魔王滅ぼしたけど多分新しい魔王ポジが生まれただけ   作:丸米

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己が因業を呪えェェェェェこの愚か者がァァァァァ!

 魔王とは、魔族の王。

 魔族の定義は魔力の生成に他生物の魂を用いる事を、生態として確立している生命体の事である。

 

 彼等が生命体の命を奪う時。その生命体の魂まで奪う。

 魔女が術式を拵え、魔法として行使してはじめて成立する事象を彼等はただ生態としての特徴として持っている。

 

 そうして。

 彼等が蒐集した魂の一部は――魔王に流れゆく。

 

 魂は知能が高度な生命体であればあるほど魔力への変換効率が良く。よって、自然と魔族は人間を狙うようになっていった。

 

 

 そして。

 代わりに魔王は、蒐集した魂によって作った己が魔法を切り分け配下に渡す事を可能としていた。

 これもまた、魔王として生まれた者の生態である。

 

 魔王は強力な配下に術式を渡し、魔法の伝達を行う。

 魔族で術式の構築が可能となるのは魔王のみ。故に、魔王が滅びれば魔族は魔法の行使が不可能となり。その力は大きく落ちる事となる。

 

 そうなると。彼等は次なる魔王が現れるまで世界の影に隠れ、静かに潜伏を始める。

 魔王と魔族は互いに群体としての性質を持つ生命種であった。

 

 

 

 

 魔王を滅ぼした後。レロロ・レレレレーロは魔王の術式を解析し。その死骸の一部を利用して幾つかの魔法具の作成を行った。

 その内の一つが、現在カスティリオが装着している指輪に嵌め込まれた宝石である。

 

 魔渡りの石と名付けたそれは。その宝石に刻み付けられた他者の術式効果を遠隔より発揮させる魔法具である。

 刻み込む術式の限界は二つ。

 その内の一つが――アーレン・ローレンの紫電の術式であった。

 

 

 アーレンが術式を行使し。それは魔渡りの石を通して遠隔から行使され。

 転移の魔法によりカスティリオの背後を取ったゼクセンベルゲンの頭上へと振り落ちた。

 

 

「おぉ....!」

 

 紫電が全身に行き渡る。

 光を束ねた防御術式を編み直撃は免れたが。電気系統の術式らしく、全身に痺れが入る。

 

 振り向きざまのカスティリオの回転斬り。

 痺れる腕で、それでもゼクセンベルゲンは己が刃でその斬撃を受け止める。

 

 そこから流れる衝撃は、大波のようであった。

 巨大な力に呑み込まれるように、ゼクセンベルゲンはその衝撃に大きく後ずさる。

 

 

 瞬間。カスティリオは卵状のガラス瓶をゼクセンベルゲンの足下に投げつける。

 ガラスが割れると共にこぼれた液体が、気化しゼクセンベルゲンの鼻腔と口腔に入り込む。

 

 凄まじい刺激臭が鼻腔の奥に突き刺さると共に、それが毒である事を理解する。

 

「――いい毒だ。だが俺には効かねぇ...!」

 

 そう言うと。ゼクセンベルゲンは術式を編むと、己が肉体に光を当てる。

 口腔と鼻腔。それぞれに照り付ける光が、毒性を消す。

 

 ――日光の効果にある殺菌効果を拡張し毒性を消す術式か。随分と高度な魔法を使うじゃあないか。

 

 やはりレロロの目算通り。ゼクセンベルゲンは術式を隠している。

 そして。実際に戦う中で――どうやって術式を隠しているかまでは予測がつくようになった。

 

 

 

 毒が消されたカスティリオは、再び剣術勝負を行うよりも、この開けた距離感の中で戦いながら――様子見に徹する事を選択。

 束ねた黒髪に仕込んだ金属線を用いてゼクセンベルゲンの首元を斬り裂きにかかる。

 

 

「――あめぇ!」

 

 

 金属線は光により発熱。そのまま焼き切れる。

 

