包容力MAXのイギリス人が妹になったので一つ屋根の下で暮らします。   作:瓜生史郎

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43話 幼馴染の家でパーティーをしたpart1

 「おまたせしましたー」

 

 優奈とベンチに座って待っているとようやくクレアが帰ってくる。二人で相当な量を買い込んだようで大きなレジ袋をにいろいろなお総菜が入っていた。

 

 待っている間、先ほどの一件で優奈が機嫌を悪くして終始無言だったので、2人でいるのが非常に辛かった。ようやくクレアが来てくれて安堵のため息を付く。

 

「あ、あれ? 2人ともどうしました?」

 

 異様な雰囲気を感じ取ったのかクレアは俺と優奈の顔を交互に見る。

 

 すると、クレアの存在に気づいた優奈が立ち上がって、クレアの方へ笑顔で近づいた。

 

「なんでもないよ。じゃあ私の家に行こうか」

「は……はい」

「友太も行こ」

「お、おう」

 

 足早に出口へ向かって歩き出す優奈。それを見て何か違和感を感じて俺の方を見て首を傾げるクレアだったが、流石に優奈の前で先ほどの一件も言えるはずがなく、俺も首を傾げた。

 

 それを見てクレアは察してくれたのか、「後でね」と一言だけ言って優奈の後ろを追いかけた。

 

「はぁ……なんかこれから嫌な事がたくさん置きそうな予感」

 

 そう一言だけぼやいて、2人の元へと走ってクレアと優奈の後ろに追いつく。

 

 あの女の子が後に何かをしでかしそうなのは、もう容易に想像できる。その前にアイツの素性を洗い出さないとな……。

 

「友太、絶対あの娘の事は思い出さないで」

 

 何かよからぬことを考えていると思ったのか、不意に俺の耳に小声で優奈は耳打ちをする。そんな立ち止まって耳打ちをするくらいアイツは優奈にとって嫌な奴なのか?

 

 だが人間と言うものはやるなよ?と言われた事はやりたくなってしまう訳で、そんな事言われるとますます気になってきてしまう。

 

「友太?思い出したら許さないから」

 

 今の俺の考えを読み取ったのか、よくわかってないクレアと共に優奈は俺を睨んでいた。

 

「はい」

 

 ここは言う事を聞いておいた方が良さそうだ。

 

 その様子を見ていたクレアもやはり何の事かどうしても気になっていたらしく、帰りの電車の中で優奈がぐっすりと眠っている間に俺の座っている席に移動し、こっそりと俺に語りかける。

 

「ねぇ、友太君? 私がいない間に何かあったの?」

「俺が黒いベレー帽の女の子に会ってから、ああなんだよ」

「黒いベレー帽の女の子?」

 

 首を傾げるクレアに、黒いベレー帽の女の子とスーパーで出会ったことや、その娘が何故か俺の事を知っているという事を順に話した。

 

「なんだか、よくわかんないけど……。なんで優奈さんはその女の子から引きはがそうとするんだろうね?」

「わからん」

「でも、3人でお出かけしてるときに友太君が、他の女の子と関わってたらいい気分じゃないと思う。多分それもあったんじゃないかな?」

「それもそうか……」

 

 クレアの言う事にも一理はあると思うが、でもそうではない気がする。

 

 でも今はクレアの意見に賛同するしかなさそうだ。

 

「私だって怒るよ?だからもうその女の子事を今日は忘れようね?」

「そうする」

「そろそろ着くね。優奈さん起こそうか」

 

 そう言ってクレアは優しく肩を叩き優奈を起こすと、電車を降りて優奈の家に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 優奈の家に着いた俺達は、クレアと共に優奈の部屋へと案内される。

 

 家にの中に入って、内心びくびくしていたが、優奈の言う通り俺の苦手な人はおらず、ひとまず安心する。

 

「一応昨日掃除したけど……大丈夫かな?」

「大丈夫ですー。私が掃除しないとすぐ汚くする友太の部屋よりはマシですよ」

「悪かったな」

 

 優奈の部屋は白色の壁で、黒い絨毯を引いていてモノトーンを思わせるような女の子の部屋らしからぬかっこいい部屋となっていた。

 

 さらに部屋の真ん中には四角い白いテーブルが置いてあり、周りには3つのクッションが置いてあった。

 

「この机の上に買ってきたお総菜全部置けるよね?」

「これくらいなら大丈夫だと思いますよ?」

 

 2人はどこに置くかとか、何が欲しいとかを相談しながらイノンで買ってきた、小さいオードブルやお総菜やジュースをテーブルの上に置き始める。

 

「俺も準備手伝うよ」

「友太は座って待ってて、適当に置かれると困るから」

「は、はい……」

 

 どうやらお総菜の置き方にもこだわりがあるようだ。

 

 ていうかどんだけ買ったんだ?1つのお総菜が小さいとはいえ、相当な量があるように見えるが……。

 

「なぁ、これ食いきれるのか?」

「なんとかなるでしょ」

 

 大丈夫かな?でもいざとなれば、俺とクレアが持って帰ればいいのか……。

 

「でも一応、1人ゲストを読んであるから大丈夫だよ」

「いや誰だよ」

「ふふん、秘密ー」

 

 まさか俺の苦手な人を呼んでいるんじゃないだろうな?と思いながらクッションの上に腰を下ろした。

 

「はい、友太君」

「ありがとう」

 

 座ってほどなくして、袋に入った割りばしとお手拭きが俺の前に置かれる。

 

 2人も準備が終わって優奈が向かい側に座り、クレアが俺の隣に座る。一人ならそのままがっついてしまうのだが、今日は女の子がいるのでまずは手を拭かなければ、そう思い立ってお手拭きの袋を破こうとすると、クレアは俺からお手服の袋を取り上げて破く。

 

「友太君、ちゃんと拭かないとダメだよ?」

 

 あろうことかこの妹、優奈の見てる前で、そのままお手拭きで俺の手を拭き始めたのだ。

 

「ば、馬鹿!自分で拭けるって!」

「親切心でやってあげたのに……」

「ここ優奈の家だぞ?」

 

 ただでさえ優奈にあまりクレアといちゃつくなと言われているのに、この妹優奈が見てる前で、さらに優奈の家でするという2連コンボを決めてきやがった。

 

 慌てて優奈の表情を見ると、いつもと違って不貞腐れた表情で見ていた。おかしい。いつもなら冗談じみた顔で眉を引くつかせているのに。

 

「ごめん優奈……」

「何? 妹とのイチャイチャは終わった?」

「いや別にイチャイチャしてないけど……」

「そう……。じゃあ始めよ?」

 

 急に笑顔となった優奈に少し恐怖心を覚えつつも俺達3人はジュースが入った紙コップを持ち「かんぱーい」と掛け声と共にパーティーを開始したのだった。

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