包容力MAXのイギリス人が妹になったので一つ屋根の下で暮らします。   作:瓜生史郎

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52話 6人で別荘に行った part2

 

 さらに電車に揺られて1時間。クレアと三瀬川は喋り疲れてしまって寝てしまっていた。

 

 俺も寝ようとかと窓際に頭を付け、目をつぶろうとすると優奈が「ねぇ」と言って声をかけて来る。

 

「友太、心理テストをしない?」

 

 ニヤついた顔をしながら、スマホを見つつこちらを見ていた。

 

「別にいいけど……」

 

 俺こういうのあんまり好きじゃないんだよなぁ。盛り上がるから好きって言う人は多いけど。

 

「じゃあ、部屋に植物を置くとしたら? ①1輪挿しの花 ②大きな花束 ③サボテン ④観葉植物」

 

 こういうのって多分、好きな女性のタイプとか分かるやつなんだよな。

 

 まぁでも深く考えずに答えよう。うーん……大きな花束はいらないし、サボテンもなんだかなぁとなる。1輪挿しも味気ないなぁ……。となると。

 

「観葉植物かな」

「④を選んだ、貴方の好きなタイプは誠実かつ聡明な女の子です……。周りに流されることなく、努力するような姿に惹かれる可能性が高いと言えます」

「ふーん、久野原君こういうタイプが好きなんだー」

 

 何時ものように中原はニヤついたムカつく顔をする。

 

 何なんだこいつはいつも、いつも嫌いなのにからかうような事してきやがって。

 

「ま、まぁ……」

 

 俺は中原の対するイラつきを我慢して、返答する。

 

 別に好きなタイプはいないけど、とりあえず合わせておこう……。

 

「……こういう女の子が好みなんだ」

 

 がっかりしたような目で優奈は俺を見る。いやなんでそんな目で俺を見るんだよ……。

 

「どうした? 優奈?」

 

 俺は慰め目的でそう聞くが、優奈「なんでもない!」と吐き捨てるように言う。

 

 なんかすごく不機嫌だな……。

 

「次! お昼ご飯を食べに行ったらケーキも食べ放題! 何個食べる? ①食べない ②1個 ③2個以上 ④わからない」

 

 え、これ何が分かる奴だっけ?覚えていないぞ?

 

 でも食べ放題って、言われたら、食べてしまうかもなぁ……。

 

「2個以上で」

 

 そう答えると優奈の表情が一瞬にして曇った。

 

「長く好きな女の子がいるの……?」

「え? そんなわけ……」

「へー、ふーんー」

 

 少しご立腹な様子でそう言う優奈に「いねーよ」と呆れながら言う。

 

 長く想ってる人なんて俺にいるわけねーだろ……。長く俺と付き合ってたら優奈ならわかるだろうに。

 

「隠し事は許さないから……」

「だからいないって!! 幼馴染の優奈ならわかるだろ?」

 

 機嫌を悪くしながら「ふん」とそっぽを向く優奈に、中原はそっと耳打ちをする。

 

 その瞬間に優奈の顔が一気に赤くなり、頭から湯気を出しながら顔を下にして俯いた。

 

 こいつ何を耳打ちしたんだ……?

 

「じゃあ久野原君、私からね」

 

 俯いた優奈からスマホを取って、画面をスワイプして中原はどれを出そうか吟味する。

 

 こいつ絶対ろくでもない心理テスト出してくるぞ……。

 

「えっと、朝、目覚めたとき、部屋の窓のカーテンをどうしますか? A全部開け放つ B半分くらい開ける Ⅽ閉めたまま Ⅾカーテンだけではなく窓も開ける」

 

 なんかすごく普通なのが来たな。朝はカーテンだけじゃなく空気の入れ替えもしたいしなぁ……。

 

「Ⅾかな……」

 

 そう言った瞬間、この場の時が止まったように、無言のまま中原は口を開けたままフリーズして「え? 何?」と困惑する優奈に画面を見せる。

 

 すると優奈は、さらに顔を赤くしてぼん!という音を立てて爆発した。

 

「友太のエッチ! 変態!」

「な、なんで!? 結局答えは……」

 

 顔を真っ赤にして、涙を流しながらそう俺に訴えかけてそっぽを向く優奈に困惑しながら、中原に聞くと優奈にスマホを返し、窓から流れる景色を見ていた。

 

「自分で調べてね……」

 

 答えを教えてくれないのかよ……。

 

