ダンまち×ドラクエ   作:スターゲイザー

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本作では、

ドラクエ11主人公=アルス
カミュ     =ベル
ベロニカ    =リリルカ
グレイグ    =ヴェルフ
のスキルパネル・習得順で進めています。

ヴェルフがグレイグで覚えないホイミを覚えるのは、ドラクエ11ではグレイグの加入時期が遅めでベホイミから覚えるので早めの加入時期で順番に覚えるならホイミからだろうという理由です。




第40話 アルスは 覇王斬を はなった!

 

 

 

 

 

 

 奇襲に奇襲を重ね、中心部をズタズタにされて混乱を深めるアポロンファミリア冒険者たちの間をカサンドラ・イリオンが駆け抜ける。

 

「ダフネちゃん!?」

 

 時折、先程の『魔剣』とは違う雷や炎、氷や爆発、閃光の轟音が轟く中で死屍累々といった様子の中心部で伏して動かない傷だらけのダフネ・ラウロスを見つけた。

 

「一度は拒みし天の光。浅ましき我が身を救う慈悲の腕。届かぬ我が言の葉の代わりに、哀れな輩を救え。陽光よ、願わくば破滅を退けよ」

 

 カサンドラは泣きそうになるのを堪えて、『神聖のクリスタルロッド』を両手に持って集中しながら詠唱を唱える。

 

「ソールライト!」

 

――――――――――カサンドラは ソールライトを となえた!

――――――――――ダフネたちの キズが かいふくした!

 

 発動するのは、込める精神力(マインド)によって効果領域を拡大することことが出来る短文詠唱の範囲回復魔法。特に爆心地に近くて被害が大きい半径数メドル範囲にいる者たちを癒す。

 完全回復していないながらも、呻きながらも目を開けたダフネに安心からカサンドラの目から一筋涙が零れ落ちる。

 

「早く起きて。急いでここから逃げないと」

「黙りなさい、カサンドラ。動ける者は集まりなさい!」

 

 起き上がったダフネはカサンドラを退けて、同じように治癒魔法を受けて起き上がっている者たちに呼びかける。

 尚も戦闘を続行しようとしている親友(ダフネ)にカサンドラが縋りつく。

 

「ダメダメ……兎がやってくる!」

「いい加減にして! 今は戦闘中よ! 夢のことで作戦に口を出さないで!」

「くっ、ここも被害は甚大か」

 

 全くあてにならない『予知夢(ほら)』を吹くカサンドラに怒鳴ったところで、ヒュアキントス・クリオが主力部隊と共に合流した。

 ヒュアキントスが現れたことでダフネはカサンドラから視線をずらした。

 

「ヒュアキントス……」

「そのまま聞け、ダフネ」

 

 部隊を集めているダフネに近づいてきたヒュアキントスは忌々し気に続ける。

 

「部隊は分断に分断を重ね各個撃破されている。当初の想定とは全く違う事態だ」

 

 当初は数の論理を活かして消耗させて屈服させるつもりが、圧倒されているのは間違いなく自分達であることをヒュアキントスは血を吐く思いで認める。

 

「ここから巻き返すには、雑兵で消耗を強いて、こちらは主力を回復・温存させるしかない」

「それは……」

「分かっている。仲間を捨て石と使うことに抵抗はある。だが、現実として奴らの強さはこちらの想定を遥かに超え、状況は最悪に近い」

 

 ヒュアキントスが提示する作戦は当初の想定を屈辱的な状況に落として行うというものだった。現状では最適だが、非情とも取れる作戦に眉を顰めたダフネも一発逆転の策を提案できない以上は抗弁する資格はない。

 

「乾坤一擲の手は必要だ。時に指揮官は非情にならなければならん」

「全く以て同感です。状況に振り回されて大変ですね」

 

――――――――――リリルカは ヒャダルコを となえた!

――――――――――アポロンファミリア冒険者たちに ダメージ!

 

 頭上から振り下りた大きな氷の刃が主力部隊を襲う。

 

「魔導士部隊!」

「燃え尽きろ、外法の業」

 

 魔法には魔法で対抗と、ダフネが魔法部隊に迎撃させようとしたが超短文詠唱の方が早い。

 

「ウィル・オ・ウィスプ!」

 

――――――――――ヴェルフは ウィル・オ・ウィスプを となえた!

