包容力MAXのイギリス人が妹になったので一つ屋根の下で暮らします。   作:瓜生史郎

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本日初の一次創作で1万UAを突破しました。本当にありがとうございました。

これからもこの作品をよろしくお願いします!!


33話 幼馴染を家まで送っていってあげた

 クレアと別れた後、俺は腕に優奈をくっつけたたま優奈の家に向かっていた。

 

 俺が歩くとそれに釣られて自分で足を動かして歩いてついてくるので、気を失ってはいないようだ。

 

 というか、道行く会社帰りのサラリーマンからはものすごい剣幕で睨まれたりするし、そろそろ離れて欲しいんだが……。

 

「なぁ? 大丈夫か?」

 

 立ち止まって、俺はそう優奈に声をかけると、優奈は突如として顔をこちらに向けて睨みつける。

 

「友太は、今の私を見て大丈夫だと思うの?」

 

 少し涙を流しながら優奈は俺に顔を近づけて訴えかける。

 

 てかこの距離、俺が少しでも顔を近づければキスしてしまいそうな距離だ……。

 

「正直怖かったんだから、あんな変な奴6人に囲まれて」

「もう大丈夫だ。だからもう泣くのはやめろよな」

 

 俺は優しく涙を流す優奈の頭を撫でてあげた。

 

 やっぱり、今の様子を見ていると優奈は弱い自分を隠すために強い自分を演じていたんだなと改めて感じる。幼馴染として俺がちゃんと傍にいてあげないとな……。

 

「足りない……」

「え?」

「頭撫でるだけじゃいや……」

 

 そう言いながら優奈は俺に上目遣いで見てくる。

 

 なんか急に甘えたがりの彼女みたいな事言ってくるな……。

 

「あの具体的にどうすれば……」

「わからないの……? 本当に友太ってニブチン……」

 

 ため息を付きながら友奈は人目をはばからず横から抱き着く。

 

 急な出来事に、俺も胸の鼓動が高鳴るのを感じた。おいおい今何が起こっているんだ?

それに脇腹あたりに柔らかい物を押し付けているのはわざとか??

 

「あ、あのこれは……」

「抱きしめてくれなかった罰だから……。このまま家まで連れて行って」

「わかったよ……」

 

 いつの間に優奈はこんな甘えん坊になっていたんだ?普段の優菜からは想像がつかない変貌っぷりである。

 

 俺は自分の体にまるでコバンザメのようにくっついた優奈を引っ張って歩き始める。

 

「なぁ、あいつらそんなに怖かったのか?」

「当たり前じゃない……。あんな大勢の男に囲まれたら怖いよ」

「なんか普段のお前なら、めっちゃ暴言飛ばして追い払いそうだけど」

「私の事どんな女の子だと思ってるの?」

 

 少し頬を膨らませて優奈は聞いてくる。

 

「ちょっと性格がきつい女の子?」

「馬鹿……。やっぱり友太はニブチン……」

「悪かったよ。ニブチンで……」

 

 本当は分かっているんだけどね。でも今は黙っておこう……。そう思いながら俺は謝った。

 

「でも、あの変な奴らから守ってくれた友太かっこよかったから全部許す」

「それはどうもありがとう」

「これからも私の事守ってよね……」

「お、おう任せろ!」

 

 いつの間にか優奈はいつものような気が強い優奈に戻っていた。俺を抱きしめて怖さが和らいで良かったと思う反面、俺なんかみたいな奴が優奈の横に居てもいいのかな?と言う2つの思いが俺の中で錯綜していた。

 

 別にあのファンクラブの奴らに言われた事を気にしているという訳ではないが、一度友達関係を切るという身勝手で最低最悪の行為をした身だからだ。正直言ってそんな俺が優奈の傍にいる資格があるとは到底思えない……。でも優奈自身が受けて入れてくれてるならそれで良いのかな……?

