ダンまち×ドラクエ   作:スターゲイザー

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――――――――――アルスは、レベル12にあがった!
――――――――――アルスは 二刀の心得を覚えた!
――――――――――アルスは メタル斬りを覚えた!
――――――――――アルスは フリーズブレードを覚えた!

――――――――――ベルは、レベル10にあがった!
――――――――――ベルは ドラゴン斬りを覚えた!
――――――――――ベルは レベル11にあがった!
――――――――――ベルは ジバリアを覚えた!



【アルス・クラネル Lv.2(レベル11→12)
 HP:64→72
 MP;34→38
 ちから:29→31
 みのまもり:14→15
 すばやさ:35→38
 きようさ:22→24
 こうげき魔力:31→34
 かいふく魔力:33→36
 みりょく:26→28
《魔法》
 【メラ】     ・火炎系魔法(小)
 【ホイム】   ・治癒系魔法(小)
 【ギラ】     ・閃光系魔法(小)
 【イオ】    ・爆発系魔法(小)
《技能》
 【かえん斬り】     ・武器に炎を纏わせることが出来る
 【ぶんまわし】     ・武器を振り回すことで範囲攻撃が可能
 【渾身斬り】       ・敵一体に大ダメージ
 【フリーズブレード】  ・氷の力で敵1グループに攻撃
《スキル》
 【二刀の心得】     ・左手にも武器を装備できる
 【メタル斬り】      ・メタル系に確実ダメージ
 【ドラゴン斬り】     ・ドラゴン種に対しての斬撃強化
 【聖竜の祝福(ドラゴンクエスト)】   ・■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
《次のレベルまで:1706》】

【そうび
 みぎて  『てつのつるぎ+3』
ひだりて  『せいどうのつるぎ+2』
        『シルバートレイ』
 あたま   『てつのかぶと』
 からだ   『くさりかたびら』『てつのよろい』
アクセ1   『金のネックレス』
アクセ2   『ちからのゆびわ+3』         】



【ベル・クラネル Lv.1→2(レベル9→11)
 HP:68→82
 MP;28→33
 ちから:25→28
 みのまもり:12→13
 すばやさ:39→46
 きようさ:33→40
 こうげき魔力:30→37
 かいふく魔力:0
 みりょく:33→40
《魔法》
 【ジバリア】     ・地雷系魔法(小)
《技能》
 【スリープダガー】  ・敵1体に攻撃、たまに眠らせる
 【ヴァイパーファング】・敵1体に攻撃、たまに猛毒にする
 【かえん斬り】     ・武器に炎を纏わせることが出来る
《スキル》

 【スライムブロウ】  ・スライム種に対して投擲武器効果強化
 【メタルウィング】  ・メタル種に対して投擲武器効果強化
 【ヒュプノスハント】  ・眠りや混乱の敵に通常攻撃の6倍のダメージ
 【ドラゴン斬り】     ・ドラゴン種に対しての斬撃強化
 【聖竜の祝福を受けし者の加護(ドラゴンクエスト)】  ・■■■■■■■■■■■■■■■
《次のレベルまで:569 】

【そうび
 みぎて  『せいどうのつるぎ+3』
        『せいなるナイフ』
ひだりて  『やいばのブーメラン』
 あたま   『とんがりぼうし』
 からだ   『くさりかたびら』『てつのむねあて』
アクセ1   『金のネックレス』
アクセ2   『ぬすっとのグローブ』         】





第18話 アルスは、レベル12にあがった!

 

 

 

 

 

 ダンジョン上層の8階層。今日はヴェルフ・クロッゾ抜きの三人パーティーでダンジョンに潜っていた。

 

「ようやく落とし穴のエリアを抜けましたね」

 

 リリルカ・アーデは11階層までの地理を完全に把握している。

 8階層の特徴ともいえる落とし穴があるエリアを超え、今日はこのまま無事に乗り越えられると判断したリリルカは安堵の息を吐く。

 

「苦節、四日。今までの探索で一番時間のかかった階層になっちゃったか」

「あれもこれもアルス様が勝手に進んで落とし穴に落ちるからです」

 

