「いただきます」を君と   作:もっちーやん

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やっと物語が始まります。


第二品 お料理得意なんですね

ピピピピと部屋に電子音が響き渡る。

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

 

電子音と共に目が覚め仮にも花のJKが出してはいけない声と共に枕元にあるスマホに手を伸ばす。

スマホの画面には午前7時を写している。アラーム止めて伸びをしてからベットから降りる。

 

(めっちゃ眠い…)

 

眠いのも当然昨日の夜一狩り所か盛りに盛り上がり朝の3時くらいまでゲームで遊んでいたからである。

 

(まぁでも楽しかったし、今日バイトもないしいっか)

 

短絡的思考といえばそうではあるけどなんだかんだで良くも悪くもすぐに思考を切り替える事が出来るのが月樹桂のいい所の一つである。

 

ベットから降りた私は顔を洗い、パジャマを脱ぎ捨て、少しでもさっぱりする為にお風呂に入る。お風呂を出て髪を乾かし体を拭きながらシャンプーやリンスを買わないとなぁと考えからオーバーサイズのパーカーとショートパンツという女子らしい格好に着替え、今日は何をしようと考えたが冷蔵庫が空っぽな事を思い出し、とりあえず今日は買い出しに行き、午後は何しようか考えながら壁に掛かった時計に目をやると時刻は9時前を指している。

 

(あーやば!もうこんな時間買い出し行かなきゃ。)

 

急いで財布を持ち家を出る。アパートを出るとオーナーの泉さんがゴミ捨て場を掃除していたので挨拶をすると今日隣に引っ越してくる人がいるからもしかしたらドタバタ煩くなるかもと言われとりあえず「分かりました」とだけ返しスーパーに向かう。

 

(そういえば今日の朝市何が安いっけ?最近出費が多かったからなるべく安くなるようにしないと…)

 

そんな事を考えながら店内に入ると店長とすれ違う。

 

「あっ…おはようございます店長。お疲れ様です。」

「おはよう。月樹さん。あーちょっと待っててくれる?渡したいものあるんだ。いつものお礼ってことで。」

「はぁ…分かりました。」

 

渡したいもの?あれかな裏方の人が旅行に行ってそのお土産とか?でも誰も旅行行ったとか聞いてないしな…

 

そんなこんなで店長こと数分。

 

「ごめんごめん。おませたね。はいこれ」

 

そう言って店長は紙を渡される。

ってこれ商品券!しかも五千円分も!

 

「あのっ!これ良いんですか?貰っても…」

 

突然の出来事に吃驚していると店長は笑顔で

 

「うん。今までの感謝っていうか色々お世話になったからね。何も言わずに受け取ってもらうと有難いな。」

「あのー気持ちは嬉しいんですけど私だけってのはちょっと…」

「あー大丈夫だよ。アルバイトの子には特別手当とかで渡してるから。まぁでも他の子達よりも多いってのはあるけどね。」

「そうゆうことですなら、遠慮なく貰っときますね。ありがとうございます。」

「うん。そういえば今日は野菜とお肉安いからお買い物の参考にしてね。」

「ありがとうございます。では」

「うん。お疲れ様」

 

(ラッキー!なんか知らないけどボーナス貰っちゃった。)

 

青果の社員さんや生肉のマネージャーと会話をしながら買い物を済ませてレジに向かう。

 

「いらっしゃいませってツッキーちゃんどうしたの!今日出勤じゃあないの?」

「あー石井さんそれなんですけど昨日本多くんの午後勤変わったんでその分今日の午前中休みなんですよ。もしかして説明いってませんでした?後レジ袋ください。」

「なーんだそういう事ね、了解。ならしっかり食べて休んでね。最近ずっと働いてたんだから。少し痩せたでしょ。」

 

