キルピト(完)   作:翔々

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才の目覚め・前

 

 

 

 

 キルピト 第二話「才の目覚め」

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

  異界化校舎 時計台 屋上部分

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 [間桐慎二 Lv.23 デビルサマナー]

 

┌────────────────────────

 ……600人いた校舎も残り数人か。

 回線型の電子機器が軒並み死んだから、ソナーしか

 使えないなんてね。映像で見たかったのに。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ま、残る連中なんて最初から決まりさ。

 この業界は凡人や秀才レベルには生存すら不可能、

 天才でさえスタートラインに立つのが限界なんだ。

 

 開始時点で走ってる古参に新人の勝てる道理はない。

 人は生まれながらに不平等ってね。

 

 この学校の有資格者は───

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 悪魔退治を生業にする剣士の伊藤誠と、

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 伊藤の彼女兼パートナーの異能者、西園寺世界だけだ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 こいつらは既にLv.10を越えていた。

 生きるためなら悪魔だけでなく人間だって殺せる。

 恨み? 憎しみ? そんなもの知ったこっちゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 檻の中で死んだ者の力、負のエネルギーは一滴残らず

 この魔法陣へと注がれて形を為す。

 陣は完成しているから、たっぷりと搾り取るだけだ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 お前達が争うのは、蠱毒の壺の中。

 使うのは、蟲のかわりに人間と悪魔。

 生者は死者達の力を余す事無く自分のものにする。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 たった一つに集約された膨大な力。

 それを手にするのは、体力を温存した僕だ。

 

 強くなるのに時間と労力をかけるなんて馬鹿げてる。

 頭を使えばこんなに楽ができるのに。

 

 一度の戦いで百度の力が手に入る、ちょろい商売だよ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 せいぜい足掻くがいいさ。

 最後まで残ろうが、何をしようが僕の優位は崩れない。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 伊藤も西園寺もパートナー同士で殺し合えばいい。

 最低でもどちらかは殺されるんだからな。

 

 生き残った方の目の前で、僕が高らかに笑ってやる!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

  異界化校舎 2F通路

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 喰 い す ぎ た

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 悪魔100体、無事完食したね。

 おめでとう! 新しいキル夫の誕生だよ!

 

 

 

 

 

 [ニューソクデ・キル夫 Lv.10 ??]

 

┌────────────────────────

 五、六匹目までは抵抗もあったさ。

 ピクシーみたいな人型もいたしな。

 

 けど、途中からは本気で作業だったよ。

 慣れるか不安だったのがバカらしくなった。

 

 

 

 

 

 [ネフェルピトー Lv.11 妖虫 名もなき蟲族]

 

┌────────────────────────

 悪魔として成長した証だね。

 その感覚を忘れなければ、いくらでも強くなれる。

 キル夫のレベルもぐんぐん上がってるよ。

 

 食べ残しを拾った分、ボクも2つ上昇した。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ところで、キル夫はもう気付いてる?

 悪魔がぜんぜん出てこない。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 俺達が100体も喰ったからだろ?

 動物だったら乱獲もいいところだ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 その通り。ボク達がごっそり食べたことで

 1~2階の悪魔はほぼいなくなった。

 でも、普通の異界だったらそんな事にはならないんだ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 これは蟲族が集めた情報の一つだよ。

 信じられないと思うけど、ちゃんと聞いてね。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 普通の異界だと、悪魔はほぼ無尽蔵なんだ。

 『マグネタイト』と引き換えに別個体が召喚される。

 

 『マグネタイト』は悪魔が肉体を維持するための代貨。

 食事で摂るものとも違う、エナジーみたいな存在だ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 マグネタイトねぇ。直接見れるものじゃないのか?

 空気と変わらないんじゃ、いまいち想像できないな。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 いまは深く考えなくていいよ。

 「マグネタイトがないと悪魔は消えてしまう」

 これで十分。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ボク達も疑ったよ。けど、いくら狩っても減らないから

 そういうものだと思う事にしたんだ。

 

 でも、キル夫達が来てからそれが変わった。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 減るんだよ。減らしたら減ったまま、元に戻らない。

 ……異界のルールが突然変わっちゃったんだ。

 誰かが急に制限をかけたみたいにね。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 そんなことができる奴……間桐か? でも、何でだ?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 そう思うよね。

 ボクもはっきりとはわからないけど、推測ならできる。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 蠱 毒 。

 古来から伝わる呪法。思いつくのはこれだ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 コドク? なんだそれ?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 一つの壺に、毒性の強い何百匹もの蟲を入れる。

 最後の一匹になるまで殺し合い、生き残った蟲は

 死んだ蟲達の負のエネルギーをその身に宿して

 術師の武器になるんだ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 蟲族としては何ともいえないね。

 強くなるのはいいけど、利用されるのが気にくわない。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 これを『ハコニワ』にあてはめてみよう。

 人間達が"蟲"なのはわかるけど、

 数百体の悪魔には何の意味があるのかな?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 別に人間だけで殺し合わせればよくない?

