※AI生成イラストが添付してあります。
ザイレムでの指揮官二名の失踪騒動の前…
ラークとフェアリーを拉致したオーネスト・ブルートゥの様子。
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グリット012の居住区。
ブルートゥの私室にラークとフェアリーが通されていた。
逃げられない様に爆弾を仕込まれている為、不用意な行動は取れなかった。
「可愛らしい御友人、また会いましたね?」
「ブルートゥのにーちゃん、アンタはアルカナの仲間だったのか!」
「いえ、私はジャンカー・コヨーテスの頭目…と言った方がいいですか?」
「それってカーラが気を付けてって言ってた…?」
「おやおや、カーラの事をご存じでしたか?御友人。」
ジャンカー・コヨーテスが根城としているグリット012。
居場所が発覚している為に使用していないと思われたが…
あえて利用し同盟部隊の捜索地点を攪乱させていた。
「カーラは私達が中央氷原に行く手助けをしてくれた。」
「でっかいクリーナーと戦う羽目になったりしたけどね。」
「相変わらずですね…それにしても、こんなに可愛らしい御友人を隠していたのは心外ですよ。」
オーネストはパイロットスーツから指定した服に着替える様にと二人に強要。
現在の二人はこのような姿になっている。
むすっとした表情のラークと…
良く分からず恥ずかしい表情のフェアリーである。
「良くお似合いですよ、可愛らしい子ウサギの御友人。」
二人の姿にニッコリと笑みを浮かべるブルートゥ。
「良く言うよ、僕達に爆弾まで付けてここまで連れて来た奴が…!?」
「ラーク!?」
「私の可愛い子ウサギさんはそんな口を聞いてはいけませんよ?」
「!?」
何時もの様に悪態付いて話すラークだったが…
話し終えようとした時にラークの頸を握り絞めたブルートゥ。
それに驚くフェアリー。
余りの早さに二人の思考は追いついていない。
あるとすれば、ブルートゥが笑って今の行動を起こしていると言う点である。
「ゲホッ…!」
「ラーク、大丈夫!?」
「う、うん…」
一度、ブルートゥの手から解放されたラークは咳き込みながらフェアリーに答えた。
「おや、私とした事が……危うく壊す所でした。」
ブルートゥの笑っていない眼。
その細めから見える眼孔が異常であると二人は再確認した。
更に二人を嫌悪感と恐怖が襲った。
「ラークを傷付けないで。」
再び手を伸ばしたブルートゥに対してフェアリーは弱弱しく答える。
ラークよりも恐怖でフルフルと震えているのが目に見えていた。
「すみませんね、脅かすつもりはなかったのですが…」
ブルートゥの冷たい手がフェアリーの頬を摩った。
「ですが、御友人のそんな表情も可愛らしくて素敵ですよ?」
突如、ブルートゥの私室に入る緊急通信。
部下からの情報で口元を歪ませた。
「どうやらお迎えが来たようですね?」
ブルートゥはニヤリと答えた。
>>>>>>
通信から聞こえたのは地獄からの叫び。
『いい度胸だ、死にたがり共っ!!』
グリット012の崩落し掛けた施設より爆発音が響き渡る。
一人の地獄がそれを体現したのだ。
『だが、貴様らにやるのは地獄への…片道切符だ!!!』
ミシガンのライガーテイルに装備された拡散爆裂筒の武装。
それが敵MT部隊へ向かって宙を舞い炸裂した。
更にグリット012に点在する迎撃用の無人タレット。
それらも遠距離からの狙撃によって破壊されていた。
『ハイエナの様な屑犬にはお似合いの末路です。』
グリット012の全体を見渡せる一角。
オープンフェイスから放たれたのは試作武装のスタンニードルランチャー。
本来なら別の目的の為に使用される予定だったが、試射目的も兼ねて装備して来たらしい。
『再教育…いえ、最終指導を始めましょうか?』
オープンフェイスのコアの中でスネイルが眼鏡型のバイザーを掛け直すとかつての冷酷な閣下の表情で答えた。
そう…
グリット012に二人の地獄がやってきたのだ。
=続=
次回、暗躍するアルカナの協力者達とある仕立人の話。