時を失った英雄 in ハイスクールD×D   作:ksb

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ザ・説明回


戦闘校舎のフェニックス
16話 高貴なる義務


   

 

「リアスさんの様子がおかしい?」

 

 

 午後、いつもなら昼寝をする時間帯。

 イッセーくんから電話が掛かってきた。実は最近、スマホなるカラクリを買ったのだ。

 “スマホ”というらしい。これがなかなか便利だ。急に好物の小魚などが食べたくなったときに、買い物中のバイサーにすぐ知らせることができる。実に便利だ。

 

 

 

「ええ、―――その、昨日の晩……」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

「リアスに夜這いされた!?」

 

「ええ……まあ、そうッスね………」

 

 

 正直、驚いた。

 勿論、リアスがイッセーくんに好意を持っていることは薄々気づいていたが、こうも急にアプローチをかけるとは思わなかった。

 いや、どうもおかしい。しっくりこない。

 僕の印象では彼女はかなり誇り高い。段階を飛ばして貞操を捨てようというのはリアスらしくない。

 

 

「ふむ……確かにおかしい。分かった。今日、部活に顔を出そう」

 

「あ、あざっす」

 

「リュカ、お出かけですか?」

 

「ああ、ピエール。行ってくるよ」

 

 

 こうして、駒王学園に出かけることにした。

 

 

 

 

  ◇

 

 

 

 

 駒王学園オカルト研究部

 部室内は妙に張り詰めた空気だった。いつもの和気藹藹とした雰囲気じゃない。

 

 

「あらあら。リュカさん、ようこそいらっしゃいました」

 

 

 僕を見ると、まず副部長のヒメジマ・アケノが挨拶してきた。

 そして、いつものオカルト研究部のメンバー以外にもう一人いる。

 メイド服を着た銀髪の女性だ。

 

 

「おや? 初めまして、僕の名前はリュカ。流浪の旅の最中だが、今はこの街に滞在している。君は?」

 

「グレモリー家でメイドをしております、グレイフィアと申します。以後、御見知りおきを」

 

 

 メイド、ね……。

 どうも、おかしい。……何故ならこの女性は、どう見てもリアス達より強いからだ。

 この世界で戦った者の中では、おそらく使い魔の森に住んでいたティアマットに次ぐレベルだ。

 ひょっとすると劣化版スーパーキラーマシンより強いかもしれない。

 それなのに、どうしてメイドなどしているのだろう? 主家の者より強いメイド……ボディガードでも兼ねているのだろうか?

 

 

「それより皆、どうしたん―――」

 

 

 次の瞬間、強い魔力の波動を感じた。何か来る―――!

 

 突如として床から魔法陣が現れた。見たことがない紋章だ。以前目にしたグレモリー家の物ではない。眩い炎がめらめらと巻き起こり、その中から一人の男が現れる。

 

 

「―――フェニックス」

 

 

 その姿を見たキバくんが囁くように言った。この場にいる全員がその男を注視する。

 

 

 

「ふぅ、人間界は久しぶりだ。――愛しのリアス。会いに来たぜ」

 

 

 ……出てきたのは、赤いスーツを着た美青年だ。だが、どこか悪ぶっている雰囲気がある。服の仕立ては良く本来は品の良いモノなのだろうが着崩されている。しかし、だらしないという印象は薄い。何と言うべきか……そう、どこか退廃的な感じだ。しかし、それが良く似合っている。

 彼は気取った感じでリアスに話しかけた。

 

 

「さて、リアス。早速だが、式の会場を下見しに行こう。日取りも決まっているんだ、こういうことは早め早めの方が良いと言うしな」

 

「……放してちょうだい、ライザー」

 

 

 青年が軽い調子でリアスの腕を掴んだ。リアスは冷たく拒絶する。

 

 

「おいアンタ、部長に対して失礼だぞ! つーか、女の子に対してその態度はどうなんだよ!?」

 

 

 イッセーくんが青年に食ってかかった。

 

