ザイレム管理AIマナとの出会い。
アルカナと封鎖機構の繋がりと脅威。
同盟部隊はオーバーシアの協力の元、アルカナと封鎖機構の計画を止める決断をした。
考えれば、離脱と言う選択肢もあっただろう。
だが、捨て置けば人類社会は滅亡する。
話の流れで関わった以上は乗り掛かった船と言う事でそれぞれが協力の意思を見せた。
後にマナが提示した方法で暴走エネルギーを抽出し沈静化したコーラル達との共生社会を始める為にも…
アルカナと封鎖機構の計画は止めなければならない。
決意表明をし洋上都市ザイレムに本隊を移動させてから一週間が経過した頃の事。
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ザイレム研究施設区画にて。
管理AIマナが管理していた強化人間の調整施設でハウンズ達の最終検査が終了した。
アルカナの元で調整を受けていた事もあり、慎重に検査を進めていたが…
漸く彼らの復帰の目処が付いたのである。
彼らを収容した一室でウォルターと621は対面を果たした。
「617、618、619、620、調子はどうだ?」
「ウォルター…」
「…私達は。」
「…」
「…」
「話は聞いている…アルカナの調整で洗脳されていたお前達のせいではない。」
直接関わっていないが、あのままアルカナの元で駒にされたままであれば…
いずれウォルターに危害を加えていただろう。
奇跡的に救助された事で事無きを得たが、もしもがあればとハウンズの表情は暗い。
「ウォルター、彼は?」
617がウォルターに付き添った621の事を聞いた。
「紹介しよう、621…お前達と同じ第四世代の強化人間だ。」
「よ、おしく。」
「漸く声帯を直したばかりでな、まだ上手く話せない。」
「俺達の後釜ですか?」
「そうだ。」
「ウォルターらしい。」
自分達はヒューマンショップで廃棄同然の扱いを受けていた。
621も同じヒューマンショップから買い取った傭兵であると知ると同胞であると理解する。
「もしかして彼も?」
「お前達と同じ場所で売られていた。」
「うおぅたー、に、かっておらった。」
「なら僕らと同じだね。」
「ま、弟が増えたって感じか。」
「619は素直じゃないですね。」
同じ第四世代の強化人間であるが、彼らの再調整と治療を行った事である程度の感情が戻っているので豊かだった。
「ウォルター、自分達はハウンズとして?」
「ああ、だが…目的は変更する。」
「それは一体?」
ウォルターはこれまで起こった出来事をハウンズ達に説明。
目的がコーラル焼却ではなくコーラルとの共生へと変わった点。
混乱の要であるアルカナと封鎖機構に一矢報いる事を告げた。
「俺はお前達と621を加えて再びハウンズを再結成したい。」
「ウォルター。」
「不服であれば、再就職先としてヴェスパーとレッドガンに話を付けるが…」
ウォルターは戦いは避けられないが、生きる術をハウンズ達に示そうとした。
だが、ハウンズ達の意思は決まっていた。
「いえ、自分達はウォルターの元で戦います。」
「…617。」
「そうですよ、乗り掛かった船は沈没していないのでしょう?」
「そうそう、俺らだってアルカナや封鎖機構の連中に一発ブチかましてやりてぇし。」
「618、619…」
「僕らは皆ウォルターの事が好きですから心配してないでください。」
「620。」
ウォルターは一度は失ったと思われた信頼が消えてなかった事に安堵した。
「うおぅたー。」
「621、そうだな…」
ザイレムの研究施設で治療を受けた621も戻りつつある人間らしさを見せていた。
「改めて告げる、ハウンズの再結成…狙いはアルカナと封鎖機構だ。」
その後、同盟部隊との話し合いの結果。
617達は独立傭兵団ハウンズとしてウォルターの指揮下で行動する事が決定した。
621が単独で受けていた同盟部隊からの雇用依頼を改めて受け直した形となる。
ハウンズ結成と平行して…
ラスティを経由しミドル・フラットウェル派の解放戦線との話し合いが行われていた。
中央氷原で活動を続けるフラットウェル派の解放戦線との同盟。
彼らが提示した同盟の条件は封鎖機構が放った戦略兵器カタフラクトの破壊である。
現在、封鎖機構が放ったカタフラクトによる襲撃で解放戦線は窮地に追いやられていた。
そのカタフラクトの破壊を求められたのである。
カタフラクトは現在中央氷原に点在する解放戦線の拠点へと進行中。
数機存在し僚機としてLCやHCの部隊で固めているとの事。
同盟部隊は解放戦線との同盟の為にそれを受諾。
各部隊に別れてカタフラクトと僚機部隊の殲滅を決定した。
=続=
次回、ハウンズ中央氷原へ。
※ハウンズ
ウォルターが621を買い取る前に指揮していた独立傭兵団。
本編開始前に全員戦死している。
この話ではアルカナの駒にされていたが救助され無事復帰。
621を末の弟の様に可愛がっている。
またハウンズ達の偽造IDの名前の由来は冬の渡り鳥の種類より抜粋。
※617
オオワシより鷲の英名のイーグル。
ハウンズのリーダー、長兄的存在。
一人称は自分。
ウォルターよりハウンズの現場指揮を任されているので遠距離対応武装の出撃が多い。
ハウンズの中ではガタイがいいので無口に思われがちだが、普通に話している。
ACは遠距離対応重武装タンク。
※618
マナヅルより鶴の英名のクレイン。
ハウンズのサブリーダー、次兄的存在。
一人称は私。
イーグルによりも冷静な性格でイーグルのサポートに回る事が多い。
ACは中距離対応中量多脚型。
※619
ユリカモメよりカモメの英名のシー・ガルからシーガル。
ハウンズの三男的存在。
一人称は俺。
戦闘狂な所が多いがハウンズの中で近接戦闘に秀でている。
ACは近接対応の軽量二脚型。
※620
ジョウヒタキより英名のダウリア・レッドゥスタートからドゥスター。
ハウンズの四男的存在。
一人称は僕。
一番下だったが621がハウンズに入った為、弟分が出来た事に喜んでいる。
ACは攪乱戦法担当で軽量逆関節。