前回、グリット086での先行調査を終えたレイヴン達。
カーラの伝手で上層部にある大陸横断を可能とする施設について聞いた所…
惑星閉鎖機構の衛星レーザーとそれらを受信するアンテナ型の浮遊監視装置が目的地までのルートを監視しているらしい。
今は監視衛星が軌道上を通過する時期なので通り過ぎるまで待つのをされた。
間のいい事にそれが丁度…今日であり、明日には通り過ぎているとの事。
ルートと手順はカーラが指示するので今晩はココで休めと告げられた。
RaDの拠点でキャンプする事になった一行。
レイヴンはウォルターとの通信で自分達の中央氷原入り頃に野暮用が終了し合流出来ると告げられた。
イグアスとラスティは事の顛末をそれぞれの部隊に状況報告した所…
引き続きグリット086の上層部施設を経由し中央氷原を目指せと指示された。
当然ながら何事もない一晩を過ごせるとは思っていない。
案の定、RaDとの戦闘を聞きつけて他のドーザーの勢力が奇襲を仕掛けてきたのである。
商売敵の組織はジャンカー・コヨーテス。
RaDと対立しているドーザーの勢力である。
奴らはレイヴンらによるRaDの拠点での戦闘を何処からか聞きつけたらしい。
目的は拠点の制圧にRaDの開発データを盗む事。
RaDの警備を根こそぎ殲滅したレイヴンらにも少し非があるので防衛に協力する事にした。
ジャンカー・コヨーテスのMT部隊は元々カーラ達が作り上げたデータを盗んで再現したらしく弱点もそのままである。
狙う場所が判っている以上は苦戦する事はない。
ジャンカー・コヨーテスの襲撃を退けた一行だったが…
更なる資格が現れたのである。
今まで沈黙していたアルカナのデリーターACである。
今回はアルカナのナンバーズが来ていない事もあり、難なく殲滅する事に成功。
だが、出発を早めなければならない。
恐らく、アルカナが放ったのは偵察ではなく斥候。
仕掛けて来る事を予測しレイヴンらはRaDの拠点で一時間の休憩と補給を済ませると夜明けと共に上層部へと出発した。
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道中まではRaDが保有する上層部までの輸送エレベーターで移動。
その先は監視衛星レーザーを避けつつ目的の場所まで向かわなければならない。
目指す先は大陸間輸送用カーゴランチャーの輸送コンテナがある区画。
エアが今回の内容を復唱した。
『引き続きグリット086を進行し、大陸間輸送用カーゴランチャーを目指します。』
カーラからは約束通り案内すると連絡が入っています。
ドーザーの言う事をどこまで信用して良いかは分かりませんが…
情報を得る意味でも、まずは話に乗ってみましょう。
『…所で、皆さん。』
エアが話を一度中断しカーラについて答えた。
『彼女の二つ名「灰被り」ですが…』
これはルビコニアンの間で「アイビスの火」の生き残りを指す言葉になります。
あの災害が起きたのは半世紀も前の事…
ドーザー特有の与太話の類でしょうか?
『でも、カーラ、若い女の人、だった。』
『うん、半世紀は確か五十年前って事だから…そうするとカーラはおばあちゃんになっちゃうよ。』
一晩、RaDの拠点で過ごした一行はカーラと対面している。
だが、カーラはどう見ても30~40代の女性にしか見えなかった。
『年齢の計算が合わないのは、彼女が冷凍睡眠の類でも使った可能性もある事か…』
『ラスティ、お兄ちゃん、冷凍睡眠って?』
ラスティはフェアリーに冷凍睡眠に付いて教える。
『…恐らく災害の後、機械で管理された装置で眠って過ごしたと言う事だよ。』
『そう、なんだ。』
そんな話をしつつ各自ACの起動準備に取り掛かる。
各ACが起動し上層までのエレベーターに移動中にもエアが声を掛けた。
『皆さんと出撃するのはこれで三度目ですね…少し慣れてきました。』
彼女の慣れたは癖の強い一行の性格を熟知したと言う意味にも聞こえた。
各機、エレベーターの入り口に辿り着くと広域放送でカーラが声を掛けた。
『始めるよ。ビジター共!』
=続=