雷神トンヌラのハーレム大作戦   作:天空おやじ

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第二話 天空の剣?が あらわれた! 

ビスタの港からサンタローズまで歩いているうちにすっかり夜が更けてしまった。

サンタローズの村の入り口には守衛さんが立っていて険しい顔をしてモンスターが村に入ってこないか警戒していた。

 

「!!」

 

俺たちの姿に気づいた守衛さんはニッコリ笑顔になって手を振ってくれている。

りゅかたんも手を振り返している、かわいい。

 

「こんばんはしゅえーのおじさん!」

「こんばんはリュカちゃん!お帰りなさいパパスさん!トンヌラ君も!」

「守衛さんも元気そうで何よりです」

「なによりです!」

「わたしがいない間変わりはなかったか?」

「はい!村は平和そのものですよ!」

「そうか、無理はするなよ」

「はい!ありがとうございます!さーて!みんなにパパスさんが帰ってきたことを伝えなくては!」

 

あら。

守衛さん、仕事ほっぽり出して行っちゃったよ。

夜中だというのにキャッホーイって感じで騒いじゃって…。

近所迷惑にならないかね?

でも仕方ないか、この村でのパパス人気は凄まじいんです。

強いし優しいし貫禄あるししいい男だし、みんな父さんの事が大好きなんだ。

 

「帰ったぞサンチョ」

「「ただいまー」」

「お帰りなさいませ旦那様、坊ちゃん、お嬢ちゃま、長旅でお疲れでございましょう、さぁさどうぞ中へ、お風呂も沸いておりますよ」

「うむ」

 

父さん、りゅかたんとの楽しいお風呂タイムを過ごし、待っていました夜ご飯。

テーブルに用意されたのはシチューとパン、父さん用のワインと俺たち用のミルク…。

サンチョさんの作ってくれたシチューは甘くてクリーミーでその甘さを引き立てるしょっぱさがまた絶妙なんだなこれが、サンタローズ産の家畜と作物からとれたもので作られたここでしか食べられないサンチョさん特製のチキンクリームシチュー、最高に美味だぜ。

 

「では頂こうか」

「「いただきます!!」」

 

父さん用に作られたシチューは俺たちのよりも塩分多めに作られている、やっぱりよく動いて汗をかくから塩分多めなんだろうな。

 

「坊ちゃん、お嬢ちゃま、長旅如何でしたか」

「とっても楽しかったよ!モンスターさんたくさん見れたし!悪いモンスターもやっつけたし!友達も出来たんだよ!」

「それはそれはようございましたね、友達は大切にしなくてはなりませんよ」

「はーい!」

 

サンチョさんは優しくて料理上手でお話上手で本当に良い人なんだ。

母親を知らないリュカにお母さんみたいといわれて優しく微笑む聖母の様な女性で…。

あ、うん、そうなんだ、この世界のサンチョさんは女性なんだ、年齢は父さんよりも年下の30代くらいの別嬪さん…。

 

「坊ちゃんは如何でしたか」

「え、僕もリュカと同じだよ、久しぶりの船旅で楽しかったさ」

「そうでございますか…いえ、それはようございましたね、坊ちゃん」

「?」

 

うん、何か言いたいことがあれば何でも言って欲しい、もしかして口元にシチューついてた?

はふはふふーふーすぴすぴ…うむ、美味、これで米があれば最高なんだが…俺はシチューをおかずに白飯を食う派、パンもいいけど、日本人としてはやっぱりお米が…。

 

「はふはふはふ…おいしい!!」

「うんうん、美味しいね!」

「うふふ、それはようございました」

「腕を上げたなサンチョ」

「とんでもございません、これからも精進します」

 

パンは少し固いけどシチューにつけて食べると中がふやけて美味しいんだ。

いくらでも行けるよホント、むしゃりむしゃり。

 

「ところでサンチョ、変わりはないか」

「はい、旦那様、この辺りは平和そのものです、しかし今年の春はどうも肌寒うございます」

「うむ、そうだな、このままだと野菜の収穫が遅れそうだな…」

 

それもこれも雪の女王ってやつの仕業なんだ!

なんてことは言わずお代わりのシチューとパンを追加!

