ティンカーベルの子   作:宵月颯

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チャプター・2
侵入・1


 

例の会合の後に、ベイラム社とアーキバス社は双方の休戦協定案を認可し惑星閉鎖機構の執行部隊対策で休戦協定を結んだ。

 

この件で各企業の上層部と嫌味ネチネチな話し合いをしたらしい。

 

結果、レッドガンのナイルとヴェスパーのスネイルの二人が何時もより速い速度で眼に隈を造る羽目となった。

 

ちなみに…

 

 

「フロイト、小父さん、ちゃんと、仕事、してください、意地悪すると、スネイル、パパが、可哀そう。」

 

 

と先行調査へ出発する前のフェアリーから言われた言葉。

 

この正直な宣言でフロイトが床に膝を付いて絶望したポーズにも似た状態で酷く落ち込んだのは言うまでもない。

 

前回のスネイルの発言曰く日頃の行いが祟った為の自業自得な光景だと…

 

 

「スネイル……今後もフロイト総隊長が仕事をしない様ならフェアリー君に頼んだ方が良さそうだよ。」

「…そうですね。」

 

 

ホーキンスのフロイトに対する容赦なしのブリザードスマイルでスネイルも納得した。

 

余談だが、フェアリーによってスネイルへの小父さんからパパへ格上げされた事を内心喜んでいたりする。

 

後日、フロイトはフェアリーに嫌われない様にスネイル任せだった自身の仕事を必死こなす様になったとの事。

 

 

******

 

 

ラスティらが先行調査の関係でレイヴンの元に合流する前。

 

ウォルターは独自に用事を済ませると話して不在となっている。

 

元々、両社連名の依頼である先行調査を進める様にと指示を受けていたのでレイヴンのオペレート相手が単に不在の状態になっただけた。

 

これに関してはエアが代理を務める事で解消。

 

輸送ヘリでの移動道中、エアから各ACに交信で作戦内容を伝えた。

 

 

『皆さん、これより先行調査の内容について復唱します。』

 

 

ベイラム・インダストリーとアーキバス・コーポレーション、双方同意の休戦協定に基づく依頼。

 

ラークとフェアリーの証言によって判明した中央氷原の集積コーラルの調査。

 

並びに惑星閉鎖機構に対する反抗作戦を展開する予定です。

 

その調査の為に貴方達に先行調査の依頼若しくは任務が入っています。

 

中央氷原を横断する際、いくつかのグループに分けて横断する事が望ましいでしょう。

 

惑星閉鎖機構の足取りがまだ不確定の状態、両社はそれぞれルート別から中央氷原へ向かう事になりました。

 

アーキバス社は既に大陸横断を開始。

 

貴方達はレッドガン部隊の大陸横断の為にグリット086の上層区画に備え付けられた大陸間輸送用カーゴランチャーの掌握を行います。

 

ウォルターの知り合いと呼ばれる方からはこれを使う事を提案されたそうです。

 

但し、レイヴン、G5イグアス、ヴェスパー4ラスティの三名に対して…

 

『グリット086にこい』と名指しで呼ばれています。

 

グリット086は「ドーザー」と呼ばれるコーラルを向精神薬として扱うならず者達の巣窟。

 

中でも「RaD」を名乗る一派は非常に好戦的な武器商人でもあり、道中では危険を伴うでしょう。

 

 

『私が貴方達をサポートします。』

 

 

その後、輸送ヘリでグリット086の侵入サポートを行うと伝えるエア。

 

 

『グリットへの侵入方法はお任せください。』

『…』

 

レイヴンはその方法は?と質問するとエアは答える。

 

 

『システム解析や改竄には多少の心得があります。』

『…』

『戦友、それなら問題はないだろう。』

『うん、エア、頑張って。』

『野良犬、そもそも俺らを名指しで呼び出した奴の面を拝まなきゃならねえ。今からそいつの巣に向かうんだ……派手にぶち壊せばいい。』

『イグ兄、カーゴランチャーも忘れちゃダメだよ。』

 

 

海を越える為にグリット086へ愉快な遠足が始まろうとしていた。

 

 

=続=

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