ついでに肉付けをして、文字数を増やしました。アンデッドガール・マーダーファルスはいいぞ!!
本作はにわか知識の落語演目が多数存在します。
列車にエセ噺家野郎が
われわれの知る明治時代とはまたちがう明治時代
文明開化の旗のもと、怪異、あやかし、
狐狸妖怪の類の大規模駆除政策が行われた
これを俗に怪奇一掃という
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時代は大正、大衆文化が花開き西洋の文化が行き交う華やかな時代である。和洋折衷の建物が並び、ガス灯が足元を照らし街道には電車が稼働する。夜という概念が薄れる日出国。その夜の中で、人知れず人間が喰われていた。
――闇夜に紛れて、鬼が潜む
朝日を厭う魑魅魍魎が跋扈する。人々が当たり前を享受する中、その陰で誰かが死んでいる。人喰い鬼が日常を脅かしていた。そんな人外から守る為に、鬼狩りは闇夜から人々を守った。癒えぬ傷を負いながらも、鬼狩り達は夜明けの空の下を駆け抜ける。
――滅をその背に抱きながら、死線をくぐり続けた
竈門炭治郎もそんな鬼狩りの一人である。かつてはただの炭売りに過ぎなかった少年が、だ。鬼狩りに至るまでの経緯は複雑で、家族は殺されてしまい、唯一生き残った妹は鬼になってしまった。
――炭治郎は妹を人に戻すため、長い旅を始める
一人でも犠牲者を作らぬように、人であった鬼がこれ以上人を殺めぬように。―心優しい少年は鬼殺隊での任務を幾度も繰り返す。人よりもずっと強い鬼ばかりを何度も相手取る日々。何度も傷を負いながらも炭治郎は確実に強くなっていった。されど、那田蜘蛛山での任務で遭遇した、下弦の伍には未だ歯が立たなかった。尚も弱いことを痛感しながら、肉体を蝶屋敷で治療する。
――機能回復訓練を終えて、既に幾日
常中の呼吸を見に付けた矢先、炭治郎に鎹鴉から指令が舞い込んだ。今回の任務は列車の中。無限列車と呼ばれるその列車で40人も消えたという。既に派遣された鬼殺隊の隊士たちが何人も消えている、今回はその任に炎柱と共に当たることとなった。
――今回の任務は前回同様、我妻善逸と嘴平伊之助が同伴である
怯える善逸、張り切る伊之助、その間で宥める炭治郎と個性的な面子となっていた。列車に乗り込めば、汽笛の音と共に列車が動き出す。煙突からごうごうと噴き出て唸る煙、車輪はその煙と共にゆっくりと着実に速くなる。ガタゴトと、列車は揺れて車窓から見える景色は流れるように見えた。
――まるで自分たちが風になったようだ
すげぇ、降りてこいつと競争する、そう言って興奮する伊之助、車窓から身を乗り出そうとするもそれを必死で止める善逸。炭治郎といえば炎柱の煉獄杏寿郎と隣り合って話し合っていた。反応は各々違うようだが、どちらにせよ騒がしい。
「師匠、何やら騒がしいですねぇ」
同じ車両の座席、一人の若い男が言葉を発していた。口を動かすのは二十代前半、細身の男だった。細身で優男な印象が残る、とりわけ目立つのはその頭髪。何処の生まれかは知らないが髪や眉の色は青みがかっている。細めた目元から覗くじっとりとした瞳も同じ青。東洋人にも見えないが顔の造形は東洋人そのものである。その顔の左側にはその眼を串刺しにするような線が走っていた。縦に一本線が走るように細いそれは刺青にも見えるがその色も青だ。不可思議な刺青の線は顎から体まで続くようで、襟首に除く首筋までそれは見えた。まるで罪人に刻まれる刺青のようだ。あるいは花柳病とも誤解されるだろう。男はおくびもせずに隠さないまま、また男は話を続けた。
「まるで三軒長屋の稽古です」
異様な男は常に笑みを張り付けてそんなことを言う。その物言いは噺家のようで、動きも大袈裟で捉えどころがない。例えられたそれは落語の演目のようだが、それを分かる人間はどれ程居るだろうか。ねぇ、師匠。まるで駄々を捏ねる子供のように男は誰かを呼んだ。
「弟子にした覚えはないぞ、津軽。お前はただの助手だろう」
それにこの会話は何度目だ、何処からか声が聞こえた。呆れたような口調、その声質は女のようだ。実際津軽と呼ばれた男の傍らには女が居る。女中のような装いの女だが、その声と比べると歳が見合わないようにも思えた。人形のように微動だにせず女は佇む、そして女の唇は動いてすらいない。
――腹話術の大道芸であろうか?
