――――――――――アルスは レベル26に あがった!
――――――――――アルスは レベル27に あがった!
――――――――――アルスは レベル28に あがった!
――――――――――アルスは イオラの呪文を覚えた!
――――――――――アルスは レベル29に あがった!
――――――――――アルスは レベル30に あがった!
――――――――――アルスは アストロンの呪文を覚えた!
――――――――――ベルは レベル25に あがった!
――――――――――ベルは レベル26に あがった!
――――――――――ベルは レベル27に あがった!
――――――――――ベルは レベル28に あがった!
――――――――――ベルは レベル29に あがった!
――――――――――ベルは レベル30に あがった!
――――――――――リリルカは レベル25に あがった!
――――――――――リリルカは レベル26に あがった!
――――――――――リリルカは ヒャダルコの呪文を覚えた!
――――――――――リリルカは レベル27に あがった!
――――――――――リリルカは マホカンタの呪文を覚えた!
――――――――――リリルカは レベル28に あがった!
――――――――――リリルカは レベル29に あがった!
――――――――――リリルカは イオラの呪文を覚えた!
――――――――――ヴェルフは レベル11に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル12に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル13に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル14に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル15に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル16に あがった!
――――――――――ヴェルフは シールドアタックを覚えた!
――――――――――ヴェルフは レベル17に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル18に あがった!
――――――――――ヴェルフは 蒼天魔斬を覚えた!
――――――――――ヴェルフは レベル19に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル20に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル21に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル22に あがった!
――――――――――ヴェルフは レベル23に あがった!
【アルス・クラネル Lv.3→4(レベル26→30)
HP:204(+65)→245(+105)
MP:96→112
ちから:80(+14)→95(+22)
みのまもり:34→41
すばやさ:83→96
きようさ:48→55
こうげき魔力:78→90
かいふく魔力:78→90
みりょく:59→67
《魔法》
【メラ】 ・火炎系魔法(小)
【メラミ】 ・火炎系魔法(中)
【ホイミ】 ・治癒系魔法(小)
【ベホイミ】 ・治癒系魔法(中)
【ベホイム】 ・治癒系魔法(大)
【ギラ】 ・閃光系魔法(小)
【ベギラマ】 ・閃光系魔法(中)
【イオ】 ・爆発系魔法(小)
【イオラ】 ・爆発系魔法(中)
【ラリホー】 ・催眠系魔法(個)
【デイン】 ・電撃系魔法(小)
【トヘロス】 ・遭遇除外系魔法
【ニフラム】 ・敵退去系魔法