 

 それにしてもさっきのような弱弱しい優奈も可愛かったなぁ、もう少し見ていたかったなぁ……。

 

「またなんか変なこと考えてる?」

「いやいや、そんなことないよ!!」

「どうだか……!」

 

 頬を膨らませて「ふん」と言いながら優奈は機嫌を悪くしてしまった。

 

 ただ弱弱しい優奈をもっと見ていたかったなぁと思っただけなのに……。理不尽だ。

 

 

「ようやく着いた」

 

 ようやく優奈の家に着いた俺は玄関の前まで付いて行ってあげた。

 

 出来れば、俺の苦手な人がこの家にいるので、玄関までは行きたくはなかったが、優奈の機嫌をまた損ねてしまう可能性があったからである。

 

「今日はありがとうね。楽しかった」

「おう。じゃあまたな」

「うんまた」

 

 手を振る優奈に、手を振り返して帰ろうとすると中から「久野原君来てるの!?」と興奮したような声が聞こえる。

 

「あ、あの人気づいたみたいだよ」

「マジで!?」

 

 玄関に俺の苦手な人の影が映ったのを確認すると、俺は一目散に家へ帰って行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、俺は開店前の喫茶ファンタジアにいた。

 

 俺と中原でモップを持ち床を磨いていると、昨日と同じ服装をした中原が晴れ晴れした表情で突然目の前にやってくる。

 

「昨日はありがとうね」

「ん? 何が?」

 

 急にお礼を言われて何のことか分からずに返すと中原はため息をつく。

 

「優奈を助けてくれたこと、もう忘れたの?」

「あー。別にアイツらが気持ち悪かったし、優奈も困ってたから……」

「アイツら、マジで気持ち悪かったよねー? 私のファンクラブ解散させといてよかったー」

 

 そう言って中原は安堵の表情を浮かべる。

 

「中原にもいたのか?」

「いたよ? 私がブチギレて無理やり解散させたけど……」

 

 なるほどそうやって無理やり解散させる方法もあるのか……。あれ?でもそれなら優奈のファンクラブも中原が怒鳴れば解散できるんじゃないんだろうか?

 

「でも優奈のファンクラブはそうもいかないのよねー」

「なんで?」

「……ほらあんたや優奈が気持ち悪いって言ってもほとんど効果がないどころか……逆に喜んでたでしょ?」

「あー……」

 

 気色の悪い表情を浮かべる中原に俺は察する。

 

 なるほどアイツら所謂ドⅯという事か……。中原みたいに怒っても効果がないという事だな。

 

 これはアイツら強敵だな……。ていうかなんだろう?急に寒気がしてきた。

 

「あーあー……。優奈はいいなぁ……ああやって守ってくれる幼馴染がいて」

 

 急にこいつは何を言い出すんだ……。俺は独り言だと思って反応せず、無視をする。

 

「私も守ってくれる幼馴染が欲しいなあ……ちらちら」

 

 ずっとこちらをしつこくチラチラと見て来るので我慢できなくなった俺は「あのなー」と言いながら振り向く。

 

「別に俺は優奈を幼馴染だから助けたんじゃねーよ」

「じゃあ好きだから?」

「いや、なんでそうなるの?」

「理由なんて必要か?俺は優奈を助けたいから助けたんだよ……」

 

 それを聞いた中原は納得した様子で「なるほどなるほど」と腕を組んで呟いていた。

 

「まぁなんか久野原君らしいというか、なんというか……」

「昔からそういうやつなんだよ俺は……」

 

 そうだ。俺は昔からこういうやつだった。困っている友達やいじめられている友達がいれば一目散に駆け付けるような正義感の強い男だった。

 

 いつから俺はこんな性格になってしまったんだろう?今の自分には足枷となってしまっている困っている。

 

「ふーん。やっぱ私久野原君の事嫌いだわ」

「は? 今嫌いになる要素あったか?」

「なんかムカつくから……」

「いやいやムカつく要素あったかって?」

「さぁ? 自分で考えてみたら?」

「お前なぁ!!」

 

 なんか理不尽な言われようだ。中原がそう言うなら俺もこいつの事嫌いって言って良いか?

 

 優奈が仲良くしろって言ってるからこうやって仲良くしているが、正直今すぐにでも真正面から俺もお前の事が嫌いだと言いたい気分である。

 

 それを横から見ていた中原は少しニヤリと笑い……。

 

「わぁ怒ったぁ!!」

「あ! 待て!!」

 

 逃げるように店内を駆け回る中原を俺は追いかけようとした所に花瑠香がやってくる。

 

「お前ら、本当に仲良いな……」

「「仲良くない!!」」

「いや仲良すぎだろ……」

 

 声が重なり合った俺と中原に花瑠香は終始呆れた表情だった。

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