ティンカーベルの子   作:宵月颯

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アイスワーム討伐戦前の作戦会議と下準備。






氷蟲・1

グリット012での事件から一週間が経過した。

 

ザイレムの状態は依然と同じ様に戻り、防衛力に関しては申し分ない。

 

同時に起きた出来事と言えば、奪われたバートラム旧宇宙港の奪還が成功した事位だろう。

 

理由はカーラが旧宇宙港に残された設備を使用したいと申し出た為だ。

 

その理由は今から始まる作戦会議で明かされる事となる。

 

 

******

 

 

<ザイレム・メインタワー>

 

 

その上層区画にあるブリーフィングルームにて。

 

今回の戦いの総仕上げとも言える作戦が提示された。

 

失敗すれば、アルカナに屈するしかない。

 

それが判っている以上、それぞれの表情は険しいままだった。

 

 

「…全員揃ったな?」

 

 

円卓の座席にそれぞれの部隊長とナンバーズが着席。

 

第一声はミシガンからである。

 

敗北する気はないと言う彼らしい言葉だ。

 

 

 

「今回は同盟部隊全勢力を上げての討伐ミッション…」

 

 

 

各座席に表示される大型機動兵器の映像が映し出されると…

 

 

「この氷原の化け物退治だ!!」

 

 

ミシガンのお決まりの威厳あるボイスが放たれた後に会議が始まった。

 

 

『まず、皆さんにこの機動兵器についてご説明いたします。』

 

 

 

マナによって始まった説明。

 

 

起動兵器の名は“アイスワーム”。

 

ルビコン開拓時代に製造された自律防衛型C兵器です。

 

現在は惑星封鎖機構…アルカナの手によって落ちた模様。

 

四拠点を襲ったアイスワームは四基ですが、これを統括する存在が判明しました。

 

仮称として“マザーワーム”と呼ぶ事にします。

 

此方は技研都市が建設されたウォッチポイント・アルファの区画整理に使用されていました。

 

そして他のアイスワームを制御しているメイン端末と推測します。

 

このマザーワームは現在四拠点を結ぶ中間位置で停止。

 

中央氷原のコーラル採掘へ向かった他のアイスワームを呼び寄せている様です。

 

 

「つまり、奴らも本腰を入れてきたと言う事か?」

『はい。ここで我々が防衛中の輸送と供給エリアを壊滅させ、ザイレムへの兵糧攻めを行うかと…』

「…事前に配布されたデータを閲覧しましたが、一筋縄ではいきませんね。」

 

 

ミシガンの危機感、マナの推測と今後の行動、スネイルの慎重な発言が続いた。

 

 

「このアイスワームにはプライマリシールドとセカンダリシールドが搭載されている。」

『二つのシールドの厄介さは私の時代以降も続いていたが…』

「オッツダルヴァ、貴方達の時代ではどの様な対処を?」

『当時はシールド発生装置の不備を突いての戦法が主だったが、同じ手が通用するとは思えない。』

「では、プライマリシールドとセカンダリシールドをそれぞれ破壊する二役が必要ですね。」

 

 

オッツダルヴァの時代でも使用されていたシールド破壊の戦術。

 

当時は発足してまだ間もない時代だったからこそ通用したものの今となっては通用しない。

 

スネイルは確実に破壊する為にシールド破壊に二役が必要であると答えた。

 

 

「マナ、アイスワームは兎も角…あのイカレ野郎が居た場所に現れた親玉も同じ構造なのか?」

『ミシガン…マザーワームも同じ規格を使用していますが、問題は出力です。』

 

 

マナ曰く、マザーワームはアイスワーム以上の出力を兼ね備えている為。

 

シールドも生半可な攻撃では破壊不可能と答えた。

 

 

『アイスワーム級であれば、ACの武装で対処可能ですが…』

 

 

一息ついた後に告げた。

 

 

『調査の結果、マザーはACでの対処は不可能と判断します。』

 

 

このマナの答えに対しスネイルとミシガンは秘策を出すべきと申告した。

 

 

「…でしたら、アレを出すしかありませんね。」

「だな、封鎖機構からぶん捕った玩具のお披露目にも丁度いい!!」

 

 

二人が答えたアレと玩具は同一の事であり…

 

更に二人の表情がえげつなく凶悪な面構えである事はその場の全員が理解した。

 

 

「…(タカが外れたと言うべきか、吹っ切れたと言うべきか、元上層部が見たら驚くよ…スネイル君。」

「…(またミシガンの悪い癖が出たな。」

 

 

次席補佐官のホーキンスと副長であるナイルも遠い眼をせざる負えなかった。

 

 

 

「作戦決行は明朝、各自準備を進める様に!!」

 

 

 

かくして、マナが製造していた秘蔵品を用いた迎撃作戦が明朝の夜明けと共に展開される事となった。

 

 

 

=続=

 

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