包容力MAXのイギリス人が妹になったので一つ屋根の下で暮らします。   作:瓜生史郎

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53話 6人で別荘に行った part3

 海パン着替えた俺達は、砂浜にビーチパラソルとビーチチェアを何個か設置して準備運動する。

 

 こういうのは念入りにやっておかないとな。

 

「クレアさん……、どんな水着で来るんだろうな……」

 

 何を期待しているのか知らないが、小原はとても不快感のある表情をしていた。

 

 だが、いやらしい事を考えているという事だけは分かる。

 

「おい……人の妹に欲情するな。三瀬川にチクるぞ」

「けど、お前も気になるだろ?」

 

 小原にそう言われて頭の中に浮かび上がったのは、クレアがお風呂に入って来たときに見せた成長しきった体だった。たわわに実った果実と引き締まった体に。そして……綺麗な形の……。

 

「おーい。お前何想像してるんだ?」

 

 目の前で手を振る小原の声で目が覚める。俺は妹でなんて妄想を……。

 

 いや、勝手にお風呂に入ってきたアイツが悪い。そうだ、そうだ。

 

「やっぱりお前も楽しみにしてんじゃねーか。クレアさんの水着」

「うるせー。妹の水着なんて微塵も興味ねーよ」

 

 気が付けば2人で「本当かー?」「本当だわ!!」と言い合いながら取っ組み合いの喧嘩となっていた。

 

 なんというしょうもない喧嘩だ……。他の人が見たら聞いて呆れるだろう。

 

「何やってるの? 2人とも」

 

 突如聞こえた声に驚いて振り向くと、水着に着替えた優奈と中原が呆れた顔で立っていた。

 

「おー、2人とも可愛い水着ですねー」

 

 2人の水着を見て小原が褒めると、2人「ありがとう」と返した。

 

 中原はショートパンツのような、ボーイッシュな水着で可愛いというよりもかっこいいという言葉が似合う水着だった。

 

 一方の優菜は、水色のビキニで優奈の細い身体を引き立てていた。フリルもついていてすごく可愛い。

 

「どうどう? 久野原君? 優奈の水着?」

「う……うん。すごく似合ってる」

 

 恥らない柄俺がそう言うと優奈「ふん」とただ一言だけ言って、去って行った。

 

「やーい、優奈に嫌われてやんのー」

 

 こいつ……。他人事だと思いやがって……。

 

「お前なぁ!!」

「わぁ! スケベ久野原が怒ったぁ!!」

「待ちやがれ!! この野郎ー!!」

 

 追いかける俺から中原は逃げ回っていると、そこに鬼のような形相の優奈がやって来て、中原の腕を掴んだ

 

「奈津季、早く泳ぎに行こ?」

「ちょ、ちょっと優奈引っ張らないで! 腕千切れちゃう!」

 

 優奈は中原を俺から遠ざけるように、海の方へと引っ張って行った。

 

「なんかよくわからなけど、どんまい」

「多分そういうのじゃない」

 

 励ます小原に俺は呆れながらツッコむ。

 

 さて後はクレアと三瀬川だが、アイツらはどんな水着で来るんだろうか?

 

「お……おい……久野原、あれ……」

 

 震えた声で小原は俺の肩を叩いてきたので、何事かと振り向くと驚いた顔で指を指していた。

 

 そんなに驚くものがあるのかと、小原が指差した方を見ると……。

 

「おまたせしましたー」

 

 ピンク色のミニスカート付きのビキニを着た、大きくたわわに実ったものを揺らしながら走ってくるクレアがいた。

 

「久野原……お前の妹戦闘力高過ぎじゃない……?」

「人の妹をどこかの戦闘民族の奴らみたいに言うな」

「そうですよ? 総司。失礼です」

 

 クレアの後ろからやってきたのは、パレオを付けた白い水着の三瀬川だった。

 

 その姿を見て小原は片手を上げて。

 

「はーい。ごめんなさーい」

「わかればよろしいのです」

 

 本当に三瀬川は小原のしつけがうまいな……。

 

 俺にも小原のしつけの方法教えてもらおうかな?

 

「友太君……? 私の水着どうかな??」

 

 背中を指でつついて、もじもじとしながらクレアは俺に聞いてくる。

 

「すごく似合ってると思う」

「本当? ありがとう!!」

 

 そう言いながらぎゅーっと「買ってよかったー」と言いながら俺を抱きしめた。

 

 こいつはいつもいつもこうやって……、良くみんなが見てる前で僕を抱きしめられるな……。

 

「皆がみてる……」

「おー、妹に懐かれてていいなー」

 

 遠くを見つめるような目で小原は抱き着かれている俺の姿を見ていた。

 

「あぁ……。こういう兄妹イイ!!」

 

 その隣ではスマホを取り出してパシャパシャと、俺とクレアを何回もシャッターを切る。

 

「離してー……」

「友太君、好きー♡」

 

 優しい顔つきでクレアがそう言うと、さらにテンションが上がったのか三瀬川は、さらにいろんな角度からカメラを撮っていた。

 

 撮ってないで、俺からクレアを引き離してください……。

 

 するとそこに、海から上がったのか濡れた優奈が、引きつった顔つきでクレアの方にやって来る。

 

「クレアさん、私と泳ぎに行きましょう? 奈津季も待ってますし……」

 

 手を引っ張る優奈の顔は、顔だけが笑っている状態だった。

 

「ちょ、ちょっと優奈さん?」

「ほら、クレアさんこっちこっち」

 

 中原に引き続き、クレアまでもが俺から引き離されてしまった……。

 

 相当あの心理テストの事でご立腹のようだ。

 

「じゃあ私も、優奈さんのとこへ行ってきますね」

 

 三瀬川もクレアを引っ張る優奈の後ろへと付いて行く。

 

「俺らも、泳ぎに行くか?」

「おう、そうだな」

「とりあえず、あそこの岩場まで競争な」

「望むところだ」

 

 俺達2人は頭に付けていたゴーグルを目に装着し、「よーいスタート」の声で勢いよく泳ぎ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 男二人で30分ほど泳いだ後、俺達はビーチから少し離れた岩場で休憩していた。

 

「それにしても、本当に綺麗だな……。ゴミ1つ落ちてない」

「ま、プライべートビーチだからな。ちゃんと整備されてるみたいだなー」

 

 流石は財閥が持っているビーチだ。漂流物1つない、綺麗な砂浜だ。

 

「あ、そうだ。この前の件だけどさー」

「何か、分かったのか?」

 

 「それがさー」と小原が言いかけた時、沖合からアヒルの形をした浮き輪がこちらへと流れて来る。

 

「友太くーん、小原さん。やっほー」

「おークレアさんどうしたの?」

「優奈さんがいる場所から、流されちゃった……」

「あちゃー」

「いや、あちゃーじゃないぞ」

 

 面白おかしく小原は優しくそう言ってるが、もし俺達がいない場所流されていたら大惨事になる所だった。

 

「気を付けないと、お前マジで難破するぞ」

「ごめんなさい……」

「まぁまぁ久野原、そうかっかするな」

 

 良くない雰囲気を物色するように、小原が場を和ませる。

 

「おう……」

「とりあえずクレアさんを植野さん達がいるとこへ送り届けてあげたら?」

 

 「そうだな」と海へ飛び込みながら言い、クレアの乗っている浮き輪を後ろから掴む。

 

「じゃあちょっくら行ってくるわ」

「おう、行ってらー。俺ここまで待ってるからー」

 

 小原のいる岩場を後にし、浮き輪を波に載せて後ろから押し、優奈のいる場所へと向かったのだった。

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