雷神トンヌラのハーレム大作戦   作:天空おやじ

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まずかったら書き直します


第三話 天空の花嫁とスライム?が あらわれた!

落ち着け、落ち着くんだ。

さびた剣を前に動揺し過ぎた俺は深呼吸を繰り返した。

大丈夫、大丈夫、人間以外にも鍛冶師はいるんだ。

 

「世界中の鍛冶師に見せた、そう言ったよね父さん」

「ああ、わたしの知る限りの名工には見せて来た」

「その中に、人間じゃない鍛冶師はいる?」

「人間じゃない鍛冶師…」

 

この世界の住人は人間だけじゃない。

妖精や天空人、それこそ人間並かそれ以上の知能を持ったモンスターもいる。

人の言葉を話せる某スライムとか、野生のスライムはピキーっとかスラーって鳴き声位しか出せないのに奴の声帯はどうなってるのか…もしかしたら母の様な力を持った誰かか何かの影響を受けて人語を喋れるように…っと話がそれた。

 

俺にはすでに妖精の知り合いはいる、そう、ベラだ。

サンタローズに初めてやって来た時に感動のあまりあちこち見学しまくっていたらなんと!俺とりゅかたんはベラを発見してしまった、見て見ぬふりをしようとする俺を放ってりゅかたんはベラに笑顔で話しかけ…それから俺たちは友達になった。

 

しかしベラは内緒で人間界に来ているらしく俺たちと遊んだ後この事は誰にも言わないでといってサンチョさん家の倉庫から妖精の村へと帰っていった…。

 

そう、今もサンチョさん家の倉庫には妖精の村へと繋がる階段があるんだ!

妖精の村には鍛冶が得意そうなドワーフっぽい妖精もいたし、これはいけるのではないか…!?

 

「父さん、この剣を元に戻す事が出来る人がいるかもしれない」

 

人じゃなくて妖精だけどね。

 

「…もしや、以前リュカが話してくれた妖精の事か?」

 

流石父さん、鋭いね。

俺は父さんにはベラの事を話そうとはしなかったけど、りゅかたんがついつい口を滑らせベラの事が父さんとサンチョさんにばれてしまった、素直なりゅかたんは噓を吐くのは嫌いだし話を誤魔化そうとするのが苦手なのだ、かわいい、その後ベラと遊んだ時に父さんたちにベラの事を話しちゃってごめんなさいと泣きながら謝っていたりゅかたん、かわいかった…。

 

「妖精の鍛えた武具や作り上げたアイテムは人の武具を遥かに超える威力を持ち、神秘的な力を秘めていると伝え聞く…妖精の鍛冶師か…トンヌラよ、わたしも妖精に会わせてくれないか?」

「えッ?」

「伝説の剣の修復を頼むのだ、直接伺うのが礼儀だろう?」

 

とか言いながら妖精に会いたい気持ちいっぱいいっぱいでしょ父さん。

言葉の節々から妖精に対する憧れみたいなものが見え隠れしてるよ。

 

「僕はもちろん構わないよ、でもベラに聞いてみないと…」

「妖精殿はベラ殿というのか…頼んだぞ、トンヌラ!」

「はい」

 

こうして父さんをベラに会わせる事になった。

多分、父さんはグランバニアの書庫か何処かで妖精に関する本を読んだんだと思う。

俺も読んだ事あるけどそれには妖精の姿、前世で言う耳の長い綺麗なエルフの立ち絵が書かれてあったからそれを見た父さんは妖精に対して強い憧れを抱いているんだと思う、某ファンタジー戦記のヒロインエルフに対する前世の俺の様な憧れを…少年時代の浪漫的な?

 

でも残念な事に、大人は妖精の姿が見えないんだ…ごめんよ父さん…。

 

 

こうして俺たちは錆びた天空の剣を回収しサンチョさん家へ戻った。

 

 

 

トンヌラはさびたつるぎを手に入れた!

 

 

 

「戻ったぞ(ただいま)」

「お帰りなさいませ旦那様、坊ちゃん、お客様がいらしていますよ」

「おじさま、トンヌラ、お帰りなさい」

 

ビアンカキター!