――――――――――アポロンファミリア冒険者たちの 魔法が失敗 爆発した!

――――――――――アポロンファミリア冒険者たちに ダメージ!

 

 瞬く間に放たれた陽炎は音もなく突進し、魔導師部隊の下へと吸い込まれて自身達の魔法の発動と同時に爆発――――魔法が自爆した。魔力爆発(イグニス・ファトゥス)を誘発させられ、魔道師部隊は一瞬の間に戦闘不能に陥ってしまった。

 

「魔導士殺しの魔法だと……」

 

 ガシャンガシャンと鎧が出す大きな音と現れたヴェルフ・クロッゾが『はがねのかぶと』の下でニヤリと笑う。

 

「味方が魔法を使う時も発動しちまうから使いどころが難しいが、タイミングさえ合えば俺の前で魔法は使えねぇぜ」

 

 ヴェルフの背後にはリリルカ・アーデとベル・クラネルの姿があり、その後ろの者達は全てが地面に伏している。

 

「少数精鋭による敵主力の撃破。考えることは同じか」

「こちらはそもそも少数しかないので、順番に撃破してきただけです」

 

 浮足立った者達を真っ当に倒してきた三人と相対できたのは、冷気魔法(ヒャダルコ)魔力爆発(イグニス・ファトゥス)に巻き込まれなかったヒュアキントス・ダフネ・カサンドラの三人だけ。

 

「くしくも、3対3か」

「勝った方が勝敗を決着する。あの時の雪辱を晴らさせてもらいます」

 

 ヴェルフの前に出たベルの言葉に、ヒュアキントスは『太陽のフランベルジュ』を抜き放つ。

 アポロンファミリアの主力であり、団長であるヒュアキントスを倒せば戦況は決定的になる。逆に言えば、ここで団長であるベルが倒れても同じこと。

 

「させるつもりはない!」

「うっ!?」

 

――――――――――ヒュアキントスの こうげき!

――――――――――ベルに ダメージ!

 

「この一撃の速さ、重さ…………以前とは段違いだ。まさか」

「防いだ貴様も随分と強くなったようだが、我々もこの一週間、ただ座して待っていたわけではない」

 

 ベルを一撃で弾き飛ばしたヒュアキントスが油断なく構える。

 戦争遊戯(ウォーゲーム)が決まってからヒュアキントスの脳裏を過ったのは、油断があったとはいえリリルカとの連携で一時は追い込まれた一戦。

 

「私達もヒュアキントスの提案で、たった三人で20階層まで行ってランクアップしたんだ。簡単には負けてやらないよ」

 

 アポロンファミリアのダンジョン到達階層である20階層に、たった三人だけのパーティーで辿り着いた偉業によってヒュアキントスはLv.4に、ダフネとカサンドラは共にLv.3へと至った。

 

「はっ、そういうのは負ける奴が言うセリフだぜ」

「試してみれば分かるわ」

「僕達の強さか、あなた達の強さか。どちらが強いか、勝負です!」

「ぬおっ!?」

 

――――――――――ベルの こうげき!

――――――――――ヒュアキントスに ダメージ!

 

「追従せし空の太陽。全ては汝から逃れるため。咲け、月桂樹の鎧」

 

 ベルとヒュアキントスが切り結び横でダフネの詠唱が続く。

 

「ラウミュール!」

 

――――――――――ダフネは ラウミュールを となえた!

――――――――――ダフネの しゅび力が あがった!

――――――――――ダフネの すばやさが かなり あがった!

 

 攻勢魔法かと警戒したヴェルフの予想を裏切って、ダフネが使ったのは耐久の微強化、更に俊敏の高強化がならせる防護魔法。

 

「ちっ、自己強化の魔法か」

「やぁーっ!」

 

 舌打ちをしたヴェルフに向かってダフネが鞭を振るう。

 

――――――――――ダフネの こうげき!

――――――――――ヴェルフは 攻撃を盾で はじいた!

 

 掲げていた『はがねの盾』で受けたが持っている腕にまで衝撃が伝わってくる。

 

「スカラ」

 

――――――――――ヴェルフは スカラを となえた!

――――――――――ヴェルフの しゅび力が かなり あがった!