 7階層までは順調に攻略してきた油断なのか、8階層に入ってもアルス・クラネルは無警戒に進んで仕掛けられていたダンジョンの罠に引っかかってしまったのだ。

 床が崩れてぽっかりと空いた穴に落ちてしまったが、幸いにも深さはそれほどでもなかったので怪我をすることはなかった。一度や二度程度なら仕方ないで済まされるのだが、それが三度・四度と続けばリリルカでなくとも文句の一つも言いたくなる。

 

「勘はいいはずなんだけどね」

「まあ、全くのハズれというわけでも無いのは救いです。逆にこういうのも勘が良いと言うんでしょうか」

「落ちた先で、素材とか大分前に同じように落ちた冒険者の落とし物を拾うのは勘が良いって言わないと思うよ」

「時間以外は損をしていないし、問題ないのでは? お二人方のステータスも上がっていますし」

 

 ベル・クラネルはこの四日間の間に上がったステータスと、獲得した素材とアイテムで更新した装備を見下ろす。

 

「お蔭でヴェルフのクエストをクリアできたしね」

「品薄になった『てっこうせき』をダンジョンで採取してくれば、報酬として『鉄製の防具のレシピ』を出すって普通なら胡散臭すぎます」

「僕達の防具を充実させる為に、特別にヘファイトス様が許可してくれたんだから喜んでおこうよ」

 

――――――――――クエスト『鍛冶神の親心』を引き受けました!

――――――――――クエスト『鍛冶神の親心』をクリアしました!

――――――――――アルスは レシピブック 『鉄製の防具のレシピ』を 手に入れた!

――――――――――てつかぶとの レシピを 覚えた!

――――――――――てつのむねあての レシピを 覚えた!

――――――――――てつのよろいの レシピを 覚えた!

 

「まあ、私達が一方的に得していますから文句はありませんが…………そう言えば、ベル様も魔法に目覚められたとか」

「そうだよ! 僕も遂に、遂に! 魔法が目覚めたんだ!」

「は、はい……」

 

 遂に魔法に目覚めたベルの勢いに押されて頷くだけのリリルカは少し身を引く。

 

「やっちゃう! 見せちゃおうかな、僕の魔法!」

 

 あまりの嬉しさに、リリルカに引かれていることすら気づいていないベルは魔法を使おうとしてアルスに腕を掴まれた。

 何時もとは逆の兄弟に、ため息を漏らしつつリリルカはベルの前に立つ。

 

精神(マインド)が勿体ないので、モンスター相手に使って下さい」

 

 当たり前の正論にベルは肩をガックリと落とす。

 

「そっかぁ、まあそうだよね……」

 

 シュンとしてしまったベルに、リリルカは少し可哀想かなと考える。

 

(物凄く残念そうです。でも、無意味に使う意味はありませんし)

 

 人に披露したいだけで魔法を使うなど、先ほど言った通り精神力の無駄遣いでしかない。それでもベルは諦めきれないのか、ブツブツと呟いているので話題の転換を図る。

 

「この四日間の苦労に見合う成果は出ています。獲得したレシピと素材で、お二人の装備も更新出来ました」

「僕のこの『てつのむねあて』と、アルスの『てつのかぶと』と『てつのよろい』だよね。やっぱり鉄は違うよ」

 

 もう一つ『てつのかぶと』と『てつのよろい』を作れる素材は手に入れられたが、ベルの戦闘スタイル的に適しないので『てつのむねあて』を作って貰って装備していた。

 

「ベル様はブーメランも変えたんですね」

「良い機会だから、そろそろ使っても良いと思えたんだ」

 

 Lv.2にランクアップしたので『クロスブーメラン』から『やいばのブーメラン』に、『ブロンズナイフ』から『せいなるナイフ』に切り替えた。

 

「でも、本当に落ちた『シルバートレイ』は勝手に使ってもいいのかな? 落とし物としてギルドに渡した方がいいんじゃ……」

 

 この8階層の落とし穴で上がれる階段を探している時に偶然見つけたシルバートレイは今はアルスの左手に装備されている。

 

「落とす方が悪いのです。それに普通は正規ルートを使うはずなので、シルバートレイに積もっていた埃の溜まり具合からして放置されて数年は経っていますから今更落とし主が現れるとは思えません。ギルドの倉庫に置いておかれるよりかは有益でしょう」

 

 落とし物を勝手に使っていることに罪悪感を覚えていたベルに、リリルカは何度目かの説明を行う。

 