【ルーラ】 ・瞬間移動魔法
【アストロン】 ・鋼鉄化魔法
《技能》
【かえん斬り】 ・武器に炎を纏わせることが出来る
【ぶんまわし】 ・武器を振り回すことで範囲攻撃が可能
【渾身斬り】 ・敵一体に大ダメージ
【全身全霊斬り】 ・敵一体に特大ダメージ
【フリーズブレード】 ・氷の力で敵1グループに攻撃
【ミラクルソード】 ・敵1体にダメージ後、自身を回復
【覇王斬】 ・敵全体に魔力で形成した巨大剣による無属性攻撃
《スキル》
【二刀の心得】 ・左手にも武器を装備できる
【メタル斬り】 ・メタル系に確実ダメージ
【ドラゴン斬り】 ・ドラゴン種に対しての斬撃強化
【
《次のレベルまで:8228》】
【そうび
みぎて 『ゾンビキラー+3』
ひだりて 『はがねの盾』
あたま 『はがねのかぶと』
からだ 『やすらぎのローブ』『はがねのよろい』
アクセ1 『きんのネックレス』
アクセ2 『ちからのゆびわ+3』 】
【ベル・クラネル Lv.3→4(レベル25→30)
HP:204→261
MP:67→80
ちから:71→89
みのまもり:28→36
すばやさ:98→117
きようさ:85→101
こうげき魔力:82→98
かいふく魔力:0
みりょく:91→109
《魔法》
【ジバリア】 ・地雷系魔法(小)
【ジバリカ】 ・地雷系魔法(中)
【ジバリーナ】 ・地雷系魔法(集団)
【ザメハ】 ・覚醒魔法
【インパス】 ・鑑定魔法
《技能》
【スリープダガー】 ・敵1体に攻撃、たまに眠らせる
【ヴァイパーファング】・敵1体に攻撃、たまに猛毒にする
【かえん斬り】 ・武器に炎を纏わせることが出来る
【ミラクルソード】 ・敵1体にダメージ後、自身を回復
【デュアルカッター】 ・敵全体に攻撃時1.2倍のダメージを二回与える
【ぬすむ】 ・敵が持っているアイテムを盗み出す
《スキル》
【スライムブロウ】 ・スライム種に対して投擲武器効果強化
【メタルウィング】 ・メタル種に対して投擲武器効果強化
【ヒュプノスハント】 ・眠りや混乱の敵に通常攻撃の6倍のダメージ
【タナトスハント】 ・毒や麻痺の敵に通常攻撃の6倍のダメージ
【パワフルスロー】 ・投擲武器を投擲時、全体に等しくダメージ
【メタル斬り】 ・メタル系に確実ダメージ
【ドラゴン斬り】 ・ドラゴン種に対しての斬撃強化
【
《次のレベルまで:11842》 】
【そうび
みぎて 『はがねのつるぎ』
『バタフライダガー』
ひだりて 『はがねのブーメラン』
あたま 『バタフライマスク』
からだ 『やすらぎのローブ』『大盗賊のマント』
アクセ1 『ぬすっとのグローブ』
アクセ2 『すばやさのゆびわ+1』 】
【リリルカ・アーデ Lv.3(レベル24→29)
HP:124→156
MP:125→160
ちから:45→56
みのまもり:22→28
すばやさ:72→86
きようさ:70→85
こうげき魔力:128→156
かいふく魔力:0
みりょく:68→81
《魔法》
【シンダーエラ】 ・変身魔法
【メラ】 ・火炎系魔法(小)
【メラミ】 ・火炎系魔法(中)
【ギラ】 ・閃光系魔法(小)
【ベギラマ】 ・閃光系魔法(中)
【ヒャド】 ・冷気系魔法(小)
【ヒャダルコ】 ・冷気系魔法(中)
【ルカニ】 ・敵守備力低下魔法(個)
【ルカナン】 ・敵守備力低下魔法(集団)
【ボミエ】 ・敵速度低下魔法(個)
【ボミオス】 ・敵速度低下魔法(集団)
【マジックバリア】 ・呪文防御魔法
【イオ】 ・爆発系魔法(小)
【イオラ】 ・爆発系魔法(中)
【マホトーン】 ・敵魔法封印魔法(集団)
【マヌーハ】 ・幻惑解除魔法(個)
【メタパニ】 ・敵混乱魔法(集団)
【マホトラ】 ・MP吸収魔法
【マホカンタ】 ・魔法反射魔法
《技能》
【魔封じの杖】 ・敵1体の呪文を高い確率で封じる杖の秘術
【しゅくふくの杖】 ・仲間1人のHPを小回復する
