レイヴンらがスター6のカルキノスと交戦中の頃。
ザイレム都市部の防衛の為に同盟部隊が出撃。
その間に起こった出来事である。
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マナの報告により、ザイレム都市部へ接近する封鎖機構の執行部隊。
既にHC型とLC型を含む執行部隊が展開し都市部へ迫りつつあった。
都市部へ入り込んだ執行部隊は各エリアに分けて迎撃。
工廠エリアをヴェスパー、農業エリアを解放戦線、メインタワー並びに中心周辺をレッドガン。
海港エリアをハウンズが請け負う事となった。
だが、都市部へ入り込んだ執行部隊の他に上空で部隊を出撃させている強襲艦隊が残っている。
これはナンバーズの少数精鋭を向かわせる事となった。
空戦型ACフェニックスとティンカーベルの他に鹵獲したHC型とLC型にバルテウスを導入。
強襲艦隊を迎撃し敵の増援を防ぐ。
既にレイヴンらがアルカナの資格である大型機動兵器カルキノスと交戦を開始。
これにより新たなアルカナの襲撃が予想された。
それらに対応する為にも早急な殲滅を強いられる事となった。
『各員、これは協働によるザイレム防衛戦です。』
『此処をやられれば、我々の生命線は立たれる。』
『そう言う事だ…役立たず共!死に物狂いで戦えっ!!』
『ハウンズ、ミッション開始だ。』
順にスネイル、フラットウェル、ミシガン、ウォルターがそれぞれの部隊に指示を出す。
『フロイト、準備は良いですね?』
『ああ、ロックスミスにこれだけのモノを取り付けたんだ…やられはしないさ。』
『ヴェスパー10、ヴェスパー1と味方MT部隊と共に強襲艦隊の迎撃をお願いします。』
『了解です。』
バルテウスアーマーを取り付けたバルテウス・ロックスミスで出撃したフロイト。
スネイル曰く、戦闘狂のストレス発散を兼ねた配備らしい。
強襲艦隊と言う体の良い玩具が目処前に在れば戦いに行くと察した結果だった。
『G10、お前の他に味方MT部隊がお守に就く!上空の敵はお前の仕事だ!!』
『オッケー!任された!』
『強襲艦はヴェスパーの主席が叩き落とす、お前はヴェスパー10と援護に回れっ!』
ミシガンより強襲艦隊迎撃の指示を聞くラーク。
僚機に鹵獲したHC型とLC型の部隊。
フェアリーとの連携でフロイトの援護をしつつ強襲艦隊を落とせとの事だ。
『同士諸君、我々の目的は都市の防衛…此処を落とされれば貧困に喘ぐ者達を救えない。』
フラットウェルも協働を第一とし防衛に呈しろと解放戦線に指示を出した。
『ハウンズ、ミッションは海港エリアの防衛だ…状況に応じて指示を出す。』
『了解、各機いいな?』
『了解です。』
『了解だ。』
『了解だよ。』
ウォルターの指示で海港エリアに陣取るハウンズ。
四機だが、既にリハビリは済んでいる。
相手が執行部隊であろうともやられる訳にはいかない。
『エア、海の方はどうなっている?』
『現在、レイヴン達がスター6のカルキノスと交戦中。』
『…マナの索敵で海中からの敵増援はない。』
『分かりました、此方の戦闘が終わり次第…其方へ合流します。』
レイヴンの電子端末からウォルターに通信を送るエア。
今の所、海中からの敵増援部隊の気配はない。
だが、相手が海中でも戦闘が可能な技術を持っている以上は油断出来ない。
元よりハウンズは最大五機の内、このエリアに四機が出撃しているが手数が少ない…
この為、マナの操作を受けた無人MT部隊がハウンズ達の僚機として出撃している。
『各機、621が大型機動兵器を抑えている…俺達も仕事に移るぞ。』
海港エリアに入り込んだ敵執行部隊のMT部隊。
今の所、HC型とLC型が見られない。
恐らくは疲弊した所を狙っての増援だろう。
ウォルターは嫌な予感がしつつも目処前の戦闘に集中した。
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ザイレム防衛が続く中で、敵強襲艦隊の撃墜が終わりつつある頃…
弾薬が底を尽きそうと言う時にそれは起こった。
『ラーク!フェアリー!そちらに接近する機影が!?』
『ひゃっ!?』
『きゃっ!!』
突如現れた大型機動兵器。