 

「……ん? リアス、俺のことをこの下僕に話してないのか?」

 

「話す必要がないから話していないだけよ」

 

「兵藤 一誠様。リュカ様。この方はライザー・フェニックス様。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家の御三男。そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあらせられます。……リアスお嬢様とご婚約されておられるのです」

 

 

 “婚約”―――その言葉を耳にしたイッセーくんが愕然とした。

 

 

 

 

  ◇

 

 

 

 

「いやあ、リアスの『女王(クイーン)』が淹れてくれた紅茶は美味いものだな」

 

「痛み入りますわ」

 

 

 リアスと同じソファに座り、彼女の太股を撫で回しながらヒメジマの淹れた茶の味を褒めるライザー。当のヒメジマの声には何となしに棘があったが……。

 それを見ているイッセーくんは怖い顔をしている。

 

 

「いい加減にしてちょうだい、ライザー! 以前にも言ったはずよ! 私はあなたと結婚なんてしないわ!」

 

 

 リアスが激昂し、ライザーくんの手を払いのけ、立ち上がって宣言する。

 

 

「ああ、前にも聞いたよ。だが、リアス、そういう訳にはいかないだろう? 

 君のところの御家事情は、そんな我儘を言えないくらい、かなり切羽詰っていると思うんだが?」

 

「余計なお世話だわ! 私が次期当主である以上、婿の相手ぐらい自分で決めるつもりよ。父も兄も一族の者も皆急ぎすぎるわ! 当初の話では、私が人間界の大学を出るまでは自由にさせてくれるはずだった!」

 

「その通りだ。君は基本的には自由さ。大学に通ってもいいし、下僕も好きにしたらいい。

 だが、リアスのお父様もサーゼクス様も心配なんだよ。御家断絶が怖いんだ。ただでさえ、先の戦争で純血悪魔が大勢死んだ。戦時を脱したとはいえ、堕天使、神陣営とも拮抗状態。奴らとのくだらない小競り合いで純血悪魔の跡取りが殺されて、不幸にも御家が断絶したなんて話も珍しくはない。

 純血の、上級悪魔の御家同士が結びつくのはこれからの悪魔情勢を思えば当然だ。純血の上級悪魔。その新生児が貴重だってことを、君だって知らないわけじゃないだろう?」

 

 

 ――――種の存続。

 確かに難しい問題だろう。上級悪魔達が自分達の一族を守ろうとするのは理解できる。どんな生き物でも子孫を残そうとするのは当然だ。

 だが、どうやらリアスは全く乗り気ではないらしい。思い切り顔をしかめている。

 

 

「私だってグレモリー家を潰すつもりはないわ。婿養子だって迎え入れるつもりよ」

 

「おお、流石リアス! じゃあ、さっそく俺と―――」

 

「でも、あなたとは結婚しないわ、ライザー。私は私の良いと思った相手と結婚する。

 古い家柄の悪魔にだって、それくらいの権利はあるわ」

 

 

 リアスが柳眉を逆立てきっぱり言い切る。

 それを聞きライザーくんは相当機嫌を悪くしたみたいだ。

 

 

「……俺もな、リアス。名門フェニックス家の看板を背負った悪魔なんだよ。この名前に泥を塗らせるわけにもいかないんだ。

 こんな狭くてボロボロな人間界の建物なんかに来たくなかったしな。というか、俺は人間界が好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては、耐えがたいだよ!」

 

 

 そう言うなり、彼の周りに紅蓮の炎が生じる。

 それもなかなかの火力だ。規模からしてレイナーレ達より間違いなく上だろう。

 

 

「俺は君の下僕を全部燃やし尽くしてでも、リアス……君を冥界に連れ帰るぞ」

 

 

 物騒なことをのたまうライザーくん。険悪な雰囲気が場を支配する。

 そろそろ止めようかと思った、その時―――

 

 

「お嬢様、ライザー様、落ち着いてください。これ以上なされるのでしたら、私も黙って見ているわけにもいかなくなります」

 

