○○○の少年と離れた時間と公園で   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
今回で本編は最終回になります。

それではどうぞ。



第6話 お願いと約束

願い事を書いた短冊を探しに、はぐみの家に訪れた5人。

 

「とーちゃんも一緒に探してくれたけど、たぶんこの箱に入ってるのがそうみたい」

「すごい……本当にあったんだ!?」

「……僕、てっきりもっと大きな箱かなと思ってた」

 

はぐみが部屋に持ってきたのは、中くらい大きさの箱だった。

 

「とーちゃんね、子供達のお願いごとが書いてある短冊だから、毎年、七夕が終わったら笹から外して、こうやって保管してたんだって」

「確かに、そういうのは雑に扱えねーもんな」

「おじさんって、子供に優しいもんね。ホントそういうところ、はぐみと似てるよねー」

 

確かに沙綾の言う通り、はぐみの父は昔から子供に優しい。

 

「そうかな~? えへへ~♪ とーちゃんと似てるって言われると、なんかうれしいな~」

「……そういうところでしょ。はーちゃんの嬉しそうな反応、凄く可愛いし」

「やだな~、すいちゃんってば! ほめてもコロッケはおまけしてあげないよ~♪」

「……本心で言ってるんだけど……あと、地味に痛いから背中を叩かないで……」

「……(そう言いつつも、はぐみ嬉しそうだけど?)」

 

照れ隠しなのか知らないが、嬉しそうな表情をしながら彗の背中を叩くはぐみを見て、実は満更ではないんじゃないか?と思う沙綾。

 

「けど……この中に、子供の頃の3人のお願い事が入ってるのか……? ……いよいよって感じだな」

「有咲……ちょっと緊張しすぎじゃない? なんで有咲がそんなに緊張してるの?」

 

そう訊く沙綾。どうして有咲が緊張しているのだろうか?

 

「なんつーか、歴史的な瞬間に立ち会ってる感じがして……」

「まあ、その気持ちは分からなくもないけど」

 

それを聞いた沙綾も有咲の気持ちも分からなくもなかった。

 

「それじゃあ……開けてみよっか……」

「うん! 見たい見たい! 開けてみよー!」

「……ん、開けよ」

 

さあ開けるかとした矢先、有咲が慌ててちょっと待て!と言う。どうしたのだろうか?

 

「こんな瞬間、そう滅多にあるもんじゃないんだから、もっと大事にしろよ!」

「さっきから有咲が1番楽しんでる感じするけど……」

「べ、別にそういうわけじゃねーけど! ただ、今までは、思い出話を聞いてただけだったけど、今度は実物だから、ちょっとドキドキするっつーか?」

 

香澄にも言われながらも、ホントにどんな事を書いたのも思い出せないのか?と聞き返す有咲。

 

「うん、全然。ていうか、私も早く見たいんだけど! もう開けちゃうよ! うん、開ける!」

 

オープン!と言いながら、えいや!と箱を開ける香澄。中にはたくさんの短冊が入っていた。

 

「うわ~! たくさん短冊が入ってるね~!」

「この1枚1枚に、それぞれの想いが詰まってるのか……」

 

確かにこれは捨てられないよねと短冊を見ながら言う沙綾。

 

「えーっと、はぐみとかーくんとすいちゃんのは……」

 

箱の中をガサゴソと漁るはぐみ。

 

「あった! これ、私のだ! 『とやまかすみ』って書いてある!」

「あ! はぐみのも見っけ! ちゃんと『はぐみ』って書いてあるよ!」

「……ん、僕のも見つけた」

 

意外にも直ぐに自分達の短冊を見つかり、手に取る香澄とはぐみと彗。

 

「うわー、マジで!? え? なんて書いてあった?」

 

やべー! テンション上がるわー!とやっぱり楽しんでる様子の有咲。

 

「それじゃあはぐ。彗ちゃん。せーの、で見せ合おうか!?」

「うん、いいよ!」

「……ん、分かった。それじゃあ……」

 

せーの!と一斉に短冊を見せ合う3人。

 

「えっとね……私のお願い事は『まいにちたくさんあそべますように』だって……」

「はぐみはねー、『ゆうえんちにいけますように』って書いてあるよ」

「……ん、僕のは『かすみちゃんとはーちゃんと』って書いてある」

 

香澄、はぐみ、彗がそれぞれの願い事を読んだ。

 

「つーか…………え? それだけ?」

「「「それだけ」」」

 

目が点になってる有咲の反応にそれだけと声を揃えて言う香澄、はぐみ、彗の3人。

 

「はは、あはは……そっか、そうだよねー。やっぱり子供が考える事って、こんな事だよねー」

「はぁぁ、緊張して損した! もっと劇的な事が書いてあると思ったし! 『ずっと仲良しでいようね!』とか、そういうの!」

「……なんか、過度な期待させてゴメン」

「あ、いや……別にそういう意味じゃなくて……」

 

沙綾はなんとなく予想してたらしく、有咲はもっと劇的な事が書いてあると思ったらしい。

 

「それにしても全然変わんねーなー。ある意味、安心するわ。北沢さんに至っては『ゆうえんさ』って書いてあるし!」

 

確かにはぐみの短冊には『ゆうえんち』ではなく、何故か『ゆうえんさ』と書かれていた。

 

「あ! そういえばはぐみ『さ』と『ち』が苦手だったよ! 今、思い出した!」

「わかる~。子供の頃『さ』と『ち』って難しかったよね? これは、罠だね」

「……ん、あの2つは落とし穴で間違いない」

「ありがとー、かーくん! すいちゃん! そう言ってくれるのはかーくんとすいちゃんだけだよー!」

 

最早3人にしか理解できない会話を始めた。

 

「ふふふ……香澄が話してた通り、ホント3人って、息がぴったり」

「はは……さすが幼馴染みって、感じだな……」

 

これには沙綾と有咲も息がぴったりな3人を見て、まさに幼馴染みだなと思ったそうな。

 

「あ! ねぇ、はぐ! 彗ちゃんも帰ってきた事だし、小さい頃のはぐの願い事を叶える為に、今度、遊園地行こうよ!」

「うん、やったー! さっすがかーくん、ナイスアイディアすぎるよ!」

「……ん、遊園地はあんまり行ってない」

 

香澄の思いつきで話は遊園地の話題になった。

 

「有咲とさーやは、もちろん行くでしょ? りみりんとおたえも誘ってー。あとハロハピのみんなも誘うよね!?」

「わーい! 楽しみだな~!」

「彗ちゃんも行くでしょー?」

「……ん、誘ってくれるなら」

「やったー♪ はぐー! 彗ちゃんも一緒に行けるってー♪」

「わーい!」

 

そう返事すると香澄とはぐみは嬉しそうな表情をしながら彗に抱きついてきた。

 

「(まぁ、僕の願い事は、香澄ちゃんとはーちゃんの短冊を合わせたものだけどね……)」

 

彗の本当の願い事は既に叶いかけてるから、本人達には言わなくていっかと思う彗なのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回は、後日談編になります。
最後まで頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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