 ゼクセンベルゲンはここを好機として走り出し術式を編んで光線を放たんとし。

 ――カスティリオはここだ、と心中呟いた。

 

 

 ゼクセンベルゲンの頭上に、雷鳴が轟く。

 紫の雷が空より振り落ちていく。

 

「二度は喰らわぬ」

 

 その気配を感じた瞬間ゼクセンベルゲンは頭上に防御術式を張る。

 だが――雷撃はゼクセンベルゲンの頭上ではなく。その周囲に振り落ちる。

 

「む...!」

 

 

 明滅。

 紫電の光がパッとゼクセンベルゲンの周囲を照らし。目を眩ます。

 

 瞬間。カスティリオは身を倒すような体勢へと変化し、そこから駆け出す。

 ゼクセンベルゲンからは。目が眩むと同時に視界からカスティリオが動きもせずに消えたように感じていた。

 

 ――脛斬りか。死角からの斬撃か。どっちだ!?

 

 瞬時の判断。

 判断を誤れば、死ぬ。

 

 これまでのカスティリオの戦い方が瞬時にゼクセンベルゲンの頭を駆け巡り――ここで勝負を急ぐ性格ではない、と判断。

 

 死角から致命傷を狙うのではなく。

 脛斬りでこちらの足を削りにくるであろう。

 

 そう判断し――己が得物を足元への防護へ使う。

 

「――やるではないか」

 

 脛を斬り飛ばさんと放った刃は。見事、ゼクセンベルゲンの刃に防がれていた。

 

「――しゃあ!」

 

 そして。

 脛斬りの為に腰を落としていたカスティリオは、ゼクセンベルゲンの返しの刃を回避する事叶わず、左肩を大きく斬り裂かれる。

 血すら沸騰する程の、灼熱の刃。重厚で切れ味はそこまでなさそうな刃だが、成程。”焼き斬って”いるのか。

 

「危なかった....!二択の判断を誤れば、こちらが死んでいた....!」

「くく...こちらも勝負を懸けた一撃だったがの」

 

 

 そう言いながら、――カスティリオは心中、”狙い通りだ”と呟いていた。

 雷撃の明滅と同時に奇襲を仕掛けるのが目的――と思わせ。

 本来の目的は別にある。

 

 

 己が思念を通じて。

 観客席のレロロへと、カスティリオは語り掛ける。

 雷の明滅の瞬間、垣間見えた。

 光によって覆い隠されていた、ゼクセンベルゲンの第二の術式が。

 

 

 ――レロロよ。あ奴は術式と術式効果を、”光”で覆い隠している。それが奴の術式の絡繰りじゃ。

 

 

▼▼▼

 

 

「そうか....!何で気付かなかったんだ....!」

 

 レロロは、ううむと唸る。

 

「第一の術式で光を作るか集める。集めた光を元手に、奴は――第二の術式を隠していたんだ」

「成程ね」

 

 光を操る魔法使い、というなら。まず第一に考えるべきであった。それほどシンプルな仕組みだ。

 光を作るか集める。集めた光で、次に作る術式を覆い隠す。

 

 これが。ゼクセンベルゲンの――術式を隠す仕組みであった。

 

「仕組みさえ解れば、術式は暴ける」

 

 レロロは己が両目に二つの術式を刻み込む。

 視力を強化する術式と、――光を一定量にまでカットする”遮光”の術式。

 

 次にゼクセンベルゲンが術式を使う時。必ず暴く。

 

 そう気合を入れた瞬間。

 その目に見えたのは――ゼクセンベルゲンが、闘技場の真上にある太陽に剣先を向けた瞬間であった。

 

 

▼▼▼

 

 

「――アンタの厄介さは理解できたぜ、カスティリオ」

 

 ゼクセンベルゲンは微笑みながらそう言った。

 

「アンタは今、こっちの戦い方を探っているな?」

 

 ならば、とゼクセンベルゲンは言う。

 

「最強の魔法を――ここで切るぜ」

 

