ちなにみまだ百合要素ないです。
「月樹さーんもう21時だからあがっていいよー。」
「はい。レジ閉めてからあがりまーす。」
レジを閉める作業を行い時計を見る。時刻は21時ちょっと前、私が働いているスーパーの中に閉店のお知らせの音楽が店内に響く。
(あーあやっぱ午後勤変わってあげるんじゃなかったなぁ。閉店までって聞いてなかったんだけど…)
「お先に失礼しまーす。お疲れ様でーす。」
「お疲れ様。遅くまでごめんね。助かったわ。」
「はい。お疲れ様です。」
パートの小林さんに挨拶しながら裏方に行きタイムカードを切り、更衣室に自分のロッカーを開けると不意に先程まで感じていなかった疲れが私を包み込むように襲いかかる。
(はぁーめっちゃ疲れた。帰るのだるくなってきちゃったな)
制服を脱ぎ、結んでいた髪をほどき私服に着替えていると後ろから扉の開く音と同時に「お疲れ様でーす」と大学生の先輩が声をかけてくる。
「お疲れ様です。」
「お疲れ〜ツッキー…ってツッキーが閉店までいる。なんかあったの?超レアじゃん。」
「人をレアモンスターみたいに言わないで下さいよ藍衣パイセン。ただ本多君が午後来るなり体調悪そうにしてたんでいったん中抜け扱いで午後勤変わったあげただけですよ。」
「あ〜そゆことね。本多っち真面目だから体調とか悪くても”自分が休んだら迷惑かけちゃう!”って思って頑張っちゃうところあるもんね」
「真面目なら自分の体調管理と来てから休んだら他人に迷惑かかるって考えついて欲しいですけどね。」
「んも〜ツッキー厳しいね。」
「これが普通ですよ。まだ子供とはいえ同じ高校生なんですから自分の行動がどう他人に作用するか考えられるんですから自分の言動には責任持たないと。それが分からない歳ではないじゃないですか。」
「まぁ確かに笑ツッキーの言い分も分かるけど真面目な子程考えが行き過ぎちゃう事結構あるよ?」
「そゆーもんですかね?」
「そーゆーもんもん。」
ふと着替えてる藍衣パイセンに目を向ける。
デカイ
すっげぇデカイ。
藍衣パイセンは大学二年生であり、私がこのスーパーで働く三年前から働いてるベテランさんであり、身長も170cm近くあり、頭も顔もよく、性格もさっきの会話の通り他人に優しくフォローもできる俗に言う高嶺の花と言われる位完璧人間。そして体型も男子の視線を一身に受けるようなグラマラス。
(こういう人程なにか一つ可愛い弱点とかないのかね。夜道怖いとか料理がド下手とか。あー服脱ぐと余計にデカく感じるなぁ。なにあの胸シリコンでも入れてんの?めっちゃ綺麗やん。エロいとかじゃなくて綺麗なのほんとずるい。)
ふと視線を自分の胸に向ける。
そこそこですね笑
隣を見る。
あかん女としての完成系がいると心の中の私が壊れてしまう。
「あ〜あやっぱ胸デカイ人みると自分も胸でかくなりたいなって思うもんですね。」
(ん?今声に出た?あーこれ完全に疲れてますね。普段の心の中の私が抑えきれてないですね。自称クールで通ってるのに)
「あれ?ツッキー意外にも気にするタイプなんだ。私てっきりおっきいと肩凝るし、ブラも可愛いのないからその人の体型にあった大きさがベストです。とか言いそうなのに( ¯ᵕ¯ )」
「あ〜あれです。なんか女として負けた感じがしたんでつい口に出てたって感じですかね。ほんとデカいですね。何カップです?あと普段から何食べたらそんなになるんですか?」
「おぉう。なんかスムーズにセクハラに移行したね。
でもまぁ確かに思春期だと気になるもんね。確かこの前測った時はFだったかな?後普段は健康に気を使って栄養バランスがしっかりした食事をしてますよ。まぁ強いて言えば唐揚げが好きかなぁ。」
「あーやっぱそうなんですね。グラビアアイドルとか結構な確率で唐揚げ好きって言いますもんね。やはり唐揚げか…」
