ティンカーベルの子   作:宵月颯

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アルカナによるザイレム襲撃前の会話。


猛威・1

前回の会談でフラットウェル派に対して物資並びに情報提供を行った。

 

彼らにも考える時間が必要だろう。

 

既に同盟部隊同様に封鎖機構の執行やアルカナの殲滅対象とされている以上。

 

生き残る選択をするのであれば、手を組むしかない事を…

 

例え、共に戦う選択肢が出来なくとも彼らを見捨てる事はしない。

 

封鎖機構とアルカナを退けた後、ルビコンを再興する為の人材である事は間違いないのだから…

 

 

******

 

 

一方、同盟部隊との直接対決を行っていなかったアルカナ。

 

そのアルカナでも大きく動き出そうとしていた。

 

 

~アルカナ・拠点???~

 

 

それぞれのエンブレムだけが映し出された空間。

 

アルカナのナンバーズがそれぞれの侵攻報告を行っていた。

 

 

『我々が求めた闘争…漸く形となってきたな?』

『俺は雑魚の相手でつまんなかったけど?』

『一網打尽にするよりは長引かせた方が良いだろう?』

『ま、それは間違いないか。』

 

 

タロット13とタロット12の会話。

 

闘争を求める彼らにとって人は単なる玩具なのだろう。

 

 

『しかし、再調整した駒を失うとは……タロット3。』

『貴方の所のいい子ちゃん達とは勝手が違うのよ、タロット17。』

『…すみません、失言でした。』

『そうね、しいて言うなら妖精ちゃんのジェネレーター…かしら。』

『妖精の…では不死鳥も?』

『恐らくは…そろそろ手を打たないと不味いわね。』

 

 

AC戦闘担当のタロット13達とは違い、タロット3と17は戦術指揮とオペレーターとして機能しなけばならない。

 

戦場に送り出す戦力に不備があってはならない。

 

それらを管理するのも彼女達の役目である。

 

 

『タロット3、例の件はあの配備で良かったのですか?』

『ええ…悪いわね、貴方の所のスター6を使わせて貰っちゃって。』

『いえ、こちらも試作機のテストしなければなりませんので。』

『念の為、捨て犬達も向かわせたから場合によっては切り捨てちゃって頂戴。』

『了解しました。』

 

 

戦場に置いて必要な戦力は生存させ、不必要なら切り捨てる。

 

かつての戦場において、そう言った行為は当たり前だった。

 

互いに疑心暗鬼となり騙し騙される。

 

それは今も変わらない。

 

 

『あれぇ?タロット17ちゃん、出るの?』

『はい、試作機のテストを行います。』

『俺もついて行っていい?』

『貴方は別地方への任務が…』

『えーいいじゃん、フェアりんとラークりんに会いたいし~!』

『止めて置け、タロット12。』

 

 

出撃準備の為に退出しようとしたタロット17を引き留めるタロット12。

 

それを静止したのはタロット13である。

 

 

『我々が求める闘争の為にも試作機のテストも必要不可欠だ。』

『なら、俺がしたいんだけど?』

『ただでさえ、タロット4とタロット7、9が独断行動を起こしている。』

『それを言うならタロット8もね…命令無視の裏切り者が多くて困るわ。』

 

 

アルカナを取り纏める管理AIの選出した戦闘人格。

 

それは過去の時代にコーラルの中に散逸したAC乗り達の記憶と人格。

 

微弱なコーラルにそれらが転写されるも眠ったままの筈だった。

 

だが、ある科学者の実験によってそれは目覚めた。

 

過去の亡霊達は再び動き出そうとしていた。

 

 

>>>>>>

 

 

アイビスの火以降、生物の鼓動を失った静寂な海…アーレア海。

 

中央氷原の沖合に鎮座する海上都市ザイレムに向かって一つの機影が向かっていた。

 

 

『雑兵だらけだったら沈める……精々首を洗って待ってやがれ!!』

 

 

荒々しいタロット6の声がコックピットに響いた。

 

 

=続=




次回、ザイレム襲撃。

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