 ゼクセンベルゲンが剣先を太陽に向ける。 

 その瞬間――それは、一回り大きく映る。

 

 

 照り付ける日差しが灼熱に変わる。

 

「おい....おいおいおいおいやべぇぞ!」

 

 それは。

 観客席を覆う結界にすらヒビを入れる程の強力さ。

 

 

「くく....!これが貴様の秘奥か」

「そうだぜ。――ああ、事前に遮熱と遮光の術式を刻んでいたんだな。やっぱりあの召喚術師は、こっちの情報を得る為にアンタが仕向けたんだな。まああの電撃を見た瞬間には予想していた事だが」

 

 カスティリオの黒色のマントには、遮熱と遮光の術式が刻み込まれている。

 これは己の術式ではなく、他者が刻んだマントを着込んだもの。故に――術式に籠められた魔力が切れると共に、その効果は消え失せる。

 

 

 時間が過ぎれば、このまま己は高熱に焼かれ死ぬのであろう。

 そしてあの観客共も。

 

 

「くく....」

 

 カスティリオは笑った。

 今己は、敗北の狭間にいる。

 

 そして――その敗北の臨界を超えるか否かは、己の能力ではどうにもならぬ地平にある。

 敗けるか否か。

 それは――このマントの術式が切れるまでの短時間で、レロロがゼクセンベルゲンの術式効果を暴けるかどうかにかかっていて。

 その上で。その術式が己に対応できる代物かどうかという第二の壁も越えなければならない。

 

 己が望む、最高の勝利。それを掴めるか否かが、他者に握られている。

 この状況。以前の自分ならば何よりも嫌だったろう。

 恐らく、その他者が有象無象の他人ならば今でも嫌だ。

 

 だが。

 ――新たな道に己の手を引いた男の手に掛かっているというのならば。それはそれで良いと思えた。

 

 何故なら。これはまさしく己の武器であるから。

 己が信頼という担保によって手に入れた、紛う事なき頼りになる得物であるから。

 

 

「.....」

 

 

 そして。

 

 カスティリオは、笑った。

 

 

「よくやった、レロロ」

 

 

 そう呟くと。

 カスティリオは――一回り大きくなった太陽に向け、跳んだ。

 己が足で――灼熱の源へと。

 マントに刻み込まれた遮熱・遮光の術式が急激に消え去っていくのを感じる。それでも、迷うことなく――カスティリオは跳んだ。

 

 

「アーレン!」

 

 魔渡りの石よりアーレンの紫電を呼び出し。雷鳴を己がサーベルに宿す。

 雷鳴を受け入れた剣先を、空中で旋回する己が軌道に合わせ、斬撃を放つ。

 

 

 雷鳴と共に放たれた理外の斬撃は――太陽に向け放たれ。

 太陽は――空間ごとひび割れ、そして砕けていった。

 

 まるで鏡に映されていたかの如く巨大な太陽は砕け散り。

 元の大きさのまま光を放つ太陽と青空がただ現れた。

 

 

「.....」

 

 その様を。

 呆然と、ゼクセンベルゲンは見ていた。

 

 

「貴様の第二の術式は、”レンズの生成”じゃ。光を収束させるレンズを魔法で作成し、貴様は収集・作成した光を別の形にして攻撃に転用していた」

 

 

 ――ゼクセンベルゲンが用いていた第二の術式。それは”レンズの作成”であった。

 

 

 太陽に虫眼鏡を当て、光を収束させて紙を焼く要領で。

 

 ゼクセンベルゲンは光を収束させ光線として放ち。

 刃に光を収束させ熱を宿させ。

 光を収束させ球状に拵え、そこに己が魔力を籠める。

 

 レンズは透明で、これまた光によってその姿を消す事が出来る。

 

 これが、ゼクセンベルゲンの魔法の絡繰り。

 光で術式を隠し、そして術式効果たるレンズまでも隠す。

 

 

「――マジか。はじめて攻略された」

 