しかしながら此処は公共の場、見世物をするには場が悪すぎる。されど女と男の会話は小気味よく続く。
「津軽、確かに騒がしいのかもしれんが私は確認しには行けないのだぞ」
「おっと、こりゃ一本取られました」
「ふふふふふふ」
「はははははは」
一体何がおかしいのか、呑気に談笑する二人の傍らには荷物が複数あった。二人分のトランクと、もう一つ。レースで覆われた鳥籠は女の膝の上に置かれている。そのレースの合わせ目の向こうでは何かが動くような気配がした。
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――切符を拝見いたします
それは駅員の口頭である。カチカチと検札鋏を鳴らして車両を歩く姿は見慣れた風景であるが、この駅員の顔は何処か陰気だった。隈を作り、何処か険しい。足を引きずる姿はさながら幽鬼の類だ。此方が心配する程に危うい空気を醸し出すのだが、男はただ鋏を動かすばかり。
――切符を早く切りたい様子だが、結局これが彼の仕事なのだ
炭治郎は言われるがまま切符を差し出せば、カチンと切符に傷がつく。拝見したという結果だけが残ったものを懐に入れて、周囲を確認すれば善逸と伊之助も見せていた。隣に座る煉獄も見せて派遣された鬼殺隊は見事に列車に乗り込んだ。瞬間、列車の電灯は点灯し一瞬暗くなる。途端に嫌な匂いがした、嗅覚の鋭い炭治郎が周囲を窺えば、煉獄は車掌さんと一言声を掛ける。
「危険だから、下がってくれ」
火急のこと故、帯刀は不問にして頂きたい。真っ直ぐと焔の目がその先を見据えた。また電灯がバチバチと点灯し明るくなった途端、鬼が現れた。ひぃ、恐れ戦く乗客たち、その中で煉獄のみが刀を抜刀する。気配も探りづらかった、と呟いて刀を構えた。悪鬼滅殺、赤い刀身に彫られた文字はまるで輝くようだ。
「しかし、罪なき人に牙を剥こうなら、この煉獄の赤き炎刀が、お前の骨まで焼き尽くす!」
炎柱のみだけがただ頼もしく思えた。叫ぶ鬼を前に、煉獄は呼吸をし始める。
――炎の呼吸一の型、不知火
駆け巡る炎は一瞬灯り、弾けた。たった一撃で鬼の頸は吹き飛んだ。倒した、そう思ったがまた新手がやってきた。逃げ遅れた人間が居たが煉獄はそれを助け、容易く屠った。
――これが柱か
その強さに三人は憧れる。兄貴、煉獄の兄貴と慕い弟子にしてくれと言えば、煉獄はあっさりと快諾してみせた。楽しそうに笑う四人、もう鬼は居ない。バチン、また電灯が暗くなって辺りが見えなくなった。
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――ガタンガタン、列車の揺れる音がする
先程まで鬼を狩ったのにも関わらず、荒らして破壊してしまった座席は元通りになっていた。いびきの声と寝息がする。だらりと全身を委ねて眠る四人は、無防備だった。車掌が慌てて走る音だけが響く。一番奥まで走り切って、突き当たりの車両にたどり着いた。
「言われた通り、切符を切って眠らせました……!」
どうか、私も眠らせてください。その言葉は余りに切実だった。死んだ妻子に会いたいと泣き叫ぶ。いいとも、あっさりと快諾する鬼が眠りにつかせれば車掌はあっさりと眠りについた。幸せそうに、眠るその顔は穏やかで幸せそうだ。
「家族に会える、いい夢を」
優しそうに、囁く。その声は子守歌のように低く穏やかだった。
――鬼とその協力者以外は全て眠りについていた
まるで深い水底に沈むように、静かに。眠る寝息は穏やかで列車以外が沈黙を貫くようだった。おい、津軽。唯一貶すような声だけが辺りを貫いていた。
書いていて楽しかったですが力尽きました。猗窩座殿と戦うまで書きたかったです。
設定的に身体取り戻せなかったかなみたいなのをふんわり入れてます。
津軽は不死の細胞で歳を取らないと勝手に愚行しておりますが…。
正直、この作品無限列車編で終わらせようと思ってたのですが、ちょっと惜しいような気もしてアンケートします。
続きは?
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見たい!
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満足!