これで勝てる、このトンヌラの戦闘能力はビアンカという存在がいる事で遥かに上昇するのだ。

例えるなら好きな子に良いところを見せようとする男の子のような感じで張り切りまくるのだ。

その結果、攻撃毎に必中会心効果が付与され倒したモンスターは必ず仲間になるというチート効果が…そこまではないか。

 

「ビアンカちゃん、大きくなったな」

「ありがとうございます、おじさまもまた勇ましくなられましたね」

「ハハハハハ、ありがとう」

「久しぶりだねパパス!」

「マグダレーナ!久しぶりだな!」

 

マグダレーナ・ダンカンさん。

ビアンカのお母さんだ、でっぷりとした女性だけどその見た目からは想像出来ない速さでモンスターたちを駆逐する。

 

そう、ダンカンさんの女将さん、マグダレーナさんは戦う宿屋の女将さんなのだ。

彼女たちの住むアルカパからこの村までビアンカを守りながらやってきた女傑なのだ。

 

「トンヌラも!こんなに大きくなって!」

「お久しぶりですおばさん」

 

ちなみにこのマグダレーナさんの愛用の武器は鎖鎌だ…近い的には鎌で切り裂き、遠い的には鎖についた分銅でモンスターを倒す…本当に何者だこの人…。

 

「…ねぇトンヌラ…」

 

はひぃ、耳にかかるこしょこしょぼいすやめれびあんか!!

 

「大人の話って長くなるから上に行って話さない?」

「はい」

 

もちのろんでもちろんでーす!!!

俺はビアンカの誘いにホイホイ乗せられて二階へ向かうのだった…。

 

「久しぶりねトンヌラ、元気にしてた?」

「うん、ビアンカお姉ちゃんも元気そうで何よりだよ」

「偉い偉い、ちゃんと覚えていたのね、そう、私はトンヌラより2つもお姉さんなんだからこれからも私の事はビアンカお姉ちゃんと呼ばなきゃだめよ」

「はい」

 

このビアンカ。

俺たちに対してすんごくお姉ちゃん振るのだ

俺だけじゃない、りゅかたんに対してもお姉ちゃんになるのだ。

りゅかたんもおねえちゃんが欲しかったのかビアンカには凄く懐いている、本当のお姉ちゃんの様に甘えたりもする、昔りゅかたんがビアンカと二人きりで話してる時にその会話をこっそり盗み聞きしようとした俺に対して『おにいちゃんはダメ!!あっちいってー!!』とか言われたりして激しくショックを受けたのを覚えてる…あ、今も思い出して軽くショック…女の子同士の会話は男子禁制の秘密の花園、それは幼い少女の頃からそうなのだと俺は学ぶのだった。

 

「ところでトンヌラ、リュカは一緒じゃないの?さっきから何処にも見当たらないんだけど」

「え?」

 

りゅかたんが、いない?

 

「父さん、サンチョ、リュカは?」

 

俺は冷静に落ち着いて下の階にいるみんなに話を聞くが誰も見ていないという。

もしかして…俺と父さんの後を追って一人で洞窟へ行ったのか?

りゅかたんのレベルなら心配ないと思うけど…心配だ。

 

「父さん、僕リュカ探しに行ってくる」

「待てトンヌラ、わたしも行くぞ」

 

うん、それでこそ父さんだ。

 

「わたしも手伝うよパパス」

 

え、女将さんも?

 

「しかし…」

「元々旦那の薬の材料を洞窟に取りに来たんだ、迷惑にはならないよ」

「ママ!私も行くわ!」

「流石私の娘だ、というわけで私たちもお供するよ」

「ビアンカちゃんもか?」

「うちの娘は私仕込みの鎖分銅の使い手さ、足手纏いにはならないよ」

「ほぉ!それは心強いな、ではよろしく頼む」

「はい!任せてください!」

 

もしかして女将さん、ビアンカに宿屋の仕事だけでなくモンスターとの戦い方とかも教えてる感じなの?

こ、これは俺がビアンカの尻に敷かれる未来が見える見える…。

 

「トンヌラは危ないから私の後ろにいなさいね」

「え、でも僕は」

「お姉ちゃんのいう事が聞けないの?」

「はい、後ろにいます」

「よろしい」

「ハハハハハ、ビアンカちゃんの前ではトンヌラもすっかり弟分だな。さて、行くとしよう!留守を頼むぞサンチョ」

「はい、旦那様、皆様もお気を付けて」

 

父さん、女将さん、ビアンカ、俺。

の並びでもう一度サンタローズの洞窟へ出発進行。

流石に今度はモンスターに襲われるかなーと思ったけど。

やはりモンスターの群れは父さんを恐れてこちらに近寄って来る事はなかった。

遠くへ逃げてじっとこちらの様子をうかがっている。

こちらも相手が向かってこなければ戦いはしない、俺たちも好きでモンスターを殺しているわけじゃないんだ。

 

さぁりゅかたん、今からおにいちゃんたちが助けに行くよー!!