【暴走魔法陣】 ・仲間の呪文が暴走しやすくなる
【魔結界】 ・魔法の結界を張り敵の攻撃呪文を防御する
【ぶきみなひかり】 ・不気味な光を放ち、敵1体の呪文耐性を下げる
《スキル》
【
【悪魔ばらい】 ・悪魔系に対しての打撃力強化
【
《次のレベルまで:4329》 】
【そうび
みぎて 『ルーンスタッフ』
ひだりて 『』
あたま 『サンゴのかみかざり』
からだ 『ウィッチローブ』
アクセ1 『まじょのてぶくろ+3』
アクセ2 『いのりのゆびわ+2』 】
【ヴェルフ・クロッゾ Lv.2→3(レベル10→23)
HP:160→264
MP:30→67
ちから:39→86
みのまもり:9→35
すばやさ:20→33
きようさ:29→42
こうげき魔力:0
かいふく魔力:9→64
みりょく:40→92
《魔法》
【ウィル・オ・ウィスプ】 ・対魔力魔法
【ホイミ】 ・治癒系魔法(小)
【スカラ】 ・守備力上昇魔法(個)
《技能》
【シールドアタック】 ・防御姿勢のまま敵1体を攻撃する
【蒼天魔斬】 ・強力な振り下ろしで敵1体を攻撃し、まれにマヒさせる
《発展アビリティ》
【鍛冶:I→H】
《スキル》
【魔剣血統】 ・魔剣製作可能
【
《次のレベルまで:4770》 】
【そうび
みぎて 『はがねのオノ』
ひだりて 『はがねの盾』
あたま 『はがねのかぶと』
からだ 『はがねのよろい』
アクセ1 『熱砂のイヤリング』
アクセ2 『ちからのゆびわ+3』 】
「おおぅ、まさか本当にLv.4に到達するとは、それも二人も」
つい一週間前、自身が口にした
「リリは届きませんでした。申し訳ありません」
ステータス更新の際は上半身裸になって背中を見せる必要があるので、ヘスティアファミリア唯一の女性眷属のリリルカ・アーデの更新が一番に行われており、自身のLv.が主神が求めた
「気にしないでくれ、リリルカ君。君も
正直、その場のノリで言っちゃっただけでLv.4になるとは思っていなかったんだとはとても言えないヘスティアであった。
「無事にヴェルフ君もスキルに目覚めたんだ。良しとしよう」
「遅れてすみません」
小さく頭を下げるヴェルフ・クロッゾに、その必要はないと手を振る。
「十分に良くやってくれているよ。この短期間にLv.3にも至ったし、何よりも装備を充実させてくれたのは大きい」
「ヘファイトス様が素材を融通してくれたお陰です」
「うんうん、ヘファイトスには足を向けて寝れないね。僕からも改めて礼を言っておくよ」
「それでですね、これを……」
悩むのは後にして
「ん? 請求書……?」
羊皮紙を受け取ったヘスティアは書かれている文字に首を捻る。
「相場の半額で良いそうです」
「タダじゃないんかい!」
申し訳なさそうに答えるヴェルフの前で、ヘスティアは受け取った請求書を地面に叩きつけた。
「『ヘスティアを甘やかしたらダメになるから』と。後、『
「…………勝てると信じてくれていることを喜ぶべきか、義理堅くも商魂逞しいヘファイトスを尊敬するべきか、どちらなんだろう?」
悩んでいるヘスティアにリリルカは助け舟を出すべく口を開く。
「取り敢えず、笑っておけばいいのではないでしょうか」
「現実逃避染みてないかい、リリルカ君」
「世の中には曖昧なままにしておいた方がいいこともあります」
「君が人生経験豊か過ぎて泣いちゃいそうだよ、僕」
この中にいる中では間違いなく断トツで人生ハードモードだったリリルカにホロリときているヘスティア。
自分が端を発した問題から顔を逸らしたヴェルフは、二人のやり取りを笑って見ていたアルス・クラネルの前に移動して白布に覆われた片手剣を差し出す。
「折れたウダイオスの黒剣を使った、これが今の俺が鍛えれる最大限の武器だ。受け取ってくれ、アルス」
受け取ったアルスは白布を解いて、柄・鍔・刀身の剣全体で十字架を象った形をした片手剣を握る。
→良い武器だ、銘は?
