ダンまち×ドラクエ   作:スターゲイザー

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第66話 いいや、港に行くね!

 

 

 

 

 

 完全に日が落ち、漁から帰ってきた漁師達で賑わうメレンの街でヘスティアファミリアパーティーはロキファミリアの団員と行動を共にしていた。

 

「アイズさん、港でアマゾネス達を見たっていう漁師がいました!」

 

 短髪の赤髪をしたナルヴィ・ロールの報告にアイズ・ヴァレンシュタインが小さく頷く。

 

「…………港の周辺で見張ろう。何か見つけたら、閃光弾か『魔法』を空に撃って」

「「「「「分かりました!」」」」」

 

 若年といえどロキファミリアの幹部として拙い口調ながらも指示を出すと、それに倍する声の大きさで了承が返ってくる。

 ちょっと内心でアイズは怯みながら、幹部としての責任感で注意事項を伝えなければならなかった。

 

「相手を見つけても、私かリヴェリアが行くまで仕掛けちゃダメ」

「「「「「はい!」」」」」

 

 指示に従って散っていく少女達を見送り、残ったのはアイズとヘスティアファミリアの一員、そして別派閥なので連絡要員として18階層で治癒師としてカサンドラ・イリオンと行動を共にすることが多かったリーネ・アルシェ。

 アイズはそのままLv.6になって更に強化された視力で屋根の上から周辺を観察している間、地上で特に明確な指示を受けていないヘスティアファミリアの指揮官としてダフネ・ラウロスは隣にいるリーネに顔を向ける。

 

「で、ウチらはどう動けばいいの?」

「は、はい、ヘスティアファミリアにはパーティー単位で動いてもらい、合図があったらそこへ急行してもらうことになっています」

 

 ロキファミリアとの連絡役として配置されたリーネの言葉にダフネは渋面を作る。

 

「合図ねぇ。何事も無ければいいけど」

 

 保養に来たはずが他所の面倒事に関わらせられる羽目になって憂鬱な溜息を漏らすダフネに、目力が凄いリリルカ・アーデがふんすと鼻息を漏らす。

 

「可能性としては薄いでしょう。敵…………カーリーファミリアはレフィーヤ様を誘拐するなど、半ば宣戦布告に近いことをしているのでしょう?」

「はい、他にもLv.3以下の団員も襲われてて」

 

 ロキより救援要請を受ける際、一通りの事情説明を聞いて、魔法の師であるレフィーヤ・・ウィリディスが誘拐されたと聞いてから完全にカーリーファミリアを敵認定しているリリルカの据わった目に引きながらリーネが答える。

 リリルカと同じ気持ちのベル・クラネルが腕を組む。

 

「襲われた方は大丈夫なんですか?」

「治療は済んでいるので今は大丈夫です。ただ、その最中にティオネさんとティオナさんが姿を消していて、今も見つかっていません」

「そっちは自分で姿を消したんだろ? 『儀式』とかいうやつに参加する為に」

 

 だからこそ厄介なのだろうが、とヴェルフ・クロッゾは嘆息する。

 

「その『儀式』を阻止して、誘拐された団員の救出ともなると確実に敵さんが邪魔して来るね。カーリーファミリアの戦力は?」

 

 ダフネはロキの話を思い出しながら訊ねる。

 ロキの話では、カーリーファミリアで行われる『儀式』と呼ばれる眷属同士での殺し合いにティオナとティオネを参加させる為にレフィーヤを贄として人質にした。儀式の性質上、当事者以外の第三者を関わらせることは儀式を汚すことになるとして、『贄』であるレフィーヤが邪魔をしない限り傷つけられる理由はない。

 カーリーファミリアは泊まっていた宿におらず、メレンまで乗ってきたガレオン船にもいなかった。訪れたばかりの場所で上手く隠れ続けることは容易ではない。現地の協力者がいると思われる。

 ロキファミリアは『儀式』を阻止し、誘拐されたレフィーヤを救出したい。当然、『儀式』を実行したいカーリーファミリアは邪魔をしてくると予想される。

 

