アイスワーム改めマザーワーム討伐戦前の下準備。
前回、討伐作戦の詳細が参画メンバーに周知された後。
ザイレムの工廠エリアは慌ただしく稼働音を響かせていた。
作戦の為に持ち得る資材と戦力を導入する為である。
失敗は許されない。
作戦失敗は同盟部隊の壊滅。
べリウスの惨劇を引き起こしたアルカナのやり方を知った以上…
自分達に退路はない。
ただ…進むしかないのだ。
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<ザイレム・メインタワー>
前回のザイレム強襲を受けて、メインタワーの一区画に設置された医療施設。
そこにラークとフェアリーが搬送され、治療を受けていた。
現在は現場復帰を兼ねてリハビリの最中であるが、討伐作戦の詳細が彼女達にも伝えられた。
病み上がりの彼女達を出すのは憚れるが、状況が状況なだけに戦力が必要だった。
「では、作戦内容を説明します。」
ベッドの上で上半身だけを起こして、スネイルから作戦内容が説明された。
「今回の作戦はマザーワームの破壊です。」
手元に配布された電子端末で手順が表示される。
「まず、マザーワームを倒す為に他のアイスワームの注意を削がなければなりません。」
マザーワームを護衛する四基のアイスワーム。
それらを四拠点に誘い込んで足止めし、マザーワームの戦力を削ぐ。
マザーワームは通常装備のMTやACの火力では全くの無傷である為…
その為、バートラム旧宇宙港の電力供給施設を利用した兵器も利用する事となった。
「RaD謹製のオーバードレールキャノンとAWHによる総攻撃を仕掛けます。」
このオーバードレールキャノンにはアーキバス系列の技術協力もあり、出力には問題はない。
また、AWHにはプライマリシールドを破壊する為にスタンニードルランチャーの装備が施されていた。
「マザーのプライマリシールドをスタンニードルランチャーの二撃で破壊しオーバードレールキャノンでセカンダリシールドを破壊後が問題です。」
「つまり…奴の面の皮を剥がした後に三撃目を加える必要がある。」
スネイルの説明の後にミシガンが要点を纏めた。
「それを僕らでするの?」
「その通りです。現状でAWHの装備対応がされたACは貴方達だけですので。」
「…責任重大。」
「勿論、マザーの注意を引き付ける為に一部ナンバーズも出撃します。」
『ですが、ザイレムの防衛もありますので少数精鋭と言う形となりました。』
「エア、配備の方は?」
『マナと連携し各地点の配置を行いました。』
電子端末にエアの提示した人員配備のリストが追加される。
バートラム旧宇宙港へラスティ、ローズネイル、オッツダルヴァ。
ラスティにはオーバードレールキャノンの射手を行って貰う為、この配置となった。
護衛にローズネイルとオッツダルヴァを配備。
アルカナの強襲に備えて、アルカナのACに対処出来る二人が選出された。
ハーロフ通信基地へヴォルタ、レッド、ネルソン。
ヴォルタにはカタクラフト装備でアイスワーム・Aを抑える。
僚機にレッドとネルソンを配備。
ヨルゲン燃料基地へスウィンバーン、メーテルリンク、ペイター。
スウィンバーンにはバルテウス装備でアイスワーム・Bを抑える。
燃料基地への損傷を避ける為に道中の平原で待ち構える形だ。
僚機にメーテルリンクとペイターを配備。
オアス産業海港へハウンズ。
イーグルはカタフラクト装備で地下都市跡地に潜伏するアイスワーム・Cを抑える。
僚機にクレイン、シーガル、ドゥスターを配備。
ヒアルマー観測所へ六文銭と解放戦線。
解放戦線のMT部隊から適性者を選出、バルテウス装備でアイスワーム・Dを抑える。
僚機に六文銭と鹵獲したHC型数機を配置。
残りの人員はザイレムの防衛へと回された。
アルカナの動きが複雑である以上、防衛の人員を割くのは極力避けるべきとマナからの申告である。
「最後の親玉は四拠点の中心、中央氷原で迎え撃つ。」
中央氷原へ向かうのはAWH装備のレイヴン、ラーク、フェアリー。
僚機にイグアス、スネイル、チャティ。
『これが、現時点で最も成功率の高い配置となります。』
誰が欠けても任務は成功させなければならない。
エアはそう伝えるかの様に答えた。
「…かえる。ぜんいんで。」
『ええ、レイヴン…私達にはやらなければならない事があります。』
アルカナの潜む技研都市への潜入。
その入り口であるウォッチポイントαを守護するマザーワームの破壊。
「僕らでやるんだ。」
「うん。」
出来得る事をする為にラークとフェアリーの決心を告げる声。
「これがアルカナに対する…我々の次なる反抗です。」
「奴らにデカい花火を打ち上げるぞ!!」
同盟部隊による総力を挙げての作戦。
アルカナの真相に辿り着く為にも…
生死を掛けた避けられない戦いが一刻と迫っていた。
=続=