時を失った英雄 in ハイスクールD×D   作:ksb

6 / 58
やっと戦闘シーンを入れられた……。
といってもまだ初心者なので「もっとこうしたらいい」というアドバイスや「ココがいけない」という御指摘を、出来ればよろしくお願いします。


5話 カラワーナ

 

「グレモリー家の紋章!?」

 

 

 突如として投擲された光の槍。それを僕とイッセーくんは飛び退いてかわす。

 すると、イッセーくんの手の平から紅い紋章が浮き出た。

 それを見た堕天使――カラワーナは驚き、更に強い眼差しを向けてきた。

 

 

「くそっ!? また殺されるってのかよ!?」

 

「そうか……。ドーナシークがはぐれと間違えたというのは貴様か……。

 まさか、グレモリー家の眷属になっていたとはな。ならば、ますます生かしてはおけぬ!!」

 

 

 カラワーナは今度こそイッセーくんを始末しようと、次は直接光の槍を突き刺すべく迫ってくる。

 

 

「うわあ!!」

 

 

 イッセーくんは襲い掛かってくるカラワーナを見て祈るように目をつぶる。

 

 彼を死なせるものか!

 

 その姿を見て今度こそ守り切ろう、そう決心してカラワーナの前に進み出た。

 その時――― 

 

 

「力を……、力をくれえぇッ!!」

 

 

 イッセーくんの叫びと共に、彼の腕に深紅の籠手が出現した。

 何だ!? アレが『神器(セイクリッド・ギア)』か?

 それに……何かとてつもない力を感じる!

 

 

「せああああああああぁぁぁぁ!!!」

 

「きゃあああああぁぁ!!」

 

 

 イッセーくんの雄叫びと共に、その小手から緑色の閃光が迸り、今にも槍を突き刺そうとしていたカラワーナを吹き飛ばした。

 服のみ(・・)が千切れ飛び、彼女の豊かな乳房やその他諸々があらわになる。

 しかし、問題はそこではない。彼女の艶やかな肌には傷が一つも付いていない。

 

 彼女を傷つけず、服だけを消し飛ばした? 一体どういうことだ?

 

 

「なっ」

 

 

 イッセーくん自身も自分のしたことに驚いているらしい。

 彼の一撃によって吹き飛ばされたカラワーナも一時茫然としていたが、すぐに自分を取り戻した。

 

 

「セ、神器(セイクリッド・ギア)か!? ここで殺すより前に、まずあのお方にお伝えせねばなるまい!!」

 

 

 イッセーくんの神器について彼女の上司に報告するつもりなのだろう。

 カラワーナはすぐに踵を返し、黒い翼をはためかせて撤退しようとする。

 

 だけど――――

 

 

「待ってくれるかい?」

 

 

 僕が彼女を引きとめる。

 

 

「何だ、貴様は!!」

 

「僕はリュカ。ただの旅人さ」

 

「その旅人がどうしたというのだ!! 邪魔をするな!!」

 

「君と少し話がしたいんだ」

 

 

 どうあっても彼女たち(堕天使)はイッセーくんを始末したいらしいが、何とかしてそれを止めさせたい。

 そのため、話し合いの席が欲しい。しかし―――

 

 

「待てよ……。リュカ? リュカだと……!

 確かそう名乗る男がレイナーレ様を邪魔したそうだな。すると貴様か!!」

 

「たぶん、そうだろうね」

 

「ふん、ならば貴様も死ね!!」

 

 

 なんと、カラワーナが今度は僕に向けて光の槍を投擲してきた。

 はあ……、どうも堕天使は短気でいけないな。

 それに槍術もなんだか一辺倒だ。もう少し工夫をするべきだろう。彼女たちも鍛えれば、かなりのものになると思うんだが……。

 

 

 そんなことを考えながら拳に闘気を込める。

 そして、飛来する槍を弾き飛ばした。

 

 

「!?」

 

「君たちにはかなり素質があるようだけど……。だが、鍛錬が足りないし、戦い方に工夫がない。どうだろう、僕の仲間にならないか? 僕なら君たちに色々と教えてあげれると思うよ」

 

 

 取り敢えずカラワーナを勧誘してみる。仲間にして親密になれば、堕天使たちの内情を知り、彼女らを思い止まらせることができるかもしれない。

 更に言えば、今は敵として相対していることや、イッセーくんの命を狙っていることを抜きにしても彼女(カラワーナ)の素質はなかなかのものだ。それをこのままにして置くのは勿体ない。

 

 しかし、僕の言葉を聞いた彼女は逆上する。

 

 

「人間風情が何を言う!! …………だがレイナーレ様を追い詰めたという実力は本物のようだな……。

 ふん、だがこちらには『協力者』から預かったこいつがある!!」

 

 

