その頃のレイヴン。
レイヴン奪還の為、タロット4ことレオスと交戦するエアとオッツダルヴァ達。
一方でレイヴンはレオスの記憶に書き換えられつつも…
自身の記憶を朧げな状態で垣間見ていた。
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過去の負傷によって肉体の多くを代替…
人工生体パーツで補っているレイヴン。
脳髄の一部もその生体パーツが生体機能を補っている。
更に強化人間化に伴う施術によって今もコーラルが残留し…
それがエアとの交信を繋げていた。
だが、このパーツこそがレオスの付け入る隙となったのも明白だった。
グリット012での戦闘でレイヴン達の脳髄にコーラル体で干渉。
その時に僅かばかりであるが、自身のコピーを定着させていた。
他の二名は失敗したが、比較的に定着がしやすいレイヴンに白羽の矢が刺さった。
そして、ウォッチポイントαの最深部に置ける戦いに置いて…
それが、目覚めたのである。
このレオスの意識はあくまでコピーであり、グリット012で搭乗していたナインボール・セラフと合流しなければ…
救助の見込みはあった。
オッツダルヴァはそれを推測しエアと共有。
何が何でもレオスを逃がす訳にはいかなかったのだ。
そんな二人の奮闘中もレイヴンの意識はレオスによって徐々に沈められていった。
「…」
これは?
俺の記憶。
俺の記憶?
「…」
レイヴンが持つ記憶はウォルターによって買われた時の事。
再起動し、ストレッチャーで運ばれる記憶からだった。
「うぉるたー」
身体を動かせない俺に対して答えたウォルターの一声。
“621、お前に生きる意味を与えてやる。”
これが俺とウォルターとの出会い。
数か月間のリハビリの末、俺はウォルターの指示でルビコン3へ向かった。
無機質なAI音声で目覚めると廃棄されたグリットに射出用ポットで降下。
道中のMTを排除しながら、使用出来るIDの確保。
そして封鎖機構の武装ヘリとの戦闘。
偽名レイヴンとして活動を開始。
俺の…長い闘いの始まりの合図でもあった。
ベイラムとアーキバスからのばら撒き依頼をこなしつつ…
ガリア多重ダムでの戦闘。
ストライダーの破壊と護衛。
壁越え。
べリウス地方のウォッチポイントでのスッラとの戦い。
エアとの出会い。
アーレア海を越える為にグリット086を指揮するカーラの元へ。
カーゴランチャーでの技研の遺産との戦闘。
海越えを行い…中央氷原へ。
「…」
だが、そこから徐々に狂い出した。
ベイラムとアーキバスのばら撒き依頼をこなしつつ…
封鎖機構との戦闘。
アイスワーム戦。
ウォッチポイントアルファの調査。
そして…
エアの死。
ウォルターの死。
全てがコーラルとなる結末を迎えた。
何も残らない。
あるのは全てがコーラルと同化し人と言う存在が消えた事。
「おれは…」
俺はもう手放さない。
帰ろう、信じた先へ。
変えるんだ、未来を。
「…かえるんだ!!」
この時、レイヴンのACのコーラル発光に変化が生じた。
=続=