ティンカーベルの子   作:宵月颯

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グリット012脱出。


脱出・1

前回の一件から少し時を戻し…

 

洋上都市ザイレムのメインタワーにて。

 

グリット012に追加の援軍を送った同盟部隊。

 

だが、この行動を見通して封鎖機構が仕掛けてきたのである。

 

現時点で優秀な指揮官が二名不在。

 

更に空戦対応のラークとフェアリーが欠けている為に対空戦力が著しく低下していた。

 

間の悪い事に他の拠点が例の地底湖都市オアスを襲撃した起動兵器の同時襲撃を受けている。

 

今までの沈黙はこの為の…アルカナの仕掛けた作戦だったのだろう。

 

 

******

 

 

所変わってメインタワーの司令室にて。

 

管理AIのマナが状況説明を行っていた。

 

 

『現戦力でザイレムの防衛は可能ですが、グリット012へ救援を送らなければなりません。』

 

 

輸送ヘリの移動力ではオアスを襲撃した起動兵器に追いつかれてしまう。

 

以前鹵獲した強襲艦を動かすにも封鎖機構の部隊が網を張っている為に道中で破壊される危険性があった…

 

 

『マナ、話がある。』

『オッツダルヴァ、何でしょうか?』

『私が組織離脱の際に持参したコンテナを覚えているか?』

『はい、指定区域にあったコンテナは既に回収済みです。』

『あれには…その包囲網を突破する装備が入っている。』

『…確認します。』

 

 

指定区画で待機していたオッツダルヴァからの通信。

 

マナは回収したコンテナを確認すると…

 

 

『確認完了、モニターに表示します。』

 

 

マナはコンテナの中身をモニターに表示する。

 

それはある意味で巨大なブースターだった…

 

装備名は『ヴァンガード・オーバード・ブースト』通称VOBと記載。

 

ACに装備し一定の距離を高速で移動する包囲網突破の為の使い捨て装備だった。

 

 

「これはまた…」

「オッツダルヴァ、これが君の言っていた秘策か?」

『その通りだ。』

 

 

モニターに表示された装備を確認するホーキンスとナイル。

 

 

『問題はこのVOBが私のACに合わせたものだと言う事だ。』

 

 

つまり装備出来るのはオッツダルヴァのACステイシスだけと言う意味。

 

 

『私は現在も隔離対象である事は理解している……』

 

 

敵のスパイではないと確証が持てない以上は下手に動かせない。

 

だが、その空気を破る様にフロイトがオッツダルヴァに尋ねた。

 

 

「オッツダルヴァ、君のACのコアブロックに人を乗せる事は可能か?」

『可能だが一体何を…?』

「俺が君に乗れば見張り役になるだろう?」

 

 

これにはホーキンスも静止の言葉をかけた。

 

 

「フロイト、それは私でも許可は出来ないよ。」

 

 

フロイトは現時点で強化措置を受けていない真っ新な真人間である。

 

時速2000km級の速度を発揮するVOBのGに耐え切れないと彼は答えた。

 

そこでオッツダルヴァは問題点はないと告げる。

 

 

『それについてだが、私のACのコアには対G装備が施されている。』

「問題はないと?」

『ああ、だが…私のACには忌まわしい呪いが残っている。』

 

 

オッツダルヴァのACは彼が生きてきた頃、常に纏わりついていた呪いが残っていた。

 

乗れば最後…搭乗者を死に至らしめるとされた呪い。

 

それがコーラルに置き換わっている以上、何が起こっても不思議じゃない。

 

最悪、コーラル被曝を起こす可能性もあった。

 

 

『それでも、私に乗る覚悟はあるか?』

「なければ、進言しないだろう?」

『判った。』

 

 

オッツダルヴァとフロイトの了承は済んだ為にホーキンスはため息を付いて答えた。

 

 

「…これはスネイルが帰って来たら大目玉だよ。」

 

 

やれやれと言いつつも仕方がなく許可を出した。

 

 

 

『オッツダルヴァとフロイト…グリット012へ運んで欲しいものがあります。』

 

 

 

マナは別のモニターにある大型兵装を映し出した。

 

 

 

「これは…!」

『…小型のAFか?』

『正式名称アームズ・ウェポン・ハンガー…略称はAWHです。』

 

 

 

マナは三基のAWHを表示。

 

それについて説明を続けた。

 

 

『これは順にACフェニックス、ACティンカーベル、ACフリューゲルに合わせたものです。』

 

 

近接とミサイル兵装メインのAWH。

 

遠距離とレーザー兵装メインのAWH。

 

AC同様に兵装換装が可能なAHW。

 

空飛ぶ武器庫と言っても可笑しくないもの。

 

バルテウスやカタフラクトとは違い、単機で艦隊戦も行える能力を備えていた。

 

 

『ザイレム防衛の一環で製造していましたが、同盟部隊の協力を得た事で凍結した大型換装兵器です。』

 

 

マナは緊急事態である事で凍結を解除しグリット012へ輸送して欲しいと告げた。

 

 

『道中のオート操縦は既に指定してあります。』

 

 

完全に稼働させるにはフェニックスとティンカーベルのジェネレーターが必要。

 

残りの一つはACフリューゲルに試験的に搭載したジェネレーターで賄える仕様となっていた。

 

 

『カーラの話していた対機動兵器のパーツ回収に必要な戦力です。』

「判った、必ず届ける。」

『お願いします。』

 

 

時間は迫っていた。

 

ザイレム防衛に並行して各自行動を開始した。

 

 

=続=




AFのネタを出すならこれもアリかと…

更新は一週間置きを目安に投稿したいと思います。

年末年始がお仕事確定になりましたのでorz。


アンケートは『何故かACになりました。』に決定しました。

長らくお待たせして申し訳ありません。

脱出編が終わり次第、投稿します。
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