包容力MAXのイギリス人が妹になったので一つ屋根の下で暮らします。   作:瓜生史郎

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55話 6人で別荘に行った part5

「もう私達食べちゃいましたよ?」

 

 三瀬川とクレアは、遅れてきた俺達にご立腹のようだった。

 

 やっぱさっきの話、食べ終わってからでも良かったんじゃないのかな?

 

「総司の分はここです」

「はい」

「友太君のはあっち」

「はい」

 

 指差されたパラソルの下にあるテーブルへ俺たち二人はそれぞれ向かうと、綺麗な容器の弁当箱が置いてあった。

 

 俺が指差されたテーブルでは、優奈がもくもくと同じお弁当を食べていた。

 

「よ、よお。優奈」

 

 近づいて話しかけるが、優奈は一瞬だけ俺の方を見て何も言わずに無視をする。

 

 まだ優奈もご立腹なんだな……。さてどうするか。まずは謝罪をしないとな。

 

「心理テストの件ごめん」

 

 また一瞬だけこっちを向く優奈。反応したと言う事はやっぱり心理テストの件で怒ってるのか……?

 

 だけど、心理テストの事とはいえ、どっちの方で怒ってるんだろうか?うーん、やっぱり両方の事を謝るしかないのか?

 

「俺別に昔から好きな娘もいないしさ、別に性欲そんな高くないんだよ。だから……えっと……」

 

 他に謝罪する事は……と頭の中の引き出しを開けていると、徐に優奈は立ち上がる。

 

「もういいから……。もう気にしてないから」

 

 一言そう言って、俺に笑顔を向けると、食べ終わった弁当箱を持って去って行ってしまった。

 

 なんだろう?これは許してくれたって事で良いのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 午後からは女子たちはビーチバレー。俺と小原はビーチチェアの上で寝転がっていた。

 

 あれだけ午前中に泳いでたのに、まだ動けるのか……、元気でいいなぁ……。

 

 暫くウトウトしていると、俺達の寝ているビーチチェアーに誰かが近づいて来ていた。

 

「総司?ちょっと起きて」

「ぐかー」

「総司!!」

 

 いびきをかきながら寝ている小原を三瀬川が起こしていたが、起きる気配がない。

 

「三瀬川どうした?」

「近くのスーパーに夕飯の買い出しに行こうと思ったのですが起きなくて……」

 

 気が付けば、もう日が落ちようとしていた。

 

 ただぼけーっと寝転がっていただけなのに、もうそんなに時間が経っていたのか……。

 

「俺行きましょうか?」

「本当ですか?」

 

 俺の提案に三瀬川は嬉しそうに目を輝かせる。

 

「小原、起きなさそうだし……」

「助かります」

 

 いびきをかく小原を横目に、別荘へと戻ろうとすると……。

 

「私も行く」

 

 砂浜から急いで優奈もやってくると、三瀬川から遠ざけるように間に割り込む。

 

「優奈さんも助かりますー。じゃあ3人で行きましょうか」

「はい、行きましょう」

 

 ていうか、優奈はなんでさっきから不機嫌そうにしているんだろうか?

 

 その後別荘で着替えた俺達は徒歩5分の場所にあるスーパーへやってきていた。

 

「何を作るんですか?」

「やっぱり、こういうお泊り会だとカレーじゃないですか?」

 

 確かに定番ではあるな。俺もカレー大好きだし。

 

「まぁ良いんじゃないか?」

「私も良いと思います」

 

 俺達2人の賛同を得た三瀬川はカレーのルーの箱を何個か籠に入れた。

 

「そういえば、米はあるのか?」

 

 そう聞くと三瀬川は「あっ」と言いながら立ち止まる。

 

「あるとはお、思うんですけど……前に来たのが1年も前なので……」

「虫とか湧いてないか?」

「そうですね。念のため買って行きましょうか」

 

 急いでお米の袋が置いてあるコーナへと向かう。

 