「あはは…そうですね。しっかり休みます!」

「うん!その調子でね。お会計4938になります。ポイントカード忘れてた。持ってる?」

「ありますあります。じゃあカードとお支払いは商品券で」

「お預かりします。ポイント使う?」

「あっいえそのままで。」

「はいよ。お返しが62円になります。後外出るならパーカーだけはやめときな。何あるか分からないから。」

「大丈夫ですよ。パーカーの丈的に見えませんけど下にしっかりショートパンツ履いてるんで!」

 

そう言ってパーカーを捲り上げる。すると「そんな事するんじゃないよ」と怒られてしまった。

そのまま別れの挨拶をしてサッカー台に行き買った商品を詰めて一旦そのまま家に帰る。

家に着くと業者のトラックがアパートの前に止まっていた。

 

(あー泉さんが言ってた引越しの人かぁ。珍しいなこんな時期引越しなんて)

 

今は五月である。GWが近い時期に引越しとかあれかな?社会人の人とかかな?異動とかで?

 

そんなことを考えながら家に入り冷蔵庫に買ったものを入れ、お昼と夜は一緒のものでもいいやと思いシチューを作っていくことにした。

 

(ブロッコリーとか人参とか安くてよかった。お肉も鳥肉と豚肉が安かったら明日の学校のお弁当も作りやすいし)

 

シチューは簡単に出来て栄養もとれる一人暮らしのお供になる料理である。

まず野菜を洗っていく。人参はピーラーで皮を剥いていく。この時先端部分から太い方に剥いていくとやりやすかったりする。ブロッコリーは花蕾の部分をよく洗い、茎の部分から切り分けて耐熱皿に切った蕾を乗せ水を少しふり、レンジで600wで三分程度加熱していく。

 

その間に買った鳥肉を油の引いたフライパンで焼き目がつくまで中火で炒めていく。普段は玉ねぎやじゃがいもも入れたりするが今回はがっつり食べたい気分だったので具材の種類を少なくする変わりに多くお肉を入れる事にした。

 

下処理が終わったら鍋に人参とブロッコリーそして鳥肉を入れて水を600ml入れ弱火で15分程度火にかけ、人参に火が通ったか竹串を刺し柔らかくなっていたら、牛乳を300ml、コンソメ顆粒一粒とシチューの素を一箱分、そしてお好みでチーズを一掴み分いれ、中火で鍋の底に焦げ付かないようにお玉で混ぜて、とろみがつくまでおこなう。

 

(うんよし!このくらいかな?それじゃあ一旦火を止めて、さっき買ったフランスパンを切ってバター塗ってトースターで焼こっと )

 

完成した料理をお皿に乗せてリビングに行き、テーブルに置き、コップに水を入れて飲み物を準備したらテレビを付けてすぐにサブスクを開いてアニメを再生する。

 

私がご飯を食べる時は大抵アニメか映画を観ながら食べる。行儀が悪いと言われればそうだが一人のご飯を部屋で無音で食べるのは精神的に辛い部分がある。

 

(一人のご飯は好きだけど、静かだとなんか世界から私以外がいなくなったような気がして嫌なんだよね。)

 

そんな考えが脳裏をよぎるが隣からバタバタという音が聞こえそんな考えも霧散する。

 

(いやーお隣さん結構ドタバタしてるけど大丈夫かしん。てかお隣さんって男の人なんだろうか?それとも女性?まぁどっちにしても対して関わりが無いだろうからいっか。そこそこのご近所付き合いで)

 

なんて思いながらご飯を食べならがらアニメを見る。お昼も食べ終わり食器を片し、シチューを冷蔵庫にいれて午後は何をしようか考えているとスマホが鳴る。

 

(なんだ?もしかして応援の電話?今からバイト?)