 

 グレイフィアさんが進み出た。すっかり冷静さを失っていたライザーくんもリアスさんも落ち着きを取り戻す。

 

 

「……最強の『女王』と称されるあなたにそんなことを言われたら俺も流石に怖いな。

 化け物揃いと噂のサーゼクス様の眷属を敵に回すなんて絶対にしたくないからね」

 

 

 やはり彼女は見立て通り、只者ではなかったらしい。そのグレイフィアさんが静かに提案する。

 

 

「こうなることは、旦那様もサーゼクス様もフェニックス家の方々も重々承知でした。ですので最終手段を取ることにいたします」

 

「最終手段? どういうことグレイフィア」

 

「お嬢様、どうしても御自分の意思を押し通したいとおっしゃるのでしたら、ライザー様とレーティングゲームにて決着をつけられてはいかがでしょうか?」

 

 

レーティングゲーム―――勢力を大きく減退させた悪魔が、転生により強力な眷属を増やし、かつ仲間を減らすことなく実戦経験を詰めるため、現政権で優遇されているゲームであり、実力主義の冥界では、そのゲーム成績が爵位や地位にまで大きく影響する。

爵位持ちの上級悪魔達が、自身「王」と下僕を文字通りチェスの駒として、対戦相手の駒と戦う。基本的に成人した悪魔しか参加することが出来ない。ゲームではおよそあらゆる戦法が認められており、戦闘不能となった駒は強制的に除外されて治療を受けるため、死者は出ないようになっている。

 

 

 確か、そんなようなものだった筈だ。リアス達からそれについて話を聞いたとき、今まで巡ってきた世界にはモンスター同士を戦わせるバトルGPというものがあったが、僕は何となくそれを連想した。

 

 

「そんな簡単な条件があるのなら、もっと早く言って欲しかったわね、グレイフィア。

 いいでしょう、ライザー。レーティングゲームでこの話を終わらせてあげるわ」

 

「調子に乗るなよ、リアス。俺はすでに成熟しているし、公式の試合も何度かやっている。今のところ勝ち星の方が多い。それでもやるかリアス?」

 

「やるわ。ライザー、あなたを消し飛ばしてあげる!」

 

 

 二人とも血の気が多いな。もっと話し合えばいいのに……。

 

 そんなことを思っているとライザーくんがこちらをジロジロと見回してきた。

 そして、どこか小馬鹿にしたような笑みを浮かべる。

 

 

「なあ、リアス。まさかここにいる面子が君の下僕なのか?」

 

「そこにいるバンダナの彼は違うわ。人間の友人よ。……だとしたらどうなの?」

 

「これじゃ、話にならないんじゃないか? 『雷の巫女』ぐらいしか俺の可愛い下僕に対抗できそうにないな」

 

 

 そう言って、彼は指をパチンと鳴らす。

 すると魔法陣が出現し、そこから十五人の悪魔達が現れた!

 

 皆、なかなかに面白い。それなりの力を感じる。

 鍛えたらけっこう伸びそうだ。何故か全員♀だが……。

 

 

「と、まぁ、これが俺の可愛い下僕達だ」

 

「……なっ、なっ、何て男だ~~……ッ! おぉう……おぉう……!!」

 

 

 近くから嗚咽が聞こえてきたので横を見ると、何故かイッセーくんが盛大に涙を流していた。

 

 

「おい、リアス……この下僕くん、俺を見て大号泣してるんだが……」

 

「その子の夢はハーレムを作ることなの。きっと、ライザーの下僕達を見て感動したんだと思うわ」

 

「キモいですわ……」

 

「ライザー様ー、このヒト気持ち悪ーい」

 

 

 ピンク色のドレスを着た少女が引き攣った表情でぽつりと呟く。

 他のライザー眷属の娘もドン引きしている。

 

 ゴメン、僕も少し気持ち悪いと思ってしまった……。

 