「カーリーファミリアの戦力は団長副団長のLv.6が二人。恐らくこの二人は『儀式』に参加するので皆さんに関わってくるとはないと思います」

「それ以外は最大でもLv.4からLv.3だったけ。まさかオラリオ以外でそれだけの戦力を持っているとは、流石は血と闘争の国(テルスキュラ)

 

 団長副団長のカリフ姉妹に、いたLv.5は糧として食われたと聞いてからダフネは、身内で殺し合いをするなどどんな蛮族だと思ったことは噫にも出さない。

 

「相手が最大Lv.4ならリリ達にもやり様はあります」

 

 ロキファミリアもLv.5はおらず、男性冒険者達はオラリオにいて最大戦力であるLv.6であるアイズ、リヴェリア・リヨス・アールヴも武器を整備に出しており、万全とは言えない。更に街中ではリヴェリアも魔法を使いづらい。

 戦力的には少し厳しいが故にLv.4とLv.3のパーティーであるヘスティアファミリアに援護要請が入ったことを理解しているリリルカはやる気を漲らせていた。

 

「まあね。ウチらの出番はロキファミリアの男組が来るまででいいんだよね?」

「はい、オラリオに遣い(アナキティ・オータム)を出しているので恐らくそこまで時間はかけないかと」

 

→到着するまで、報酬分の働きはするさ

  面倒だから早く来てくんないかね

 

「真っ先に報酬(レシピ)に食いついといて良く言うよ」

 

 頭が痛いとばかりに額を手で押さえるベル。

 最初は救援が来るのだから要請を断ろうとしたヘスティアにロキは報酬(レシピ)を提示し、アルスが真っ先に飛びついた結果が今だった。

 

――――――――――アルスは レシピブック 『オリハルコン装備レシピ』を 手に入れた!

――――――――――エンパイアブレードの レシピを 覚えた!

――――――――――オリハルコンのツメの レシピを 覚えた!

――――――――――ほしふるうでわの レシピを 覚えた!

 

「ああ、ロキ様はアルスのことを良く分かってる」

 

 訳知り顔で頷くヴェルフにもベルは白けた目を向ける。

 

「ヴェルフも神妙に言うなら、もう少し感情を抑えようね。喜色が溢れてるから」

「おっと、こりゃあ失礼。けど、あの『最硬金属(オリハルコン)』のレシピなんだ。鍛冶師として喜ばなかったらモグリだぞ」

 

 希少である『最硬金属(オリハルコン)』を入手する当てすらないが、持っておいて損になるレシピではない。鍛冶師としてほころびそうになる顔を気合で抑えるヴェルフの論理は鍛冶師ではないものには否定できない。

 

「気持ちは分からないでもないけど、後でヘスティア様に謝っておきなよ。身内に裏切られたような顔してたから」

 

 レフィーヤの窮状を知ったリリルカ、レシピを理由にアルス・ヴェルフがロキ側に回ったことで、心情的にはロキファミリアを助けたいベルも流れに乗り、要請は受諾された。

 全知零能たる神であるヘスティアは眷属達の裏切りにショックを受け、今は一人宿で不貞寝を決め込んでいる。

 

「そりゃあ、リリ助にも言ってやれ。一番やる気に溢れてるのはリリ助なんだから」

「知り合いを助けたいと思うのと、報酬に釣られるのは違うでしょ」

 

 物に釣られるのと知り合いの為に動くのは全く違うと、ダフネが呆れていると通りの向こうからナルヴィ・ロールがこちらへと走ってくる。

 

「リーネ! アイズさんが造船所の方で見つけたから集まれって」

「分かりました!」

 

 ナルヴィに答えたリーネがダフネの方へ振り向いた時、まるで地面を爆砕させたような爆発音がメレンの街中に響いた。

 

『――――オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ!!』

 

 直後、地面を割って現れた触手から極彩色の花弁が花開き、醜悪な大顎から放たれた人ならずの咆哮が一拍遅れて轟く。

 

「あれって、食人花!?」

「こんな時に!」

 

