ティンカーベルの子   作:宵月颯

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マザーワーム討伐戦開始。


氷蟲・3

前回、主要メンバーに対して作戦内容が伝達された。

 

AWHの試運転を行わない。

 

ぶっつけ本番を強いられるラークとフェアリー。

 

だが、泣き言を言う二人ではない。

 

それぞれが作戦地点へと搬送され…

 

決行時間を迎えようとしていた。

 

 

******

 

 

紺色の空に紅いコーラルが混じる事で紫色へと変わる。

 

ルビコン3の夜明け。

 

各地点で各々がACを起動させ、戦闘態勢に入る。

 

 

『メインシステム、起動。』

 

 

何時もの無機質な音声がコアブロックに響いた。

 

 

 

『各機、聞こえるな?これより…討伐作戦を開始するっ!!』

『…各員の健闘を祈ります。』

『ここで落ちれば、もう後はない。』

『我々の明日の為に…』

 

 

指揮官達のエールと共に作戦が開始。

 

四拠点に潜伏する四基のアイスワームを炙り出しが始まった。

 

マナが開発したコーラルを封入したドローンの疑似餌。

 

それらが展開し地中に潜むアイスワームが稼働を開始。

 

餌に釣られて、地表へと這い出て行った。

 

 

『G13、G10、ヴェスパー10、囮部隊が蟲共と交戦を開始した。』

『G10とヴェスパー10はマザーワームの反応を追ってください。』

『オッケー!!』

『了解。』 

 

 

中央氷原の上空。

 

 

三基のAWHに追加搭載された牽引アンカーにACが各一機ずつ接続。

 

レイヴンのACフリューゲル用のAWH・ヤタガラス。

 

僚機としてチャティ・スティックのACサーカス。

 

ラークのACフェニックス用のAHW・ヘリオース。

 

僚機としてイグアスのACヘッドブリンガー。

 

フェアリーのACティンカーベル用のAWH・ティターニア。

 

僚機としてスネイルのACオープンフェイス。

 

以上の編成となっている。

 

 

『現場の統率はそちらに任せるぞ!!』

『判りました。此方は任せて頂きます。』

 

 

かつては、水と油の様な関係だったミシガンとスネイル。

 

前回の騒動もあってか、息がピッタリの状態に変化していた。

 

 

『レイヴン、こう言う事もあるのですね。』

『いいこと。』

 

 

エアはレイヴンと交信し二人の様子を興味深く見ていた。

 

それに対してレイヴンもまた良かったと答えた。

 

 

『ビジター、ボスから伝言を預かっている。』

『…』

『折角の大勝負だ、楽しんで来な。だそうだ。』

『わかった。』

 

 

レイヴンの僚機として今回の作戦に参加している独立AIのチャティ。

 

火力支援としてRaD製のパーツを施した軽量タンクACでの参加である。

 

 

『チャティ。この作戦が終わったら、またアリーナで相手をしてね。』

『一緒に練習。』

『…考えて置く。』

 

 

グリット086での騒動でチャティと仲良くなったラークとフェアリー。

 

カーラも良い傾向と言う事で二人とのやり取りを容認している。

 

チャティにしてみれば、驚きの連続でもあり…今では慣れてしまっていた。

 

彼が求めていた『笑う』と言う感情に気づけたのも、二人のお陰である為に…

 

 

『二人共、作戦中ですよ…私語は程々に願います。』

 

 

作戦中の為、私語を慎む様にと注意を促すスネイル。

 

彼もチャティの思考やその構造に興味を示しており…

 

今後の製品開発のヒントにしようとしていたりしていた。

 

 

『『はーい。』』

 

 

ラークとフェアリーもスネイルの注意を素直に受けていた。

 

 

『んで、親玉の気配は判ったのか?』

 

 

イグアスは経過報告をエアに尋ねた。

 

レイヴンも同様にエアへ説明を頼んでいる。

 

 

『えあ。』

『イグアス、レイヴン…現在の地点から反応を感じますが、まだ地底に潜伏している様です。』

 

 

エアの報告にラークとフェアリーも感じ取った気配の様子を告げた。

 

 

『あっちもこっちの動きが判っているっぽいけどね。』

『うん、あの大きい蟲の中のコーラル達はこっちに気づいてる。』

『…品定めでもしているのでしょうか?』

 

 

 

四拠点の囮作戦が続いている間にもマザーワームを誘き寄せなければならない。

 

 

 

『えあ、こーらるのりょうを…』

『それしかありませんね。』

 

 

 

レイヴンはエアにある方法を告げた。

 

 

交信でレイヴンの指示を確認すると彼女も了承。

 

 

 

『ヴェスパー2、コーラルドライブで周囲のコーラル濃度を上昇させ、マザーを誘き寄せる方法を推奨します。』

『…成程、判りました。』

 

 

 

出力上、想定していた戦闘に支障はないと判断。

 

スネイルはエアの提案を了承した。

 

 

 

『ラーク、フェアリー…準備はいいですね?』

『任された!』

『うん、大丈夫。』

 

 

 

二人はAWHに増設されたコーラルドライブを起動。

 

周囲のコーラル濃度を上昇させた。

 

同時に地中から地響きと氷原を破壊しながら、目的の物体が行動を開始した。

 

 

 

『G1、マザーの出現を確認。』

『よし、こっちも例の馬鹿デカい大砲の準備は整った!!』

『ヴェスパー4、そちらは任せますよ?』

『了解した。』

 

 

 

バートラム旧宇宙港でオーバードレールキャノンに接続されたラスティのACスティールヘイズ。

 

 

コアブロックから中央氷原に出現したマザーワームを捕らえていた。

 

 

 

『レイヴン、ラーク、フェアリー、AWHより僚機を投下します。』

 

 

エアは牽引アンカーのロックを解除し地上へ僚機ACを投下。

 

地上に着地したチャティ、イグアス、スネイル。

 

目処前にはアイスワームの三倍の巨体を誇るマザーワームが巨体をくねらせていた。

 

 

 

『突撃しろ!!役立たず共っ!!』

 

 

 

ミシガンの号令の元、各自行動を開始した。

 

 

=続=

 

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