その大型アームに捕らえられたフェニックスとティンカーベル。
エアの注意も空しく彼女達は捕獲された。
『何処の輩だ…!』
『お初御目に掛かります、私はオーネスト・ブルートゥ。』
飛行する大型機動兵器のパイロットが名を名乗る。
それに反応したのは別口から通信を送っていたカーラである。
『ブルートゥ!生きていたのか!?』
『おや、カーラも一緒でしたか…いつぞやの花火は少々やりすぎですよ?』
『アンタを仕留め損なったようだけどね。』
『これは手厳しい。』
会話を聞く限り、どうやらカーラと顔見知りであるらしい。
『カーラ、彼は一体?』
『奴がジャンカーコヨーテスの頭目…アタシらRaDを裏切った狂人さ!』
『っ!』
『おい!ラークとフェアリーをどうする気だ!?』
以前、花火上げの現場に居たラスティとイグアスがカーラの会話に割り込んだ。
『可愛い御友人には御用がありますので、このままお連れさせて頂きます。』
『離せっ!』
『離して!』
『手荒な真似はしたくないのですが…致し方ないですね?』
そう答えるとブルートゥは大型アームよりスタン攻撃を開始。
捕獲された二人のACに電流が走り、そのまま気絶してしまう。
『ああ…動かないでくださいね、可愛い御友人をうっかり潰してしまいますので。』
『…(この巨体では二人を助け出す前に握り潰されてしまう。』
人質が居る以上、動きを制限されたフロイトと周囲の僚機。
『オーネスト・ブルートゥ。』
『おや、タロット17…可愛い御友人は捕らえましたよ?』
『目的を達成したのであれば、此方と合流を…』
『残念ですが、私がご招待を受けたのはタロット4です。』
『…っ!』
『そう言う訳なので失礼します。』
ブルートゥは大型機動兵器の兵装より煙幕弾と同時に妨害用のチャフを発射し撤退。
暫くの間、通信障害が引き起こされた。
『フロイト!フェアリーとラークは…!』
『…残念だが見失った。』
通信回復後、スネイルの言葉に対して失態を告げるフロイト。
何時もの状態のACなら素早く動けただろう。
だが、バルテウスアーマーを装着した状態では動きに制限がある。
例え、パージしても相手に気づかれた上にラーク達を握り潰されていた。
スネイルも今の状況でフロイトにも対応が出来なかった事を察して答える。
『分かりました。各員、戦闘は終了…帰投して下さい。』
執行部隊の撤退を確認しそれぞれの部隊がザイレムへ移動を開始した。
残されたフロイトがザイレムへ戻ろうとした時に一つの機影が接近して来た。
『新手か!?』
既に近接武装しか使えないバルテウスアーマーで対応するフロイト。
だが、相手側の通信によってそれは杞憂となった。
『一足遅かったか。』
『お前は一体?』
『私の名はタロット8…其方との交戦の意思はない。』
タロット8と名乗った青い高機動型AC。
『私は同盟部隊と話し合いをする為に訪れた。』
タロット8は答える。
『奴らのコーラルリリースを止めなければならない。』
=続=
次回、グリット012への襲撃。
次のコーラルの悪戯のアンケート結果。
若返りヤング編に決定しました。
※ザラマンダー
オーネスト・ブルートゥのACミルクトゥースの強化外装。
名の通り、複数の火炎放射器を装備し文字通り火炎攻撃を得意とする。
尻尾状の兵装には大型チェンソーが取り付けられている。
アルカナより譲渡されたコーラルドライブ(汚染型)によって長期の飛行が可能。
※オーネスト・ブルートゥ
元RaDのメンバーでありジャンカーコヨーテスの頭目。
アルカナの指示でラークとフェアリーをACごと捕獲し行方をくらます。
更にカーラが開発していたオーバードレールガンの銃身を強奪している。
通信ログによるとアルカナ13らの派閥ではなく別のアルカナ達の派閥と手を組んだらしい。
※タロット8
タロットの8番『正義』を意味する。
アルカナのメンバーだったが、彼らが進めるコーラルリリースがかつて自身が経験した戦乱に繋がる事を察して離反。
同盟部隊に自身が生きてきた頃の戦いで使用された『AF』の技術を提供した。
性格上…歯に衣を着せぬ毒舌家な所があるが、アルカナの危険性を誰よりも注視している。
他にも彼に賛同する同士がいたが、過去のクーデターで死亡し彼一人が生き残った。