「アルスが左手でも武器を使えるようになっても、『せいどうの盾』だと大きくて併用は出来なくて困ってたから助かるって言えば助かる」

「そのままでは使えませんからヴェルフ様に改良してもらいましたから、落とし主が現れても返せませんけどね」

「だよね。現れたらどうしよう」

「可能性はかなり低いですが、元に戻すしかないでしょう」

 

 アルスの成長速度を考えれば、『シルバートレイ』を使う期間はそれほど長くはないと思われるので、ますます持ち主が現れる可能性は低いとリリルカは見ていた。

 

「最初からギルドの地図情報(マップデータ)を使えば、このようなことで悩まなくても良かったのです」

 

 ギルドには先人達によって1000年に及ぶ間に貯えられたダンジョンの各階層の詳細な地図情報(マップデータ)がある。

 立ち入れる者が少ない下層以下は別にして、上層ともなればほぼ完璧とも言える地図があった。当然、8階層で落とし穴のない正規ルートもとうの昔に発見されているので、普通の冒険者は落とし穴に落ちることはまずない。

 

「エイナさんとの約束なんだ」

 

 アドバイザーであるエイナ・チュールはベル達が5階層以下に進出する条件を出していた。

 

「各階層をしっかりと攻略した証拠として、ギルドの地図情報(マップデータ)に頼らず自分達で地図作成(マッピング)したものを提出するようにって」

 

 本来ならば詳細な地図情報(マップデータ)を元に冒険するので、地図作成者(マッパー)を除けば地図作成(マッピング)の知識を多くの冒険者は持たなくなった今の時代、多くの冒険者が完全なる未知に挑むことは殆どない。

 

「ベル様達のアドバイザー、厳しすぎませんか」

「リリがパーティーに入る前、それまで3階層までだったのに行けるからって、無断で五階層に潜ってミノタウロスに殺されかけたから心配してくれてるんだよ」

「単純に信用がないだけでは?」

「ひ、否定できない……」

 

 当時は今のように強くなかったので、忠告を無視して強さに見合わない階層に潜るのは自殺行為に他ならない。信用などされるはずもないのは仕方ない。

 ベルは巡り巡ってタメになっていると気を取り直す。

 

「この8階層からダンジョンギミックが本格化してくるからアルスには良い教訓になったと思うよ」

「ダンジョンギミックと言っても、8階層に限って言えば正規ルートさえ知っていれば引っかかることはないのですが」

「それも含めて、だよ。ギルドの地図情報(マップデータ)に頼り切っていたら、もっと下の階層で痛い目にあったかもしれない。その前に気づけたのは確かな収穫だ」

「だから、敢えてリリに黙っているように言ったのですね」

 

 地図を把握しているのは単純にサポーターとして必要な能力であったからというのもある。

 リリルカが冒険者を陥れる手口の一つに、何らかのハプニングを人為的に見舞って混乱している隙をついて有り金を奪って一目散に逃げる為、柔軟な対応が可能なように完璧な逃走経路を頭に叩き込むことで身の安全を確保していた。

 8階層ならばどこに落とし穴があるかなど、目を瞑っていても分かるほどなのに事前にベルはリリルカに口止めを図っていた。

 

「実感しないと覚えないからね、アルスは」

 

 何度も落とし穴に落ちて、ようやく慎重さを覚えたアルスが背中の鞘から『てつのつるぎ+3』を抜き放った。

 

――――――――――まもののむれが あらわれた!

 

 三人が進んでいた前方の通路から三体のモンスターが現れた。

 

「どろにんぎょうにスカルライダー、タホドラキーです!」

 

 ベルが背中から『やいばのブーメラン』を取ったのと同時に、左手で腰の鞘から『せいどうのつるぎ+2』を抜いたアルスがその手を三体のモンスターの中で先頭にいるタホドラキーに向ける。

 

「メラ」

 

――――――――――アルスは メラを となえた!

――――――――――タホドラキーに ダメージ!

 

 メラを放ったアルスがその足でモンスターへと駆ける。その後ろからアルスの体を隠れ蓑にして、ベルが『やいばのブーメラン』を振り被る。

 

「やっ!」

 

――――――――――ベルの こうげき!

――――――――――タホドラキーに ダメージ!