 一行がもう直ぐ港というところで現れたのは近くの建物を優に超えて空に伸びる体長を持つモンスター。船から下ろした大量の積荷を置いておく蔵置区画に出現したモンスターを見たロキファミリアの面々が驚愕の声を上げた。

 

「あれが噂の新種のモンスターか。確かにあんな極彩色をしてたら目立つわね」

「まるでこちらの足止めをするようなタイミングの良さです。リーネ様、敢えてリリ達だけでも無視して造船所の方に向かいますか?」

 

 屋根に登って確認しなくても見える合計七本の長躯を見上げ、ダフネが感心したように頷いているとリリルカが近くにいたリーネに確認を取る。

 

「…………いえ、食人花の力はLv.3相当か上回るぐらいと聞いています。皆さんには食人花を討伐してもらいたいです」

「なんであれ、街中でモンスターが暴れるのを見過ごせませんしね!」

 

――――――――――食人花の こうげき!

――――――――――ベルは 攻撃を武器で はじいた!

 

 停泊していた客船に向けて振り下ろされた食人花の触手を、ベルが取り出した『こおりのやいば』を投擲して弾き飛ばす。

 

「了解。大きさはともかく、見た目は若干『ひぐらしそう』に似ているけどなにか特徴とかはあるの?」

 

 ベルが邪魔をしたことで敵認定されたのか、こちらに向かってくる食人花に『ドラゴンテイル』を取り出したダフネがリーネに問う。

 食人花は、花弁とその中央の口という特徴など21階層に出現する『ひぐらしそう』と一部一致しているが、その大きさや色が全然違う。新種のモンスターと以前に『神会(デナトゥス)』でロキが明言しているので類似種でもないとなれば、対処法を確認しておきたかった。

 

「以前アイズさんが戦った時、魔力に反応して優先的に襲ってきたとのことです。後、同種でも個体ごとに能力差が著しく、打撃はティオナさん達でも効果が薄く斬撃の方が有効だとも」

 

 打撃に効果が薄いとなるとダフネは自身の鞭も有効打にはならないだろうと判断して『ドラゴンテイル』から『王家のナイフ』に切り替える。とはいえ、短剣だけだと決め手にかけそうで、自身が直接戦闘せずに戦える方策を考える。

 

「…………魔力に惹かれるなら、前に18階層で目印としてやろうとした方法で引き付けようか」

 

 ベル達が迷子になってロキファミリアの野営地に帰って来なかった時、リリルカかアルスの『火炎魔法(メラミ)』で目印になろうとしたことがあった。食人花が魔力に惹かれるというなら、同様の方法でも誘引が可能であろうとダフネは目算を立てた。

 方針が決まってしまえば後は早かった。

 

「アルス、アンタは誘導役でトドメはリリルカの新魔法(ベギラゴン)で」

「了解です」

 

 リリルカが返答し、頷いたアルスが屋根の上に上がり、右手を空に向けて掌から人の頭を優に超える火の玉を作り上げる。その間に、ベルの行為で真っ先に向かって来ていた食人花がアイズの一閃によって倒されていた。

 

「出来るだけ他の個体も巻き込みたいから、ウチが『敵速度低下魔法(ボミオス)』で足を遅くして、先行した個体の足止めをする為にベルは『地雷魔法(ジバリカ)』を設置。それでも突出する個体にはヴェルフが跳ね返す。強そうな個体にはカサンドラが『魔法耐性低下魔法(ディバインスペル)』で耐性下げ…………と、こんな感じかな」

「そんなところでしょう。もし、取り残しが出たら即時対応ということで」

「うん、早速アルスが引き連れてきちゃったから早く行動しよう」

「早すぎるぜ、アルス」

「ったく、カサンドラ、ウチらの速度を上げて!」

 

――――――――――食人花たちが あらわれた!

 

 残り六体となった食人花達が火の玉を頭上に掲げたアルスを追って列を為してベル達の下へと向かってくる。

 まだ準備が全く出来ていないのでダフネの指示に従い、今回は『アメイジングタクト』を持ったカサンドラ・イリオンが魔法の発動に集中する。

 

「ピオリム!」

 

――――――――――カサンドラは ピオリムを となえた!