 

 自身に守備力上昇魔法(スカラ)を使ったヴェルフが守備に徹すれば、真っ向から向かってきた今のベルでも突破は難しい。

 次々に放たれる鞭の攻撃を『はがねの盾』で受けるヴェルフは、横目で『すばやさ』で勝るベルがヒュアキントスに大して若干優勢に戦っているのを見る。

 

 

――――――――――アルスは 覇王斬を はなった!

 

 

 反対側を見れば、アルスが上空に打ち上げた巨大な剣が数少なくなってきた集団を形成していた部隊に向かって落ちていくのを見た。

 

「って、巨大な剣!?」

 

 身の丈を遥かに超えた巨大な剣がアルスの動きに合わせて地上に落ち、部隊を殲滅しているのを見てしまって意識を取られる。

 今までアルスがあんな魔法、技能を使うのを見たことが無かったので思いっきり注意を引っ張られてしまう。

 

「ほらほら、どうしたのさ!」

 

 鞭の一撃が飛んできて意識を前に戻す。

 

「余所見までして、亀みたいに閉じこもってたって勝てないよ!」

「ぬかせっ」

 

 速度が上がった鞭の連打に、接近しようとしたら一瞬鞭を持っていない手が腰の短刀に移りかけた。

 遠中距離は鞭で、接近しようとしたら短刀に切り替えるスタイルなのだろう。

 ただ、ヴェルフの『すばやさ』では『ラウミュール』によって俊敏が高強化されたダフネを捉え切れない――――今のままでは。

 

「ボミエ!」

 

――――――――――リリルカは ボミエを となえた!

――――――――――ダフネの すばやさを かなり さげた!

 

 防戦一方のヴェルフを見たリリルカが敵速度低下魔法(ボミエ)でダフネの速度を落とした。

 

「おらぁっ!」

「なっ!?」

 

――――――――――ヴェルフは 身構えつつ こうげきした!

――――――――――ダフネに ダメージ!

 

 『シールドアタック』で迫ってきたヴェルフの攻撃を避けようとしたら一気に『すばやさ』が落ちた体に戸惑い、『はがねの盾』で弾き飛ばされたダフネが地面を転がる。

 相手にどんな魔法があるか分からないので、とりあえず封じておこうと考えたリリルカ。

 

「マホトー」

「させません!」

 

 超短文詠唱では何の魔法か分からないが、カサンドラはリリルカにこれ以上の魔法を発動させてはいけないと虎の子の『魔剣』を抜き放った。

 

――――――――――カサンドラは 魔剣を はなった!

 

「リリ助、ぬぅっ!?」

 

 防御力が仲間内で一番低いリリルカが『魔剣』を食らえば一発で戦闘不能になりかねない。斜線上に咄嗟に飛び出したヴェルフが防ぐ。

 

――――――――――ヴェルフに ダメージ!

 

「一度は拒みし天の光。浅ましき我が身を救う慈悲の腕。届かぬ我が言の葉の代わりに、哀れな輩を救え。陽光よ、願わくば破滅を退けよ――――ソールライト!」

 

 先の爆発魔法(イオラ)の傷が完全に癒えていたわけではなかったダフネを急いで治療する。

 

「助かった、カサンドラ。でも、動きを阻害する魔法? あの小人族(パルゥム)は何個魔法を持ってるのよ」

 

 傷が癒え、カサンドラの手を借りて立ち上がったダフネは、明らかにリリルカが魔法スロットの許容量を超えた魔法の数々に訝しる。

 当のリリルカはダフネではなく、彼女を癒したカサンドラを見ていた――――その胸を特に。

 

「アルス様の話にあった巨乳の治癒師とはあなたのことですね」

「きょ!?」

「そしてあなたが姉御ならぬ女王様ですか」

「なにアイツは変なこと言ってるのよ!? アイツの所為でこっちはトラウマ植え付けられる者もいて大変だったのよ!」

「流石はアルス様、いなくても敵に精神的ダメージを与えるとは」

 

 巨乳と言われて絶句しているカサンドラ、いらぬ風評被害を被って怒るダフネとは対照的にリリルカはアルスに感嘆していた。

 

「リリ助って、アルスが近くにいないと褒めるよな」

「順当な評価です。ベル様からもアルス様を面と向かって褒めると図に乗るので本人がいないところでの方が良いと聞いていますので」

「あの兄弟のこと好き過ぎるな、お前さん」

 

 その頃、ベルとアルスが同時にくしゃみをしたかどうかは定かではない。

 

――――――――――リリルカは しゅくふくの杖を ふりかざした!