 すると、ライザーくんが人の悪い顔をした。

 何やらイッセーくんに見せつけるつもりらしい。

 

 

「ユーベルーナ!」

 

「はい、ライザー様……」

 

 

 赤紫の髪に魔道士姿の美女が進み出た。

 その眷属悪魔をライザーは抱き寄せる

 そして―――

 

 ディープキスをし始めた。

 

 ほう! 素晴しい……。確かにライザーくんと眷属達は固い愛情で結ばれ合っている。

 

 だが、甘い。

 僕レベルならエンプーサのキャシーや腐った死体のスミスともあれぐらいイケる。

 スミスの舐め回しで顔中ベトベトになったこともある。

 

 でも、求婚している女性の前ですることではないんじゃないだろうか……?

 僕も結婚してからは自重している。少なくとも妻の前では……。

 

 

「どうだ、お前では、こんなことは一生できまい。下級悪魔くん?」

 

「畜生! だけどお前みたいな女ったらしと部長は不釣合いだ!」

 

「は? おまえ、その女ったらしの俺に憧れているんだろう?」

 

「うっ、うるせぇ! それと部長のことは別だ! そんな調子じゃ、部長と結婚したあとも他の女の子とイチャイチャしまくるんだろう?」

 

「英雄、色を好む。確か、人間界のことわざだよな? いい言葉だ。まあ、これは俺と下僕達とのスキンシップ。お前だってリアスに可愛がってもらっているんだろう?」

 

 

 “英雄、色を好む”、か……伝説の勇者である息子も将来こうなるのだろうか……?

 一刻も早く帰って諭さなければ、改めてそう決意した。

 

 一方、イッセーくんは怒りが頂点に達したらしく『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を取り出し、ライザーくんの前に進み出た。

 

 

「ゲームなんざ必要ねぇさ! 俺がこの場で倒してやらぁっ!」

 

「ミラ、やれ」

 

「はい、ライザー様!」

 

 

 主人の命令を受け、棍使いの少女がイッセーくんに襲い掛かってくる!

 

 

  バシンッ!

 

 

 流石に暴力沙汰は良くないと思い、僕がイッセーくんの前に進み出て、彼女の棍を素手で止めた。

 目を剥いて驚くミラと呼ばれた少女とライザーくん。

 

 

「あはは、イッセーくんもライザーくんも、暴力は良くないよ」

 

「何だ、人間!!」

 

「リュカさん! 何でこんな奴を!!」

 

 

 ライザーくんもイッセーくんも怒りの表情を見せる。

 これは彼らを諌めねばなるまい。二人を諭そうと、努めて冷静に話す。

 

 

「……イッセーくん、君の気持はわかる。君がリアスくんを慕う思いも重々承知している。確かに彼は些か軽薄で、フェニックスという種族であることと、家柄に胡坐をかいている。

 ―――だが、彼にも美点はある。ライザーくんは自分の家の為に誇りを懸けている。それは尊敬すべきことだ」

 

 

 

――― 国王たる者 身内のことよりまず国のことを考えねばならぬはず!

 

     なのにお前は ここに来てしまった。

 

     それだけで十分に死に値するぞ。わっはっはっはっ!

 

     さあ!ふたり仲よく死ぬがよい!                 ―――

 

 

 

 

 ジャミ……妻を攫ったあの忌々しい馬魔。あの魔物の言葉が脳裏を過ぎる。

 父を殺した仇の一人だが、この言葉は正論だ。僕が軽挙妄動し、妻を救いに行ったために、国の者達に多大な迷惑を掛けた。

 

 とくに叔父のオジロン―――本人は“自分は人がいいだけが取り柄の凡庸な男”と言うが、彼こそライザーくんが言うところの“英雄”だ。

 黙々と与えられた職責を全うする。そういう人物には敬意を払うに値する。

 何故なら自分にはできない―――否、してこなかった生き方だからだ。

 

 そういう意味ではライザーくんの生き方は否定できない。

 