――――――――――タホドラキーを たおした!

――――――――――どろにんぎょうに ダメージ!

――――――――――スカルライダーに ダメージ!

 

 先にメラでダメージを負っていたタホドラキーが魔石と化し、どろにんぎょうとスカルライダーもベルの『やいばのブーメラン』の攻撃でダメージを受けて足が止まった。そこへアルスが切り込む。

 

「はっ!」

 

――――――――――アルスは、渾身切りを はなった!

――――――――――スカルライダーに ダメージ!

――――――――――スカルライダーを たおした!

 

 オーラによって巨大化した『てつのつるぎ+3』で両断されたスカルライダーを見たどろにんぎょうは勝てる相手ではないと判断して背を向ける。

 

――――――――――どろにんぎょうは にげだした!

――――――――――しかし まわりこまれて しまった!

 

 戻ってきた『やいばのブーメラン』を持ちながら、腰の剣帯から『せいなるナイフ』を抜き放ったベルがどろにんぎょうの進行方向に回り込んでいた。

 

「やっ!」

 

――――――――――ベルは かえん斬りを はなった!

――――――――――どろにんぎょうに ダメージ!

――――――――――どろにんぎょうに ダメージ!

――――――――――まもののむれを やっつけた!

――――――――――アルスたちは 97ポイントの経験値を かくとく!

――――――――――まもののむれは 魔石を 落としていった!

――――――――――タホドラキーは グリーンアイを 落としていった!

 

 モンスターがいなくなったのを確認してリリルカが魔石とドロップアイテムの回収を行う。

 連続の襲撃はないと判断して、それぞれが武器を仕舞った頃には回収を終えたリリルカが二人の下へと戻ってきた。

 

「今日はヴェルフ様が所要とのことでお休みされているので、苦戦するかもと思いましたが取り越し苦労でしたね」

「装備も新しくなったし、四日間で何度もこの階層のモンスターと戦ってるから慣れたんだよ」

 

 例えばさっき戦ったスカルライダーは下の獣のホネみたいなのが火の粉を吐いたり、上の行者の方はベルやアルスと同じように火を纏った剣で切りかかってくることもある。タホドラキーは物理攻撃以外に防御力を下げる魔法を使うし、どろにんぎょうはふしぎなおどりでこちらのMPを吸い取ってくることがある。

 何度も戦えばある程度の対処の仕方は嫌でも覚える。

 

「この先の広間(ルーム)を通ったら9階層への階段があります」

 

 落とし穴が多くてあまり使われない方の正規ルートを進み、残すところは幾つかの広間(ルーム)のみ。リリルカが緊張を滲ませて告げると、アルスがゴクリと唾を飲み込んだ。

 

「いよいよ、か」

 

 自らを落ち着けるように敢えて言ったベルが通路を進むと、50Mはある広間(ルーム)に入ると四人の人物が待ち構えていた。

 その中の一人が待ちくたびれたように凭れていた壁から体を離す。

 

「よう、四日ぶりだな糞ガキ共」

 

 四日前に豊穣の女主人から出た後にベルに絡んできたゲド・ライッシュが威圧的に凄む。

 

「勝手にパーティーを抜ける不義理をしたとゲドの旦那から聞いたぞ、アーデ」

「ゲド様、カヌゥ様」

 

 待ち構えていた残りのメンバーが自分のファミリアの一員であるカヌゥ・ベルウェイと、彼とよく一緒に二人の姿にリリルカは眉を顰めた。その姿を見たカヌゥはニチャァと笑みを浮かべる

 

「同じファミリアの仲間として情けない。だからなぁ、アーデ。許してもらう為に詫びを入れないとな」

「…………詫びとはどのような?」

「お前ら全員の金に決まってるだろうが。有り金全部を吐き出せば、俺も器のデケェところを見せてやる」

「大人しくいうことを聞いておけ、アーデ。ゲドの旦那は俺達よりも到達階層が上なんだ。下手に逆らえば殺されかねんぞ?」

 

 そこまで言ってカヌゥはようやくリリルカ達の反応に違和感を覚えた。

 リリルカはともかく、ベルもアルスもカヌゥ達が待ち構えていたことに驚いている様子がない。まるでカヌゥ達がいることを最初から知っていたかのようで――――。

 

