タロット12戦・その1。
前回と引き続き。
ウォッチポイント・アルファの地下大空洞の最深部にて。
アルカナ・ナンバーズの一人、タロット12の襲撃を受けた一行。
対峙するのはレイヴン。
進むべき先へ活路を見出す為に鴉は鉤爪を向けた。
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エアが引き続き交信でサポートに入るが、レイヴンもまた状況を察していた。
『レイヴン、あの武装…油断すれば。』
『わかっている。』
戦いの舞台は先の大空洞。
戦い方を誤れば、判るだろう。
戦闘による周囲への衝撃の度合いで地盤が緩み、大崩落に巻き込まれる。
逆にアルカナの戦闘は避けられない。
レイヴンの後方にはラスティ達が待機している。
一人だけならば、脱出の手立てがあっただろうが…
仲間を危険に晒す行為だけは避けなければならない。
目処前のACを倒すこと以外に…答えはないのだ。
『もしもーしキャロル?キャロり~ん?聞こえてるー?』
『…何でしょうか?』
何時もの緊張感のないタロット12の通信に対して…
冷めた声で応答する女性オペレーター。
オペレーターの名をキャロルと呼んでいた。
『お目当ての連中と接敵したから、そっちは任せたよ~!』
『…しかし。』
『だって、あっちのレイヴンよりこっちのレイヴンの方が面白いよ。』
『…』
『あっちはタロット13達に任せる。』
『了解しました。』
こうなった以上、梃子でも動かないと判断したキャロル。
タロット12の性格を知った上でだろう。
流れがスムーズな事からオペレーターも腐れ縁に近い存在と思われた。
『何だか…不憫に思えますね。』
『あいしょうがわるい。』
通信を聞いていたレイヴンとエアも同情せざる負えない様な発言をしていた。
だが、彼らの会話から判別で来た事もある。
先ず、あちら側のレイヴンの事だ。
レイヴンことC4-621が廃棄されたACより拝借した名義。
持ち主であるブランチのレイヴン。
その人物だろう。
『一度、彼らが私達と接触してきましたが…』
『…そりがあわない。』
彼らの望む行動と此方側が望む行動と噛み合わなかった。
この一件で同盟部隊の伝手を利用し…
レイヴンは正式に自身のIDを手に入れる手続きを行った。
今はハウンズのレイヴンとして行動している。
時折、ウォルターから621の愛称で呼ばれる事もあるが…
レイヴンはそれを受け入れている。
それもまた自分自身であった事の証だから。
『さってと…キャロりんとなが~いお話も終わった事だし。』
『うぉーみんぐあっぷはおわり。』
『そだね。』
場の空気が一気に変わった。
タロット12の本気が、殺気が、伝わって来たのだ。
『どっちが敵で味方なんてわかりゃしない組織だから……遊ぶだけ遊ぼうかぁ!!!』
=続=