ティンカーベルの子   作:宵月颯

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グリット086の潜入とインビンシブル・ラミー戦


侵入・2

輸送ヘリでグリット086の最下層部へ移動。

 

道中はエアのシステムハッキングで奴らの監視網を突破。

 

その上の下層区画へのリフトがある区画へと辿り着いた。

 

 

******

 

 

『先に行ってるね!』

『また、あとで。』

 

 

ラークとフェアリーのACは先に下層区画へと移動。

 

後追いでレイヴン、イグアス、ラスティはACをリフトへ移動させた。

 

同時にエアがリフトの準備を進める。

 

 

『これよりグリット086へ潜入します。』

 

 

リフトを稼働させるシステムにバックドアを作成しハッキング。

 

相手が解除に手間取っている間に中層部へ上がる手筈である。

 

 

『垂直カタパルト、ロック解除。』

 

 

リフトを固定するロックが解除され周囲から蒸気が漏れる。

 

 

『スチームシリンダー接続、射出します。』

 

 

エアの合図と共にリフトが急上昇、その勢いで中層区画の搬入路へと移動した。

 

 

『さあ、皆さん…仕事を始めましょう。』

 

 

レイヴンのAC、イグアスのへッドブリンガー、ラスティのスティールヘイズ。

 

ラークのフェニックス、フェアリーのティンカーベルのAC5機が移動を開始。

 

 

『各機、マーカー情報を更新しました。』

 

 

エアの説明ではマーカの位置に上層へ上がるリフトがあるとの事。

 

各機はACのブースターを加速させ区画内を突破する事にした。

 

 

『各機、グレネードの掃射に注意を!』

 

 

移動道中に区画内の障害物に姿を隠していたMTの集団。

 

各機のエンブレムには黄色のリサイクルマークにRaDの文字が刻まれている。

 

とうとう、RaDの領域に入った事を示していた。

 

 

『相手はグレネード系の武装を所持しています。このまま正面突破を!』

『無茶が過ぎるが、面白れぇ!』

『当たらなければどうとでもない。』

『…』

『僕達が援護するよ!』

『うん、皆は、進んで!』

 

 

フェニックスとティンカーベルの援護で敵のMTの弾幕を阻害。

 

その間を掻い潜って移動する三機。

 

途中の区画へ入ると妙なACが待ち構えていた。

 

 

『何だぁ?みねぇツラだな?』

 

 

右腕武装にリボルバータイプのグレネードガン、左腕武装にはチェンソーである。

 

 

『ここが誰のシマだか分かってんのか?』

 

 

話し方から察するにコーラル向精神薬ことコーラルドラックの過剰摂取が原因で酔っている状態だ。

 

 

『ケッ!ドラックでガンギマリ過ぎて馬鹿になった奴か。』

『ボス、見ててくださいよぉ!!?』

 

 

錯乱しまくっている割に自身の名を名乗った。

 

 

『この「無敵」のラミーが客人をもてなしてやりますんで!』

 

 

この紹介に対して一同沈黙。

 

 

『今なんつった?』

『…』

『戦友、君もそう思うか?』

『つか、無敵って…アンタ、アリーナランキング最下位の人じゃん。』

『うん、シミュレーター、相手した、弱い。』

 

 

ラミーが紹介をしている最中、エアからも説明が入ったが彼らは知っていた。

 

一時期、暇つぶしを兼ねてアリーナに参加していたのである。

 

そのラミーはアリーナ登録情報にあるAC『マッドスタンプ』に搭乗。

 

初手でも癖を覚えれば勝てる位に彼の操縦技術はお世辞とは言い難かった。

 

 

『俺とマッドスタンプに勝てるもんかよ!?』

 

 

ラミーは自身が貶されていようが何時もの調子で話している。

 

 

『で、どうするよ?』

『G5、何かがな?』

『奴の相手は誰がするかって事だ?』

『…』

『あ、僕やりたい!』

『私は、どっちでも。』

 

 

イグアスの提案でランキング最下位のラミーの相手を誰がするかで話し合う一行。

 

全然相手にされず、寧ろ負ける事が確定の状態で相談されていた。

 

この事にラミーが怒りを抑える事など出来る筈もなく…

 

 

『テメェら纏めて相手に!?』

『うるせぇよ、ガンギマリ野郎?』

 

 

既にイグアスのへッドブリンガーがマッドスタンプの至近距離で銃口を向けていた。

 

 

『は、へ、?』

『グダグダとうるせぇな…戯言はあの世で言ってな?』

 

 

イグアスはトリガーを引くとショットガンを発射。

 

至近距離からの銃撃を喰らったマッドスタンプは損傷時に操縦系統をやられたらしく機能停止に陥った。

 

 

『さてと、誰が無敵だと?』

『ひっ!?』

 

 

だが、イグアスの追撃はまだまだ終わらない。

 

ここからがラミーの地獄の始まりだった。

 

 

『テメェは…自我自尊し過ぎなんだよ!!?』

『ひゃぁああああああ!!!!!?!?!』

『黙って聞いてりゃ!ふざけやがって!糞が!!?』

『おっ、おれのマッドスタンプがぁ…!?』

 

 

続けてパイルバンカーの餌食と化すマッドスタンプ。

 

これも至近距離なのでマッドスタンプへの機体ダメージが相当酷い事になっている。

 

まだ、終わりそうにないと感じたラークが注意を促す。

 

 

『イグ兄、程々にしないと追手が来ちゃうよ?』

『ラーク!』

『え?おっと!?』

『そいつは貰っていく…預かって置いてくれ。』

『へーい。』

 

 

イグアスはマッドスタンプの左腕武装のチェンソーを捥ぎ取ってラークに渡した。

 

 

『テメェのエンブレムらしく一生踏まれてろ。』

『…』

 

 

イグアスは撃墜したマッドスタンプと気絶したラミーを放置すると一行と合流。

 

 

『ビジター共!好き放題やってくれているね?』

 

 

区画内に響く女性の声。

 

 

『私らRaDは来る者を拒まないのがモットーだ!』

 

 

恐らく、彼女がRaDの頭目だろう。

 

 

『ウォルターの寄越した連中も来ている様だし、精々歓迎しようじゃないか?』

 

 

そして自分達を名指しで呼び付けた相手である事も予測出来る。

 

 

『成程…折角ですし招待に応じましょうか、皆さん。』

 

 

エアの進言もあり、各機は次の区画へと移動を開始。

 

愉快な遠足はまだまだ終わらない。

 

 

=続=





※グリット086

グリットとは惑星ルビコン3に張り巡らされたメガストラクチャーの事。
元は開拓時代に使用された大規模高速輸送網である。
災害後も難を逃れたメガストラクチャーが各所に残されている。
しかし、災害後の現在はドーザーの根城と化している。

086番目のグリットはRaDの頭目シンダー・カーラが支配する領域。


※インビンシブル・ラミーのAC

彼のAC・マッドスタンプのチェンソーの行方だが…
小遣い稼ぎ名目でイグアスがごっそり武装を剥ぎ取った。
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