「真剣になって考えている所悪いけど胸の大きさって太りやすい体質の人とか正しい生活習慣とか送って乳腺を太くする女性ホルモンを分泌した方がいいらしいよ?」
「どう云うことですか?」
「胸の大きさって乳腺が太いか細いかで変わるらしくて太りやすい体質の人はそのまま脂肪を蓄えるから大きくなりやすい。あとは女性ホルモンが乳腺を太くするから夜更かししないとかストレス溜めないとか過度なダイエットしないとかすると良いらしいよ。あと遺伝的要素って30%位だって。
ツッキーのお母さんはどうなの…ってごめん。ツッキー」
「あーいえ。両親の事は気にしないでください。私が物心つく前に亡くなってるんで両親の声とか思い出とか全く記憶にないんで気にしないでください。でもやっぱりそうですか医学的根拠に基づいてバストアップするべきなんですね。参考になりました。ありがとうございます。」
「あっうん。どういたしまして。あとごめんね色々と」
「じゃあ帰りますか。藍衣パイセン。」
「そうだね。そうしよっか。」
少し冷えてしまった空気ではあるが私自身気にしてないから過剰に反応されるより流せる時流してくれる方がよっぽど楽なので藍依パイセンのこういった処世術はありがたい。
二人で更衣室から出て裏口に向かっていると店長が管理室から出て来たので「「お疲れ様です。」」と二人同時に挨拶すると店長は「あい。おつかれ。」と軽く返してきたので会釈し帰路に踵を返すと店長から声をかけられた。
「月樹さん今日はありがとね。本多くんの件小林さんから聞いたよ。いつも何かと嫌な事押し付けちゃう形になってごめんね。なにかあったら要望聞くから忌憚なく言ってね。」
と思いがけない言葉をかけられた。確かにレジのアルバイトは学生の子が多いがその分抜けることも多い。そういった時は多めにシフトを増やしたり、今日の様に交代しているがお金も稼ぎたいのでまぁラッキー程度で考えていたが思いの外助けになっていたらしい。でも拘束時間教えてもらっていいですか?あと出来れば休日出勤はもう…平日出てるんで…大丈夫ですかね?」
「あぁ全然良いよ。寧ろ最近まで働かさすぎたよね。藍衣さんの言うように来週からまた新しい子達が入ってくるから月樹さんは前の平日出勤のシフトに変えて大丈夫かな?出れない日とかあったら僕からレジのマネージャーに言っておくから気兼ねなく言ってね。あーマネージャーに言ってもいいけどあの人ちょっと時間に煩いから言いにくかったら僕を通してくれれば何とかするよ。」
「ありがとうございます。それじゃあ明日お休みでいいですかね?」
「うん。引き止めて悪かったね。二人とも一人暮らしだったよね。夜道には気をつけてね。女性だから特にね。」
「はい。ではお先に失礼します。お疲れ様でした。」
「お疲れ様です。あー店長!今のセリフ、セクハラになる可能性があるので言い方気をつけた方がいいですよ。最近の学生その辺厳しい子多いから。」
「あはは…気をつけるよ。藍衣さん。」
店長との会話を終え無事明日休みを確保することができ少しテンションがあがりながら帰ろうと藍衣パイセンに「お疲れ様です」と一言言って帰ろうとしていると後ろからバイクに乗った藍衣センパイがバイクに跨りヘルメットを私に私に向けながら「乗ってきな。お嬢ちゃん」と昭和のラブロマンスでありそうで中々ないセリフを言ってきた。
まぁ歩くのかったるいしなとヘルメットつけてセンパイの後ろに座るとセンパイはバイクを走らせた。
私の住んでいるアパートはアルバイト先のスーパーとは近く、自転車で10分掛かるか掛からないか位の距離にある。藍衣パイセンは私の家を知らないのでナビゲートしようと声をだそうとしたが藍衣パイセンのバイクは私のアパートへの道を軽やかに走っている。
(んんん?パイセンなんで私のアパートへの道知ってるの?)