はふはふむしゃりむしゃり…うむ、美味美味…この人参がまたシチューと合うんだよな…。

俺に見習ってりゅかたんもおかわりしてる、かわいい。

もう一杯おかわり所だがこのままではりゅかたんのお腹がいっぱいになってしまう。

腹八分目が身体に良いからこの辺でやめとくか…。

 

「「「ごちそうさまでした」」」

「お粗末様でした、お皿を下げますね」

 

組んできたお水でお皿を洗うサンチョさんの後姿はかつて幼い頃に見た母の後姿を思い出す。

 

「サンチョさん!ボクも手伝うよ!」

「おや、ありがとうございますお嬢ちゃま」

「うん!」

「じゃあ僕も…」

「おにいちゃんはおとうさんの相手してて!」

「あ、はい」

 

夕食の後ののんびりタイムだ。

父さんはいつも夜遅くまで天空系の事を調べているが夕食後のわずかな時間をこうして俺たちとのお話に使ってくれているんだけど、今日は何か様子が変だ。

 

「さて…トンヌラよ、明日の朝出かけるから今日は早めに寝るんだぞ」

「え、何処に行くの?」

「この村にある洞窟の奥だ」

「洞窟の奥…うん、わかった」

 

洞窟の奥っていうと…天空の剣?

まさか俺が天空の剣を装備出来るか試そうとしてる感じ?

おぉ、俺は勇者じゃないから装備出来ないの分かってるけどちょっと楽しみ。

 

「さて、父さんは軽く体を動かしてくるか…おやすみトンヌラ」

「うん、おやすみなさい、父さん」

 

いやぁ、明日が楽しみだなぁ~。

りゅかたん、おにいちゃん先に寝るね!

おやすみー!

 

「ボクもおにいちゃんと一緒に寝るー!!!」

 

かわいい。

 

 

 

 

 

そして、夜が明けた!!

 

 

 

 

 

「トンヌラ、トンヌラ、起きるんだ」

「……あ、おはよう父さん」

「軽く食事を済ませたらすぐに行くぞ、顔を洗ってきなさい」

「はい」

 

まだ外は薄暗い、りゅかたんもぐっすり眠ってる、かわいい。

りゅかたんを起こさないようにゆっくりとベッドから出てっと…それじゃ、行ってくるねりゅかたん。

 

「おはようございます坊ちゃん、お食事は既に用意しております」

「おはようサンチョさん、ありがとう、いただきまーす」

 

うん、サンチョさんの料理はどう作っても美味いのだ。

 

「ごちそうさま、父さんはもう食事は済ませたのかな」

「はい、坊ちゃんが起きる前に」

 

流石父さんだね。

ササッと着替えて鋼の剣と皮の鎧を装備して準備万端。

ささ、行きましょう父上様!

 

「準備は出来たようだな、それでは行くか」

「はい、父さん」

「行ってらっしゃいませ、旦那様、坊ちゃん…気を付けて」

「うむ、行ってくる」

「行ってきます」

 

こうして朝もはよから俺たちはサンタローズの村の奥にある洞窟へ向かった。

途中、通せんぼ爺ちゃんが大きくなったのぉと俺の頭をなでてくれたりした。

通せんぼ爺ちゃんの船を借りていざサンタローズの洞窟へ。

 

父さんは船の上で松明に火をつけた、薄暗かった洞窟の中にぼんやりと明かりが灯る。

船から遠目で見える場所でモンスター同士がバトルをしているのが見えた。

 

せみもぐらととげぼうずだ。

勝ったのはせみもぐら、せみもぐらは倒れたとげぼうずを鎌の様な両手でしっかりとつかみがぶりと嚙みついた、しおれていくとげぼうずの姿を見るとどうやら体液をすすっているらしい…。

 

「………」

 

他にもドラキーの親子が楽しそうに飛び回っていたり、おおきづちたちがいっかくウサギを木に縛り上げて運んでいるのを草むらから睨む小さないっかくウサギたちの姿があった…。

 

「…モンスターも生きてるんだよね…」

 

俺の口から自然とそんな言葉が出て来た。

それを聞いた父さんはうむ…と深く頷いた。

 

「彼らもわたしたちも常に死と隣り合わせで生きている、弱いモンスターは強いモンスターの糧となりまた強いモンスターが死ねばその亡骸は弱いモンスターや植物たちの糧となる…そうして自然は出来ていく…生きる事は戦いの連続だ、その戦いの中で生き物は子を残していく…そうだ、トンヌラは…ビアンカちゃんだったか?あの子の事が好きなのだろう?」

「…なっ…え、とっ突然何を言い出すのさ父さん!!」

 

いやモンスターの話から何故にビアンカの話になるかな突然!