「…………ゲド様、あなたは今の状況に疑問を覚えないのですか?」

「なに?」

「私も、ベル様達も、ゲド様が待ち伏せしたことに何の驚きも見せていないことに」

 

 ビビッていたとしても何の反応もないのはおかしい。普通ならば最低でも驚きや怯えなどの何らかの反応があるはずで、その素振りすら見せないのは明らかに異常だ。

 リリルカの落ち着きよう。カヌゥ達がリリルカと同じファミリア。そこから導き出される結論は、罠に嵌められたのは一体どちらだったのか。

 今まで考えもしなかった可能性に気づいた時、ゲドの背筋にゾワっと冷たいものが走った。

 

「おい、カヌゥ。お前、まさか」

「何を言っている、アーデ!?」

 

 疑念を向けられたカヌゥは泡を食ったように唾を撒き散らしながらリリルカに向かって叫ぶ。

 最早、カヌゥに臆する必要のないリリルカは至って平静な顔で口を開ける。

 

「ベル様達を始末させ、消耗したゲド様をも始末するというカヌゥさんの計画。ヘファイトスファミリアと事を構えたくないからとヴェルフ様がいない時を狙う必要があるからと、ベル様達の予定を把握する為に私にまで協力を求めたのは杜撰過ぎます」

 

 ベル達が弱すぎてゲドを消耗させることが出来ない不安があり、サポーターであるリリルカならば不意打ちを打てるだろうと考えたのだろう。だが、そもそもとしてゲドもカヌゥも前提を間違えている。

 

「仮に私が協力したとしても、勝つのはベル様達です。失敗すると分かっている計画に乗るバカはいません」

「というわけです。そちらはそちらで協力してても構いませんが、やるというなら倒させてもらいます」

 

 罠に嵌めたつもりが罠に嵌った四人を見据え、ベルが言いながら『せいどうのつるぎ+3』をバッと抜き放つ。ワンテンポ遅れてアルスがゆっくりと背中の鞘から『てつのつるぎ+3』を抜いていく。

 

「…………なんだろうと関係ねぇ。テメェら全員をぶっ殺せば済む話だ!」

 

――――――――――ゲド・ライッシュが あらわれた!

 

「ちっ、アーデの所為で計画がおジャンだ!? 構わねぇ、ゲドの野郎ごとやっちまえ!」

 

――――――――――カヌゥ一味が あらわれた!

 

 ゲドにとってカヌゥ一味も敵で、その逆も然り。両者が協力することはありえないが、当座の敵としてベル達を別々に倒そうという思惑は一致したらしい。

 ベル達にとって一番厄介な展開とは、四人で連携して向かって来られることだった。そうなると幾らランクの差があったとしても、人数差でリリルカを人質にされかねない。その可能性を早期に排除できたと見たベルは当初の予定通り向かってくるゲドに相対する。

 

「死ねゃあっ!」

 

――――――――――ゲドの こうげき!

――――――――――ベルは 攻撃を武器で はじいた!

 

 正当防衛の為にわざと初手は許したがベルにダメージを受ける気はなかった。『さんぞくのサーベル』による斬撃をステータス差を活かして『せいどうのつるぎ+3』で弾く。

 

「何ぃっ!?」

「そんなに驚くことですか?」

 

 割とギリギリだったが敢えて余裕を見せることでゲドの怒りを意図的に引き出す。

 案の定、初対面の印象通り激発しやすいゲドはベルの思惑通りに目を剥き出しにした。

 

「駆け出しの癖に!」

「あなたはその駆け出しに負けるんですよ!」

 

――――――――――ベルの こうげき!

――――――――――ゲドに ダメージ!

 

「ぐっ!?」

 

 怒りで思考の幅を狭めたところに攻撃を重ねる。

 

「やっ!」

 

――――――――――ベルは かえん斬りを はなった!

――――――――――ゲドに ダメージ!

 

 服に火が移り、攻撃を受けて倒れ込んだゲドはそのまま地面を転がって消そうとする。

 

「リリに謝って下さい。そして二度と僕達の前に現れなければ、これ以上のことはしないであげます」

 

 直ぐに服に点いた火は消えたが、格下と思っていた相手に明確に見下されたゲドは立ち上がりながら、砕けんばかりに『さんぞくのサーベル』を握る。

 

「俺を……俺を……舐めるんじゃねぇ!!」

 

――――――――――ゲドは ニードルシャワーを はなった!