 彼女は魔法陣を展開し、そこから何かを取り出した―――

 

 それは一見すると何かの頭に見えた。だがよく見てみれば、それが兜であることが解る。

 ―――色は緑。山羊を摸した角が取り付けられている。そして何も無いはずの眼窩にはいやな輝きを放つ細い横長の瞳孔が一筋ずつ。

 その姿はまるで悪魔の頭―――

 あれの名は……確か「邪神の面」だったか。

 

 

 邪神の面―――それは呪われた装備の一つ。邪教の儀式に使われる祭具であり、それを装備すると邪神の加護により、途轍もない守備力を得られる。

 しかしその反面、異教徒が装備すると強烈な呪いによって錯乱状態となり、他者や自身を傷つけ、最終的には死に至るという―――

 

 実は僕も一つ持っているが、ほとんど使われず袋の肥やしになっている。

 

 

「止めなさい! それは呪われている。装備すれば君自身危険だ!!」

 

「そうでもないさ。これは改良版だ」

 

「何?」

 

「こういうことだ!!」

 

 

 そうこうしている内に、カラワーナは僕の制止を聞かず邪神の面を装備してしまった。

 次の瞬間、彼女から凄まじい魔力と邪気、そして“暗黒闘気”が迸る。

 こ、これは……!

 

 

「フハハハハハハハ!! どうだ!! 魔力のみならず暗黒闘気も纏うことによって攻撃呪文さえ軽減できる!! 更に暗黒闘気の作用によって攻撃力も向上させる!! 

 さあ、人間如きが堕天使に刃向かったことを悔やみながら死ぬがいい!!!」

 

 

 先程までは割と冷静(Cool)な女性という印象だったんだが……。これも『邪神の面』の作用か……?

 しかし、何と言うか……、全裸であの仮面というのもなかなかシュールだな……。

 

 全裸の美女が禍々しい仮面を被り、ハイテンションで馬鹿笑いしているという光景に思わず笑みがこぼれる。

 

 

「何がおかしい!!」

 

「いや、別に何でもないよ。かかっておいで」

 

「どこまでも馬鹿にしおって……。もう許さん!! 細切れにしてくれる!!!」

 

 

 そう叫ぶとカラワーナは飛び上がり、猛然と襲い掛かってきた。

 強力な光力が彼女の手に凝縮され、先程投擲してきた槍の倍以上のものを生み出す。

 

 

「はああああああああああ!!!」

 

「『身かわし脚』!!」

 

 

 彼女の振るう光槍の猛烈なラッシュを、軽やかなステップでかわす。

 そして、「邪神の面」によって得られた防御力を確かめるために、道端に落ちていた石ころを拾い上げ―――

 

 

「『石礫(いしつぶて)』!!」

 

 

 僕は自慢じゃないが肩が強い。ただの石でも鉄板くらいならぶち抜ける。

 投石の歴史は極めて古い。そして数百年前まで、この世界でも普通に兵器として扱われていた。

 投石とはそれ程強力なのだ。

 

 ――だが

 

 

  ニイィ

 

 

 カラワーナは嘲笑する。

 そして―――

 

  ジュウッ

 

 

 石が蒸発した。

 

 

「アハハハハハ!! 石ころ如きではこのカラワーナには傷一つ付けることは出来ん!!」

 

 

 ふむ、『邪神の面』の防御力は伊達ではないか。

 それに暗黒闘気の護りもあるが……まあ、どうにでもなるだろう。

 

 暗黒闘気の障壁を破るには、それを上回る光の闘気をぶつけるのが一番手っ取り早い。

 自らの肉体と魂で、光の闘気を練り上げる。

 

 

「『鎌鼬(かまいたち)』!」

 

 

 光を帯びた風の刃をカラワーナに放つ。

 

 

「ぐわああああああああああ!!」

 

 

 どうやら上手くいったようだな。僕もイッセーくんには負けてはいられない。

 暗黒闘気をぎりぎり破り、彼女の肌に傷を付けない。その絶妙な加減で放った鎌鼬によって、カラワーナは地に墜ちる。

 

 

「ぐぬううぅぅぅっっ……。……殺す……、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!」

 

「むっ!!」

 

 

 どうやら「邪神の面」に魂を飲まれ始めたようだ。装備すれば健全な精神の持ち主であればたちまち錯乱するというシロモノだ。

 記録によれば高位の魔族であれば“呪いの装備”を身に付けても呪いの効果を受けなかったという。

 堕天使である彼女はある程度(・・・・)の耐性があったのだろう。

 だが、完全ではなかった。改良によって呪いを弱めたのだろうが、カラワーナがダメージを受けたことによって呪いが回り始めたらしい。

 

 

「ガアアアアアアアァァァ!!」

 

 