 

 

 

 

 

一方その頃…。

パパスとトンヌラの後を追って洞窟の中へとやってきたリュカは…。

 

 

 

 

 

「ここをこうして、こう描いて…はい、リュカの出来上がり」

「うわーーーー!!!可愛い!!可愛いよアキーラ!!これがボク!?絵が上手だねアキーラは!」

 

スライムと一緒になって地面に絵を描いて遊んでいた。

洞窟の中でパパスとトンヌラを探しているうちに口に木の枝を咥えて地面に絵を描く変わったスライムを発見したリュカ、話しかけてみるとあら不思議、流暢な言葉を話し自分の事をアキーラと名乗るそのスライムはリュカとお絵描きを始めて意気投合、出会って間もなく友達になった。

 

「えへへ、絵を描く事なら僕がこの洞窟で一番上手だよ、実はそのせいで絵を描くスライムなんて変だって、群れを追い出されたんだ」

「ひどい!スライムさんたち酷いよ!!アキーラがかわいそうだよ!!」

「ありがとうリュカ、僕の為に怒ってくれて。でもね、こうしてリュカみたいな優しい子に出会えたし、誰かと一緒に絵を描く事の楽しさを知る事が出来たから、群れから追い出されて良かったと僕は思ってるよ、うん」

「アキーラ…うん!もっともっとボクと一緒に絵を描こう!」

「そういえばリュカ、リュカはどうしてここにいるの?人間の子供がたった一人でモンスターだらけの洞窟に入るなんて危ないよ」

 

何の為に洞窟へやってきたかをお絵描きの楽しさですっかり忘れていたリュカ。

アキーラの言葉で父と兄を探してこの洞窟へやって来た事を思い出した。

 

「あっ!そうだった!おとうさんとおにいちゃんを探しにきたの!」

「お父さんとお兄ちゃん?」

「うん!アキーラは知ってる?」

「ううん、リュカ以外の人間はここしばらく見かけてないよ。だからリュカのお父さんとお兄ちゃんはここにいないんじゃないかな?」

「うーん…でも…お船で洞窟に入ってたの見たよ?」

「あぁ、それなら違う場所かな。船でしか行けない別の道があるんだ、きっとそっちに向かったんだね」

「え?こっちからじゃ行けないの?」

「うん、だから今はおうちに帰ってお父さんとお兄さんの帰りを待ってさ、今度は一緒に連れて行ってってお願いしたらどうかな?リュカ一人じゃここは危ないよ」

「うーん…そうだね!わかった!ありがとうアキーラ!」

「うん、それじゃ入り口まで送るよ、モンスターがたくさんいるから気を付けて」

「はーい!」

 

こうしてリュカたちは洞窟の入口へと向かったのだが…。

二人の行く手を遮るモンスターの群れが現れた。

 

「スライムさんも通せんぼ?」

 

それはアキーラを追い出したスライムの群れだった。

 

「ピキー!!」

 

群れのリーダーであるスライムがアキーラに何か話しかけている。

 

「君の縄張りに入った事は謝るよ、でもそれは出来ない。リュカは僕の友達だ、友達に危害を加える事は僕が許さない」

 

スライムの言葉をアキーラが明確に拒絶した瞬間、お互い戦闘態勢に入った。

あちこちからスライムたちが現れ、リュカたちを取り囲んだ。

 

「ごめんリュカ、僕のせいでこんな事になっちゃって…」

「このスライムさんたち、悪者スライム?やっつけていいの?」

「え?」

 

アキーラは気づかなかった、リュカがブーメランの達人である事を。

アキーラは知らなかった、この程度の障害など、リュカは何度も乗り越えて来たという事を。

 

 

スライムの群れが現れた!!

