前回の続きになります。
それではどうぞ。
なんやかんやあり、公民館内で休憩する事になった5人。
「わ~、涼し~。ここまで結構歩いたもんね。私、汗かいちゃったよ」
「自販機はー、っと……」
「……ん。2人とも、飲み物どうぞ」
有咲が自販機を探そうとした矢先、彗が飲み物を持って来た。
「わあ、ありがとう」
「あ、ありがと……つか、この時季に長袖って暑くねーの?」
「これ? 生地が夏用だから別に暑くないよ。他の人から見れば、そう思われても仕方ないけど」
「ふーん……スカートとか黒タイツなのはなんで?」
「……これ? 防具。あとナンパ防止……」
彗から飲み物を受け取り、ついでに彼が着てる服装について訊く有咲。『防具』という点はイマイチ分からなかったが。そして懐から何やら棒のようなものを取り出し、咥える彗。
「……ふぅ」
「おい、それ……まさかタバコか?」
「……違う。砂糖菓子シガレット。駄菓子屋でもよく見かけるアレ」
一瞬、タバコに見えかけた有咲が彗に訊くと彼は駄菓子屋で売られてる砂糖菓子シガレットだと答えた。その証拠と言わんばかり実物のケースを沙綾と有咲に見せる。
「ほんとだ。いつも持ってるの?」
「……ん、何種類か持ってる。切らした場合は、棒付きキャンディーで我慢してる」
「つーか、誤解とかされねーの?」
「その辺は大丈夫。……人を見た目や偏見だけで判断する組織の輩の内面が解るから、寧ろ、お釣りがくるよ」
「実感ある言い方だな……何回かあったのか?」
「……ん、何回かね。その警察がどうなったか知りたい?」
「いや、遠慮しとく……」
なんでも彗曰く、砂糖菓子シガレットを常に携帯してる理由は、主に見た目や偏見だけの理由で、誤認逮捕する警察の各個人の人間性を試してるからだとの事。
その話を興味本位で聞いたらいけない気がすると思った有咲は遠慮すると返す。
「きゃはははっ! こっちだよー!」
「待ってよー!」
すると2人の子供が公民館内を走っていた。
「わ! なんかこの公民館って、すっごい子供がいるね?」
「はぐみも思った! ほら、あそこでも女の子が集まってなんかやってるよ?」
「すごい賑やかな公民館だね。奥の方の部屋から、子供の笑い声が聞こえてくるんだけど」
先程の子供然り、確かに賑やかな公民館だ。それに沙綾の言う通り、奥の方の部屋から、子供の笑い声が聞こえてくる。
「ホントだ~。なんかやってるのかな? 私ちょっと見てみるね!」
「はぐみも行ってみる!」
そう言って、香澄とはぐみは先に行ってしまった。
「……ん? 子供の笑い声に混じって、聞き覚えのある声が聞こえる気がするんだけど……気のせいか?」
「え? 有咲も思った? 私もそんな気がしたんだけど……」
「……奇遇。僕も2人と同じ」
有咲と沙綾、彗は聞き覚えのある声に疑問をもっていた。ちょうどその時……
「「え!? こころん!?」」
「あら? 香澄にはぐみね? どうしたのこんなところで?」
香澄とはぐみが驚きの声を上げていた。どうやら聞き覚えのある声の主の正体は、香澄達と同じ花咲川女子学園に通う同級生の
「……まぁ、なんとなく予想はしてたけど……久しぶり、こころちゃん」
「っ! 彗! 帰ってきてたのね!」
「……ん、つい最近だけどね」
そして彗の姿を見るや否や、こころは彼に抱きついたのだ。その光景に香澄達4人は驚いていたが。
「こころちゃんはどうしてここに居るの? お散歩?」
「あたしは、この公民館にたくさんの子供がいるのを見かけたから、みんなを笑顔にする為に人形劇をやってるのよ!」
「「人形劇?」」
思わず香澄と声がハモってしまう彗。
「ええ! 人形はこの公民館にあるものを使ってるけど、とっても盛り上がってるわ!」
「え~!? そうだったんだ!?」
「だって、こんなにたくさん子供達がいるのよ! みんなが笑顔になれば、世界中が笑顔になる日も近づくもの!」
「す、すごいよ、こころんっ! やっぱりはぐみ、こころんのこと尊敬しちゃうな~」
そう話すこころとはぐみ。そう言えば、かなり前に世界を笑顔にするとか言ってたっけと思い出した彗。
「はぐみと香澄と彗は、ここで何をしていたのかしら?」
「あと、有咲とさーやもいるよ! 私達は、昔3人で遊んだ公園を探して、ここまで来たの! そしたら……」
「ねーねー、おねーちゃん! 続きは~!? 人形劇の続きやってー!」
すると先程の子供がこころに人形劇の続きは?とせがんできた。
「わかったわ! それじゃあ、あたしは人形劇の続きをやらないといけないから、行くわね!」
