時を失った英雄 in ハイスクールD×D   作:ksb

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派遣モンスターは色々考えましたが感想を書いてくださった方の中にも予想されてたやつになりました。

たまには王道もいいか……。


21話 決戦の始まり

  

 

「「「キキーーーッッ!!」」」

 

 

「………………」

 

 

 一誠達、オカルト研究部の面々は駒王学園の自分達の部室で待機していた。やがて、時間となり転移魔法でレーティングゲームの会場に移動する。

 

 だが、着いたのは今まで自分達のいた部屋と寸分違わぬ内装の部屋。経験の浅い一誠は思わず転移が失敗したのかと思う。

 だが、良く見ると先程とは違う点が一つあった。変わった生き物が三匹、部室にいるのだ。

 黒い小さな体に蝙蝠の羽、つぶらな瞳に小さな牙を持つ不思議な生き物だ。

 

 すると、そのうちの一匹が口を開き話しかけてきた。

 

 

「キキキッ、オレはドラキーのドラきちにゃ。んで、こいつらはラッキーとヨッキーにゃ」

 

「「キキッ」」

 

 

 ドラきちと名乗るリーダーらしき魔物が仲間を紹介する。

 それに答え他の二体も挨拶(?)してきた。

 

 

「今日はお前らのために助っ人としてやって来たにゃ。まあ、頼むにゃ」

 

「……………」

 

 

 三匹のドラキー達を見たオカルト研究部の面々の反応は微妙なものだった。

 リュカからの援軍。どんな魔物が来るのかとかなり期待していた。

 そこに現れたのは蝙蝠っぽい小さな魔物が三匹。正直、肩透かしを食らった気がする。

 それでも無視するのは礼儀に失すると思い、リアスが挨拶した。

 

 

「来てもらってありがとう。私がリアス・グレモリー。今日はよろしくね。ドラきちさん、ラッキーさん、ヨッキーさん」

 

「そうかにゃ。じゃあ、オレ達はさっさと出撃するにゃ。それじゃ行くz「えっ!? ちょっと待ちなさい」……何かにゃ?」

 

 

 挨拶を済ませるなり早々、窓から出て行こうとする黒い三匹。

 それをリアスが引きとめた。

 

 

「もっと作戦とか……色々あるでしょう?」

 

「う~ん……リュカとだったらまだしも、今日会ったばっかりのやつと作戦も連携も無理だにゃ」

 

「「キキ」」

 

 

 リアスからの提案。

 だが、ドラきちが難色を示し、他の二匹も頷く。

 リアスは軽くため息を漏らすと、ポケットからある物を取り出した。

 

 

「だったら、せめてこれを持って行きなさい」

 

「にゃ?」

 

 

 リアスがドラきち達に渡した物。それはイヤホンタイプの通信機だった。

 彼女は吸血ドラキー達の耳に取り付ける。

 

 

「じゃあ、今度こそ出撃にゃー。行くぞー、お前達」

 

「「キキーー」」

 

 

 そうして、三匹の黒い魔物達は窓から飛び去って行った。

 

 

 

 残ったオカルト研究部の面々にリアスが向き直る。

 

 

「では、みんなの配置を説明するわ――――」

 

 

 

 

 話し合いの末に、大体の配置は纏まった。

 まずは、本陣付近の森に小猫と木場、朱乃は周辺に霧と幻術の魔法をかける。

 それが終わるまで一誠とアーシアはリアスと共に待機だ。

 

 話を終えると木場、小猫、朱乃は退室した。

 

 

 絶対に勝つ……! 俺が部長を守って見せる!

 

 一誠は三人が出て行った部室で、新たに決意する。

 それまでの修行を回想する。

 

 これまでの模擬レーティングゲームで自分は散々だった。

 一回目は一つ目リンゴと人面茸に―――

 二回目は腐った死体に舐め回され気絶し―――

 三回目はミッテルトの「誘う踊り」で模擬戦が終わるまでずっとポールダンスを踊ってた―――

 

 四回目以降もロクに活躍できないままこの日を迎えてしまった。

 

 二日前に部長から赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の使用を許可され、以前よりはるかに多くの倍化に耐えられる肉体になっていたことが分かったが、リュカさんに頼んで手合わせしてもらったら、「巴投げ」で百メートル以上もブン投げられた。

 

 俺は弱い。

 

 そのとき改めて自覚した。

 リュカさんは「焦らずとも自然と強さは身に付く」と言ってたが――――

 

 違う……! 強さが必要なのは“今”なんだ!!

