時を失った英雄 in ハイスクールD×D   作:ksb

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おふざけ&触手回
そんな29話です。


29話 古代の呪術師

  

 

「これはグレモリーさん」

 

「御機嫌よう、教授…………何で貴方までいるの? リュカさん……」

 

「そんなに嫌がらなくても……」

 

 

 深夜の博物館、そこでまたしても知人(知悪魔?)に出会った。オカルト研究部の皆だ。どうやら僕と彼らの間にはつくづく縁があるようだ。

 

 僕の顔を見るなり、リアスが凄く嫌そうな顔をした。どうやら前回の触手攻めの最中に説教をしたことを、未だに根に持ってるらしい。僕は僕なりに彼女達を思ってそうしたのだが………、まあ、嫌われることを恐れては若者の育成などできない。これからも心を鬼にして、嫌われていこう、そう思う。

 

 

「昼間に偶々この博物館に来たんだよ。そこで―――」

 

 

 最近は割と暇なので、仲間達の育成や、この世界の探索に時間を費やしている。バイサーやレイナーレにも同行してもらい、世界中様々なところに行った。

 その一方で、図書館や博物館なども良く利用している。そして、今日偶々来たのがここだ。

 

 展示室を一通り見て回ったあと帰宅しようかと思ったとき、奥の部屋から何やら強い魔力を感じ取った。それも、あまり良くない類の―――

 そこで近くにいた壮年の男性にそのことを尋ねた。するとその男性はかなり驚いた。ニシウラと名乗るその男性は、古代史を研究する教授で、この先の部屋には危険な出土品があると言う。

 

 危険な出土品――――明らかに(ニシウラ)の手にはあまる代物だろう。そこで、自分はそういう手合の物には慣れている、だから見せてほしい、と話した。

 ニシウラは少々躊躇ったが「これから悪魔を召喚し調査する故それに立ち会ってもいい」と許可してくれた。

 

 

「―――というわけさ」

 

「へぇ~……」

 

 

 僕の話を聞いたオカルト研究部の皆は未だに戸惑ってはいるものの、一応納得した様子してくれたみたいだ。

 

 だが、僕にも気になる事がある。

 

 

「ところで、君達はどうして皆でここに来たんだい? 普段は、一人ずつ仕事をしているはずだが……」

 

「イッセーが他の皆の仕事ぶりを見学したいって言ったのよ。今夜は私の仕事場を見学する為に皆と一緒に来たの」

 

「ふむ」

 

 

 確かに納得できる理由だ。(イッセーくん)とアーシアさんは悪魔になって日が浅い。他の悪魔の仕事がどういうものか見てみたい、というのは当然と言えるだろう。

 

 

「せっかくの機会だ。僕もリアスさんの働きぶりを見させてもらうよ」

 

「……まあ、いいわ」

 

 

 リアスは渋々了承してくれた。

 

 

 

 

 

 

  ◇

 

 

 

 

 

 

「何だ、アレ?」

 

「古代の石棺の様だけど……」

 

 

 ニシウラに案内された部屋に安置してあったのは、黒地に豪華な宝飾が為された長方形の物体、石棺である。

 それからは明らかに危険な呪術の臭いがする。リアスを呼んだのも頷けるというものだ。

 

 

「ある遺跡から出土したもので、貴重な歴史的遺産なのですが……」

 

「うぅ……なんだか寒気がします……」

 

「確かに、棺からオーラが漏れているわ。それも、あまり良くない類の」

 

 

 ニシウラが皆に説明し、アーシアが怯えてイッセーくんに縋りつく。リアスが石棺を見た感想を呟く。

 僕もリアスに同意見だ。これは危険だ。

 

 

「やはり! 実はこれに関わっていた者達が、謎の病に倒れたり、不可解な事故にあったりなど、不幸になるケースが続出しておりまして!」

 

「あらあら。それは―――」

 

「……棺の呪いかも」

 

「ひぃ! 怖いですぅ!!」

 

 

 アーシアが恐がり悲鳴を上げる。他の皆も警戒の色を強める。

 

