包容力MAXのイギリス人が妹になったので一つ屋根の下で暮らします。   作:瓜生史郎

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31話 3人の女の子とゲームセンターにいった

 レストランから出た後、花瑠香の言う通り、俺はスマホの電卓で計算して中原と2人でお釣りを分け合った。

 

「花瑠香さんも優しいな……。バイト代とは別にくれるなんて」

「昔からお姉ちゃんはああいう人だからね……」

 

 あんなヤクザみたいな口調の人でもこんなに優しいんだなと思う俺。それに比べて妹の方は……。

 

「何?」

「いや……何も……」

「まさか、私のお姉ちゃんを狙ってるんじゃないでしょうね?」

「んなわけねーだろ」

 

 睨みつけるように聞いてきた中原に呆れた表情で俺は返す。

 

 何でそんな話になるんだ、俺は年上好きじゃない。

 

「本当に?」

「本当だよ!!」

「何の話してるの?」

 

 そう言って、レストランの裏から出て来たのは、バイトが終わったクレアと優奈だった。

 

 二人ともおしゃれな私服姿で可愛いなと見つめていると、隣にいたクレアが俺に飛びつく。

 

「友太君お疲れ様ー」

「こ、こら……クレア2人が見てる……」

 

 後ろにいる2人を見ると、優奈はかなり不機嫌な表情になっており、中原はドン引きしていた。

 

「うわぁ……。いつもこんな感じなの?」

「うん。いつもあんなの」

 

 と俺にも聞こえるような声でひそひそと話をする2人。流石にこれ以上くっつかせていると2人の機嫌が悪くなってしまう。俺は優しくクレアを引きはがす。

 

「友太君……後はおうちでね……?」

「え?」

 

 顔を赤らめて、恥ずかしそうに言うクレアの表情はもはや完全に誘っているような表情であった。

 

 おい馬鹿、その表情はやめろ。

 

「友太……? それだけは絶対に許さないからね?」

「うーわー。マジで最低……」

「違うって!」

 

 クレアの表情を見た二人は何を勘違いしたのか、俺の顔をゴミを見るような目で見つめていた。

 

 家帰ったら覚えてろよクレア……。

 

「ところでせっかく4人揃ったんだし、どこかいかない?」

「いいけど、もうすぐ8時だぞ?いいのか?」

 

 話を切り出してきた優奈に俺はスマホの時計を見ながら返す。

 

 流石に、まだ深夜の時間帯ではないが夜にどこかへ出かけるのはやばくないか?

 

「まぁ、アルバイトで遅くなったって言えばいいだけだし……」

「私もお姉ちゃんは特に……」

「いいですね、行きましょう」

 

 3人は凄く乗り気だった。俺としては早く家に帰ってベッドで横になりたいんだけどな。

 

「友太?」

「友太君?」

「久野原君?」

 

 貴方は来ないの?と言わんばかりの目で俺を見つめてくる3人。

 

「わかった、わかった! 行けばいいんだろ?」

 

 見つめてくる3人にたまらず俺は承諾してしまう。

 

 俺こういうのに弱いんだよなぁ……。特に女の子からのこういうのには……。

 

「わかってるじゃない? 久野原君?」

「お前は何様だ」

 

 ニヤニヤと笑う中原にツッコんだ後、俺と3人は夜の町へと繰り出していったのだった。

 

 

 

「ゲームセンターに来るの久しぶりだね」

「たしかに優奈と来るの久しぶりかも……」

 

 レストランからほど近い場所にあるゲームセンターへやってきた俺と3人は、店内に置かれているゲーム機を見て回っていた。

 

 そしてゲームセンター内で一際目を輝かせてる者が1人。

 

「ここが日本のゲームセンター!」

 

 そうクレアだった。興奮した様子でゲームセンター内を見渡していた。

 

「あれ? クレアさんゲームセンターに来るの初めてなの?」

「はい。昔日本に来たときはお母さんにダメって言われてたので……」

「まあ今は友太が保護者みたいなものだから、いいんじゃないですか? ね? 友太?」

 

 そう言いながら優奈とついでに中原は俺の方を向く。

 

 まぁ確かに俺はクレアの兄で保護者でもあるけど……。年齢も同じだしそれは保護者と言えるのだろうか?