 

 

 今、強くならなければ――――そうしなければ部長はあの種蒔き焼き鳥野郎と結婚しなければならなくなってしまう。

 リュカさんは“家の為に自分を犠牲にできるのは立派なこと”と言ってたけど、そんなことはどうだっていい。

 部長は修行の日々の中でこう言ってた。

 

 ――― 私を、ただのリアスとして愛してくれるヒトといっしょになりたいの。

 

 それが私の小さな夢だと言った。なら、その夢を守ってみせる。

 部長の言葉を聞いてから、勝ちたいという思いが更に強まった。

 その気持ちに反応したのだろうか。また、あいつの夢を見た。俺の神器(セイクリッド・ギア)に宿るという、あの赤い龍……。

 

 

 『犠牲を払うだけの価値を与えてやるさ――――』

 

 

 犠牲を払うだけの価値―――それがどんなものかは分からない。だがこれだけは言える。

 

 あいつ(ライザー)に勝つ!! その為なら何だってくれてやる!!

 

 

「……イッセー?」

 

「えっ? あ、はい、部長! 何ッスか?」

 

 

 一誠は我に返った。どうやらずっとリアスが話しかけてきてたみたいだという事に気付く

 

 

「イッセー、こっちにいらっしゃい」

 

 

 そう言ってリアスは自分の膝を指した――――

 

 

 

 

 

  ◇

 

 

 

 

 

 その頃―――

 

 

「ここから先は通しませんわ!!」

 

 

 ピンク色の服を着た少女が超高速で滑空する黒い三匹の彗星の進路を塞いだ。

 

 

「ん~と、……何てったっけ?」

 

「キキッ」

 

「そ~か、レイヴェルって言うのかにゃ。ヨッキーは物覚えがいいにゃ」

 

 

 目の前にいる少女の名前が思い出せなかったが、同僚が教えてくれた。

 (ヨッキー)の記憶力にドラきちは舌を巻いた。

 

 

「んなっ!? 覚えてませんでしたの!? 失礼な蝙蝠ですわ!! ………ですが、師匠が用意した私達への試練。ふざけた(なり)の魔物でも油断はなりませんわね」

 

 

 レイヴェルは師匠……リュカの用意する魔物の見かけに騙されるとエラい目に会う、このことをこの十日間で身に染みるほど熟知していた。

 自分に宛がわれたコーチ役の魔物―――そいつはさながら“黄色い触手の生えた宙に浮くクラゲ”だ。

 これまでの自分であれば歯牙にも掛けないような見た目の生き物……だが、そいつは自分達の理解の及ばない魔術で立ちどころに傷を癒す力を持っていた。

 あと、兵士(ポーン)達に付いていた青い縞柄でおかしな顔の猫は想像を絶する氷の魔術を使い、お兄さまの兵士達を追い回していた。

 

 故に、この蝙蝠達も絶対に只者ではない。レイヴェルは確信する。

 

 

「カーラマイン! シーリス! イザベラ! 美南風! ニィ! リィ! 一切の手加減、出し惜しみは禁じますわ! 全力で討ち取りなさい!」

 

 

 レイヴェルの呼び掛けに応じ、ライザーの配下達が集まる。

 その中から代表してカーラマインが答えた。

 

 

「勿論です。我々もあの地獄の日々が体に刻み込まれております。大師匠(リュカ)の御家来衆であり師匠(リンガー)の同僚でもあらせられるこの方々に全力以外の何をぶつけられましょう」

 

 

 他のライザー配下もレイヴェルと同じ心境だったらしい。

 全員が三匹の蝙蝠達に鋭い眼光を向ける。

 だが、ドラきち達は余裕綽々だ。

 

 

「ま、気張らずに掛かって来るにゃ」

 

「言われずともそうするッ! 行くぞッ!!」

 

「「「ウオオオオオオッッ!!!」」」

 

 

 ライザー・フェニックスの眷属悪魔達は自分達の誇りを懸け、喊声を上げながら吶喊していった。

 

 

「散開!」

 

「「キキ――ッ」」

 

 

 それを見たドラキー達は慣れた様子でバラバラに散らばった。

 そして、持ち前の敏捷さと、その小さな体格から来る小回りを生かし、ライザー配下の攻撃を回避する。

 

 カーラマイン達の必死の攻撃は悉く空を切った。

 

 

「くぅッ! 何故当たらん!」

 

「そりゃ身のこなしが違うにゃ~」

 

 

 イザベラの叫びを聞き、ドラきちがあっさり答える。

 元々の素早さに大きな開きがある上に、ドラキーという種族は身かわしが得意だ。

 彼女達(イザベラら)が拳を、剣を、爪を、魔力を幾ら振るってもほとんど掠りもしない。

 しかし、遂に――――

 

 

「ギッ!? キキ~……」

 

「ラッキー!?」

 

 

 遂に三匹いる吸血蝙蝠の内の一匹に、カーラマインの「火炎斬り」が届いた。少々浅かったが、それでもそこそこのダメージを与えた。

 

 

「やったぞ!」

 

「ふぅ~む……ちょっと遊び過ぎたかにゃ。ヨッキー!」

 

「キーー!」

 

 ドラきちの呼ぶかけにヨッキーが答え、カーラマイン達の隙間を縫うように飛び、あっという間にラッキーに近づく。

 

