かーくんとは、ちっちゃい時に公園で遊んでたんだよね!」
2人の言葉にそういえば、前からそんな話をしてたよねと沙綾が言った。
「お、その話、いつか聞いてみたいと思ってたんだよ。ついにその日が来たみたいだな」
「私もすっごい興味あるなー。だって、香澄とはぐみの家ってわりと距離あるよね?」
有咲だけでなく、沙綾もその話には興味あった。香澄とはぐみがどうして一緒に遊んでたのか、ちょっと想像がつかないからだ。
「それ! そこなんだよ、私が不思議に思ってるのも。だって香澄ってここまで電車だし、子供の頃の2人の接点が全然見えないっつーか」
まさに有咲が不思議に思うのはそこである。
「ふふ~ん♪ それはですね~、私が幼稚園生くらいの時、日曜日になるとお母さんと一緒にお出かけしてたんだ。それで、家からちょっと離れた公園で遊んでたの」
家の近所の公園にはない遊具とかもあるし、それがすっごい楽しみだったんだ!と沙綾と有咲に話す香澄。
「その公園に、はぐみもよく行ってて、そこでかーくんと会ったんだよね!」
「へ~、そうだったんだ」
「で、その2人が、奇跡的に高校で再会した、って訳か」
あるんだな、そんな事……と有咲は思った。
「最初に会った時は、かーくんの髪型が変わってたから、全然わかんなかったよ~。そんな耳みたいなの生えてなかったもんね~」
「えへへ~♪ 私も、まさか同じクラスに、あの時の『はーちゃん』がいるなんて思ってなかったよ!」
「はーちゃん?」
ここで香澄が言う『はーちゃん』という単語に首を傾げる有咲。
「その時は私、はぐのこと『はーちゃん』って呼んでたんだ!」
「はぐみはね、『かすみちゃん』って呼んでたよ」
どうやら昔の渾名らしい。
「想像すると、なんかすっごい可愛いね。2人は、どんな事して遊んでたの?」
「ん~、正確には
「うん、かーくんと
「「すいちゃん?」」
沙綾が訊くと、香澄とはぐみの口から『彗ちゃん』とか『すいちゃん』という別の単語が出てきた。首を傾げる沙綾と有咲。
「名前もすっごくキラキラして覚えやすいんだ~♪ 私、
「はぐみもすいちゃんの漢字は書けるんだ!」
ほら!と言いながら、その人物の名前の漢字を書き、沙綾と有咲に見せる香澄とはぐみ。
「……香澄、お前よくこんな難しい漢字が書けるな。てか、この漢字を使った名前の子って本当にいるんだな」
「へ~、確かに珍しい名前だね」
世の中には、こういう難しい漢字を使う名前もあるもんだなと思う有咲と沙綾。
「お昼くらいに公園行って、夕方になるまでずっと遊んでたからね」
「かーくんとすいちゃんと遊んでると、あっという間に時間が過ぎちゃう感じだったな~」
「私も! 帰りたくなくて、お母さんに泣きついた事あったもん」
そう聞くと、2人の息がピッタリなのも納得できる。
「けどさ、そんなに仲が良かったのに、どうしてその後は遊ばなかったんだ?」
「ん~、それは~……なんでだっけ? はぐ覚えてる?」
「はぐみも覚えてないなー」
有咲の疑問に覚えてないと答える香澄とはぐみ。
「まー、子供の頃の事だから、なんか些細な事で喧嘩しちゃったとかじゃねーの?」
「喧嘩はしてないと思うけど……彗ちゃんとはぐといると、すっごい楽しかったし……」
「はぐみも、喧嘩じゃないと思う。その辺の事は、はっきり覚えてないけど……」
その後の事について、2人は喧嘩じゃないと言い切る。
「それにね、あの公園がどこにある公園なのかもあんまり思い出せないんだよね」
「え? 商店街の近くの、あの公園じゃないの?」
「うん、違うよ。確かはぐみが、自転車に乗れるようになってすぐだったから、ちょっと遠くまで行ってたんだ」
それを聞いた沙綾が驚く。てっきり商店街の近くにある公園かと思っていたからだ。はぐみ曰く、ちょっと遠くの公園だったとの事。
「ねぇ、それじゃあさ! あの公園、一緒に探してみようよ! そうしたらもっといろんなこと思い出せるかもしれないし! もしかしたら彗ちゃんに会えるかもしれないし!」
「わ、それいい! それにはぐみ、もう1回あの公園に行ってみたい!」
香澄の突然の提案にはぐみも乗り気なようだ。
「有咲もさーやも、一緒に行こう!」
探偵みたいで楽しそうじゃんと2人を誘う香澄。
「私はこのあと特に用事ないから……行ってみようかな? 有咲はどうする?」
「私も、別にやる事ねーから、行ってみっかな」
特に用事もなかった沙綾と有咲は誘いに乗る事にした。
「やったー! それじゃあ公園探しとあわよくば彗ちゃんに会おうの旅、しゅっぱーつ!」
「「……((香澄がこんなに喜びながら言ってる彗ちゃんって、ほんとに誰……?))」」
未だに『彗ちゃんに会えるかな? 会えるといいな♪』とウキウキしながら帰り支度をしてる香澄を見ながら、沙綾と有咲は思うのであった。
読んでいただきありがとうございます。
主人公ですが、次回以降の話の流れで、後から登場させる形の予定ですので、名前だけ判明させました。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。