呪い―――ここ最近何かと縁がある。だが、恐れてばかりでは何も始まらない。勿論、恐れは危険を察知する意味でとても大切だが、それ以上に大事なのは“恐れを適切に克服する知識と準備と心構え”だ。

 

 

「アーシアさん、呪いにそんなに怯えることもないよ。それ(呪い)は努力次第で克服できる物だ。何なら今度『幻魔剣』をみんなに―――」

 

「いや、アレを身に付けるのは流石に―――」

 

 

 イシュダルとの戦いで使った秘剣を全員に勧める。あの技術はかなり便利だ。特に、キバくん辺りが身に付ければ相当な戦力になるだろう。

 

 だが僕の言葉を聞いた皆の反応は微妙だった。キバくん、イッセーくん、ヒメジマ、アーシアは呆れたような、困ったような、戸惑っているような複雑な表情を向けてくる。

 

 

「お・ね・が・い ですからリュカさんは黙ってて頂戴」

 

「……あ、はい」

 

 

 リアスに物凄い笑顔で言われた。その威圧感に耐えかね、堪らず答えてしまう。

 

 

「あの象形文字なのですが……」

 

 ニシウラ教授が石棺の文字を示した。異世界で行ったイシス国のピラミッドで見た文字に近い。流石に何て書いてあるのかはさっぱりだが………。

 

 

「丸い円が二つあって、まるでおっぱいみたいだな……って何考えてんだ、俺は! 象形文字にまでエロスを求めてどうするよ!」

 

 

 イッセーくんが感想を漏らす。本当に彼はそういうのが好きだな……。おっぱいか……。まあ、言われてみればそう見えなくもないが、石棺にどうしておっぱいが?

 もしそうだとすると、この棺の主は相当の好き者、イッセーくんみたいな人格の持ち主か……。

 

 

「ここにはこう書かれています。『我が眠りをさますのは、美しき乳の豊かな魔なる女性のみ』と……。要約しますと、『私はおっぱいの大きい悪魔の美女に起こされたい』と!!」

 

「要約し過ぎだろ! ……でも、“おっぱいの大きい悪魔の美女に起こしてほしい”って気持ちは分かるけど!」

 

「分かるんだ……」

 

 

 キバくんが溜息混じりにツッコむ。女性型モンスターも多く仲間にしている魔物使いとして諭した方がいいだろう。

 

 

「あんまり良いものじゃないよ。毎朝、窒息しかけるからね」

 

「されてるんスか!!」

 

「ああ、ここ最近は……。でも、偶にヒュドまるに起こしてもらう事もある。寝ぼけた彼に危うく丸呑みにされるところだった」

 

「「「……………」」」

 

 

 仮に完全に馴らしたとしても、体格が人間より大きな魔物相手ではそれなりの危険が伴う。彼ら(魔物たち)に全く敵意が無くても、ドラゴンマッドだのギガンテスだのにじゃれつかれたら素人では怪我くらいはする。

 バイサーやカラワーナが寝床に潜り込んできて抱きつかれ、胸で顔を覆われ息ができなくなったことが何度かあったし、スプろうの雷撃で黒焦げになったり、ジュラすけに噛まれたり、バラじろうに粘液塗れにされたこともあった。

 今のイッセーくんでは、僕と同じ生活はフィジカル面で無理だろう。

 

 

「ちなみに今まで呪われたのは皆むさい中年男性ばかりでした」

 

「おっさんに起こされるのは論外ってわけか……。これも分かるな」

 

「いいかい、イッセーくん。おっさんにもいい人は沢山いるよ。サンチョとか――――」

 

 

 イッセーくんのおっさんを侮蔑した発言を窘める。おっさんは素晴しい生き物だ。義理人情に厚く、一度友情を結べば我が身を省みずに助けに来てくれる。その“おっさんの絆”を極限に高めることで発動する奥義も存在するくらいだ。

 

 これは小一時間ほどおっさんについて語らなければなるまい。そう思ったが……

 

 

「早速、調べてみますわ」

 

 

 リアスに遮られた。彼女が石棺に近づいて何やら調べ始める。無視されたことがちょっと悲しい。

 だが、今のはたしかに僕が悪い。少々脱線し過ぎだ。ここは自重しよう………。

 