 わざわざこんな空間を作らなくても、悪魔一体に

 見せしめで何人か嬲り殺しにさせれば勝手に従うよ。

 

 「生き残りたかったら全員殺せ」

 とでもいえば、自分から最後まで殺してまわるでしょ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 伊藤達みたいな奴らか。でも、確かに変だな。

 なんで間桐の奴はこんな事をやってるんだ?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 1.大勢の人間が脱出不可能

 2.放し飼いにされた数百の悪魔

 3.最後まで殺し合えと命令される

 4.その通りに殺してまわる人間達

 5.悪魔達も人間を殺す

 6.その悪魔達を殺せる人間がいる

 7.悪魔は増やせるはずなのに増えない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ごめん。僕も混乱しそうだ。

 結論だけいうね。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 「間桐慎二は『ハコニワ』に閉じ込めたすべての存在が

 最後のひとりになるまで殺し合いをさせている」

 

 そういう事なんじゃない?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 大多数の弱い人間と、ごく一部の強い人間。

 強い悪魔、弱い悪魔、中くらいの悪魔。

 

 いっさいの区別なく、殺し殺され壷の底。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 推論。間桐慎二は『ハコニワ』を蠱毒に見立てて、

 その最後の生き残りを利用するつもりでいる。

 

 手段も目的もわからないけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ……ピトー、頭良いんだなぁ。

 俺だったら考えもしないぞ、そんなの。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ……なにいってるの。

 キル夫も当事者なんだから、しっかりしてニャ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (蠱毒ねぇ。まるでマンガの発想だな。

 一つの壺に蟲をたっぷりと詰め込んだら

 全部の力が一つになって───あれ?)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (待てよ? その理屈でいったら、今の俺って

  "蠱毒"そのものじゃないか?)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 どうかしたの、キル夫?

 悩むなんて珍しいね。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 俺だって悩んだりもするさ。

 

 (気にしない事にしよう。その方が良い気がする)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 それより、これからどうするんだ?

 この辺にもう悪魔がいないんだったら、

 出るところに行くしかないだろ?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 そうなんだよニャー。

 あらかた喰いつくしちゃったし、上階にいこうか。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

  異界化校舎 3F

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 あれ? おかしいな。

 あんまり悪魔の匂いがしない。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 まだ一回も喰ってないのに?

                  ヒィ……!>

 

 

 

 

 

 [外道 ジャックリパー Lv.10]

 

┌────────────────────────

 ヒ、ヒィ……ホォ……!

 

 [ジャックリパー(瀕死)が現れた!]

 [ジャックリパーは戦意喪失している!]

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 敵……って、もうやられてる?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ひどい傷だね。何かあったの?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 お、お前達、悪魔ダホ?

 悪魔同士、ち、忠告してやるホ!

 

 奥の部屋で、人間のカップルが暴れてるホ!

 人間も悪魔も見境無し!

 あ、あいつらこそ悪魔ダホ!!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 人間のカップル……伊藤と西園寺だな!

 いないと思ったら、ここまで上がってたのか!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 む、無念、ダホ……。

 

 [ジャックリパーは息絶えた]

 [ジャックリパーの体が消えていく]

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ……まずい。この階の悪魔を減らしてるのが

 そいつらなら、それだけ強くなってるって事だ。

 ボク達より格上の相手になる。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 どうするキル夫? 一度戻ろうか?