 その後自分のスマホで調べて出てきた答えを見て、俺は頭を抱えていた。俺はそんな欲求不満じゃねーよ……。

 

「今はほっといてくれ……」

「何があったの……?」

 

 クレアは優奈や中原にも聞くが「こいつド変態だった」と2人はぼやいていた。

 

「わ、わたしは……。どんな友太君でも好きだからね?」

「ありがと……ありがと……」

 

 正直それ慰めになってないよ……。

 

 その後、優奈に俺が話しかけても、一切喋るどころか目も合わせてくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 目的地の駅へ着くと、そこからさらにバスに揺られて30分。小原たちに案内されてようやく目的の場所へと到着する。

 

「着いたぜ」

「「「「おー」」」」

 

 俺と3人は目の前に現れた、立派な別荘を見て感嘆の声をもらした。

 

 豪邸とまでは行かないが、それなりにでかい屋敷のような木造の家だ。流石は財閥の娘さん。ここら一帯に広がる海や林は全て三瀬川の土地だそうだ。

 

「すげーだろ? 俺の三瀬川は?」

「あ、あぁ……。すげぇな」

 

 俺のが余計だったが、これは自慢しても良い話だ。凄すぎる。

 

 中に入ると、大きな窓からは広大なキラキラと輝く青い海が広がっていた。

 

「すごい……これ全部貸し切りなんですよね?」

「そうだよ」

 

 目を輝かせるクレアに小原がメガネを動かしながら、壁に背中を預けて答える。

 

 なんか今の答え方凄いムカつくんだが。一発殴ってもいいか?

 

「優奈、早く泳ぎに行こう」

「うん、それで水着はどこに置いてありますか?」

「こっちですよ、早く着替えて泳ぎに行きましょうか」

 

 早く海で泳ぎたくてうずうずしている優奈と中原に三瀬川が水着を置いてある部屋に案内する。

 

「久野原君?覗いたらダメだからね?」

「やらねーよ」

 

 ニヤついて微笑む中原に俺はそう断言する。

 

 ていうか、そんな顔をするなら一層の事覗いてやろうか……?

 

「どうする?俺らも泳ぎに行く?」

「そうだな。というか男用の水着って用意されてないんだよな?」

「残念ながら……」

 

 小原は非常に言いにくそうに言う。やっぱりな……。三瀬川は女の子だからおそらく女子用の水着しか別荘には用意されてないだろうと、予測していたが、それが的中して良かった。

 

 持って来ておいて正解だったな。

 

「とりあえず、俺達も着替えて砂浜へ行こうぜ」

「おう」

 

 小原も用意していた海パンをバッグから取り出して、俺と2人で奥の部屋へ着替えに向かった。

 

「それにしても、お前友達作らないって言っといて、地味に作ってるよな?」

「いや別に中原だけだよ。クレアは妹だし、優奈は幼馴染だから」

 

 そう言うと小原は嫉妬深い目で俺を見つめる。

 

「な、なんだよ」

「良いよなぁ……。仲良くなった女、皆学校のマドンナ達じゃん……」

 

 マドンナ……?優奈やクレアは分かるけど、中原がマドンナ?いやいや……。

 

 嫉妬する小原の気持ちもわかるが、小原の友達にもどうせ優奈やクレアクラスの可愛い娘もいるだろうに……。

 

「お前も何人かいるだろ……?」

「いるわけねーだろ!!??」

 

 急には小原は取り乱して、目から涙を流した。

 

「どうせお前は俺から三瀬川も奪っていくんだろ?」

「奪う訳ねーだろ? 馬鹿か!」

 

 きっぱりと俺がそう言うと、「はっはっは」と高らかに笑う。

 

「まぁ冗談だよ」

「なんだよ、脅かすなよ」

「でも、俺は三瀬川とお前がもっと仲良くなって欲しいとは思ってるぜ?」

 

 無言で俺は考え込んだ。もうこれ以上は仲のいい奴は増やしたくない。これ以上増やせば面倒事も多くなるだろうしな……。

 

 そんな俺を見て、小原は俺の肩に手を置く。

 

「まぁでも無理にとは言わんけどな。でもどうせこの別荘でのお泊り会が終わったころには三瀬川と仲良くなってると俺は予言しといてやるよ」

「予言当たればいいな」

 

 着替え終わった俺は、部屋から出ようとするとその後を「ちょっと待てよ」と言いながら追いかけて来る。

 

 小原の予言はどうせ外れる。そう思いながらビーチへ向かったのだった。

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