スター6の駆るカルキノスと交戦を開始した四人。
相手は水中戦慣れをしているせいか、あの巨体でも難なく行動する事が可能らしい。
高速での突進に捕まれば破砕兵器で切断される。
更に魚雷や設置型の機雷で足止めをする周到さ。
強化外装を付けた四機相手でも難なく対応していた。
カルキノスとの交戦から暫く経った後の会話である。
『あのフォルムは…どうやら水中での抵抗を軽減している様です。』
『文字通りのバケモンって事か…俺らは蟹漁船かよ。』
『各機…敵は一機ですが、随時行動には注意してください。』
エアの注意喚起に続きヴォルタが悪態ついていた。
そこへスウィンバーンから声を掛けられたエア。
『エア。君は敵のエネルギー質量を注意してくれ。』
『何故です、ヴェスパー7?』
『恐らく、あの機体は水中でも攻撃が可能なナニカを秘匿していると思われる。』
『…』
『あの機体もそれを安定化させる為に巨大化せざるを得なかったのだろう…バルテウスやカタフラクトがいい例だ。』
何時もの様子と違い、冷静な見解を答えるスウィンバーン。
それに対してヴォルタがツッコミを入れた。
『おっさん、何時もの様子と違ってねぇか?』
『おっさんは余計だ!』
六文銭はそれだけ答えたスウィンバーンにどうするのかと質問。
『ならば、どうする気だ?』
『エア、マナの説明では捕縛用のアンカーの他にスタンネットが装備されていたな?』
『はい、ですが…あのカルキノスを覆うには長さが足りません。』
目晦まし程度で水中でも使用可能なスタンネットが四機に装備されていた。
だが、あくまでMTやACに使用出来る長さの為にカルキノスに使用するには質量不足だった。
『…足りなければ足せばいい。』
『?』
スウィンバーンはスタンネットの大きさを確認した後、捕縛用アンカーに使用されているコードを確認。
コードにも帯電防止をされており、スタンネットの電圧に耐えきれる耐久性を供えている。
『全員、捕縛用アンカーとスタンネットを出せ!』
『おい、おっさん…急に何を?』
『六文銭、急いでネットとアンカーのコードを繋ぎ合わせるぞ!』
『っ!承知した。』
『レイヴン、君は此方の準備が整うまでカルキノスを引き付けてくれ!』
『わーった。』
『レッドガン!貴様はレイヴンの援護し敵の破砕武装を破壊しろ!』
『くそっ!言われなくてもやってやるよ!』
『エア、君は作戦領域内で一番深い海溝のある位置を探してくれ!』
『分かりました。』
腐ってもヴェスパーの番号持ち、一人ではなく戦力たる優秀なAC乗りが勢揃いしている。
スウィンバーンは持ち前の戦術構築を普段フル回転させてもその精神が災いして発揮出来ていなかった。
あの恐怖はエンゲブレト坑道での一件で捨て置いた。
今なら出来るのだろう。
『なんだぁ?』
スター6も此方の動きを察知したのかカルキノスを移動させる。
『そんな小細工なんざぁ捨てちまえ!!』
だが、その油断がレイヴンとヴォルタの連携を防げなかった。
慢心した輩に待つのは敗北だ。
『ヴぉるあ!いま!』
『おうよ!外しはしねぇ!!』
レイヴンがカルキノスを攪乱。
ヴォルタの水中ミサイルと魚雷の攻撃が的確にカルキノスの破砕兵器を破壊する。
『くそっ!こうなったら!?』
しかし、レイヴンはカルキノスの大型兵装の発射口を塞いだ。
それは撃ち尽くした魚雷発射兵装である。
『しまった!?』
カルキノスは最終手段であった兵装を先の兵装で破壊された。
『やはり、コーラルを利用した兵装…ですが、先程の攻撃でもう使用出来ません。』
『あおは…!』
エアも敵の兵装が使用不可能となった事を伝える。
『ヴェスパー7、カルキノスが指定位置で停止!』
『了解した!解放戦線の!』
『蟹の魍魎よ!これにて仕舞い!』
動きの停止したカルキノスの上に落下する複数のネットで増加したスタンネット。
接着と同時にスタンネットを稼働。
高出力の電流がカルキノスを襲う。
所々の破損部分にも影響し爆発が引き起こされた。
そしてメインジェネレーターの破損を招く。
これによりカルキノスは停止し海溝へと沈没していった。
『あの巨体では浮いて来る事も出来ないだろう。』
『蟹の魍魎の末路か。』
『とりあえず、何とかなったって事か?』
『うぅ。』
『カルキノス、海溝落下と同時に水圧と思われる損傷音を確認しました。』
レイヴン、ヴォルタ、スウィンバーン、六文銭によってカルキノス撃墜。
=続=
次回、都市部の防衛。