――――――――――ヴェルフの キズが かいふくした!

 

「ヴェルフ様のことも大好きですよ。回復してあげてるじゃないですか」

「嘘くせぇ…………アルスの時みたいに、俺のことも俺がいないところで褒めてるのか?」

「さあ、どうですかね」

 

 割と早い段階で習得しながらも、アルスの治癒魔法(ホイミ)系が便利過ぎたのとレベルが上がっていくのに比例するリリルカの火力もあってあまり使う機会の無かった『しゅくふくの杖』がヴェルフを癒す。

 

「これ以上、回復はさせないよ! 自分達だけが『魔剣』を使えると思うな!」

「マホカ」

「させませんと言いました!」

 

 治癒師と思われたカサンドラが『魔剣』を繰り出して攻撃を重ねてくることで、ヴェルフと分断されたリリルカは魔法発動のタイミングを見出せない。

 

「やはり『魔剣』は厄介ですね――――魔結界、ヒャダルコ!」

 

 カサンドラが持つ『魔剣』に狙われないように、移動しながら小声で『魔結界』と『ヒャダルコ』を連続で唱える。

 

――――――――――リリルカは 魔結界を はりめぐらせた!

――――――――――リリルカの 魔法耐性が かなり あがった!

――――――――――リリルカは ヒャダルコを となえた!

 

 大きな氷の刃を自分の周りに落として壁として姿を隠す。

 一つならばともかく複数の氷の塊が地面に突き刺さっていて、小柄で素早いリリルカの姿は一瞬でも見失ってしまうと探すのに苦労する。

 

「ベギラマ!」

 

――――――――――リリルカは ベギラマを となえた!

――――――――――カサンドラに ダメージ!

 

「熱っ!?」

 

 氷の塊が幾つも間にあって閃光魔法(ベギラマ)はカサンドラに直撃はしなかったが、炎の壁の熱波が炙ってきたダメージを負ってしまう。

 

「メラ! メラ! メラ!」

「やぁーっ!」

 

――――――――――リリルカは 連続して メラを となえた!

――――――――――カサンドラは 魔剣を はなった!

 

 放たれた火炎魔法(メラ)を迎撃する為に使った『魔剣』が使用限界を迎える。

 

「メラ! メラ! メラ!」

「ま、魔剣が……きゃぁっ!?」

 

――――――――――リリルカは 連続して メラを となえた!

――――――――――カサンドラに ダメージ!

 

「カサンドラ!?」

 

 更に連続で放たれる火炎魔法(メラ)に襲われて、逃げ回っているカサンドラの姿を横目で見てしまったダフネの意識がそちらに引っ張られた。

 

「隙ありだぜ、おらぁっ!」

「なっ!?」

 

――――――――――ヴェルフは 蒼天魔斬を はなった!

――――――――――ダフネに ダメージ!

 

 間合いを詰めながら振り上げた『はがねのオノ』をダフネに向かって強く叩きつけた。

 大きなダメージを受けたが気合で膝をつくことなく、短刀を抜き放ってヴェルフに反撃しようとしたダフネは体が上手く動かないことに気づいた。

 

――――――――――ダフネは からだがしびれ うごけない!

 

「体が、し、痺れ……」

 

 『蒼天魔斬』は低確率ながらも、相手に麻痺効果を与えることが出来る。

 追撃をしようとしても麻痺状態になったダフネは身動きできないまま、逆に追撃を受けることになる。

 

「メラミ!」

「なっ!?」

 

――――――――――リリルカは メラミを となえた!

――――――――――ダフネに ダメージ!

 

 カサンドラを仕留めたリリルカがトドメの巨大な火球をダフネにぶつけてきた。

 スキル『月桂輪廻』を発動して、耐久の超高補正のかけようとするも、ダフネの半身以上の大きさの火球には何の意味もない。

 

(あ、これはやられたわ)

 

――――――――――ダフネを たおした!

 

 

 

 

 

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