 ゼクセンベルゲンは、ただそう呟いた。

 そこには、ただただ――己が魔法を攻略した相手の手管に感心するだけの色があった。

 

「とはいえ。アンタも結構限界に近いだろう」

 

 カスティリオの黒マントの術式は、とうに切れていた。

 己で集光レンズへ飛び、それを打ち砕くまで――カスティリオは無防備のまま灼熱を受け入れていた。

 

 凄まじいまでの高熱を受け、カスティリオの肉体もまた限界に近付いていた。

 

 

「くく....だがもう貴様は終わりだ、ゼクセンベルゲン」

「なに。まだ秘奥の魔法が敗れただけだ。ここからは純粋な戦いを――」

 

 ゼクセンベルゲンの闘志はまだ消えていない。

 

 

「もう何があった所で貴様の勝ちはないからの。なにせ――」

 

 闘技場の外より、またはるか先。

 城塞都市を囲う城壁の向こう。

 

 その先に――凄まじいまでの爆撃音と共に黒煙が舞い上がる。

 

 それは、

 

 

「あ....ああああああ!?」

 

 その方角にあるものを、ゼクセンベルゲンは知っていた。

 

 

「貴様が無駄に引き連れてきた秘蔵っ子の騎馬部隊が――もう全員始末されている頃合いじゃろうからな」

 

 

 

▼▼▼

 

 

「焼け」

 

 

 城塞都市ジャカルタ、そこから西に馬を走らせた先。

 そこには、ゼクセンベルゲンの騎馬隊の野営地があった。

 

 野営の設営を開始すると共に。斥候が情報を持ち帰り王宮に共有。そのまま精鋭の魔法使い少数で野営地を囲い、大魔法にて馬房ごと騎馬を焼き討ち。混乱と共に王宮から出陣した部隊が野営地に突入。

 炎で逃げ道を塞がれ、騎馬も失ったゼクセンベルゲンの騎馬部隊は――壊滅的な被害を受けた。

 

 部隊の指揮を執る、咥え煙草の女は――燃え上がる作戦区画を一瞥し、気持ちよさそうに煙を肺に入れながら報告を行う。

 

 

「――御命令通りに。作戦は成功しましたクラミアン様」

 

 

 

 

「ご苦労でしたユーラン殿。即席の作戦でしたが、見事な指揮でした」

 

 王宮内。

 玉座の傍にて――”王の代理”となったクラミアンは、ユーランの報告を聞くと共に。声をあげる。

 

「友好条約を結んでいたハレドでありますが。彼等は将軍の派遣と共に我が国の領内を荒らし回りました」

 

「彼等は村落の虐殺と略奪を行い、多くの臣民の命が奪われ、田畑は焼き尽くされました」

 

「――これより報復措置を行います。ゼクセンベルゲンの騎馬部隊を壊滅させた今が好機です。これよりハレドへ攻め入ります」

 

「現在ハレドは属国の蜂起にあり、軍はその対応に当たっています。こちらの兵力に抵抗できるだけの力はありません」

 

「周辺国が様子を見ている今のうちに攻め入りましょう。こちらの功を先立てるのです」

 

 

 ――クラミアンがゼクセンベルゲンとの決闘前に王を暗殺した理由は、単純に王権を持つ己が”代理”の王として、前もって権力を掌握する事にあった。

 現王の策の一つとして招かれ、その意図が理解できているゼクセンベルゲンは、当然王権が授与される式典まではジャカルタに己は護られると判断していたであろう。

 だが。呼んだ張本人が暗殺され、自分を呼んだ勢力が前もって淘汰されているなどと露とも考えていなかったであろう。

 

 故の油断。

 その油断を突く判断を、クラミアンは行ったのであった。

 ゼクセンベルゲンの手勢を始末し。そしてゼクセンベルゲン本人も決闘で殺し。ハレドとの友好条約を破棄し攻め入る。

 全ては――その為の仕込みであった。

 

 

 

▼▼▼

 

 

 そして。

 

 

「どうせ勝ったところで――貴様はもう助からんよ」

 