そう先程の会話にあったように藍衣パイセンとは更衣室で会話してたように基本的に平日出勤であり、それでいて閉店まで残るのはかなり珍しい。何回か閉店まで残ったことはあるがその時は閉店作業などでパイセンとは入れ違いすれ違いの形になり、そもそもパイセンとこうして帰るのも初めてである。
そして何より私の住所を知っているのは店長と人事の人位である。私自身一人が好きな性分なので学校の友達にも家の場所を教えてない位だ。勿論先輩にも教えてない。まぁ一人暮らしをしている程度は話したがそれくらいであるのにパイセンは当たり前かのように私のアパートへ
もしかして少しの会話で私の住所を割り出したとか?それとも後ろをつけてたとか?どちらにせよあまり心情は穏やかではない。少し震える声でパイセンに話しかける。
「あの〜藍衣センパイ…なんで私の住所をご存知なのでしょうか?」
パイセン呼びを忘れてしまう程の恐怖に襲われながらなるべく相手を刺激しないように思考をフル回転させる。
「もしかして私センパイに住所教えたことありましたっけ?送って貰っているのに申し訳ないんですが、どうして私の住んでるアパート分かるんですかね…」
(お願いします神様!なにか悪い事ではありませんように!)
パイセンが口を開く。
「ごめーん。ツッキー。前にね帰ってる途中でツッキーがアパートに入ってくの見えてそれで場所分かるって感じかな?」
「ほらツッキーのアパートを奥に行くとマンションあるじゃん。あれ私が住んでるマンションだからホントたまたま。
怖がらせる様な真似してごめんね。」
「なんだそれならそうと先に言ってくださいよ藍衣パイセン。もしかしたらパイセンが警察にお世話になるようなことしたのかなって思いましたよ。」
「アハハハごめん。ツッキー早く帰りたそうにしてたから。っと着いたよツッキー」
そう言ってパイセンはバイクを停める。スーパーから近いのもあるがバイクだった為普段よりより早く着いた。
バイクから降りお礼を言うとパイセンは「戸締りしっかりね。おやすみ」と一言だけ残して言った。
私が住んでいるアパートは比較的綺麗で新しめの物件である。ちなみに部屋は101号室であり、一番左隅の部屋である。中はリビングとキッチン、そして寝室とトイレとお風呂は別々の中々住みやすい部屋である。
他の部屋には104号室に老夫婦の佐々木さんが住んでいる。アパート自体横長の構造になっており、105号室まである。近くの一軒家にアパートのオーナーさんの泉さんと言う40代位の女性が住んでいる。
鍵を開け部屋に入り扉を閉め、チェーンと鍵を閉めてドアスコープにカバーかけて郵便ポストが塞がっているか確認してから一息つく。
(あーめっちゃ疲れた。なんかお腹すきすぎて減ってないなぁ。でもなんでもいいからお腹に入れないとなぁ…)
そんなことを考えながらお風呂に入り、体を綺麗にし、冷蔵庫を開けるが中にはリンゴや調味料のみで夕食になるような物はなく気分が一気に落ちる。棚を見てみるとカップ麺があったが夜に食べるには少し罪悪感があるので辞めといた。
時計を確認すると十一時を指すところであり、私は慌ててパソコンを開き通話アプリを開き先に始めていた幼稚園からの友達に「ごめんごめん」と平謝りをし、日が超えてるまで一狩りした。
最近女子力無くなってない?
最後まで読んでいただきありがとうございます。