 

「そうかもしれないですね。ねぇ? お兄ちゃん♡」

 

 まるで銃に打ち抜かれたような衝撃が俺の胸に響く。凄まじい破壊力だこれ……普段お兄ちゃんなんて呼ばれたことがないというのもあるが、お兄ちゃんと呼ぶクレアの表情がとても愛らしかったのだ。

 

 もう俺の負けでいいです。今日から毎日お兄ちゃんって呼んでくださいクレアさん。

 

「お兄ちゃん」

「おに~ちゃ~ん~」

 

 俺がクレアのお兄ちゃん呼びで悶絶してるのに気づいた2人は、ニヤニヤと笑いながら馬鹿にするように、両脇から俺の事を呼んでいた。

 

「お前らからかうな!! 時間もないし何かやるぞ」

 

 からかってきた2人を叱り飛ばして、逃げるようにその場から離れていく俺。二人からからかわれて顔がめっちゃ熱い……。

 

 その後俺達4人は適当にゲームセンター内にあるゲームを始める。レースゲームやシューティングゲームやメダルゲームなどいろいろなゲームを楽しんだ。

 

 気づけば早いもので、夜ももう更けて来ていた。

 

「久しぶりにこんなにゲームセンターで遊んだかもー」

「そうだね。てか奈津希はしゃぎすぎでしょ」

「いいんじゃーん別にぃ……」

「2人でよく来るのか?」

 

 仲良く話す2人に割り込むように話しかけると、優奈は「うん、たまにね」と返してきた。

 

 本当にこの2人はすごく仲良いんだなと改めて感じる。俺は本当にこの2人の間に挟まっていてもいいのだろうか?うん。早く離れた方がいいな。

 

「てか、クレアさんはどこいったの?」

「あ、本当だ。どこいったんだよ? アイツ」

 

 中原に言われて気が付いた俺はゲームセンター内を見渡す。はぐれてしまったんだろうか?心配しながら探していると、1台のUFOキャッチャーの前で、物欲しそうに立ち止まっているのを見つける。

 

 近づくと中には大きな熊のぬいぐるみが入っていた。

 

「友太、こういうの得意だったよね?」

「昔の話だよ。今はできるかわからん……」

「妹のために取ってあげなよ」

「取れなくても知らんからな」

 

 圧に押されて、渋々100円を入れる俺。得意だったのは昔の事だし今はどうなっているかわからない。

 

 俺は昔のやっていた頃の勘を思い出しながら、ボタンでアームを動かす。そして照準を人形にロックオンするとそのままキャッチボタンを押す。

 

 するとどうだろう、アームは熊の人形を持ち上げて、落とすかと思いきやそのまま取り出し口の上まで持っていき、見事ゲットすることに成功する。

 

「まじ?」

「友太、すごい。やっぱり覚えてるじゃん」

 

 2人は俺に称賛の声を投げかける。まぁまぐれだと思うんだけどな。

 

 取り出し口から大きな人形を取り出すと、そのままクレアに手渡す。

 

 「ありがとう。友太君」

 

 万年の笑みでお礼を言うクレアに俺は少しドキっとしてしまい「お、おう」と曖昧な返事をしてしまった。

 

 

「ねぇ友奈、私達も取ってもらわない?」

「そうね、私達も欲しいの取ってもらいましょうか」

「お前らが出してくれるならな……」

 

 そう言うと2人はそれぞれ「どれにする?」と言いながら相当な台数があるUFOキャッチャーを物色し始める。

 

「私ももっと取ってもらおうーと」

 

 2人の様子を見てまだ欲しくなったのか、クレアも2人と一緒に物色し始める。

 

 マジで遅くならないと良いけどなぁ……。俺はそう思いながら財布を見ると、もう100円がない事に気が付く。俺は両替するべく両替機がある場所へと向かう。

 

「あった。両替機」

 

 少し歩いて、両替機を見つける。1000円札を100円玉に両替して、3人の元へと戻ろうとした時だった。

 

 おそらく俺と同じ年齢くらいの男6人が突如として円形に俺の周りを取り囲んできたのだ。異様な光景に俺は固唾を呑みこむ。

 

「お前らなんだ?」

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