 下階にも食べ残しの悪魔がいるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 いや、戻らない。ここで戦おう。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 かなり危険だよ?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 戻ってもしょうがない。

 行ける中でまだ調べてないのは、この階だけだからな。

 屋上は異界化してすぐに行ったけど入れなかった。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 下に逃げても、出るかわからない悪魔を探すだけ。

 その間に伊藤達はどんどん強くなっちまう。

 なら、俺達がここで狩った方が勝率は上がるだろう。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (……驚いた。この土壇場で踏みとどまるんだ。

 ちょっと前まで悪魔を喰らうのもためらってたのに)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 わかった。キル夫が決めたのならボクも従うよ。

 付け焼刃でもなんでも、やれることをやろう。

 全力でサポートするからね。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 頼むぜ、ピトー! 俺ひとりじゃ無理でも、

 お前のサポートがつけば百人力だ!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ……照れくさいなあ。

 作戦は考えてるけど、あんまり期待しないでよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 キル夫! リパーが来た方を見て!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 こっちに向かってくる……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 手負いの悪魔だ。狩るには絶好の獲物だね。

 いくよ、キル夫!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ああ! お前ら、逃げたかったら俺達を殺してみせろ!

 まとめて力になってもらう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

  異界化校舎 3F 図書室

 

 

 

 <ザシュッ!

 

 

┌────────────────────────

 ウッシャ!! これで終わりだ!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 お疲れ様! ほんっとに数だけは多いわねー。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 当然だ。呼び出したのはあの間桐慎二だぜ?

 呼ぶだけ呼んで自分の手に負えなくなったから

 癇癪起こしてポイ捨てしたんだろ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 あー、あいつだったらそうね。

 魔術師の家柄なのに才能ゼロなのがコンプレックス。

 それをこじらせてデビルサマナーになったわけ?

 

 

 

 

 

 [伊藤誠 Lv.18 剣士]

 

┌────────────────────────

 それで合ってるよ。

 ま、Lv.23なんだからサマナーの才能はあったのかね。

 

 

 

 

 

 [西園寺世界 Lv.17 異能者]

 

┌────────────────────────

 それも『カリキュラム』の結果でしょ?

 与えられた試験で模範解答を出すだけ、いわれた先まで

 ヨチヨチ歩いていく小学生でも簡単なおままごとよ。

 

 実戦でやってきた私達とは違うわ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 まーな。5レベル差なんざ戦術でどうにでもなる。

 坊っちゃん程度じゃ俺達には勝てねぇよ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 せいぜい稼がせてもらいましょ。

 

 ……ねぇ。終わったら一緒にならない?

 コンビ組んで長いし、誠となら上手くやれるわ。

 私のサポートがあれば、組織でのし上がれるかもよ?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 またその話かよ。出来レースでも任務なんだぜ?

 終わるまでそんな話するんじゃねーって。

 心配しなくてもちゃんと考えてるよ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ホントに~? あんたいっつもそれで逃げるじゃない。

 今回はきっちり答えてもらうからね?

                    ハイハイ>

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (……ハッ。なーにが「上手くやっていける」だよ。

 玉の輿で組織のコネが欲しいだけだろうに。

 親父のTel番を盗もうとして俺の携帯をいじったの、

 こっちは知ってんだぞ)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (こいつが間桐を笑える立場かねぇ?

 現場で戦っちゃいるが汚れ仕事は人任せ、肉壁の男が

 死んだら次の獲物を物色してきた業界の寄生虫だ)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (内勤希望のくせに事務もサボるし仕事も押し付ける、

 クビ寸前のお局様候補を拾ってやっただけってな)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (みんなバカばっかりだ。親父は全部承知の上さ。

 プライドの高い坊ちゃんも、悪女気取りのバカ女も

 この際まとめて処分しろって任務なんだよ)

 

 

 <ビーッ! ビーッ!

 

 

┌────────────────────────

 残りの雑魚ね! 誠、準備して!!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 OK!

 

 (っと、まずはゴミ掃除だな)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 暴れたわりには元気そうだな?

 伊藤誠。それに西園寺世界。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 キル夫!? 生きてやがったのか!?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 どういう事? 人間よね、こいつ。

 なんで悪魔の群れに襲われて生きてられるわけ?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

  死んださ。悪魔じゃなくてお前達の手でな。

 一回死んで生まれかわっただけだ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 嘘! あんたみたいなチンピラが異能者になったの!?

 冗談やめてよ!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

  そいつらが伊藤誠と西園寺世界?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 新手がもう一人……何よ、悪魔じゃない。

 あんたデビルサマナーになったってわけ?

 COMPも無さそうなのに。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 落ちつけよ、世界。

 どうやってか知らないが、こいつが蘇ったのは確かだ。

 異能者でもサマナーでもなく悪魔としてな。

 

 そこの悪魔と復活の契約でもしたか?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 今のボクに生き返らせるなんて高度な術は無理だよ。

 強くなったらまた違うかもね。

 

 

 

 <ピピッ!