「な、何!?」

 

 

 物思いに耽っていると状況に変化が生じた。石棺が禍々しく輝きだしたのだ。どうやら、原因はイッセーくんが言うところの“おっぱいみたいな象形文字”にリアスの胸が触れたことらしい。

 

 石棺の蓋が少しずつずれ、ずるずると開いていく。

 

 

「おお! やはり、悪魔の女性によって棺は開かれるのか!」

 

「ど、どうなってるんだ!?」

 

 

 ニシウラ教授が自説の正しさを証明できたことに感嘆の声を、イッセーくんが驚愕の声を上げた。

 

 

「マミー? それともラザマナスか?」

 

「ミ、ミイラ!」

 

 

 身に纏う魔力からして、単なるミイラ男よりは高位だと思われるが……。

 そう思い遠巻きに観察しているとイッセーくんが不用意に前に見た。

 

 

「イッセーくん、気を付けなさい!」

 

 

 僕の言葉を聞き、(イッセーくん)は石棺から飛び退こうとする。

 

 だが遅かった。ミイラから黒い靄が噴出し、イッセーくんに纏わり付き、みるみるうちに彼の体に入り込んだ。

 

 

「我を目覚めさせたのは誰かーあぁ?」

 

 

 イッセーくん……じゃない? 死霊に取り憑かれたか!?

 

 魔力やオーラを探るまでもない。イッセーくんから放たれた声や、口調からして完全に別人だ。

 リアス達オカルト研究部の皆もそのことに気が付いたようだ。

 

 

「貴方を目覚めさせたのは私よ」

 

「ほーう!」

 

 

 ミイラから飛び出た魂に取り憑かれたイッセーくんがリアスの全身を舐めるように観察する。

 

 

「御機嫌よう、ミイラ男さん」

 

「ふっ! 我はウナスなり! 高貴なる神官にして、呪術を執り行う者である! 我を目覚めさせてくれた事、礼を言わねばなるまい!」

 

 

 リアスの名乗りを聞き、ミイラの怨霊も高らかに名乗りを上げる。ウナスという名らしい。

 呪術師……。僕の見立てではワイトキングに近い存在かもしれない。

 

 ワイトキング―――自らゾンビ化することで、元々高い魔力と知力を更に高めた高位のゾンビ系モンスター

 

 だが、この者は完全にそうではない。とすると、ワイトキングの成り損ないということか。

 

 

「意識を飛ばして、私の可愛い眷属の身体を乗っ取るだなんて、いい度胸ね。今すぐそこから立ち去りなさい!」

 

「その願いは承諾しかねーる!」

 

 

 リアスの啖呵を、ウナスは笑って流す。確かに立場的には彼の方が上かもしれない。何せ、彼女の大切な眷属の肉体を握っているのだ。

 

 

「何ですって!?」

 

「この呪われし肉体に再度戻る事で、我が魂の安息を保つ事ができようか? いや、保てはせぬ!」

 

 

 確かにそうだろう。どうやら一筋縄ではいかない相手の様だ。

 

 

「うふふ、でも呪術師が呪いを受けるだなんて、ちょっと情けないですわ」

 

「黙れ! 我は呪術師として、更なる高みを目指そうと、高位の悪魔を呼ぼうとしただけだ!」

 

 

 ヒメジマの嘲笑に、ウナスが怒りの声を上げる。まあ、より優れた魔術師になろうとする向上心は買うが……。

 

 

「高位の悪魔? 一体誰を?」

 

「ククッ、聞いて驚くがいい! 大公アガレスの縁者の女悪魔であーる!」

 

「大公といえば魔王・大王に次ぐ家柄ですわ」

 

 

 ふーむ、大公か……。僕らの世界ではどの位のやつなんだ? 魔王はミルドラースで、大王はゲマかイブール……。とすると大公といえばジャミかゴンズくらいかな? そのまた縁者……。ダークシャーマンとかだろうか……?