――――――――――アルスたちの すばやさが すこし あがった!

 

 黄色の光が螺旋を描くようにパーティー全員の足元から湧き上がる。カサンドラが唱えた『速度上昇魔法(ピオリム)』を受けた全員の速度が目に見えて上がった。

 『速度上昇魔法(ピオリム)』の効果で素早く屋根の上に飛び上がったダフネが『王家のナイフ』の切っ先を、向かってくる食人花達に向ける。

 

「ボミオス!」

 

――――――――――ダフネは ボミオスを となえた!

――――――――――食人花の すばやさが すこし さがった!

 

 ダフネが発動した『敵速度低下魔法(ボミオス)』はカサンドラが発動した『速度上昇魔法(ピオリム)』の逆、黄色の光が螺旋を描くように頭上から降り下りる。すると、驀進していた食人花の速度が目に見えて鈍った。

 味方の速度が上がり、敵の速度が遅くなった。しかし、食人花は気にした風もなく驀進しており、能力に個体差があるからか先頭から後方まで距離がある。

 

「ジバリカ!」

 

――――――――――ベルは ジバリカを となえた!

――――――――――食人花Bの足元に ジバリカを しかけた!

 

 食人花の進路上に『地雷魔法(ジバリカ)』を設置したベルも横を通り過ぎたアルスを追って直ぐに反転し、その場から離脱する。

 直後、特に足が速い食人花の一体が『地雷魔法(ジバリカ)』が設置された地点に差し掛かった。

 

――――――――――ベルの ジバリカが 発動!

――――――――――食人花Bに ダメージ!

 

 足元から突き上がった岩山が障壁となり、進行を妨害する。

 岩山に激突して足を止めさせられた食人花の横を別の個体が通り抜けるのを見て、『ドラゴンシールド』を構えたヴェルフが突貫する。

 

「おらぁっ!」

 

――――――――――ヴェルフは 身構えつつ こうげきした!

――――――――――食人花Dに ダメージ!

 

 『シールドアタック』で食人花を弾き飛ばし、他の個体も巻き込ませたところで遅れていた個体達も合流して遮二無二なって驀進を始めた。

 やはり最初の個体が特に強い力を持つのか、『地雷魔法(ジバリカ)』で足止めされたはずなのに再び先頭に躍り出る。

 

「ディバインスペル!」

 

――――――――――カサンドラは ディバインスペルを となえた!

――――――――――食人花Bの 魔法耐性を すこし さげた!

 

 リーネと共に通路脇の建物の屋根に登っていたカサンドラの『魔法耐性低下魔法(ディバインスペル)』が放たれ、薄緑色の魔法陣が食人花の前に展開された。

 薄緑色の魔法陣は風に吹かれたように直ぐに消えたが、成功の手応えをカサンドラが感じている間に魔法発動に集中しているリリルカの横をアルスが通り抜ける。

 一人進行方向上に残ったリリルカが天に掲げた『てんばつの杖』の上に生まれた無数の煌めきが一点へと渦巻いていく。集中した煌めきが一気に膨れ上がり集積したところで、リリルカは『てんばつの杖』の杖先を向かってくる食人花達に振り下ろした。

 

「ベギラゴン!」

 

――――――――――リリルカは ベギラゴンを となえた!

 

 魔法名が唱えられると同時に集積した煌めきが凄まじい奔流となって撃ち放たれた。

 本来ならば扇状に広がるところを、周辺の建物に被害を与えない為に収束させた閃光が空気と入り混じって燃え上り、半ば一塊となって向かって来ていた食人花の集団を呑み込んだ。

 食人花達は超高温の熱風に薙ぎ倒されていき、やがてその姿が閃光の中にも見出せなくなってきたところで炎も消える。

 

――――――――――食人花たちに ダメージ!

――――――――――食人花たちを たおした!

 

 殆どの食人花はリリルカの『閃光魔法(ベギラゴン)』で消滅したが、足の遅い個体がいて運良く範囲外にいたので全滅はしていなかった。

 このままではリリルカが襲われるが、アルスが横を通り過ぎた後に反転して頭上に掲げたままの手の上にはまだ大きな火の玉があった。

 

「メラゾーマ」

 

――――――――――アルスは メラゾーマを となえた!

