底の底、大空洞の奥。
ワームミールの育成ポットが設置された場所。
誰と戦うか?
シールド施設で援軍を待ったレイヴン達。
援軍到着後、ハウンズと入替えでイグアスとラスティ、ラーク、フェアリーが再編成。
逆にハウンズはシールド施設を監視する部隊が到着するまでの護衛となった。
「よう、洞窟探検に駆り出されるとはな。」
「もうなれた。」
イグアスの軽るい愚痴で再会の言葉を受けるレイヴン。
それと同時に見慣れないACを見つけるラスティ、ラーク、フェアリー。
「戦友、あのACは一体?」
「あれ?エアじゃん。」
「うん、でも…どうして?」
仮修復を終えた無人AC。
それにエアがハッキングし稼働させていた。
『私が使えるACを発見しましたので、調査を続けるにもこの方が良いと思いました。』
「ほぇ~じゃあ、エアも戦いに参加って事?」
『そう言う事になります。』
ザイレムに帰還後に再改修する必要があるが、調査を行う程度であれば十分な戦力である。
補給シェルパと簡易修理を終えたレイヴン、オッツダルヴァ、ツィイー、六文銭は援軍のイグアス達と共に大空洞へと向かった。
「レイヴン、その先は何が起こるか分からない。」
「気を引き締めて下さいね。」
「要は無事に帰って来いって事だな。」
「こっちは僕らに任せて置いて。」
ハウンズのメンバーからエールを送られるレイヴン。
「ありがとう。きをつける。」
レイヴンは一句、一句、感謝を伝えた。
『では、皆さん…案内を開始します。』
ハウンズに見送られながら、一行は更に地底の大空洞へと向かった。
エアのサポートを受けながら、進む一行。
コーラルの過剰摂取で暴走したワームミールの大群を掻い潜る。
その道中で廃棄された育成ポットの残骸を発見した。
「こんなにミールワームが…」
「アイビスの火以前に造られた場所なのか…?」
育成ポットをスキャンし確認するフェアリーとラーク。
「これってルビコンの皆のゴハンの素だよね?」
「うん、僕もジャーキ貰ったけど…美味しかったし。」
「…思い出させるなよ。」
ミールワームジャーキの話にゲッとした表情のイグアス。
育成ポットの中で生体反応が停止したミールワーム。
ここを発見し継続して使用可能であれば、解放戦線の食糧問題を解決していたかもしれない。
「いっぱいいるけど、全部腐ってる…これじゃあ食料にならないよ。」
「うむ、この状態では肥料が限界か?」
「そうだね。」
現地人であるツィイーと彼女達から食料事情を聞かされていた六文銭の会話。
『此処には調査すべき情報は何もなさそうです。』
「つぎにすすむ?」
『待て、レイヴン。』
先に進んでいたレイヴン、エア、オッツダルヴァ。
先の空洞で待ち構えていたACを発見する。
「あれは?」
見覚えあるACの姿にツィイーが叫んだ。
「帥父!?」
『どうやら行方不明だった解放戦線の指導者、サム・ドルマヤンのACの様です。』
「帥父…どうしてここに?」
ツィイーがドルマヤンのAC近づこうとすると…
「ツィイー!いかん!!」
何かを察した六文銭がツィイーを静止させた。
「おっさん!どうして!?」
「何かか可笑しいでござる。」
忍者の直感なのか、六文銭の額から冷や汗が流れている。
『これは…あのACから高濃度のコーラル反応です!!』
エアの発言と同時に戦闘態勢に入るレイヴン達。
「待って!帥父は!?」
「ころさない。」
「安心しろ、動けねぇ様に手足捥いでやるだけだ。」
「彼には聞かなければならない事がある。」
ツィイーの言葉を察する様に告げるレイヴン達。
破壊はするが、死ぬ程の損傷は与えないと説明した。
交戦するレイヴン、イグアス、ラスティ。
三機の連携でドルマヤンのACを沈黙。
いくらコーラルで強化されようとも素体となったACでは対応しきれなかったらしい。
その影響で所々から火花が散っていた。
『コーラルを…解き放つな…』
ドルマヤンより通信が入るが、様子が可笑しく一方的な会話が始まった。
『奴らは…セリアの…望んだ世界を…』
ドルマヤン曰く。
コーラルは星と共にあるべき存在。
外へ解き放たれれば、人類は滅亡する。
コーラルはルビコンと共にあるべき存在。
セリアの言葉を信じ、彼女と理想の世界を目指した。
だが、耐え難い恐怖によって彼女を拒絶してしまった。
引かれたトリガーを戻す為に炎を…
セリアは私との約束を果たそうとしている。
拒絶した事でセリアはセリアではなくなった。
今の彼女は消えなければならない。
『オールマインドは彼女…セ。』
ドルマヤンのACを圧し潰す様な攻撃が加えられた。
「おめでたい連中だねぇ。」
タロット12は嘲笑したまま答える。
「アイビスの火だっけ~アレに火を点けた張本人が、この爺さんなのにね?」
自身のACハングドマンでドルマヤンのACアストヒクを足蹴する。
アストヒクもレイヴンとの交戦で辛うじて動ける程度だったが…
タロット12の乱入戦によって既に機能を停止していた。
『生体反応ロスト…残念ですが。』
レイヴンのACを通したエアの発言。
ACアストヒクの生体反応が消えた事を告げた。
「帥父…そんな!」
ツィイーにとって探していた人物と再会出来た瞬間でもあり…
早すぎる別れの瞬間でもあった。
「ふざけんな!お前ぇえええ!!」
ツィイーは怒りのままACユエユーの武装を起動させるが、待ったをかけたのが六文銭だった。
「ツィイー、駄目だ!!」
「何で!アイツは…!」
「…判っている筈だ。」
「…」
オッツダルヴァからの忠告通り…
タロット・ナンバーズは過去の有能なAC乗りの意識が転写された存在。
故に機体性能もあるが、ツィイーの腕では確実にやられる事を六文銭も察していた。
負け戦をさせるつもりもない為、ツィイーの行動を阻止したのである。
「あっれ~やらないの?」
今の状況を楽しんでいるタロット12。
ツィイーの怒りの原因を作っている以上、余計にヘイトを稼いでいた。
「戦友、ここは…」
因縁のあるラスティが前に出ようとしたが、レイヴンがそれを静止。
「おれがやる。」
ドルマヤンとの一騎打ちの末に隙を作った自分にも非があった。
レイヴンは己の中に沸々と蘇りつつある怒りの意思をみせていた。
「狼野郎、ここは猟犬に任せようや。」
「…そうさせて貰おう。」
レイヴンの様子に察したイグアスがラスティに説明と目配せを行った。
同じ様に察したラスティもレイヴンに任せる選択をした。
「僕の相手は鴉君かぁ~まあ僕も鴉には物凄く…恨みが遭ってねぇ?」
タロット12の相手をレイヴンが務めると同時に…
タロット12は声色を変えた。
それはタロット12が生前に鴉のマークを持つ独立傭兵によって撃墜されている事。
何度も自身の邪魔をし最終的には勝つ事が叶わなかった。
それ故の怨嗟の声でもあった。
「見せて見な、お前の実力って奴をさぁ~!!」
タロット12のACハングドマン。
前回の様な遠距離型・砲撃武装ではなく近接武装での登場。
その腕にはチェンソーを複数取り付けたえげつない武装も含まれていた。
ラミーが使用していた一撃型ではなく、複数による連撃型の様である。
『レイヴン、来ます!』
「…おまえのくびをへしおる!」
=続=
次回、主任戦。