封鎖機構・反逆派閥の会話
同盟部隊がザイレムで客人の歓迎を終え…
レイヴンらがウォッチポイント・アルファの第二区画を掌握した頃。
ルビコン3を管理する監視衛星の司令部ブロックでは新たな動きがあった。
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「隊長、これからどうしますか?」
「…」
「オールマインドもあの件を既に察知している筈です。」
「…」
「隊長…いや、ファットマン。」
司令部の一区画にあるロッカールーム。
そこで話し合う数名の姿があった。
ファットマンと呼ばれた人物は休憩用のスペースで煙草に火を点けてから一呼吸置いた。
「俺達が残してしまった厄介事にアイツらは真っ向から勝負を挑んでいる。」
「…」
「なら、俺達も手助けしてやろう。」
「反乱すると?」
「そう言う事だ。どの道…奴にも感づかれている以上はここに居るのも潮時だ。」
「判った。他の連中にも声を掛けて置く。」
ファットマンと呼ばれた者達はオールマインドの計画で作り出された異物である。
戦闘AIにコーラルに散逸していた過去のAC乗り達の意識をサルベージし転写する計画。
これにより異物とも言われる弊害が出ていた。
オールマインドにとって忠実な駒となり得る者達を確保出来たものの…
その意思に賛同する事を拒否する意識も存在した。
オッツダルヴァを始めとした反逆者達である。
そしてファットマン達も反逆の意思があるとオールマインドに判断された者達。
彼らを強化人間用の生体パーツを組み上げた仮初の身体に押し込んだのである。
表向きは封鎖機構の人員として、常に監視され…
有事の際には、封鎖機構として戦闘への参加を余儀なくされていた。
彼らの中のコーラルの量は以前の記憶を保有するだけの微量な量であり…
オールマインドに逆らえば、即座に肉体を取り上げられコーラルとして燃料にされる末路が待っていた。
が、ファットマン達は密かに独自でコーラルの抜け道を捜索していた。
それが今になって発見されたのである。
そのカギとなるのがC型変異波形のエアだった。
彼女の協力を持って、オールマインドから自分達の意識を守って貰う。
逆に自分達が彼女の協力者になる事を条件に反乱を企てたのだ。
「脱出にはかなり手こずるかもね。」
他の仲間達に声を掛ける為に室内を後にした者の他に…
もう二人がファットマンの前に待機していた。
その内の一人が告げた。
「ザイレムにはお前とマギーの子孫も居る。」
「…」
「如何言う事情があるのか分からないけど…子孫をニューハーフにした覚えはないわよ?」
「ま、色々とあったんだろうさ。」
「…ファットマン、アルカナには死神部隊のJも復活させられている。」
「判っている。」
「あの子の…彼らの障害になるのなら、彼と私で対応するわ。」
「フィスト、お前もそのつもりか?」
今まで口を閉ざしていた彼ことフィストを重い口を開けた。
「…俺達の因縁は俺達の手で着けるべきだ。」
人と似て異なる肉体。
今はコーラルの一部であっても、人だった頃の意思がそうさせていた。
「他のミグラントの連中もスタンバっている…早々に始めるぞ?」
「判った。」
封鎖機構でもまた特大の花火が撃ち上ろうとしていた。
彼らは評決の日を他者に委ねない。
彼らは自由の為に鳥籠から放たれようとしていた。
=続=
※フィスト
ACVDの主軸となった主人公でありVD時代のレイヴン。
名前の由来はモクレン科のコブシ…拳=フィスト。
花言葉は友情と歓迎。
マギーがマグノリア=モクレンなので対となる形となっている。
ファットマン達と同様にコーラルから引き上げられ、封鎖機構の人員として配属。
VD時代のAC=レッド・ナックルを駆る。
※ヴァーディクト
オールマインドによって強制されたファットマン率いる部隊。
その多くはVD時代のミグラント達で構成されている。
ビーハイヴ所属者は精神的思考パターンの関係でオールマインドによって排除された。
オールマインドによる行動に異議を唱え、反逆の時を待っていた。
VD時代のACとは言え、高火力、重武装が売りである事は変わりなく…
供給元があれば、鉄壁と化す一種の防衛部隊である。
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明けましておめでとうございます。
時間が無くて年明けとなりました。
続きは気長にお待ちください。