 

 

「だが、交渉どころか、我はその悪魔に、肉体と共に呪術の大半を封じられてしまった! 故に我は、永い眠りにつくしかなかったのであーる!」

 

「逆に呪いを!」

 

「何故そんなことになったのかしら」

 

 

 キバくんとリアスが疑問の声を上げる。

 

 

「この呪いが解かれない限り、我がこの肉体を返すことはありえぬ!」

 

「まあいいわ。こちらも、私の大事な眷属の身体を奪われるわけにはいかないの。呪術師ウナス、あなたの呪いを私が解いてあげる!」

 

「ああ、いいんじゃないかな。何千年も呪われっぱなしというのも辛いだろうし……。僕は男だから無理だけど」

 

 

 かなり無責任な言い回しだが、こればかりはどうしようもない。リアス達に頼るしかない。

 

 

「ふん、汝も相応の力を有した悪魔だと見受けられる。ならば、頼らせてもらおうか。紅い髪の女人よ!」

 

「それで、何をすればいいのかしら?」

 

「我にかけられた呪いは三つ。それらを解くには悪魔、それも美女の力が必要なのだ。まず一つ目は……この衣装を身に付け、我の前で舞い踊るのだ!」

 

 

 ウナスイッセーくんがゴソゴソと棺から何かを取り出す。

それは露出の激しい踊り子の服だった。

 

 へえ、この世界の『踊り子の服』は始めて見たな……。しかし、今まで見てきた世界のやつより、更に布の面積が少ない。あれならモンバーバラの“褌ビキニ”の方がまだ防御力がありそうだ。

 

 

「ふぅ、わかったわ。それを着て踊ればいいのね?」

 

 

 その褌ビキニ亜種を受け取ったリアスは一旦退室する。

 

 数分後――――

 ウナスから渡された衣装を身に纏ったリアスが戻って来た。実に似合っている。スタイルではモンバーバラやポートセルミで見物した踊り子たちと同格くらいか……。いや、モンバーバラのナンバーワン、名はマー……何と言ったかは忘れたが、あの娘の方が若干上か……。

 

 彼女は僕達の前に立つと舞を踊り始めた。

 かなり堂に入ったものだ。踊りの種類としてはグビアナで見たベリーダンスに近い。

 どうやら、彼女(リアス)にはダンスの資質もあるようだ。これは予想外だ。今度、徹底的に仕込むのもいいかもしれない。

 

 一方、リアスに踊るよう要求した魔術師に乗っ取られたイッセーくんは鼻を伸ばして、 リアスに釘付けになってる。どうやら、彼女の扇情的な舞に見惚れているらしい。

 見惚れる―――実はこれは結構凄いことだ。以前行った異世界には“魔物を釘付けにする程のお色気を誇る魔女”がいたらしい。

 

 天は彼女に二物も三物も与えたな……。『踊り』、『お色気』。この二つは完全に盲点だった……。でも、『踊り』はともかく『お色気』は僕じゃどうにもできないな。『お色気』を極めた仲間なんてのもいないし……。

 

 

「……部長にヘンな技を教えるのは止めてください」

 

 

 リアスを見ながら物思いに耽っていると、トウジョウがジト目で機先を制してきた。

 

 それにしても、何故わかった!?

 

 

「す、素晴らしい!」

 

 

 イッセーくんの体を乗っ取っていたウナスが鼻の下を伸ばしながら称賛し、その様子を横からトウジョウが白い目で見ている。おそらく、ウナスがいやらしい目的でリアスに舞を踊らせたのではないかと疑っているのだろう。

 

 だが―――

 

 石棺の蓋の裏に刻まれた、三つの三角形の様な紋章の一つが消失した。

 

 

「ふん、アガレスの呪いが、一つ砕けたようだ!」

 

「でもまだ、あと二つありますわ」

 

「次の呪いは、悪魔の女性の口付けであーる! そこの小さき女人、先程から我に向け熱き視線を送っておったな」

 

 

 ウナスがトウジョウに顔を向ける。しかし、熱き……というのは疑わしい。寧ろ、“百烈舐め”を教えようとしたときと同じくらいに冷めてる感じがするが……。

 

 

「……貴方の視線がエッチなのか、それとも憑依されてるイッセー先輩の視線がエッチなのか、観察していただけです」

 