 

 

 [ネフェルピトー Lv.12 妖虫 名もなき蟲族]

 [ニューソクデ・キル夫 Lv.12 ??]

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ……大したレベルじゃないわね。

 あたしたちの有利なまま。驚いて損したわ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (こいつ、俺のいった事もう忘れてんのか。

 レベル差なんざ戦術で越えられる曖昧なもんだろうが)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 舐めんなよ。俺だって殺された時のままじゃないんだ。

 戦い方ぐらいは知って――?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 人間の死体。この階にいた連中か?

 よくもまぁ躊躇しないで殺せるな。

 喰うのに戸惑った俺とは大した違いだ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 罪悪感でも感じてほしいか?

 ここは戦場だぜ。生き残った奴だけが勝者だ。

 俺達の方が強かっただけのことさ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 殺さなきゃ出られないしぃ? だったら殺すでしょ。

 私達だって同じリスクだもん、殺される方が悪いのよ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ああ、そうだろう。俺だってそうする。

 いたぶって殺したりはしないけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 それで、いつまでくっちゃっべってるわけ?

 私も誠も、あんた達も二人組。コンビの年季が違うわ。

 あんた達の寿命が長くなるだけ───

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 おい、さっさと構えろ!

 レベル差があるからって気を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 世界! クソッ、あの猫っぽい悪魔

 廊下まで吹っ飛ばしやがった!

 待ってろ、いま───

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 お前の相手は俺だ、伊藤。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ――チッ。最初っからこれが狙いだな?

 俺と世界を分断してサシでやるつもりか。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 本気でバカだな! 俺も世界もお前らより強い。

 各個撃破されるくらいなら、仲魔と合流した方が

 まだ勝率が上がるってもんだろうに!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 確かに、お前は俺より強いさ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ただし、相手が西園寺なら話は違うんじゃないか?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 あん? 何言ってんだお前。

 5レベルも差がついた奴をサシで殺せるかよ。

 そんな奇跡が起こるわけ……

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 無駄口はここまでだ、伊藤。

 お前を喰ってピトーの方に行かせてもらう。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ……ケッ。

 

 (動揺もしないか……せいぜい気張れよ、世界?

 間に合ったら加勢に行ってやるさ)

 

 

 

 

 

 

 

 異界化校舎 3F 通路

 

 

 

┌────────────────────────

 イッ……タイわね!

 悪魔のくせにタックルなんて!!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 「これが一番速い」ってキル夫のいったとおりだ。

 人間も面白い動きを考えるね。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 でも残念だったわね。ダメージはほとんど無いわ。

 Lv.17の私とLv.12しかないあなた。

 これで勝負になると思ってる?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 普通なら勝ち目は無いね。でも、ゼロじゃあない。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 なら、これでも喰らってなさい!

 

 [西園寺世界の神経弾!]

 ※相手に『眠り』効果

 

 

 

 

 

 

 

 

 <パンッ! パンッ!

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 それが"銃"?

 当たったら痛そうだけど、ボクの方が速い。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 チョロチョロ動かないで! マハラギ!

 

 ※複数に火炎魔法(小ダメージ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 アッチチチ。尻尾が焦げちゃった。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ちょっと! あなた蟲系でしょ!?

 火炎弱点じゃないの!?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 苦手だよ? あったかくてゴロゴロしたくなっちゃう。

 次はボクの番だ。

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 [ネフェルピトーの毒ひっかき!]

 ※相手に『毒』効果

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 っ……速い!

 

 [西園寺世界は毒状態になった!]

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 ざ、残念だったわね! ポズムディ!

 

 [西園寺世界の毒が消えた!]

 ※毒を解除

 

 

 

 

┌────────────────────────

 スクカジャ!  ※命中・回避率上昇

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (これ以上早くなる!?)

 

 す、スクン……

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 やらせると思う?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 [ネフェルピトーの飛び蹴り!]

 ※打撃ダメージ(小)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 あうっ!!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 始まったばかりだよ?

 肋骨1本折れただけで泣かないよね?

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 調子に乗ってぇ……まだ勝負はこれからよ!

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (……よし。思ったとおりだ)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (はっきりした。こいつにダメージソースは無い!

 あくまで剣使いのサポートでしかないんだ。

 なら、ボクがすべき事は各個撃破!)

 

 

 

 

 

┌────────────────────────

 (レベルは向こうがずっと上、長期戦は不利。

 徹底的に先手をとって潰してやる!)

 

 

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