「……ん、人形劇、頑張ってね。落ち着いたら、こころちゃんの家に挨拶に行くよ」
「ほんとっ!? その時は連絡ちょうだい! 楽しみにしてるわ!」
そう言ってこころは子供達に人形劇の続きをやりに奥の方の部屋に戻った。
「弦巻さんって、こんな事もしてるんだな。なんかホントにすげーやつだな……」
「う、うん。そういえば、彗って、こころと知り合いだったの?」
こころの行動力の凄さに驚く有咲。沙綾も驚きながらも彗にこころとの関係を訊く。
「……ん、実際に会うのは数年ぶりくらい。今まで
「そうなんだ? 実家って遠いの?」
「遠いか近いと聞かれたら……遠いね」
「ふーん……弦巻さんと映像越しでの会話って言ってたけど……彗の実家って海外か?」
有咲が話の内容的に海外か?と訊く。すると香澄が……
「違うよ、有咲。彗ちゃんの実家は宇宙にあるんだって♪」
「「う、宇宙!?」」
「ほんとだよ。道路がすごく混んでて、帰るのが遅くなった時に、すいちゃんのおかーさんがはぐみとかーくんを
「ねー♪」
信じ難い事実を笑顔で言い放ったのだ。驚きの表情をする有咲と沙綾に、はぐみがフォローのつもりなのか、更にぶっ飛んだ発言をしたのである。
「……かなり前の話だけど、こころちゃんのお父さんが『娘の誕生日に星の命名権』をどうしてもプレゼントしたいって、お願いされた事があってさ。……代わりの条件……というか、ちょっとしたお願いを提示して命名権をあげた」
「は、はあ!? 星の命名権!? マジで!?」
「……ん、あとは……最近だと、
「予約!? しかもなんだそのネーミング!?」
「……そう? 馴染みやすい名前で個人的にはアリだと思うけど」
ぶっ飛んだ内容過ぎて、突っ込みまくる有咲。
「些細な事は置いといて。あっちにいた女の子達、なんか紙切れみたいなの持ってるけど?」
「……(さ、些細な事でいいのかな?)。もしかしたら七夕の短冊じゃないかな? お願い事を書いて、笹につるすやつ」
女の子達が何かを持ってるのを見つけた彗。その正体を答える沙綾。……先程の事を些細な事だとしれっと言う彼に対し沙綾は苦笑いを浮かべるしかないが。
「……あ! ねえ、はぐ! 彗ちゃん! そういえばさ……」
すると香澄が何かを思い出したのか、2人にある出来事を話す。それは公園で短冊を書いた事だった。
「あ~! そういえばあったね、そんなこと! 確か、公園のベンチで3人で書いたんだよね!?」
「……確か、はーちゃんが偶々持ってきてた紙に書いたんだっけ?」
「そうそう! あの時、私、なんてお願いごと書いたんだろ? はぐと彗ちゃんは覚えてる?」
「ううん、覚えてないよ。短冊を書いたことも、今はじめて思い出したもん!」
「僕も。香澄ちゃんが今言ったので、思い出したって感じ」
確かに公園のベンチではぐみが偶々持ってきてた短冊を3人で書いてたのを彗も思い出した。
「うわ~、それすっげー気になるな~」
「あのさ、その短冊って、はぐみのお店の前に飾ったんでしょ?」
「うん。たぶんとーちゃんが飾ってくれたと思うよ」
それを聞くと沙綾は、もしかしたらその短冊がはぐみの家にあるのでは?と言った。
「……あ! そうかも!」
その言葉にはぐみも心当たりがあり、店に飾りを付ける時、倉庫の中に昔の笹飾りも置いてあったと付け足す。
「ホントに!?」
「ここまで来たら……それを見ないわけにはいかねーだろ、香澄」
「うん! 絶対見たい! それじゃあ、はぐのおうちに行ってみようっ!」
「まさか、はーちゃんの家に行く事になるとは……それじゃ行ってみよっか」
「おーっ!」
そんなこんなで、5人は最終目的地と思われる、はぐみの家に向かう事にするのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
※そして
・香澄曰く、彗の実家は宇宙にあるらしい。
・はぐみ曰く、彗の母親が『ひこーせん』で迎えに来て、香澄とはぐみを乗せて、家まで送り届けたらしい。
・彗曰く、こころと直接会うのは、数年ぶりで、今までは映像越しだったとの事。
・彗曰く、だいぶ昔、こころの父親が娘に星の命名権を誕生日にあげたいと直々にお願いしに来た事があるとの事。
・砂糖菓子シガレットを常備している。切らした場合は棒付きキャンディー。
・彗が転入予定の高校に在籍してる、双子の先輩……ちなみに弟の方から、ヒナンティウス星という名前を付けたいという予約が。更にその高校は一部の人しかしらない高校だとの事。