 そして―――

 

 

「べホイミ!」

 

「なっ!?」

 

 

 レイヴェルは驚いた。少し遅れて他のライザー・フェニックスの眷属悪魔達も驚く。

 ラッキーの傷があっという間に癒えたのだ。

 

 

「あ~、そうそう。オレ達にも役割分担がある事を言い忘れてたにゃ。オレ―――ドラきちは武闘家……この世界では戦車(ルーク)って駒の役回りだそうだにゃ。ラッキーは戦士―――こっちでは騎士(ナイト)、ヨッキーは僧侶……僧侶は僧侶(ビショップ)のまんまだにゃー。

 ややこしいのはオレ達の世界だと戦士の方が遅くて頑丈、武闘家の方が早くて脆いにゃ。だから、武闘家のオレの方が早くて、戦士のラッキーが一番遅いにゃ」

 

 

 同じ見た目の魔物なのに保有する能力が違うのか……!

 戦慄するライザー配下達。

 だが、レイヴェルが素早く精神を再建する。

 

 

「御忠告どうもありがとう。ですが、余裕ぶっこき過ぎですわ。 

 みんな! そいつ―――ヨッキーを狙いなさい!」

 

 

 レイヴェルの命令、それは戦闘の初歩。

 『回復役から潰せ』である。

 単純だが、これをしないと次から次へと回復され際限のない戦いをしなければならなくなる。

 しかし、これはあまりにも単純過ぎた。

 

 

「え~い、シャッフル~~~♪」

 

「なああぁっ!?」

 

 

 ドラキー達が一か所に集まり高速回転する。さながら黒い竜巻だ。

 ―――そして散開。あっという間にどいつがヨッキー(僧侶)なのか分からなくなった。

 

 そして蝙蝠達は一気に畳み掛ける。

 

 

「さ~、今度はこっちのばんだにゃ!」

 

 

 

 

 「「「 ド ラ ゴ ラ ム ! !」」」

 

 

 

 

 

 

  ◇

 

 

 

 

 ドラキー達とライザー・フェニックスの眷属悪魔達との激闘が行われている頃

 

 

 一誠は夢見心地だった。

 何故なら大好きなリアスに膝枕をしてもらっているからだ。

 一誠はリアスの滑らかな肌の感触、太股の柔らかさに酔いしれる。

 

 一方、リアスには真面目な目的があった。

 

 

「……あなたに施した封印を少しだけ解くわ」

 

「え? 封印?」

 

「覚えてる? あなたを下僕に転生する時、『兵士』の駒、八つ全てを使ったって話を……」

 

「はい」

 

「その時、イッセーの力は悪魔として未成熟すぎたから、『兵士』の力に制限をかけたの。ただの人間から転生したばかりのあなたでは、八個の『兵士』の力に耐えられなかった。

 単純な話、朱乃に次ぐ強力な力となるのだから、余程の力をつけないとイッセーの方が壊れてしまう。だから、何段階かに分けて封印をかけたのよ。それを今少しだけ解放させたの」

 

 

 一誠は急に力が漲ってくるのを感じ取った。

 

 

「今回のブーステッド・ギアと『兵士』の力に対応する為のもの……にしようと思ったんだけどリュカさんはやり過ぎたみたいね……。でも、まだまだ足りない部分もあるけど」

 

 

 リュカのハードなトレーニングは流石のリアスも想定外だったらしい。とゆうより、修行で蒼雷龍(スプライト・ドラゴン)だのヒュドラだのを持ち込む人間がいるという事を予想できるものはそんなにいないであろう。

 

 

「いい、イッセー? 相手が女の子でも倒すのよ? 手加減しちゃダメ。あちらは手加減なんてしないのだから」

 

「わ、分かりました」

 

「そういい子ね。『プロモーション』は『女王(クイーン)』になること。最強の力を持つ『女王』になれば戦況も変わるわ」

 

 

 男の自分が『女王』に……。一誠は違和感を覚えた。それを言うと「駒の役割だから気にするな」と言われた。

 

 

「部長! 俺、絶対に部長を勝たせてみせます!」

 

 

 

 

「ええ、期待しているわ。私のかわいいイッセー……この十日間で私もあの人から多くを学んだわ。

 きっと勝ってみせる――――」

 

 

 




さそうおどり:DQⅤから登場した1ターン休み系の特技のひとつ。特殊な振り付けで踊り、相手も一緒に踊らせる。

ともえなげ:DQⅥとⅦに登場する特技で、どちらの作品においても武闘家職に就くことで習得可能。敵一体を投げ飛ばして戦闘から離脱させるザキ系の特技。

ドラゴラム:DQⅢ~DQⅦに登場する呪文。その効果は……


ドラきちの「~にゃ」口調は小説版からです。
って黒歌と被ってるやん!!


ドラキーは悪魔系ではなく鳥系だ!! と仰る方に一言

 どっちでもええやん(適当)
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