「いや、違う! 我は感じた、その熱き視線を! なればこそ、次なる解呪は貴殿に任じよう! さあ、我にその視線が如く、熱き口付けを!」

 

 

 どうやら(ウナス)は結構思い込みが激しい性格の様だ。唇を突き出しながらトウジョウに迫る。そんなことをすればどうなるかくらい僕でも予想できる。

 

  ドゴッ

 

 

「……来ないでください」

 

 

 ウナスイッセーがトウジョウにぶん殴られた。彼女(トウジョウ)の怪力から繰り出されるパンチの衝撃で耐性を崩すウナス。

 

 

「イッセーさん!」

 

 

 アーシアがイッセーくんを支えようと前に出るが慌て得てた為に躓き―――

 (イッセーくん)に覆いかぶさる体勢となり、はずみでイッセーくんの頬にキスをした。

 

 棺の蓋の裏にある紋章がまた一つ消える。

 

 

「とにかく、二つ目もクリアできたようね」

 

「最後の呪いは、最高難度の呪い! それは……胸の豊かな女性に、ぱふぱふしてもらうことであーる!」

 

 

ぱふぱふ―――ああ、あの女性の胸の谷間でああする……。最近、割と受ける機会が多いあれか。

イシュダルがいればいいのだが、残念だがこの場にはいない。

 

どうやら、ウナスのターゲットはヒメジマらしい。徐々ににじり寄っていく。

 

 

「あらあら、困りましたわねぇ」

 

 

ヒメジマもあまり嫌がってはいない。おそらくイッセーくんを救うためならば身を切る覚悟ができているということなのだろう。それに、元々イッセーくんのことを可愛がっていたみたいだし、満更でもないのかもしれない。

 

しかし、ウナスイッセーは途中で金縛りにあったかのように動かなくなる。どうやら肉体の内部で、イッセーくんとウナスが主導権争いをし、イッセーくんがウナスを止めようとしているらしい。

 

 その様子がしばらく続く。……このままでは埒が明かない。それにもう封印の紋章はあと一つだ。多分、もう僕でも破れるだろう。

 そう思い、精神を集中させ光の力を指先に集中する。

 そして、その指をウナスに取り憑かれたイッセーくんに向け―――

 

 

「面倒だからもういいや、『光の波動』!」

 

『少年よ! あの乳が我を―――って何だ!? ちょっと待て、乳を―――』

 

 僕の指先から迸る光の波動がウナスにかけられた呪いを打ち消す。

 イッセーくんの肉体から黒い靄が湧き出し、棺の中に戻っていく。

 

 

「……邪なオーラが強まりました」

 

 

 トウジョウが警告するかのように告げる。

 

 

 そして―――

 

 棺から不気味な閃光が溢れ出し、強烈な衝撃波が発生する。

 全員が部屋の保管室の外に弾き出される。

 

 

 もうもうと舞う埃の中から高笑いが聞こえてきた。やがて一人の男が姿を現す。

 

 

「ふわーはっはっはっ! 我の名は偉大なる呪術師ウナス! ここに復活せり……。

 大儀であった、悪魔の諸君! あのアーガレスの女め……積年の呪いが解かれた今! 必ずや復讐を遂げん!

 そして、そこの男! 貴様のせいで揉み損なった乳の恨み! 今、晴らさん!!」

 

 

 出てきたのは、褐色の肌の全身に包帯を巻き、錫杖を持った貧相な風貌の男である。

 

 

「クソッ! アイツは初めから自分を復活させるために俺達を利用していたんです! つーか、朱乃さんにぱふぱふしてもらいたかった……」

 

 

 何故か、ウナスとイッセーくんが僕に恨みがましい眼差しを向けてくる。

 えーー……。僕が呪いを解いてあげたんだよね……? なんで怒ってるのかな~……?

