ラークとフェアリーが拉致されて一日か経過した。
ブルートゥの潜伏場所が判明するまで引き続きザイレムで待機する事となった同盟部隊。
そんな彼らの中でとある騒動が起こった。
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翌日の早朝、工廠エリアに保管されていたG1ミシガンとヴェスパー2スネイルのAC…
ライガーテイルとオープンフェイスが無くなっていた。
マナの調査によると本人達によって起動させた事と輸送ヘリ一基を使用し何処かへ移動した痕跡が発見された。
どうやら、中央氷原の四拠点へ移動予定の輸送ヘリを使用したらしい。
『私が管理しておきながら…申し訳ありません。』
管理AIのマナにもそこまではカバーしきれない。
マナからも謝罪を受けた。
問題は部隊を取り纏める者が二人も失踪した。
混乱を防ぐ為にレッドガンはG2ナイル、ヴェスパーはヴェスパー5ホーキンスが代役を務める事となった。
残った者達で彼らの執務室を捜索した所、気掛かりなメッセージが遺されていた事が判明。
そのメッセージにはこう記載されていた。
“グリット012へ行け、不死鳥と妖精はそこにいる。”
これが罠である可能性は誰にでも理解出来た。
だが、僅かな希望があるならと縋りついたのだろう。
同盟部隊の指揮官達は緊急ミッションとしてグリット012へ人員を派遣。
二人を連れ帰る形となった。
レイヴンらハウンズもブリーフィングに参加しウォルターよりその詳細を伝えられた。
「ハウンズ、話は聞いているな?」
G1ミシガンとヴェスパー2スネイルの両名がグリット012へ強硬偵察に向かった。
タロット8ことオッツダルヴァの情報通り…
アルカナの協力者も潜伏している可能性がある以上は二人を連れ戻す必要がある。
ザイレムを含めて中央氷原の四拠点の防衛もあり人員を割けない。
そこで少数精鋭でグリット012に向かって貰う。
僚機としてG5イグアスとヴェスパー4ラスティが同行する。
レイヴン、お前も輸送ヘリでグリット012へ迎え。
『グリット012の詳細はアタシが知っている…サポートは任せてくれ。』
ブルートゥの件で通信を送って来たカーラ。
『同時にブルートゥから奪還して欲しいものがある…あればの話だが。』
話によれば、以前ブルートゥが離反する際にカーラが開発していた物を強奪していった。
それを奪還して欲しいとの事。
『地底湖都市オアスを壊滅させたバケモノを倒す為にもいずれ必要になる…頼んだよ。』
どうやらカーラは地底湖都市を襲った存在に心当たりがあるらしい。
だが、その正体が判明した訳ではないので有耶無耶にされていた。
それでもいずれ必要になる事は確実だろう…
「…」
ザイレムのヘリポートに移動した輸送ヘリ。
既に出撃予定ACの搬入を終えて離陸を待つばかりだった。
その中でACで待機していたレイヴン達にエアは交信を始める。
『レイヴン、イグアス、ラスティ。』
G1ミシガン達にメッセージを送った先を調査しましたが…
いくつもの通信網を経由していた為、足取りが掴めません。
何者かは不明ですが、用心しましょう。
『ミシガンの野郎…勝手に飛び出しやがって。』
『ミシガン総長もスネイル隊長も……私達と同じだっただけだ。』
悪態付くイグアスと二人の答えの根は同じと悟ったラスティの会話。
二人もラークとフェアリーを救い出したい気持ちは同じだった。
だが、当てずっぽうに捜索しても意味がないと理解している為に勝手な行動は出来なかった。
『二人は大事な仲間…絶対に助ける。総長達も同じだ。』
交信であれば、レイヴンも普通に会話が行えた。
周囲との触れ合いが彼に感情を取り戻させていた。
だからこその反応と答えが返って来た。
『そうだな、さっさと暴走した虎の首根っこを引っ掴んでラークを助ける。』
『私も…第二隊長殿とフェアリーを取り戻す。』
『判った。』
『全員を取り戻しましょう。』
交信を行っている間に輸送ヘリは離陸。
中央氷原にあるグリット012へと移動を開始した。
=続=
次回、グリット012を破壊する親馬鹿二人と変態の所業。