 悪魔の如き笑みで、カスティリオはゼクセンベルゲンを見た。

 

「これが勝つという事だゼクセンベルゲン。どうじゃ?自分の外側で己が破滅が決定される気分は?さて――では頼んだレミディアス」

 

 そう言うと。カスティリオはゼクセンベルゲンに、魔渡りの石が装着された人差し指を向ける。

 

 

 

ひざまずけ

 

 

 呪いが籠った、魂に干渉する声が――ゼクセンベルゲンに放たれる。

 

 その声に魂が鼓動し、言葉通りゼクセンベルゲンは――闘技場の地面に跪き、顔面を地面に叩きつけ石畳を舌先で味わう羽目となった。

 

 魔渡りの石。二つ目に刻んだ術式は――レミディアスの呪音であった。

 最初から。ゼクセンベルゲンの精神的動揺を誘い、呪音で仕留める事がカスティリオの狙いであった。

 

 

「秘奥の魔法が攻略され。虎の子の部下も全滅。そしてこれよりジャカルタによる祖国が侵攻され支配される羽目となる。――流石の貴様でも心の動揺は避けられなかったようじゃの。いやあ愉快愉快」

「て...てめ....」

「納得できぬか?出来ぬよなぁ、ゼクセンベルゲン」

 

 

 

 跪くその頭上に――カスティリオは己が右足で踏みつける。

 

 

 

「戦争にしか興味がない貴様は、それでしか万物を判断できぬ」

 

「この世は弱者と強者で線引きされ。強者の側に立つ者である事こそが勝利へ直結すると。そう思っていたのであろう?」

 

「では今の貴様はどうだ?強者か?」

 

「思惑破れ。策に溺れ。弱者と舐め腐り虐殺した者共の業が、巡り巡って己が破滅へ繋がったこの結果はどうじゃ?これが貴様が思い描く戦争か?愛しに愛した戦争か?」

 

「貴様が弱者と舐め腐り嬲り殺した結果が。ジャカルタがハレドへ攻め入る大義を作り。己が配下を殺す切っ掛けを作った。故に、如何なる事物も舐め腐ってはならぬのだ。その因業は、確かに巡るものじゃからな」

 

「ここからはもう戦争ですらない。戦争であらば、こんなにも惨めに心が揺れ動く事もなかったであろう?」

 

「これは戦の死ではない。ただの――愚かな馬鹿者の因果が巡っただけの、下らん結末じゃ」

 

 

 跪くゼクセンベルゲンを足蹴にするその光景に、観客は恐ろしい程の歓声を上げている。

 

「見よ。貴様が蛆虫だ羽虫だと蔑んできた者共が喜んでおるわい」

「くそ....くそ....が....!」

 

 恐らく。戦の最中。殺し合いの最中で死ぬ事が出来たならば――きっと己が人生に満足して死んでいっただろう。

 

 そのような結末。ある意味でゼクセンベルゲンにとっての”勝利”だろう。

 戦争を愛した者が、戦争で死ねた。

 最高の結末だ。

 

 

 故に認めない。

 何故ならば、カスティリオ・アンクズオールにとっての目的はこの男を殺す事ではなく。

 この男に完膚なきまでに勝つ事だから。

 

 

「これは戦の中の誉れに満ちた死ではない。己が過ちを突きつけられた末の、下らん蛆虫と見下していた者に足を引っかけた馬鹿の破滅劇じゃ」

 

「わらわから言える事はただ一つ。――貴様は敗北者じゃ。敗北者は、とっととこの世から去ね」

 

 

 

 戦争狂、ゼクセンベルゲン。

 戦を愛し、強者との出会いを求め、弱者を嬲ったその者の結末は。

 

 

 己が過ちを突きつけられ、虫と見下していた者達に嘲笑われながらの――惨めな代物であった。

 

 嘲笑を耳朶に宿し悔恨と怨嗟を心内に残したまま――ゼクセンベルゲンの首に、処刑の一撃が叩き込まれた。




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