リテイクを要求する
「『ゾンビキラー』、元は
そりゃあダメだろとアルスは思ったが、心底残念そうなヴェルフの為に黙っておくことにして改めて『ゾンビキラー+3』を見聞していた。
「アルス君はゾンビキラーに加えて、はがねの盾とはがねのよろい、はがねのかぶとか。代わることは代わったけど、ヴェルフ君と似通っているね」
しまいには『ゾンビキラー+3』を振り回しそうなアルスの動きを警戒ているヘスティアはヴェルフが新調した装備を見る。
「素材的には『ぎんのむねあて』や『シルバーメイル』も造れたのでは?」
ヘスティアファミリアの一員であればレシピを見れるので、リリルカからすればよりランクの高い装備を造らなかったことに疑問を覚えた。
「半額とはいえ、アルスの場合だと『はがね』以上となると、一人だけならともかく全員分の装備を新調すると破産するぞ」
ファミリアの金庫番であるリリルカにはとても分かりやすい理由だった。
「その分、ベル君の装備は充実しているんだ。僕は文句ないよ」
「折れた『てつのつるぎ+2』に代わって『はがねのつるぎ』に、『せいなるナイフ』『やいばのブーメラン』もそれぞれ『バタフライダガー』『はがねのブーメラン』に新調。頭も『バタフライマスク』、体も『大盗賊のマント』と一番金がかかってる』
「…………さっきからベル君が一言も発しないのはその所為か」
アクセサリー類を除けば、全ての装備が一新されたベル・クラネルは自身の新調にかかった総合計を聞いてから固まってしまっている。
「ベル様ベル様、大丈夫ですか?」
「ぼ、僕がこんな、ご、豪華な装備でいい、のかな?」
固まっていたベルはリリルカに揺り動かされてようやく意識が現世に戻ってきたが、まだ動揺は激しく上手く回らない舌で言葉を紡ぐ。
「いいさ。勝てばアポロンファミリアの財産を丸ごと頂くんだ。これぐらいの出費なら必要経費だよ」
「で、リリだけ殆ど装備が代わってないのですが」
ポンポンとベルの肩を叩いて落ち着かせようとしているヘスティアの横でリリルカがジト目をヴェルフに向ける。
少し前に『はがね』装備に一新したばかりのヴェルフを除いた三人の中で、ほぼ一新されているクラネル兄弟と違ってリリルカは装備が殆ど代わっていない。
「元々、一番装備が充実しているからな。杖は『ルーンスタッフ』に代わっただろ?」
「リリは『ピオラの杖』を作り直して頂ければそれで良かったです」
「そりゃあ無理だ。まだ俺の力量じゃあ、杖型の『魔剣』は造れねぇ。それだってヘファイトス様が使う者がいないからって特別に譲って下さったんだ」
師であるレフィーヤ・ウィリディスから餞別として渡された『ピオラの杖』は、強化ミノタウロス戦で魔剣同様に塵となって消えてしまい修復は不可能。
以前使っていた『まどうしの杖』は、ドルイドを倒せばドロップアイテムで毎回獲得出来るので在庫に困っていないが、今のリリルカのLv.では些か頼りなさ過ぎる。かといって、持っているレシピで作れる両手杖が同じ『まどうしの杖』しか無かったのでヘファイトスに相談したところ、貰ったのが『ルーンスタッフ』だった。
「…………そう、ですね。無茶を言いました。この杖を有難く使わせてもらいます」
『ピオラの杖』が完全に失われてしまったのは慚愧に耐えないが、レベルが上がってきて『まどうしの杖』では物足りなくなってきていたので助かるのは事実。
ヴェルフがヘファイトスに頼んでまで得てくれたのだから、『ピオラの杖』への未練を断ち切って『ルーンスタッフ』を受け取り気持ちを切り替える。
「それでヴェルフ様、『魔剣』は?」
「用意してある。時間が無かったから二振りだけだが」
『ゾンビキラー』の名前を付けた時に、ヴェルフのネーミングセンスの無さを思い知ったヘスティアとリリルカによって名付けられた銘は『
ようやく装備新調の衝撃から回復したベルがヴェルフを心配げに見遣る。
「ヴェルフは良かったの? 『魔剣』は」
「ああ、意地と仲間を秤にかけるのは止めたんだ。気にせずに使ってくれ。ただ、俺自身のLv.が上がってるとはいえ、急造だから威力も強度も保証できないぞ」