――――――――――食人花Fに ダメージ!

――――――――――食人花Fを たおした!

 

 人の体を優に超える火の玉に膨張した『火炎魔法(メラゾーマ)』が何枚もの花弁の中心にある巨大な口を燃やし尽くす。

 

――――――――――食人花たちを やっつけた!

――――――――――アルスたちは 2996ポイントの経験値を かくとく!

 

 『火炎魔法(メラゾーマ)』は巨大な口だけに留まらず、防ごうとした触手も呑み込み、後には断片だけを残してこれで全ての食人花が倒された。

 

「すごっ……」

 

 思わず普段の口調すら忘れてしまうほど、本職ではないアルスの『火炎魔法(メラゾーマ)』と特にリリルカの『閃光魔法(ベギラゴン)』の過剰とも言える威力にリーネは引いていた。

 リリルカが魔法を放つ際に感じ取れた魔力はリヴェリア・リヨス・アールヴには劣るものの、確実にレフィーヤを上回るものであった。レフィーヤよりもLv.が上なのだから魔力が高いのは仕方ないとしても、前衛戦士系でありながらアイズを彷彿とさせる魔法を見せたアルスにも驚く。

 カサンドラの隣でリーネが驚愕している間に、想像以上の『閃光魔法(ベギラゴン)』の威力に瞠目しながらも、リリルカならばこれぐらいにはなるだろうと納得したベルとヴェルフが魔石とドロップアイテム目当てに食人花が消滅した場所に向かう。

 

「ドロップアイテムはなし。魔石までないとなると燃え尽きちゃったかな」

「あの威力だもんな。俺だってまともに受けたくないぞ」

 

 先程まで食人花がいた場所はすっきり何もなく、穿り返された石畳も『閃光魔法(ベギラゴン)』に溶かされて整地されてしまっていて、如何に破壊力がとんでもないかを物語っていた。

 

「注意せよと喚起される程、大したモンスターではありませんでしたね」

「アンタの魔法の威力が強すぎるだけだから」

 

 まだちょっと光の欠片を漂わせていた『てんばつの杖』を振って消して得意満面なリリルカに合流しながらツッコミを入れるダフネ。

 登場から五分にも満たない戦闘時間と殲滅力に、戻ってきたアイズも感心していた。

 

「みんな、すごいね」

「いえいえ、たった一撃で倒すアイズさんも流石です」

「ありがとう」

 

 ベルから称賛を受け、微かに笑みを浮かべながら返すアイズ。

 

「剣姫、ウチらはこの後はどうしたらいい? さっきみたいなモンスターがまた出てきた時の為に待機しとく?」

 

 人的被害は0。街の住人の避難は進行中。街への物的被害も最小限に抑えられたとしても、一度でも街中に現れたのなら再出現の可能性は残る。

 

「…………何人か残すので街の警備をお願いします。私達は港の方に――」

 

→上だ!

  いいや、港に行くね!

 

「ちっ、気づかれたか。やりな、お前達!」

 

 アイズが話している途中で戦闘の所為か、辺りの建物の光が消えていることに逸早く気が付いたアルスが警戒の叫びを上げた直後、近くの建物の屋根から無数の影が空中に躍り出た。

 

「なっ!?」

「カーリーファミリア!?」

 

 飛来する者達は全てターバンを顔に巻き付けていた。肌は揃って褐色で、衣装は各々防具を必要最小限にしたアマゾネス特有の装備。港町なら日焼けをして黒くなることはあれど、ここまで揃った装備などを鑑みれば、アマゾネスの集団であると考える方が自然。

 行われようとしている『儀式』をロキファミリアが邪魔しようとしているのだから、無数の影がカーリーファミリアと判断するのは当然の帰結だった。

 

――――――――――イシュタルファミリアが あらわれた!

 

 相手の正体を見誤ったまま戦闘が始まった。

 

 

 

 

 






食人花の経験値はドラクエ11のマンイータ―の経験値428を採用しました。


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