 

 

「こんな事だろうと思ったわ。聞いてもいいかしら。どうして呪いをかけられたの?」

 

 

 リアスがウナスに尋ねる。それは僕も気になった。

 

 

「……呼び出した悪魔の女性が、飛び切り美しかった故、思わず願いを伝えたのだ。

 求婚……いや、我が奴隷と化せ! とな」

 

 

 ウナスの回答を聞き、リアスが困ったように(ウナス)に教える。

 

 

「流石にそれは……、大公の縁者クラスなら、願いにはそれ相応の報酬が必要なのよ。怒りを買って当然だわ」

 

「ええい、黙れ! 手始めに貴様から倒してくれるわ!」

 

 

 彼女の言葉を聞き、逆上するウナス。それを見たリアスはニシウラ教授に確認を取る。

 

 

「まったく……教授、このミイラ男は危険ですわ。消し去っても構いませんか?」

 

「大変もったいないのですが、止むを得ませんな。でも、できれば棺だけでも残していただけると……」

 

 

 いつの間にかも石柱の影に隠れたニシウラが残念そうに答えた。

 

 

「分かりました。棺だけ残して、後は消えてもらいましょうか」

 

 

 リアスが堂々と宣言した。しかし、彼女達の様子を見ると猛烈に悪い予感がする。

 ま~た、油断してる……。これじゃこの前の二の舞になりそうだな……。

 

 

「ふん。その傲慢な物言いが、あのときの女悪魔を思い出すわ! ぬるあああっ!」

 

 

 ウナスが声を上げると彼の全身に巻き付いてた包帯が、まるで蛇のように動きだし、リアス、ヒメジマ、アーシア、トウジョウの四人をグルグル巻きにした。

 

 

「……またこのパターン」

 

 

 トウジョウが呟く。

 

 というより、君もそう思うなら躱して欲しいんだが……。

 

 イッセーくんとキバくんがリアス達を助けようとするが、ウナスが叫んだ。

 

 

「動くな! 動くと女達を絞め殺ーす!

 この包帯は、私が長年、念を込めて作った特別製。ちょっとやそっとでは外れないのであーる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……君達……」

 

 

「リ、リュカさん……」

 

 

 ウナスに対しては、一片の恐れなど抱いてないであろうオカルト研究部の皆の表情から余裕が消えた。

 どうやら、声にかなりの怒りが漏れ出てしまったらしい。皆、相当怖がっている。

 だがそんなことには構っていられない。

 

 

「ええと……、何回同じことを言わせれば気が済むのかな……。あれ程―――――――」

 

「ちょっと待って! 自分たちで何とかできるから! イッセー! アレを使いなさい!」

 

「は、はい、部長!」

 

 

 僕の表情を見て、リアスが慌てて叫び、イッセーくんもすぐさま答える。

 

 

「な、何をするつもりだ!?」

 

 ウナスの叫びを無視したイッセーくんがジャンプし、吊るし上げられているオカルト研究部女子達に手早く触れて回る。

 そして指を鳴らし、技名を唱える。

 

 

洋服崩壊(ドレス・ブレイク)!!」

 

 

 オカルト研究部女子の服が包帯ごと(・・・・)弾け飛んだ。

 

 ほう……、こんな使い方もあったとは……。思わず感心してしまった。

 

 

「眼福です! 全員の裸を脳内保存! ありがたやありがたや……」

 

「……見ないでください」

 

 

 全員の裸を目に焼き付けようと、まじまじと観察していたイッセーくんだが、トウジョウに踏み付けられた。

 

 

 

「こ、これは……何と素晴らしき技かな! 我は感動したぞ、悪魔の少年よ!」

 

 

 確かに『洋服崩壊』は使い方に幅がある。様々な応用の仕方があるだろう。

 だが、(ウナス)も周りに気を配るべきだ。切り札を失い、すっかり無防備になったというのにリアスとヒメジマの接近を許してしまっている。

 

 ウナスに接近したリアスが赤黒い滅びの魔力を練りながら、高らかに宣言する。

 

 

「悪魔の女性に淫らなことをしようとする不逞の輩。その罪、万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、貴方を吹き飛ばしてあげる!」

 

「ま、待て!」

 

「あらあら、折角永い眠りから目覚めたのに……、悪い子はお仕置きですわ」

 

 

 ヒメジマも魔力で雷を発生させる。どうやら、ヒメジマもリアスと一緒に同時攻撃し、ウナスを消滅するつもりらしい。

 僕は袋から“グリンガムの鞭”を取り出した。

 