「そこは大丈夫です。勝負を決めるのはあくまで私達自身の力によるもの。『魔剣』の役目はあくまで敵の数を減らすことにあります」
助っ人を勘定に入れても、戦力差は優に20倍以上とバカげたことになっている。作戦を立案したリリルカは『魔剣』の役割を雑兵の数を減らす為と割り切っていた。
「リリは大丈夫? この作戦だとリリが一番危ないよ」
「新しく目覚めた魔法がありますので問題ありません。それにベル様が助けに来てくれるのでしょ?」
「勿論」
絶大な信頼に笑顔で答えるベルの横で、ヴェルフは一人首を傾げる。
「そういえば助っ人の話はどうなったんだ?」
「ヘルメスの話だと、先に着いて待っていてくれるんだって。Lv.4の手練れだ。きっと君達の助けになってくれるはずさ」
「期待しましょう」
言葉で言うほど期待してい無さそうなリリルカに、下手な期待を抱くよりかはマシだと苦笑したベルは表情を改めて仲間を見渡す。
「行こう。そして勝って帰って来よう」
「はい!」「おう!」
元気よく声を上げるリリルカ、拳を強く握るヴェルフ、静かに頷くアルスと、三人三様の反応を見せる眷属達に、ヘスティアは彼らが勝利と共に無事に帰ってくるだけを祈った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『ヘスティアファミリア対アポロンファミリア、
時刻は正午直前。
『今回の
オラリオから真東に30メドル進んだところにある平原地帯で、二つのファミリアが向かい合っていた。
『解説は我らが主神ガネーシャ様です!ガネーシャ様、それでは一言!』
『――――俺が、ガネーシャだ!』
『はいっ、ありがとうございました!』
オラリオのギルド本部前庭に作られた仰々しい舞台でガネーシャファミリアの眷属と主神がそんなやり取りをしている間も、人数差があり過ぎるファミリアは互いを睨み合っていて今にも一触即発の様相を呈している。
『ギルドによる勝敗の
多数のアポロンファミリアは大魔法や『魔剣』による広範囲攻撃を警戒して、部隊を幾つにも分けて分散して配置している。
少数のヘスティアファミリアはその反対で、助っ人も含めた5人が一塊となっていて、小柄な
『それでは間もなく正午となります』
太陽が頂点に差し掛かり、両ファミリアの緊張が最高潮に高まる。
『
オラリオで鳴らされ、拡大された銅鑼の音が遅れて平原地帯に届くも両ファミリアは直ぐには動かない。
「相手はたったの五人だろ。楽勝だな」
「一人は魔導師とはいえ、
距離があることから前衛に配置された弓を持った射手達が、数の多さを自らの実力と過信して呑気に会話を交わしていると、ヘスティアファミリアの集団の中から二人が飛び出した。
助っ人である全身をマントで覆った謎の人物と、ローブにマントという微妙な組み合わせと蝶を象ったマスクを付けた変な人物。
「弓矢隊! 構え!」
「いきなり来やがったぞ」
「矢の雨で仕留めてやろうぜ」
「撃て!」
指揮官であるダフネ・ラウロスの命令に従い、十数人の弓矢隊が一斉に真っ直ぐ向かってくる二人に向かって弓矢を放った。
弓矢が放たれる直前に二人が左右に大きく分かれた為、直進することを想定して放たれた矢は標的を失って草原に突き刺さる。
「別れたぞ!」
「数ではこちらが勝るんだ。物量で潰せ!」
「ちっ、二人とも速ぇぞ! 狙いをつけるよりも数を放て!」
直進してきた時よりも速度を上げた二人に対応する前衛の弓矢隊と比べて、まだすることがない後衛の中から一人の
「おい、ルアン。お前、いきなり部隊を離れるんじゃねぇよ」
「ん? お前、何を持ってるんだ?」
「ああ、これは――」
ルアンは小さく頼りない外見に見合う主武装である短剣ではなく、魔導師が振るう両手杖『ルーンスタッフ』を大柄の獣人に向ける。
「アナタ達を吹き飛ばすのに使うんですよ――ベギラマ!」
「「「「「ぎゃああああああああ?!」」」」」
――――――――――
――――――――――アポロンファミリア冒険者たちに ダメージ!