 

とか考えながらスマホを開くとそこには先週修理に出した自転車が治ったとの連絡だった。

 

「あーそういえば修理出してたんだった。えっと…秦野のあそこだから電車で行かなきゃ。てか帰りチャリかぁ…前は藍依パイセンに車だしてもらったからいいけどちょっとだるいな…」

「なんて考えててもしょーがないか!午後何も予定無かったし取りいきますか。後ついでにさっき日用品買い忘れたから買わなきゃ。」

 

そんなこんなで自転車を取りに行き、帰りの薬局で日用品も購入し帰ってきた。

 

「あ゙あ゙〜疲れた。めっちゃ運動した。明日筋肉痛間違いなしだわ。」

「はぁ…お風呂入ろ。」

 

お風呂に入り、残りのシチューを食べて、朝に炊きあがるように米を研いどいて、豚肉を炒めアスパラに巻いたり、ポテトサラダを作ったりしてソファーでゴロゴロしようとすると隣から

 

ばん!ガッシャーン!キャー!

 

と隣から悲鳴と聞こえビクッとしてしまう。

 

(え?なになになに?泥棒!?怖いんだけど)

 

私はビクビクしながら玄関の鍵を確認し、ベランダが閉まってるか確認するとまたキャーと聞こえ、なにかあってからは危ないとスマホを手に家を出て110番の準備をし、インターホンを押す。

 

ピンポーン

 

と無機質な音が鼓膜を叩く。ドキドキしながら「大丈夫ですかー」とまたインターホンを押す。二、三十秒待っていると玄関から鍵が開く音がしゆっくり扉が開く。

 

開いた玄関からは焦げ臭い匂いが鼻腔をくすぐり中で何が起きたのかビクビクしていると玄関から肩ぐらいのストレートパーマのベージュ系の髪色で整った顔立ちではあるが少し幼さなが残り、身長も150cmあるかないか位の可愛らしい女性が出ていきた。

 

「あのー大丈夫ですか?凄い物音と悲鳴が聞こえたので…泥棒とかその…」

「あっあの!どちら様ですか?」

「あっえっと…隣の101号室のものですけど」

「あー!お隣さんですのね!申し訳ありません。大きな音を出してしまって。」

「あーその大丈夫なんですかね?焦げ臭いんですけど火事の心配とか…」

「あっ!料理の途中でしたので」

 

と玄関を開けたまま部屋に戻ってしまいまた「キャー」と声する。あまりにもバタバタしていたのでなにか手伝えることは無いか聞くと恥ずかしそうに宜しいでしょうかと言われ、彼女の家に入る事になり、そこには地獄絵図かな?と思うほど台所が荒れており、鍋にはダークマターかな?と思うものがこびりついていたり、小麦粉かなにかで汚れてたりしていた。

 

「あのー料理を作っていたのですか?」

「はい!天麩羅を作ってたのですが上手く出来なくて…」

「あーそうですか。台所は私が片しますので掃除機とかタオル持ってきてもらっていいですか?」

「あのよろしいのでしょうか?」

「お隣さんですし、困ってる人に手を貸せって教えられてるので」

「ありがとうございます!」

 

黙々と台所を片していいると後ろから「ぐぅー」と可愛らしいお腹の音が聞こえる。後ろを振り向くと彼女が恥ずかしそうに「あはは…お夕飯がまだでして…」と言うので良かったら家でご飯食べますかと聞くと笑顔で「はい!」と返ってきた。

 

「鍵ちゃんと閉めました?隣とはいえ気をつけてくださいね。

「はい!大丈夫です!」

「まぁ…大丈夫ならいいんですけど」

 

「あのーお口に合えばいいんですけど…シチューとパンです。」

「わぁ!いただいてもいいですか?」

「はい。どうぞ」

「頂きます!」

 

そういい彼女は美味しそうにシチューとパンを食べていく。

 

(食べ方すごい綺麗だなぁ〜香水の匂いもするし社会人の方なのかなぁ?落ち着いてるとなんか大人っぽいし…)

 

そんなことを考えていると大事な事に気がつく。

 

(名前知らない…しかも家に人をあげちゃってるし…私もだけど彼女も防犯意識低すぎ…)

 

「あのー食べてる最中悪いんですけどお名前聞いてもいいですか?」

「んぐんぐ…ごくん。すみません。私の名前は松蒄 愛菜(しょうずくあいな)です。」

「私は月樹 桂(つつきけい)です。」

 

(ん?松蒄?もしかしてあの松蒄グループの?)