 

 

「えーい!!!」

 

先手必勝とばかりに背中に背負ったブーメランを振り被って投げるリュカ。

勢い良くリュカの手から放たれたブーメランはスライムたちを切り裂いていく。

 

「えぇ!?」

 

驚愕するアキーラ。

もしもの時は自分の身を犠牲にしてリュカを逃がそうと覚悟していたのだが…。

その覚悟も吹っ飛んでしまった。

 

「えい!えい!えーーーい!」

 

ブーメランを搔い潜ってきたスライムを殴り飛ばし蹴り飛ばしブーメランで叩き落とす…今のリュカはまさに小さな子供の姿をした狂戦士だった。

 

「す、すごい…!凄いやリュカ!僕も負けてられない!ピキ――――!!!」

 

リュカの戦う姿に影響されアキーラに眠っていたスライムの本能が目覚めた。

元は同じ群れの仲間のスライムたちに噛みついたり、体当たりしたり、柔らかい身体を利用して口を塞いで窒息させたり…中々えげつない攻撃をするアキーラだった。

 

だがリュカたちの戦いは新たなモンスターを呼ぶ事になった。

スライムの大群がわらわらと群れ始めて洞窟中に響き渡る騒音が起き、それに誘われる様に様々なモンスターがリュカたちの元へと表れたのだった。

 

「あ!ドラキーだ!あっちにはおおきづちもいる!」

「僕たちの戦いの音を聞きつけてやって来たのかもしれない、こっちから何もしなければ襲ってこないはずだよ」

「うん!悪者スライムかくごー!!」

「ピキー!!!」

 

リュカとアキーラの大活躍によりスライムの群れは逃げ出していった。

それを見終わると集まっていた他のモンスターたちはそそくさと元居た場所へと帰っていった。

 

「やったー!ボクたちの勝ちだー!ありがとうアキーラ!」

「うん、この戦いで僕も良いインスピレーションを得る事が出来たよ、ありがとうリュカ」

「いんすぴれーしょん?」

「さあ、入口はこっちだよ」

「うん!」

 

 

モンスターの群れを追い払ったリュカとアキーラは洞窟の入口へと向かった。

その途中、自分たちを探しに洞窟の中へやって来たパパスたちと無事に合流した。

パパスはマグダレーナと共に洞窟の奥にある薬の材料を取りに向かい、リュカたちは兄と姉に連れられ洞窟の入口に辿り着く事が出来たのだった…。

 

 

 

 

 

 

こうして無事に俺たちはりゅかたんと合流出来たが…。

りゅかたんが、なんか、変なスライムを連れてきちゃったのだが…。

何あのスライム?初めて見るんだけど?新種?新種なのか?

 

「アキーラ、こっちがボクのおにいちゃんのトンヌラおにいちゃん!こっちがおねえちゃんのビアンカおねえちゃん!」

「初めまして、リュカのお兄さんとお姉さん、スライムのアキーラです」

「へぇ~、最近のスライムは言葉を喋るだけじゃなくて礼儀正しいのね~、ビアンカよ、リュカを守ってくれてありがとう、アキーラ!」

「トンヌラだよ、ありがとうアキーラ」

 

合流した時にりゅかたんがアキーラと友達になった話と悪いモンスターを一緒になって倒したって話を聞いていたけれども…。

 

「………」

「?」

 

改めてこのアキーラというスライムを見る、後姿はスライムそのものだ。

青くぷりんとしたドラクエ特有のスライムの形をしたスライムだ、うん、そこは問題ない。

だが!!!このスライム!!!顔が!!!おかしいだろ!?

 

「トンヌラさん、どうかしましたか。僕の顔に何かついてます?」

 

付いてるよ!!!

なんだそのガスマスクは!!!

何故誰も突っ込まないんだよ!?

ガスマスクつけたスライムって何なんだよ!

 

「あ、うん、す、スライムにしては、か、かっこいい面構えをしているな~と思って」

 

く、苦し紛れの言葉しか吐けない!!!

 

「え?そ、そうですか?かっこいいなんて初めて言われました、いやー照れるなー、えへへ…」

「よかったねアキーラ!」

 

ねぇアキーラ?

今喜んでるんだよね?

喜んでいる声色してるよね?

だけど全く表情が読めないんだ。

なんなんだこのガスマスクスライム…。

だ、だけど、りゅかたんを守ってくれて、りゅかたんの友達になったって事は、仲間になったって事で、いいのかな?これから俺たちと一緒に大冒険の旅についてきてくれるって事でいいのかな?

 

まだ馬車買ってないけど…。

 

「さて…名残惜しいですが、僕はこの辺りで…」

 

え、仲間に入ったんじゃないのかアキーラ?