ルアンは『ルーンスタッフ』を横薙ぎに振るって回転しながら
「ルアン、何をしやがる!」
味方に攻撃を仕掛けるという蛮行に、大柄な獣人が前にいたお蔭で被害が微小で済んだ同僚が激怒するもルアンの目がそちらを向く。
「まだまだ行きますよ――――イオラ!」
――――――――――
――――――――――アポロンファミリア冒険者たちに ダメージ!
次いで放たれた
――――――――――アルスは ルーラを となえた!
「マホカンタ」
――――――――――
――――――――――
ルアンの前に薄い紫色の光の円が現れるが、身構えたアポロンファミリアの予想を裏切って攻撃的な効果は発生していない。
「コケ脅しか――」
――――――――――リューは、魔剣を はなった!
「魔剣だぁっ!?」
前衛左側で上がった大声が声を遮る。前衛左側に振り返ろうとしているのかルアンが中途半端な角度で止まった
直後、ルアンの斜め方向から巨大な炎塊が前衛を巻き込みながら直進し、進路上にいたルアンにぶつかった。
――――――――――リリルカの前の 光のカベが 魔法を はねかえした!
「魔剣が曲がりやがったっ!?」
正確には魔法を反射する魔法である『マホカンタ』によって、角度を調節されて反射されて右斜めから来た炎塊は左斜めへと飛んでいく。
僅か一夜で難攻不落の要塞を更地に変えたという逸話もある『クロッゾの魔剣』。ヘファイトスファミリアからヘスティアファミリアに
真後ろにいたアポロンファミリア冒険者達は、『魔剣』を反射したルアンが次は完全に振り返り過ぎた姿を見て嫌な予感を覚えた。
――――――――――アルスは、魔剣を はなった!
「っ!?」
自分達の背後から大蛇の如き紫電が迸った。
――――――――――リリルカの前の 光のカベが 魔法を はねかえした!
後衛にいたアポロンファミリア冒険者達を呑み込んだアルスが振るった『
「また曲がりやがったぞっ!?」
「我らの背後からも魔剣だっ!? 何時の間にあんな所に移動しやがったんだ!?」
まだ
中心でルアンが起こした混乱と前後から放たれた『魔剣』の一撃と、『魔剣』をずらして反射した謎の技法にアポロンファミリアは混乱の坩堝にあった。
「静まれ!」
散り散りになって場当たり的な対応になりかけたアポロンファミリア冒険者達を鎮めたのは、団長ヒュアキントス・クリオの一喝だった。
「敵が魔剣を使っただけに過ぎん! 落ち着いて対処すれば、こちらは圧倒的に数で上回っているのだ! 慌てる必要はない!」
「固まっていたらまた『魔剣』で狙われる! 各隊を分散させて!」
ヒュアキントスの喝破に、すかさずダフネも合わせて部隊を散会させる指示を発する。
次いでダフネは前衛から中衛に下がってルアンの姿を確認する。
「そのルアンは偽物よ! 本物は魔法を使えない。近くにいる者は連携して倒しなさい!」
持っている『ルーンスタッフ』と放たれた魔法から即座に真贋を見抜いたダフネの命令に、周囲にいたアポロンファミリア冒険者達の動きが変わった。
魔法攻撃を警戒して安易に近づかず、大楯を持った者達を前衛に立てて弓を持った射手や両手杖を持った魔導士が備えている。
「流石はアポロンファミリア。持ち直すのが素早いですが、もう遅いです」
「待たせたね、リリ」
――――――――――ベルは ジバリーナを となえた!
――――――――――アポロンファミリア冒険者たちに ジバリーナを しかけた!