 しかし―――

 

 今度はライザーに向き合う。

 

 

「……だが、君の言行にも問題があると、僕は思う」

 

「何だと!?」

 

「貴族が家の為に結婚する―――。これは、言ってしまえば“高貴なる義務”の一つだ。

 家の為に“私”を犠牲にするから皆が傅く……。だが、男性は女性にそうと思わせてはならない―――それは言うなれば“男の器量”だ。君の発言からはそれが感じられない」

 

 

 尤も、僕にはこんな説教をする資格なんてないんだが……。

 それを聞いていたライザーもリアスも渋い顔をする。

 この二人を納得させるには『レーティングゲーム』とやらでケリを付ける他ない。だが、それでもリアスが納得するとは思えない。

 

 それなら―――

 

 

「ライザーくん、グレイフィアさん。僕に提案がある」

 

「何?」

 

「どのような提案でしょうか」

 

「僕自身は見ての通りただの人間だが、僕には悪魔の仲間が何人かいる。その中からリアスさんの不足している駒、僧侶(ビショップ)一つ、騎士(ナイト)一つ、戦車(ルーク)一つの分を彼女に貸したい」

 

「何だって!?」

 

「このゲームはライザーくんがリアスさんの愛を勝ち取るためのゲーム、言うなれば試練だ。試練とは厳しければ厳しいほどその価値を増す。

 ライザーくんが有利なゲームに勝っても、リアスさんは心の中では納得しないだろう。 寧ろ、ライザーくん側が不利になって、初めて試練となりうる」

 

 

 僕の時もそうだった。

 結婚のため、―――実際には天空の盾のためだったが、危険な火山に潜ったり、マーマンだのオクトリーチだのが巣くう滝の洞窟に入って結婚指輪を探し求めたりした。

 

 

「しかし、それではリアスさんに肩入れすることになってしまうな……。

 グレイフィアさん、その『レーティングゲーム』はいつやるんだい?」

 

「十日後を予定しております」

 

 

 十日か……なら――――

 

 

 

 

 

 

 

「よろしい。では、その十日間でライザーくん、リアスさん、両方を僕が鍛えよう!」

 

 

 

 この場にいる僕の言葉を聞いた全員が一人の例外もなく大口を開けて凍り付いた……が、そんなことには構わず説明を続ける。

 

 

「この勝負はリアスさん側を有利にしなければならない。そうでなければ試練にならないからだ。

 しかし、ただ試練を課すだけでもいけない。何故なら僕は部外者だ。悪魔の将来を決める権利など無い。

 それなら、ライザーくんに試練を課すが、それを乗り越えれるようにサポートし、リアス達もより強くなれるようサポートする。それが僕の為すべきことだろう」

 

 

「はあ!?」

 

「何を言っているの、リュカさん!?」

 

「それなら公平(フェア)だ。

 よし、一日目はライザーくん側を鍛えよう。善は急げだ!」

 

「―――えっ!? 何言ってんの、こいつ……」

 

 

 ライザーくんは戸惑っているみたいだが、こうなったら徹底的にやろう。

 そう決心し呪文を連続発動させる。

 

 

「リレミト、ルーラ!」

 

 

 

 

  ◇

 

 

 

 

 某国 砂漠地帯

 

 一面の砂漠、辺りには一切人影がない。それもそうだ。気温50度の中をほっつき歩く人間はそういない。

 燃えるような日差しが照りつける、まさに修行にはぴったりな環境だ。

 そこにライザーくん達と共に転移してきた。

 

 

「よし! では君達の実力を見よう。掛かってきなさい」

 

「え、えっ? はぁ? 何を言ってるんだ、お前?」

 

 

 どうやら、まだ戸惑っているらしい。

 ここは少々強引だが先制攻撃するとしよう。

 そう、まずは小手調べ―――

 

 

 

 

 「バギマ!」

 

 

 

 




オジロンさんはマジ苦労人。

次回 リュカズ・ブート・キャンプ
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