ECMフォグを停止させる為に行動中のレイヴン達。
単にECMフォグを停止させるならまだしも…
そう簡単に事は進まなかった。
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周囲の視界が吹雪によって閉ざされていても攻撃音とレーザーの色は微かに見えていた。
浮遊する防衛兵器を撃墜したオキーフとローズネイルは口々に告げた。
『無人都市の自立型防衛システムか…』
『ここに住む人がいなくなっても守り続けていたのね。』
ECMフォグを停止中に自立兵器に襲撃されたヴェスパーチーム。
『…オキーフ小父さん。』
『半世紀前の遺物ではあるが…フェアリー、油断するな。』
『うん。』
防衛兵器の中には動きの速いモノも含まれている。
更に小型で小回りが利く分、ここでは防衛兵器の方が有利だ。
『遮蔽物が多いから、小回りが利くフェアリーちゃん頼みになるけど…無理はしないでね。』
『判った、ローズネイルママ。』
アイビスの火以降、人々から忘れ去られた洋上都市。
ここに自分に関わる情報がある。
フェアリーにとっても何かか判るのと知ってしまったらどうすればいいのか…
その感情に揺れていた。
『…』
『フェアリーちゃん、どうしたの?』
『私とラークの…本当のパパとママってどう言う人だろうって。』
『そうね、実際…フェアリーちゃん達をアルカナから逃がす為に宇宙に上げた可能性がある事以外分からず仕舞いだものね。』
『フェアリーはどう思っている?』
『ヴェスパーの皆が家族なのは変わらない…でも、私も良く分からないの。』
『…フェアリーちゃん。』
『…』
此処に自分の両親がいるかもしれない。
そんな願いを持つフェアリーに対して二人も何とも言えない表情をしていた。
~レッドガンチームの様子~
同じく別のECMフォグを停止させ、次のECMフォグへ向かっている最中の事。
『うーん…』
『ラーク、どうしたんだ?』
『ハー兄。』
何か思い詰めた声を出すラークに話しかけるハークラーと五花海。
『何時もの貴方らしくないですね。』
『五兄、僕とフェアリーの親ってどんな人なんだろうな…って考えてた。』
『…』
デリケートな話であるが、実際ラーク達を逃がす為に宇宙へ上げた。
仲間と思われる人々も存在したが、生き残ったのはラークとフェアリーの二人。
生き延びたとしてもたった二人だけで生活するのも困難だろう。
最悪、発見されるまで広大な宇宙を彷徨い続けたかもしれない。
『親父やナイルのおっちゃんにイグ兄達が僕の家族なのは変わらないんだ…でも。』
ラークは実の両親に対する思いを良く分からないと答えた。
『何て言えばいいのか…僕にも分かんないんだ。』
護る為にラーク達を逃がした。
けれども、それでも傍に居たかったと言うのがラークの言いたい事なのだろう。
『ラーク、どんな事があっても傍に居たかった…それは君のご両親も同じかもしれません。』
『五兄…』
『此処に手がかりが遺されているのなら探して見つけた時に尋ねてみては?』
『うん、そうする!』
『五花海さん…』
『ハークラー、今は言いっこ無しで頼みます。』
五花海の言葉に自身を納得させたラーク。
そんなラークの様子にハークラーの言いたげな様子に五花海は静止させた。
ハークラーも五花海もこれまでのアルカナの行動で察していた。
ラーク達の親が生きている可能性が低いと言う事を…
大量虐殺を遊びの様に行うアルカナが放って置く訳がない。
それでも優しい嘘がラークには必要だった。
=続=
次回、継続して洋上都市ザイレム編。