逃がさないように囲んでいた一角が崩され、敵陣を単身突破してきたベルがルアンの下へと駆けつけた。
「二人に増えたところで同じことよ。こちらの優勢は揺るがない。それよりも本物のルアンはどうしたの?」
ルアン・エスペル――――リリルカ・アーデが
「今頃、目覚めて拘束を外そうともがいているところだと思いますよ。ああ、本人に会ったら服はちゃんと毎日洗うように言っておいて下さい。洗ってから着る羽目になって面倒くさかったです」
昨夜の内にベルと二人でアポロンファミリアのホームに忍び込み、ルアンを拘束して衣類を奪って成り済ましたリリルカは心底嫌そうに制服を摘まみながら話す。
「ええ、言っておいてあげるわ。あなたたちを倒した後でね」
ダフネがリリルカと会話して時間稼ぎをしている内に、二人への包囲の輪が着々と迫っていた。
「ところで、リリ達がこうやって何もせず、あなたの時間稼ぎに付き合ってあげていることに疑問を覚えませんか?」
「…………」
ダフネは答えない。だが、内心では確かに疑問を抱いていた。
ベルも助けに来たのならば、早々にこの場を脱出することを優先するはずなのに何故か動く様子はない。わざわざ会話に付き合った理由は何故なのか。
「時間稼ぎに付き合ってあげたのは、この状況を突破できる策があるということです」
「法螺を吹かないで、大人しくやられておきなさい」
妙な自信は演技か、虚勢か。
「ふふ、あなたは規格外を知らない。哀れに思いますよ、3」
『ルーンスタッフ』から左手を離し、天に向けて人差し指から薬指までの三本の指を立てる。
「2」
薬指を折る。
「1」
中指を折ろうとしているリリルカに、ダフネは大きく息を吸って次の瞬間にはかかれと言おうとした。
――――――――――アルスは ルーラを となえた!
「0」
瞬きをしたダフネの前に、何の脈絡もなく突如としてアルスが現れた。
「な」
「ルーラ」
驚愕に固まったダフネの前でアルスはリリルカとベルの体のどこかに触れながら魔法名を唱える。
――――――――――アルスは ルーラを となえた!
アルスの足元に白い光の線が浮かび、瞬く間に魔法円を描いた。
「放て!」
咄嗟にダフネが待機させていた弓矢隊と魔導師隊に叫ぶも、既にアルス達の姿は薄れ始めていた。
次々に弓矢と魔法が放たれるも、フッと消失したアルス達の姿はダフネ達の上空十数メートルのところに瞬間的に移動。標的を失った弓矢と魔法はアルス達がいた地面に着弾して爆発を引き起こす。
全方位からの攻撃に周りの同僚達が倒したと湧き上がる中、唯一ダフネだけはアルス達が回避したことを悟っていた。
「まだ倒せて――」
「合わせて下さい、アルス様」
仲間に注意喚起をしようとしたところで上空から聞こえてきたリリルカの声にダフネはハッと顔を上げた。
土煙の間隙の最中、十数メートルの上空に両手杖と片手剣を自分達がいる地面に向けるリリルカとアルス、そして二人の背後にいるベルの姿。
「退避ぃいいいいいいいいいいいいっ!!」
「「イオラ」」
――――――――――アルスとリリルカは イオラを となえた!
逃げるように叫んだダフネの声に反応したLv.2の何人かが、ベルがリリルカの下へ辿り着く間に仕掛けた『ジバリーナ』が発動して、足元から突き出した巨大な岩によって弾き飛ばされたり、遅れて反応した者達の進路を妨害する。
――――――――――ベルの ジバリーナが 発動!
――――――――――アポロンファミリア冒険者たちに ダメージ!
超短文詠唱で放たれた
――――――――――アポロンファミリア冒険者たちに ダメージ!
アポロンファミリアの中衛で放たれた
「まさか私が『魔剣』を使う日が来ようとは……」
「貴様ぁっ!
「生憎、一族の恩讐より私には大切なものがある」
使用限界を迎えた『魔剣』を使ったのが、同種たるエルフだと知って激昂するリッソスの短剣による一撃を簡単に躱しながら答えるリュー。
「友人を助けることが恥だと言うのなら、いくらでも甘んじましょう!」
「ぐはっ!?」
Lv.4最上位から見れば隙だらけのリッソスの脇腹に一閃を見舞い、弾き飛ばしたリューは今もモクモクと上がる爆煙を見上げて苦笑する。
「とはいえ、今の彼らに本当に私の力が必要だったかどうかは疑問ですが」
ルーラとマホカンタの機動的な使い方……。