 

「え…行っちゃうの、アキーラ…?」

「うん、僕はモンスターだから…リュカたち人間とは一緒にはいられないよ、ごめんね」

「そんな、ボクたち友達だよ!?」

「友達に迷惑をかけたくないんだ…また遊びたくなったら、ここで僕の名前を呼んで、すぐに駆け付けるから、だから…また一緒にお絵かきしようね…ばいばい!」

「アキーラ!!!!!」

 

ピョンと飛び跳ねてアキーラは洞窟の中へと戻ろうとした。

 

が。

 

しかし。

 

 

逃 が さ ん 。

 

 

 

「ふん!!!!!!」

「ぴッ!?」

 

 

 

スライムだろうがガスマスクだろうがなんだろうが、うちの妹を悲しませるやつぁ許さん!

お前はもう俺たちの仲間だ!!!アキーラ!馬車に乗れ!馬車無いけど!

 

「アキーラ、話から察するに君は群れを追い出され一人なんだろう?」

「え…ええ、そうです」

「という事は行く当てもなく待っている群れの仲間もいないんだろう?」

「おにいちゃん!!!」

 

珍しく俺に怒るりゅかたん、ごめんね。

アキーラは読めない表情で俺をじっと見つめている。

 

「はい、僕には帰るべき場所も帰りを待つ仲間もいません」

 

そうだろうな、だがこれからは違う。

俺たちという仲間がお前にはいる、さぁ馬車に乗れ!!馬車ないけど!!

 

「ならうちにおいでよ、僕たちは会話の通じる相手をモンスターだからと言って追い出したりはしない、父さんもサンチョさんも、村のみんなも君の事を分かってくれるよ」

「おにいちゃん!!!」

 

打って変わって喜び微笑むりゅかたん、かわいい。

だけど、だけどね…。

 

「だけど僕たちみたいな人間ばかりじゃない、モンスターだからという理由だけで君を恐れ、憎み、酷い言葉をぶつけてくる人がいる…でも、君の事は僕たちが守る、だから、僕たちと一緒に行こう」

「そうだよアキーラ!一緒に行こうよ!」

「トンヌラさん…リュカ……」

「ちょっと待ちなさいよ!」

 

お。

どうしたのビアンカ。

 

「私だけ蚊帳の外じゃない!私だって、モンスターだからって酷い事しないわ!私も友達よアキーラ!」

「ビアンカさん…皆さん、ありがとうございます……それじゃ、えっと、お、お世話になりますです…」

「うん!よろしくねアキーラ!」

 

 

アキーラが 仲間に くわわった!

 

 

 

「さあ、村のみんなに紹介しよう、サンタローズの村の人たちはみんな良い人だよ」

「は、はい、よろしくお願いします」

「えへへ!ねえねえおにいちゃん!アキーラって絵がとっても上手なんだよ!」

「そうなんだ」

「うん!ボクの絵を描いてもらったんだけどとっても可愛くて上手なんだ!」

「へぇ~、私も描いてもらおうかな?」

「はい、任せてください!」

 

 

こうして俺たちはアキーラを村の人たちに紹介して周った。

みんな最初は驚いてたけどスライムであるアキーラの存在を快く受け入れてくれた。

やっぱりサンタローズの村人たちは良い人たちだなぁ…。

 

 

挨拶を済ませサンチョさんちに戻った俺たちは父さんとおばさんが戻ってくるまでアキーラに絵を描いてもらっていたのだが…。

 

口にくわえた筆をその柔軟な体をぷよんぷるんと器用に動かし人間では出来ないスライム特有の動きで絵を描いていくアキーラ。

 

 

なんかとんでもない奇跡を目撃しているぞ俺は!!

 

 

 

「ふー、出来ました!」

 

 

 

その絵を見て俺は驚愕した。

 

 

 

「こ、この絵は…」

 

上手い、いや、上手いなんて言葉じゃ足りなさ過ぎる、この絵は国宝だ。

 

「どうぞビアンカさん」

「わぁ!すごーい!!ありがとうアキーラ!気に入ったわ!」

「えへへ、どういたしまして」

「ね?ね!アキーラの絵、上手でしょおねえちゃん!」

「ええ!とっても上手!」

 

サンチョさんに用意してもらったキャンパスに描かれたビアンカはまさしくビアンカだった。

そう、かつての俺も良く知るビアンカだった、ビアンカそのものだった。

 

「」

「おや、どうしましたトンヌラさん?」

 

アキーラ…アキーラ?

ガスマスクに、アキーラって、まさか…!!!

いや、これ以上はいけない、これ以上神に触れては消されてしまう!!!

 

「次はトンヌラさんの絵を描きましょうか?」

「マジですか!?よろしくお願いします先生!!!」

「え、先生?」

「「?」」

 

 

俺の言葉に?を浮かべるみんな、かわいかった。

 

 

 

 

 

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