 

「そこまでだ。『痺れ打ち』」

 

 

 リアス、ヒメジマ、ウナスの三人を纏めて打ち据えた。

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――

 

 

 

 後日 いつもの郊外

 

 

 

「ちょっと、これは……あ、あぁん!」

 

「あらあら、これは酷過ぎですわ、はぅ……」

 

「リュカさん、許してください~、あう!」

 

「……リュカさん、あとでひどいですよ。んっ」

 

 

 放課後に、オカルト研究部女子達を半ば拉致するかのようにここに連れて来た。

 そこで待機させていた魔物達に一斉に襲わせる。

 その魔物達というのは バラじろう ホイミスライムのホイミン、スラッポ、ふくちん べホマスライムのべホマン、べホック、オカピ― しびれくらげのしびれん、くらげん、まゆたん プチアーノンのプチノン オクトセントリーのリー である。

 

 現在、彼女達は彼らの触手に徹底的に巻き付かれ、絡み付かれている。

 

 

「これは君達の為だ。これを克服できなければ君達は決して優れた悪魔にはなれない。

 故に――――

 

 

  触 手 倍 プ ッ シ ュ だ !!」

 

 

 

 

 

「「「 そ 、 そ ん な ー ー ー ! ! 」」」

 

 

 

 

 

 ちなみに、いつも通りウナスくんを自宅アパートに連れて帰り、皆に紹介した。これまたいつも通り「捨ててこい」と言われたので必死に頼み込んだが、今回は絶対にダメと皆が口を揃えて言う。

 その理由を尋ねてみると、女性陣の見解は完全に一致した。

 

 

 曰く『生理的に受け付けない』

 

 

 そこで、ウナスくんはミルたんに預けることにした。ミルたんは二つ返事で快く了承してくれたので、お礼に『オーロラの杖』をあげた。

 ウナスくんは死ぬほど嫌がってた。

 

 

 




マミー:DQⅡ・Ⅲ・Ⅷ・Ⅸ・Ⅹに登場するモンスター。ミイラおとこの上位種族。

ラザマナス:DQM2で初登場したモンスター。頭と胴体が分離しており、両手で頭を支えている骸骨。DQM1(PS版)・DQM2においてゾンビ系の最強ランクのモンスター。

踊り子の服:DQⅣ以降の作品に登場する体装備。酒場で働く踊り子たちのために作られた、魅惑的なステージ衣装。

グビアナ城:グビアナ砂漠一帯を治める城。美しき女王ユリシスが治めている。城下町にはダンスホールがあり、夜になるとここで踊り子たちが華麗な舞いを披露している。

モンバーバラ:DQⅣに登場する街。大きな劇場があり、主人公の仲間となる踊り子のマーニャが働いている。

ポートセルミ:DQⅤに登場する港町。かなり大きな宿屋があり、ステージでは夜になると踊り子が踊っている。

お色気:Ⅷに登場するゼシカの固有スキル。戦闘中に敵が見とれる能力を身につける他にハッスルダンスなども覚える。

ぱふぱふ:単語としてはシリーズ皆勤。特技としてはⅥ以降。ドラクエでは迂闊に受けてはいけない。何故ならⅨとかだと羊のしr……まあ、自分の目で確かめてください。

光の波動:モンスターズシリーズから登場した特技。味方全員のあらゆる状態異常を回復する。

グリンガムの鞭:DQⅤ以降の本編、リメイク版DQⅢとDQⅣ、ジョーカー、少年ヤンガスに登場する武器。先端に刃の付いた3本のムチがひとつになったデザインが特徴的なムチ。

痺れ打ち:DQⅧより。ムチスキルで習得できる特技。ダメージや範囲は通常攻撃と同じだが、麻痺の追加効果が付与される。

オーロラの杖:DQⅨに登場。杖系武器の一種。杖の部類では最強の攻撃力を持ち、道具として使用すると「いてつくはどう」の効果がある。入手方法は錬金のみ。


プチアーノンのプチノン、オクトセントリーのリー どちらもⅧのスカモンです。
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