ティンカーベルの子   作:宵月颯

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ザイレムでの一幕。




転覆

 

レイヴンらがウォッチポイントαを入口を掌握した頃。

 

ザイレムでは招かれざる客人達の相手をしていたレッドガンとヴェスパー。

 

現場を知らず、目先の利益だけを求める上層部に対して…

 

やる事は既に決まっていた。

 

 

*******

 

 

ザイレムのメインタワー。

 

同盟部隊の各代表が集結し、これから訪れるゴミ客人に対する反逆の手を考えていた。

 

レッドガンはミシガンの古巣であるファーロン武装船団の後の姿…

 

ファーロン・ダイナミクス社を筆頭とした下部ベイラム系列企業と連携しベイラム本社への反逆を企てていた。

 

同じくヴェスパーはシュナイダー社を筆頭とした下部企業の手を借りて…

 

アーキバス本社を掌握する手筈を進めていた。

 

様は上層部に対して下剋上するべく着々と準備を整えていたのだ。

 

その導火線に火を点けるタイミングを見計らっていたが…

 

時が訪れたのである。

 

 

「どう出る?」

 

 

ウォルターの質問に対してシンプルに答えるミシガン。

 

 

「敵を懐に誘い込む。」

「・・・相変わらず、無茶な作戦を。」

「あの馬鹿共には十分威力があると思うが?」

 

 

現場を知らない上層部ならのた打ち回るだろうと豪語するミシガンに対し…

 

フラットウェルは危険を孕んでいそうだと忠告めいた言葉を告げた。

 

 

「ですが、向こうも・・・そう簡単に引っ掛かってくれますかね?」

 

 

そんなフラットウェルへ…

 

 

「それらを想定しての、我々の決起です。」

 

 

スネイルは持ち得る手札を効率よく配分し終えたデータを見せながら、自信あり気に答えた。

 

 

「コーラル争奪戦に終止符を打つ為にも…外側の不穏分子は取り除くべきです。」

 

 

ベイラムとアーキバス双方への大規模な反逆作戦。

 

それは封鎖機構内の反逆派閥となったチームから提示された作戦であった。

 

彼らは統括AIオールマインドの不可解な行動を察知し密かに行動を進めていた。

 

彼らを統括するリーダー達も五十年間の間、自問自答を繰り返していた。

 

 

 

“アイビスの火で民間人が多く残るルビコンを封鎖する必要が、あったのかと?”

 

 

 

オールマインドが提示した作戦や任務内容はルビコンの封鎖やルビコンへの入港する人員制限。

 

それは何かを隠したいと思わせる行動に見えた。

 

調査の結果、コーラルは人と似た変異波形を持ち…

 

人との対話が可能であると反逆派閥も知ったのである。

 

同盟部隊が封鎖機構を掌握したオールマインドとアルカナに対して活動する様子を傍受し…

 

反逆派閥のリーダー達は彼らと手を組む事を選んだ。

 

手土産としてルビコンへ向けられている衛生軌道上にあるレーザー砲。

 

それがオールマインドによって掌握され、独断使用されている情報を齎した。

 

 

「例の衛星軌道にあるレーザー砲はアタシらRaDにエアとマナがハッキングを行って掌握する算段を立てている。」

 

 

スネイルの提示した作戦を確認していたカーラからの横槍。

 

 

「ええ、ですが…技研都市跡地にあるアルカナの本拠地を叩いてからです。」

「入口はG13達が掌握したが…」

 

 

スネイルに続きミシガンが話を進めようとしたが、C兵器の情報を持つカーラとウォルターによって遮られた。

 

 

「問題は次だよ、技研都市へ物資を届けていた輸送路…あそこには技研の連中が遺した番犬が居る。」

 

 

別のモニターにオッツダルヴァが齎した、ある兵器の映像を映し出す。

 

 

「…エンフォーサー。」

「普段は重量タンク型だが…変形機構を持ち大型二脚型になる化け物。」

「オッツダルヴァの情報では既に組み上げられてあり、今も輸送路に潜伏している。」

 

 

ウォルターが第二区画である輸送路の大まかな地図で潜伏位置をモニターで示す。

 

 

「こいつは複数のACが束になっても手こずる相手さ。」

「開発当時もコーラルを狙う輩は多かった…その為の防衛兵器だった。」

「襲撃するなら第三区画へ続くエレベーターホールでやった方が良い。」

「前と同じであるなら奴は守備区画への損傷を最小限にする命令が組み込まれたままだ。」

「奴らだって抜け道、通路を塞ぐ事はしないだろうさ…」

 

 

敵の攻撃手段を奪う形での襲撃。

 

レイヴンらは入り口の確保を行った後、補給の後に輸送路へ向かう準備を進めていた。

 

メンバーは前回と同じであり、今も追加戦力を送れない状態が続いている。

 

 

「話を戻すが、ナイル達に上層部の奴らを十分抑えて貰った。」

「後は“此方側の流儀に沿った話し合い”で終わらせましょう。」

「…物騒な物言いに聞こえるが?」

「いいんじゃないかい。その話し合いとやらは?」

「…私は何も見ていないし聞いていない。」

 

 

ファーロン時代の凶悪な面構えとなったミシガン。

 

同じく再教育センターでの冷酷な表情のスネイル。

 

オチが判っているせいか溜息を付くウォルター。

 

同じく結果が見えていて笑いこけるカーラ。

 

そんな彼らに対して現実逃避をするフラットウェル。

 

 

『では、始めましょう…我々の反逆を。』

 

 

マナの号令と同時にザイレムのメインシステムを起動。

 

客人達を分断する行動に移った。

 

 

 

「レッドガン、気合を入れろ!!客人共に鳴いて媚びる地獄を見せろっ!!」

 

 

 

『『『おおおーーーー!!!』』』

 

 

 

「ヴェスパー各員に告ぐ。作戦を開始します。」

 

 

 

『『『了解!』』』

 

 

 

ミシガンとスネイルがそれぞれ待機していた部下達に指示を送った。

 

場所は来訪している上層部と護衛が待機している区画。

 

その指示内容は襲撃。

 

肥え太った豚共を駆逐する行動に移ったのである。

 

 

 

「621、エア、ハウンズ達…此方は心配するな。」

 

 

不穏な流れをするコーラルの空を窓越しに眺めながら…

 

ウォルターは彼らの帰還を祈った。

 

 

「無事に帰ってこい、俺の子供達。」

 

 

 

=続=

 





次回、話が…かなり飛びます。

PCの不調は続いていますが…

年末までにもう二話上げられる様に頑張ります。
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