ティンカーベルの子   作:宵月颯

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無人洋上都市ザイレム編。


洋上・1

前回の話し合いの後、機体の調整を終えて輸送ヘリで洋上都市ザイレムへ移動。

 

場所は中央氷原から離れた沖合。

 

そこに人の姿無き吹雪に閉ざされた都市が鎮座していた。

 

出発が深夜だった事もあり、洋上都市は吹雪に閉ざされている上に視界が悪い。

 

各機、アルカナや封鎖機構の監視も視野に連携して行動する形となった。

 

 

******

 

 

輸送ヘリから離脱する際にウォルターから説明を受けるレイヴン。

 

 

『レイヴン、ECMフォグの影響でここからは通信が途絶える…まずはそれを停止させてくれ。』

『…』

 

 

レイヴンは了承した後、ザイレムに向けてヘリより降下した。

 

 

『レイヴンが来たよ!』

 

 

待ち合わせポイントに到着したレイヴンのAC。

 

既にラークとフェアリーのACに今回のメンバーのACも集合していた。

 

今回はレッドガンよりG3五花海のAC鯉龍とG7ハークラーのAC、GBラークのACフェニックス。

 

続いてヴェスパーよりヴェスパー3オキーフのACバレンフラワー、ヴェスパー9ローズネイルのACレッドスローン、ヴェスパー10フェアリーのACティンカーベル。

 

以上の七名が今回の調査ミッションに参加するメンバーである。

 

 

『初めましてですね、私はG3の五花海…よろしくレイヴン。』

『…』

『俺はヴェスパー第三隊長のオキーフ。』

『アタシはヴェスパー第九隊長のローズネイルよ、レイヴンちゃんヨロシクね。』

『ようレイヴン、今回も宜しくな。』

『…』

 

 

初回の三人からの自己紹介とハークラからの通信を受けたレイヴン。

 

どうやら、近場に居るAC同士であれば通信障害は少ないらしい。

 

そんな中でオキーフより尋ねられた。

 

 

『早速だがレイヴン、ザイレム到着してから通信障害が酷い…何か知っているか?』

『…』

『ECMフォグ…それで都市全体を隠蔽しているのであれば納得がいく。』

『…』

『成程、ビーコンか…なら、手分けしてECMフォグを停止させるぞ。』

 

 

オキーフからの指示で各自、手分けしてビーコンを頼りに都市に点在するECMフォグの停止させる為に動いた。

 

単独では危険なので三チームに分けて行動となった。

 

レイヴン単独、レッドガンチームとヴェスパーチームの三つである。

 

レイヴンに僚機が居ないのは心許ないが、エアとの交信を行えるラークとフェアリーを分散させる必要があった。

 

通信障害が起きている間の連絡手段は必要である。

 

各自ビーコンを頼りに都市に点在するECMフォグを停止させる為に行動を開始した。

 

 

『レイヴン、一つ目のECMフォグはこの先にある様です……交信に影響がなかったのは幸いでしたね。』

『…』

『ええ、この様子ならアルカナか封鎖機構が動いても不思議ではないでしょう。』

『…』

『ラークとフェアリーの護衛に各部隊のナンバーズを派遣したのも頷けます。』

『…』

『レイヴン、ひとつ気になる事はあります。』

『?』

『通信ログを調査しましたが、ウォルターが友人と呼ぶ方と連絡を取った形跡がなかったのです。』

『…』

『恐らく、ウォルターはザイレムの正体を初めから知っていた可能性があります。』

『…』

『流石にラークとフェアリーを呼び出した人物と紐付けるには情報が余りにも少ない。』

『…』

『この無人洋上都市の機能を回復させる事で何か判ればいいのですが…』

 

 

エアとの交信を続けるレイヴン。

 

ウォルターが何かを秘匿し何かを成そうとしているのは自分でも理解していた。

 

それが何なのか?気にも留めていなかった自分が…今更、気になり始めている。

 

ただ判るのはウォルターがソレをしても完全な解決はしないと言う謎の答えだ。

 

何故、自分はこんな考えを起こす様になったのだろう?

 

 

『どうやら、ラークとフェアリー達がそれぞれECMフォグを発見し停止させた様です。』

『…』

『はい、私達も急ぎましょう。』

 

 

レイヴンは近い将来ウォルターが行おうとした事を理解するだろう。

 

理解する事で肯定するか?否定するか?がレイヴンの脳裏をよぎっていた。

 

ただ感じたのはコーラルはこのままではいけないと言う答えだった。

 

それらが指し示すのは一体何なのか?

 

誰にも分らなかった。

 

 

~中央氷原の海上にて~

 

 

『ザイレムで独立傭兵レイヴン、レッドガン、ヴェスパーを確認。』

『…』

『了解、レイヴンとナンバーズの排除、不死鳥と妖精の確保を行います。』

 

 

吹雪に紛れて移動を開始したアルカナの大型武装ヘリ。

 

 

『任務遂行に当たってスター3、スター8、スター9、スター10を出撃させます。』

 

 

タロット17の大型武装ヘリと共に輸送ヘリが数機程移動していた。

 

その輸送ヘリに格納されたAC乗り達がそれぞれ語り出した。

 

 

『俺達を担ぎ出すとは…相当重要な戦いだろうな。』

『タロット17、アタシ達の事…嫌ってたものね?』

『お前から嫌われている俺達を出す位の相手かもな?』

『スター3、10、そこまでにして置け。』

『何よ、スター8…タロット17のお気に入りだから何でも言う事聞いちゃうのかしら?』

『…』

『三人共、出撃前です。こう言う時も冷静に対処しなければ…』

『相変わらず真面目だねぇ…スター9。』

『事実を言ったまでです。』

『発言はそこまでです、もうじき作戦地域に到達します。』

 

 

タロット17は各AC乗り達に注意を促した。

 

更なる脅威がザイレムに…レイヴンらに忍び寄ろうとしていた。

 

 

=続=




引き続き、無人洋上都市ザイレム編。

アンケートはザイレム編が書き終わるまでです。
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