 

ええ!大好きですけどなにか?

 

問題ありますか?

 

フローラよりもビアンカですが?

 

なにか?

 

「はははははは!このむっつりスケベめ、6歳だというのにお前のビアンカちゃんに向ける視線は下心が見え見えだぞ、次に会った時は気をつけろ、父さんからの親切な忠告だ」

「そ、そんな目で見てないやい!!可愛いなーって思ってみてるだけだい!!」

「はははは!そうかそうか!だがどんなに幼くとも女性は女性だ、常に誠意を持って接するのが一番だ、若い頃の父さんもそうだった、お前たちの母さんはとても綺麗でなぁ、下心を少しでも見せると周りにいた連中が…っと、どうやら付いたようだな。船を降りるぞ、この先の階段を下りればモンスターの巣窟だ、気をつけろ」

「う、いー…もぉ…はい」

 

全くこのパパスは!パパスさんは!

そう、このパパスさん、俺と二人きりになるとかなりはっちゃけるのである。

男子トークというか、なんというか、まぁ、いつものパパスさんとのギャップがまたいいんだけどもね。

 

松明を掲げ先頭を進むパパスさん。

一応モンスターに警戒しながら洞窟の中を進んだが、不思議な事にモンスターが俺たちを襲ってくる事はなかった…多分、父さんのお陰だ。

 

父さんはこの道を通い慣れている、きっと何度も行き来しただろう。

その度に遭遇したモンスターたちを倒していったはずだ、そしてモンスターたちは父さんという化けm…強い人間に恐れをなしてこの道には現れなくなったのだと俺は思った。

 

「さ、着いたぞこの奥だ」

 

結局モンスターと遭遇する事なく洞窟最奥にある扉の奥に辿り着いた。

扉を開けた父さんは薄暗い部屋の中を慣れた様子で進み、松明を燭台へと乗せた。

松明の灯りに照らされて明るくなった部屋には父さんの鍛錬用の木製の人形、父さんの剣を研ぐ為の砥石、父さんの腰巻が入れてあるタンスに水の溜まった桶が置いてあった…。

 

「ここがわたしの秘密基地だ、トンヌラ、お前をここへ連れて来た理由はこの部屋の奥にある、行ってみなさい」

「はい、父さん」

 

早速、天空の剣か…!!!

興奮して胸がどきどきだぜ!!!

 

「…ゴクリ…」

 

俺は奥の扉を開けると…そこには一振りのさびた剣が置いてあった。

 

「………?」

 

ん、んぅ~~~~?

 

目を凝らしてもう一度見てみる。

 

「………」

 

さびた剣だ。

 

ふぅーと息を吐き、もう一度見てみる。

 

「………」

 

何処からどう見ても、さびた剣だ。

 

よ、よし、試しに触れてみよう。

 

「うっ、あれ…?」

 

身体が鉛の様に重くなった…いや、これは、体の力が抜けていく…?

剣が重いんじゃない、剣に触れた瞬間、俺の体に力が入らなくなって、自然と腰を抜かしてしまった。

 

「か、からだが…」

 

や、やっぱりこのさびた剣…天空の剣だぁーーーーーーー!!!!!?

なんで?なんでさびてるの?父さん?パパスさん?しっかり研いでたのこの剣?

さびっさびのぼろっぼろの、さびた剣なんですけどもォ!?

 

「と、父さん、これはいったい…」

 

天空の剣がなぜこんな姿になってるですかーーーーーーーー!!!

 

「うむ…その剣は、伝説の勇者が振るっていたといわれる伝説の剣なのだが…わたしが見つけ出した時にはすでにこの状態だった…世界中の鍛冶師に見せてきたが誰もがお手上げ状態、どうする事も出来ずとりあえずここに保管しているのだが…お前もやはり持てなかったか…」

 

いや、持てなかったのは当然ですけど、見つけた時からこの状態だったってどういうことですの…。

 

ま、まぁ!まぁまぁまぁ!!

実は天空の剣なくてもあまり問題ないんですけどねー!

浪漫を求めるなら天空シリーズ揃えますけどー!

別に天空シリーズなくても魔界に行けるしー!

大魔王も倒せちゃうんですよねー!

 

これが…ゲームの世界なら、ね…。

 

 

 

俺と父さんはしばらくさびた剣の前で立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

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