 カラワーナは巨大な槍をぶん回す。僕自身は余裕を持って回避するが、そこにあった電柱がへし折られる。

 パワーはこれまでより明らかに強い。

 だが彼女は肩で息をしている。呪いと先程の鎌鼬でかなりダメージが蓄積しているらしい。

 

 このままじゃ、僕よりも彼女の方がもたないな……。アレしかないか。

 

 

「ピオラ」

 

 

 素早さを上昇させる補助呪文を唱えながら、袋から「神業の手袋」を取り出し装備し、更に再び光の気を高める。

 その光の力を両腕に込め、すっかり錯乱し、光の槍を振り回しているカラワーナに

向けて……

 

 

 

「光の波動!!」

 

 

 光の波動―――聖なる力の波動を巻き起こし様々な状態異常を癒す僧侶の奥義

 

 呪いの装備には共通点がある。それは解呪されると装備がはずれる、ということだ。

 光の波動によって「邪神の面」の呪いが打ち消され、頭部から剥がれ落ちる。

 

  今だ!

 

 

 仮面がはずれて彼女の素顔が露わになったところへ、ピオラによる加速を利用し懐に飛び込む。

 そして―――

 

 

「『盗む』!」

 

 

 カラワーナからはずれた「邪神の面」を、一気に奪い取る。

 しばらくすると、彼女は正気に戻ってきた。

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……、貴様………」

 

「君の切り札は回収させてもらった。君の負けだ」

 

 

 邪神の面を奪われたカラワーナは凄まじい殺気を僕に向けてくる。

 だが、体力を消耗しつくしてしまったらしい。息も絶え絶えだ。

 

 

「おとなしくしてくれるかい? 僕も君に手荒な事をするつもりはない」

 

「………そうはいくか!!」

 

 

 彼女はまたしても光の槍を生成すると投擲してきた。

 だが標的は僕ではない。

 

 イッセーくんだ。

 

 

「マジックバリア!!」

 

 

 すかさずイッセーくんに魔力結界を張る魔法を唱える。

 おかげで光の槍を相殺することができた。

 

 しかしその間に――――

 

 

「リュカといったな……。貴様は殺す! 必ずこの手で!!」

 

 

 そう言い残すと、カラワーナは夜陰に紛れ、飛び去って行った――――

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 次の日の夜

 

 

 僕は駒王学園のオカルト研究部の部室にいた。

 それは、一つ思うところがあったからだ。

 

 それはこの世界の召喚の魔法陣だ。

 今までの旅の最中、グランバニアに残してきた魔物達とはずっと離れ離れだ。

 これまでの旅路で様々な転移魔法を身に付けてきた。

 リリルーラ、オクルーラ等々を、だ

 だが、異世界から仲間を呼び集める魔法というのには未だに出会わない。

 

 しかし、この魔法陣を利用すれば……

 

 そう思い立ちリアス・グレモリーに部室内の資料の閲覧をお願いしたら、快く許可してくれた。

 

 そうして部室内のソファーを借り黙々と、この世界の魔術書を読み漁っている。

 

 その側では―――

 

 

「二度と教会に近づいちゃダメよ」

 

 

 リアスがイッセーくんをかなりきつく叱り付けている。

 話を簡単に纏めるとこうだ。

 何でもイッセーくんは今日の昼間に迷子のシスターと出会ったらしい。

 そのシスターと友人になり、彼女が世話になっているという教会に案内したそうだ。

 しかし、教会は悪魔にとっては敵地であり近付くのは本来危険らしい。

 

 

「まあまあ、そんなに言わなくても……、彼も反省しているようだし」

 

「リュカさんは黙っててください」

 

「……はい」

 

 

 イッセーくんをフォローしようとしたら怒られた。

 すると、そこにヒメジマがやって来た。

 

 

「あらあら。お説教は済みました?」

 

「おわっ」

 

 

 急にうしろを取られたイッセーくんが驚く。

 しかし、ヒメジマはニコニコしているが、今日はいつもより表情が硬い。

 リアスもそれに気が付いたらしい。

 

 

「朱乃、どうしたの?」

 

「討伐の依頼が大公から届きました」

 

 

 

 その大公とやらからの依頼内容はこうだ。

 

 

 

 ―――はぐれ悪魔バイサーを討伐せよ―――

 

 

 

 

 




じゃしんのめん:Ⅳに登場する兜の1種。守備力は+200とずば抜けて高いが、本来は邪教の入信の儀式に使われる祭具である為、異教徒が装備すると発狂し呪われる。

ぬすむ:Ⅸから。盗賊の特技で文字通り魔物からアイテムを盗む。種集めでお世話になる……というかコレがないと無理。


般若の面か邪神の面かで迷った。
でも般若の面被ったカラワーナが想像できなかった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。