 流石に一年も放置していた古米を食べるわけにはいかないよな。虫が湧いてそうだし……。

 

「とりあえず5㎏で足りるか?」

 

 俺は5㎏のお米が入った米袋を指差す。

 

「6人ですと、10㎏は合った方がいいかもしれませんね」

 

 「よいしょ」と声を出しながら、積み上げられていた10㎏のお米が入った袋を持とうとする。

 

「お、おい……。大丈夫か?」

「は、はい。私力は強いので……」

 

 だが、三瀬川はそう言っているが米袋を持った三瀬川は左右にフラフラとしていて、不安定だった。

 

 そして予想通り、三瀬川は隣の商品だなに倒れそうになる。

 

「危ない!」

 

 咄嗟に差し出した両手で三瀬川の体を支える。

 

「あ、ありがとうございます」

「いや、無事で良かったよ」

 

 2人で顔を見合わせながら言い合っていると、優奈が隣で不機嫌そうな顔をして咳ばらいをした。

 

「あぁっと、米袋は俺が持つよ」

「じゃあ、お願いしますね」

 

 笑顔で三瀬川は俺に米袋を床に置くと、俺はそれを持って歩き出した。

 

 その後ろで優奈は俺の背中を不機嫌そうに見つめる。

 

「ゆ、優奈どうした?」

「な、なんでもない。お肉取ってくる」

 

 仏頂面でそう言い放つと逃げるように優奈は精肉コーナーと走って行った。

 

「な、なんなんだよ……」

「うふふ」

「え、何笑ってるの?」

「いえ、何も」

 

 何か分かり切った表所をしながら、俺を見て微笑んだ。

 

 女の子気持ち……、よくわかんねぇ……。

 

 

 

 

 

 

 その後、カレーやその他料理の材料を買った俺達は別荘へと戻っていた。

 

 あぁ、そうだ思い出した。三瀬川に聞きたいことがあったんだ。

 

「そういえば、三瀬川なんで小原と付き合う事にしたんだ?」

「それ私も気になります」

 

 優奈も興味津々だった。

 

「やっぱり気になりますよね……」

 

 「ふふん」と少し顔を赤らめながらも三瀬川上機嫌にそう言う。

 

「そりゃもちろん」

 

 優奈もうんうんと頷いている。

 

 そりゃ小原と三瀬川という真逆の性格の人間が何で恋仲になってるんだろうと不思議に思ってしまうのは、当たり前なのではないだろうか?

 

 聞かれた三瀬川もノリノリだし、これはもしかすると良い馴れ初め話が聞けるかもしれない。

 

「それはですね……」

「それは……?」

「ただ昔から家が近所で幼馴染だったからですよ?」

「「え?」」

 

 俺達は呆気に取られていた。もっと小原が何回も告白したのかとかいろいろストーリーがあるのかと思っていたからだ。

 

「昔からよく遊ぶ仲だったんです。そうしていくうちにだんだんと恋仲になっていって……」

「それで今に至ると……」

 

 なるほど、幼少期は俺と優奈と同じ関係だったのか。違うのはそのまま恋人関係に発展したか、関係を切ったかだ。

 

 俺達とは、真逆の運命を辿ったという事か……。

 

「はい……。そう言えばお二人も幼馴染でしたよね?お二人も私達みたいになればいいですね」

「え……。まぁそうですね」

 

 まぁ多分の調子だとはそうはなりそうにないな。

 

 渋るように返事をして優奈の方を見ると、優奈は顔を真っ赤にして「はい」と小さな声で返事をしていた。

 

「優奈どうした?熱でもあるのか?」

「うるさい、こっち見るな!!ニブチン友太」

「久野原さん?今のは0点です」

「はいー?」

 

 2人の女子の痛い視線に訳が分からなくなる。ただ俺は心配しただけなのに……。

 

 そう話している内にもう別荘へ着いていたのだった。

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