 

「あの松蒄ってあの松蒄グループの松蒄さんですか?」

「はい!そうなんです!月樹さん知ってるんですね!」

「あーはい。よく名前聞くんで…あの年齢は幾つですか?」

「16歳です。まだ高校生です。月樹さんは?」

「私は17歳。同じ高校生です。」

「わぁ!同じなんですね。」

「はぁ…そうですね。」

 

(えー同じ高校生なのか…てかめっちゃ金持ちのブルジョワジーやん。てかそんな令嬢さんがなんでこんな場末野アパートに…よし!聞くか)

 

「あの松蒄さんはなんでこんな所に引越して来たんですか?」

「お父様と喧嘩してしまったんです。」

「喧嘩?」

「はい。私が料理がしたいと言ったら止められて…私に料理のセンスがないのは分かっているですが、私にはまだ早いと言われて」

「言われて?」

「お父様を見返したくなって…つい家を出てしまって」

 

「それで引越したんですか!?」

「はい!私の侍女さんに相談したら1人で料理ができる環境を整えたらどうでしょうと言われたのでいっそ一人暮らししようと思いまして」

「えっ!それで…まぁ行動力ありますね。」

 

「はい。そうですね'ᴗ'」

「前は何処に住んでたんですか?」

「東京の代官山ですね。」

「代官山って渋谷区の?」

「はい!」

 

(なかなか本物のお金持ちの価値観は分からんもんだなぁ)

 

なんて考えてるとご馳走様と聞こえたのでお粗末さまと返し、食器を下げ洗い物をしていると松蒄さんに話しかけられる。

 

「お夕飯ありがとうございました。月樹さんはお料理得意なんですね。」

「まぁ…一人暮らしも一年近くになるし、元々料理は好きだし…」

「あの宜しければ!私に料理を教えていただけないでしょうか?」

「料理を?」

「はい。もし大丈夫でしたら…」

 

そう言って松蒄さんは小さい子が怒られる前みたいな感じで小さくお願いしている。

 

(可愛い…ってじゃなくて料理かぁ別に構わないけどアルバイトとかあるし時間がなぁ)

 

「教えるのはいいけど私アルバイトとかあるし時間が…」

「ダメですよね…そうですよね。いきなりこんな事を言ってしまって…」

 

ふと自分がおばあちゃんに料理を教えてもらったことを思い出した。

 

あの時おばぁちゃん忙しいのに夕飯の時だけだけど料理教えてくれたっけ?家族だからってのはあると思うけど人にしてもらって嬉しかったことはしてあげるべきだよね。おばぁちゃんとおじいちゃんは自分に厳しくしても他人には優しくって言われたし頑張るか!

 

「あの!お夕飯の時なら教えてあげられますのでそれで良かったら」

 

そう言うと松蒄さんは顔を輝かせ

 

「良いんですか!本当に!」

「うん。あんまり凝ったものとかは教えられないけど」

「いえそんなことはないです。教えてもらうのはこちらなので。あの何時から大丈夫でしょうか…」

「うーん明日からいいよ。こういうのってすぐに行動しないとズルズルやらなくならからな。」

「ありがとうございます!」

「はい。」

 

 

そう言ってお隣さんである松蒄さんとの新しい日常が始まっていくのだった。




「「次回予告!」」
「やっと物語が始まりましたね!月樹さん!」
「そうね。やっとだね。あっそういえば防犯対策しっかりしてる?玄関周りだけじゃなくてカーテンとかも無地なもので洗濯物も下着は外に干さない。服を干す時は男物と一緒に干す。ちゃんとしてる?」
「月樹さん!気持ちは嬉しいですけどここは次回予告の場なので..」
「いや女子の一人暮らしには大事なことだから。」
「あー次回予告の時間無くなっちゃいますよ!」
「次回」
「だって恥ずかしいじゃん」
「「見てください!」」
「なんか疲れた…」
「あはは…ブレないですね月樹さん。」
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