――――――――――ベルに ダメージ!

 

 浴びせるように高速で突き刺しを繰り出したゲドによってダメージを負う。

 開いた彼我距離は幾らベルの上がったステータスと言えども一足で詰めるとまではいかない。技を放ったゲドが口を大きく開ける。

 

「!」

 

――――――――――ゲドは 大きく息を 吸い込んだ!

 

 戦闘中にも関わらず深呼吸をするはずがない。何かの技の予兆と察したベルは背中の『やいばのブーメラン』を取る。

 

「やっ!」

 

――――――――――ベルの こうげき!

 

 真っ直ぐにゲドに向かうように投げたのではなく、『やいばのブーメラン』はベルから見て左に大きく弧を描く。

 自らに向かってくる『やいばのブーメラン』に気づくのが遅れたゲドには技を放つ以外の選択肢は取れない。精々動かせるのが首だけで技を放つ対象を変えるぐらい。怒りによって思考の幅が狭まっているゲドは咄嗟に身の安全を優先した。

 

「っ!?」

 

――――――――――ゲドは つめたい息を 吐き出した!

――――――――――ミス! ゲドは ダメージを 受けない!

 

 ゲドが放ったつめたい息が『やいばのブーメラン』を撃ち落とした。その間に『せいなるナイフ』に持ち替えたベルが右側から切り込む。

 懐に潜りこまれたゲドが顔を向けるも、ベルが技を出す方が次の行動に移るよりも早い。

 

「眠れっ!」

 

――――――――――ベルは スリープダガーを はなった!

 

「がっ!?」

 

――――――――――ゲドに ダメージ!

――――――――――ゲドを ねむらせた!

 

 あまり成功率が高いとは言えないスリープダガーを受けたゲドは、蓄積したダメージもあってか眠りに落ちた。

 直ぐに起き上がってこないゲドを確認してリリルカが近寄ってくる。

 

「流石はベル様です。楽勝で勝てましたね」

「結構、これでもギリギリだったよ。経験が違うから、最初にノレた勢いで押し切れなかったら負けてたのは僕だよ」

 

 手際よくゲドを拘束していくリリルカに返し、ベルは息を吐いて武器を仕舞い、もう一つの戦いへと注意を移す。

 

「アルスの方は?」

「援護の必要も無さそうです」

 

 カヌゥ一味に囲まれたアルスが両手に持った『てつのつるぎ+3』を顔の前にまで掲げる。

 

「はっ!」

 

 アルスを中心に地面が凍り付いて氷柱が幾つも生まれ、『てつのつるぎ+3』を頭上に掲げると氷が砕けた。

 

――――――――――アルスは、フリーズブレードを はなった!

――――――――――カヌゥ一味に ダメージ!

――――――――――カヌゥの仲間A・Bを たおした!

 

 氷属性のダメージを負ったカヌゥの仲間は倒れ、カヌゥ自身も決して浅くはないダメージを負っていたがまだ動ける。

 

「ひっ、ひぃっ!」

 

――――――――――カヌゥは 剣を 薙ぎ払った!

――――――――――アルスは 攻撃を盾で はじいた!

 

 シルバートレイで薙ぎ払いの攻撃を弾きながら、その手で腰の『せいどうのつるぎ+2』を抜き放つ。

 

「はっ!」

 

――――――――――アルスの こうげき!

――――――――――カヌゥに ダメージ!

――――――――――カヌゥを たおした!

 

 『てつのつるぎ+3』と『せいどうのつるぎ+2』の二連撃を受けたカヌゥが力尽きたように崩れ落ちていく。

 

――――――――――ゲド・カヌゥ一味を やっつけた!

――――――――――アルスたちは 670ポイントの経験値を かくとく!

 

「アルスの方も片がついた。次は――」

 

 カヌゥ一味もゲドと同じように拘束したベルは頭上を見上げた。

 

 

 

 

 







 ゲド・ライシュの技『ニードルシャワー』はメモリアフレーゼの前のスマホゲー『クロス・イストリア』でゲドが使う技です。

 後、ゲドはDQ11のボス『デンダ』と紐づけているので、同じ技を使ったりします。


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